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フランスでは昨年1000件以上のキリスト教施設への攻撃が発生
2020年の元旦、アメリカの「ゲートストーン・インスティテュート」という非営利組織のウェブサイトに、「 2019年のヨーロッパでのキリスト教施設への攻撃」についての記事が掲載されていました。
キリスト教関係の教会、学校、聖母マリア像、墓地、歴史的建造物などの象徴的存在などに対しての破壊、盗難、冒瀆、汚損、放火などが含まれますが、その数は 2019年全体で「 3000件」にものぼるのだそうで、特にフランスでは多く、2019年には 1000件以上のキリスト教施設への攻撃が起きたのだそうです。
フランスでは、2019年4月に、パリのノートルダム大聖堂が消失ていますが、その際には以下のような記事を書きました。
フランス全土でキリスト教会への攻撃と悪魔的冒瀆が連続して発生し続けている中、意味が「聖母マリア」であるノートルダム大聖堂が焼け落ちる
In Deep 2019年4月16日
この記事のタイトルに、
> フランス全土でキリスト教会への攻撃と悪魔的冒瀆が連続して発生し続けている
と記しましたけれど、まさか、ヨーロッパ全体で 3000件などの数にまで達しているとは知りませんでした。
今回は、その記事をご紹介しますが、ただ、少し調べてみますと、このゲートストーン・インスティテュートというのは、「反イスラム教」的な組織であることが示されていまして、過去にも宗教的な問題に関しての虚偽の報道があったことが英語版の Wikipedia に記されています。
ですので、記事の内容すべてが正しいということではないかもしれないのですが、しかし、この記事の巻末に、「 2019年に起きた主なキリスト教関連施設への攻撃の一覧」が掲載されていまして、それだけでも数百件にのぼるのですが、すべてに「報道や警察の記録へのリンク」が示されているということがあり、少なくとも、そこにある数百件は事実だと思われます。
全体で 3000件という数字の正確さはともかく、とんでもない数のキリスト教関連施設への攻撃や冒瀆が起きていることは事実のようです。
そして、記事を読んで知ったのは、「キリスト教関連施設への攻撃の多くについて、ヨーロッパの主要メディアは報道していない」ということでした。
ノートルダム大聖堂の火災の際にも「放火」とか「不審火」という表現は、メディアは最後まで使わなかったのも不思議に感じたことを思い出します。
それどころか、フランス政府は、火災発生後すぐに「放火が原因ではない」と、調査前に発表しています。これについて、米国ニューズウィークは、4月18日の記事で、
> 仏当局が早々に「放火が原因ではない」と発表した理由は、これがテロとわかればフランス全土が炎に包まれるからだ、と彼らは言う。
と書いていましたが、その同じ記事には、米FOXニュースの記者の話として、以下のことが示されていました。
「火災発生時から見過ごされてきたのは、フランスでは昨年 875のカトリック教会が破壊されたことだ。言っておくが、875だ。今年3月にはわずか 1週間で 12の教会が破壊された。その中にはパリで起きた放火事件も含まれる。これが今回の火災の背景だ。これは憶測ではない。現に今フランスで起きていること、フランス全土でカトリック教会に起きていることだ」
この「 2018年に 875件」の攻撃が起きていたということを考えれば、2019年にフランスで 1000件の攻撃が起きていたとしても不思議ではないです。
記事をご紹介したいと思います。
この記事では、キリスト教関係施設への攻撃の動機の種類にもふれていて、また、ヨーロッパの法律では、これを取り締まることが難しいことも書かれています。つまり、このヨーロッパでの状況は、取り締まられないまま拡大していく可能性があることを示唆しています。
Europe: Anti-Christian Attacks Reach All-Time High in 2019
Gatestone Institute 2020/01/01
ヨーロッパ : 反キリスト教の攻撃は2019年に史上最高に達した
2019年に、反キリスト教の破壊的行為は、西ヨーロッパ全体に広がっており、キリスト教の教会とシンボルが毎日のように故意に攻撃され続けた。
我々ゲートストーン・インスティテュートは、この度、英国、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、スペインなどヨーロッパ各国の数千にのぼる新聞報道や、警察の記録簿、そして各国の議会の調査記録、ソーシャルメディアへの投稿などを検証した。
この調査により、2019年には、ヨーロッパで、約 3000件のキリスト教の教会や学校、キリスト教関係の墓地や記念碑が破壊、略奪、または汚損されたことが示された。これは、ヨーロッパでの反キリスト教的施設の被害として、2019年は記録的な年となっていたことをあらわす。
キリスト教関係施設に対する暴力が最も広がっている国はフランスだ。政府の統計によると、フランスでは、教会、学校、墓地、記念碑などに対しての破壊や冒瀆は、1