米国の生物資源バンク「ATCC」でオンライン販売されているジカウイルス
・ATCC
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世界最大の生物資源バンクATCCでのオンライン販売。ジカウイルスの価格は6万円
今朝あたりから倦怠感が強くて、「なんか体調が妙だなあ」と思っていましたら、そのうちノドなどが腫れてきたりしていまして、どうも風邪のようなものを引いたようです。
まあ、風邪がどうかよくわからないですが、今日知った「あること」をひとつだけお知らせしておきたいと思います。
それはタイトルに書いた通りなんですけれど、何度か記事にしているジカウイルスなんですが、これが「オンライン買える」ことがわかったんです。
しかも、1947年から。
最初は意味がわからなかったのですが、冒頭に載せました販売ページは、ATCC という組織のサイトでして、これはどんなものかといいますと、ATCC分譲サービスというページでの日本語での説明によりますと。
ATCC(American Type Culture Collection)は、1925年に米国に設立された世界最大の生物資源バンクです。
細胞株は3,400種以上、微生物株(酵母、カビ、原虫含む)は約72,000種類、遺伝子株は約800万種類を保存・分譲しており、世界中のバイオ研究者に広く利用されています。
ATCCよりin vivoの世界に一歩近づいた条件でご実験を検討される研究者様向けに、正常ヒト初代細胞(プライマリーセル)を2009年より販売開始し、さらに2012年よりヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の分譲を開始いたしました。是非、信頼と実績のある高品質なATCC分譲サービスをご利用ください。
というもので、要するに「研究者向けに各種の微生物を販売している」という学術的な目的のためのサービスのようで、その中にジカウイルスもあったということになります。
このサイトのトップページ「最新トピックス・キャンペーン情報」というコーナーには、
ウイルス合成DNA·RNA標準品のご案内
ATCCではデング及びチクングニアウイルスをはじめとした取り扱いの難しいウイルスのDNA·RNAの合成標準品を分譲しています。各ウイルスの検査·定量やご研究にぜひご活用ください。
商品のチラシはこちら(PDF)
ということで、PDFのチラシを見てみますと、まるでそれが恐ろしい病原菌だということを忘れてしまうかのように、カタログ的に、ウイルスの文字が並んでいます。
中には、ジャパネットたかた社の番組を見ているような「何と今ならセットでこのお値段!」という風情の表示もあります。
「こりゃお得だ。よし、すぐ電話を」という気にもさせるウキウキ感がありますが、でも、デング熱のウイルスなんですよね。
このような、デング熱やウエストナイルウイルスなど「蚊の媒介するウイルス」も各種取り扱っている中に、ジカウイルスもあったということで、しかも、データファイルを見ますと、取り扱いを始めたのは 1947年。今から 69年前からジカウイルスが「販売」されていたことがわかります。
ということは・・・研究に関してはどうなっていたのだろう・・・という気にはなるのですが、ちなみに、ここで保存されているウイルスは、1947年にウガンダのサルから採取されたものだとのこと。
それにしても、ジカウイルスを別にしても、私はこういうようなものが、こういうように販売されているということを知らなかったですので、
「へええ」
と思いました。
確かに、病原菌や微生物の研究には各種の細菌や、カビ、ウイルスを入手しなければならないわけで、それを入手するのは簡単なことではないとは思っていましたが、こういうようなところで「お金で」入手できるものなのですね。
ATCC に保管されている 800万種の中から、商品を少し検索してみますと、
・中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス 500ドル(約6万円)
・ペスト菌(Yersinia pestis) 290ドル(3万5千円)
・コレラ菌(Vibrio cholerae) 354ドル(4万2千円)
などと、わりと強面のウイルスたちも並んでいます。ペスト菌などはわりとお手軽な価格となっていますね。
それにしても、今問題となっているジカウイルスが 70年近く前から研究施設に保存され続けていたというのは、何とも複雑な感じです。つまり、「そんなに以前から既知のウイルスだったのに、今になって、こんなにも急に拡大が感染して、大きな問題となっている」というところに、何となく複雑な部分を感じるところもあります。
このジカウイルスの販売に関して検索してみますと、「ジカウイルスの特許を持っているのはロックフェラー財団」だというような海外の記事を見かけるのですが、それについては、調べられる範囲で調べてみても、本当に、ロックフェラー財団がジカウイルスの権益を持っているのかどうかの資料がわからないですので、現代会では陰謀論の域を出ないですが、そういう話があることはあるようです。
2016年2月2日の米国メディアの記事より
このジカウイルスの問題は、現在、実際に起き続けている、あまりにも悲劇的な連鎖の状況を考えると、遅かれ早かれ、このような「人為的災害」とか「生物兵器的」な見方はおそらく出てくるだろうなとは思っていましたが、陰謀論方面の話は私は造詣が深くないですので深入りしません。
結局、最近の状況を考えますと、私たちが今の現実社会で対峙しているものは、あくまで宇宙(のようなもの)や、神(のようなもの)だと考えたほうが妥当な気がしないでもないわけで、それらがこの地球や人類をどんな方向へ向かわせようとしているのかなどということも考えます。
ところで、このジカウイルスについては毎日のように新しい事実が報道され続けています。
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感染経路も「何でもあり」になってきたジカウイルス
昨年以来の全世界へのジカウイルスの拡大の速度には驚くものがあり、これは、パンスペルミア説的な、つまり、「ウイルスもまた宇宙から降ってくる」というような解釈では、
「宇宙が示す何らかの地球の段階」
をあらわしているような気もしないでもないのですが、いずれにしても、ジカウイルスは、あっという間に北米やヨーロッパでも患者が出ている上に、遠く海を隔てた南太平洋のトンガでも患者が確認されています。
しかも、トンガの患者は南米への旅行者などではない人たちが発症していて、ジカウイルスが確認されたのは、現時点では 5人ですが、他にも 260人以上に同様の症状があり、検査待ちとなっていることがアメリカのニューズウィークで伝えられています。
2月5日の米国ニューズウィークより
さらに、少し前の記事、
・米国、そして欧州と全世界に拡大しつつあるジカウイルスが蚊だけではなく「性行為で感染する可能性」に感じる憂鬱
2016/01/27
の中で、ジカウイルスが精液などに含まれていることが確認され、「性感染する可能性」について書きましたが、その後、アメリカで新しい性感染の例が確認されています。
性的接触によるジカ熱感染例を確認 米テキサス州
CNN 2016/02/03
米テキサス州ダラス郡の保健当局によると、主に蚊が媒介するといわれるジカ熱について、性的な接触で人から人へ直接感染した例が確認された。
郡当局によると、この患者は今年、ジカ熱を発症している交際相手と性的な接触を持った後で感染が確認された。交際相手は流行国の南米ベネズエラを訪れて帰国したばかりだったが、本人は同国へ渡航していなかった。
確認にあたった米疾病対策センター(CDC)はCNNへのコメントで、検査の結果、渡航歴のない患者の血液からジカウイルスが検出されたと述べた。
CDCはこの結果に基づき、ジカ熱の予防法に関する指針を修正。
「蚊に刺されないようにすること」に加えて、「ジカウイルスにさらされたり発症したりした人の精液に触れないこと」を最善の予防法に挙げた。当面の対策として、コンドームの使用を呼び掛けている。
どうやら、「蚊」以外でも、率は低いのかもしれないですが、感染があり得ることが確定的になってきています。
他にも、感染した人の「あらゆる体液」からジカウイルスが見つかってもいます。
ジカウイルス、患者の唾液と尿から見つかる
TBS Newsi 2016/02/06
妊婦が感染すると、頭の小さい「小頭症」の子どもが生まれる可能性があると指摘される「ジカ熱」の感染が、中南米を中心に広がる中、ブラジルの保健機関が、ジカ熱の患者の唾液と尿から生きたジカウイルスが見つかったことを明らかにしました。
ロイター通信などによりますと、ジカ熱について調べているブラジルの保健機関は、5日、ジカ熱の患者2人の唾液と尿から生きたジカウイルスを発見したことを明らかにしました。生きたジカウイルスが唾液と尿から発見されたのは初めてだということです。
この保健機関は、唾液や尿によってジカウイルスが感染するかどうか結論づけるには、さらに研究が必要だとしていますが、妊婦に対し、ジカ熱の徴候が見られるパートナーなどとのキスや食器類の共有を避けるよう呼びかけました。
ジカ熱 ブラジルで輸血による感染を確認
NHK 2016/02/05
蚊が媒介する感染症、ジカ熱の患者が中南米を中心に増えるなか、ブラジルの保健当局は、輸血によってジカウイルスに感染した症例を確認し、感染の懸念がある国に渡航した人からの献血を制限する動きが広がりそうです。
ジカ熱は蚊が媒介して感染が広がりますが、ブラジルのサンパウロ州の都市、カンピーナスの保健当局は4日、NHKの取材に対し、輸血によってジカウイルスに感染した症例を確認したことを明らかにしました。
というように、今や、蚊以外に、
・性感染
・体液感染
・輸血感染
が、それぞれ少ない例ではあっても、確認されている事態となっています。
そして・・・少し前の、
・ジカウイルス vs 超寒冷下の世界:「望ましい地球」と「望ましくない地球」を天秤にかけることは難しくて
2016/02/01
という記事では「今の寒冷状態が世界に広がれば、蚊の活動が低下して、感染拡大は少しは止まるのでは?」というようなことを書いたのですけれど、そうは問屋が・・・。
なんと、ここにきて「異例の暖かい冬」がぶり返しているのです。
いろいろな地域でそうなっているようでして、日本も来週後半から非常に暖かくなるそうで、ヨーロッパなどでも同じ非常に暖かい傾向にありますが、「ジカウイルスの北上を待ち受ける北米」はどうかといいますと・・・。
米国オハイオ州で100年以上の記録を破る暖かい冬(最高気温16.7℃)
アメリカは各地で同じように記録的な暖かさとなっているようです。
そして、カナダまでも。
各地で記録的な暖かさとなっているカナダ
トロントでは 2月3日に、最高気温が 15.5℃まで上がり、2月としては観測史上最も高い気温を記録しています。
北米でこの傾向がこれからも続くとすれば、通常の時期より早く蚊が活動を始める可能性が強くなりそうにも思えまして、しかも、ジカウイルスの感染経路が蚊だけではない可能性もわかってきていて、正直に思うところを書きますと、北米全域にジカウイルスの感染拡大が始まるのは時間の問題のように思えて仕方ありません(そして、おそらくはアメリカだけではないです)。
これから妊娠しようとしてらっしゃるような方々には、やや憂鬱な時期となってしまうのかもしれません。
しかし、デング熱の例に見る通り、蚊が媒介する病気を完全に撲滅することは私たち今の人類には不可能です(そおらくそれはできないようになっています)。
ジカウイルスについては、今回の記事の最初に書きました「昔から販売されていた」ということや、あるいは陰謀論的な話に関してもそうですが、いろいろな側面があらわれてきていますけれど、これからの数ヶ月の拡大状況次第では世界の有りようが少し変わるかもしれません。
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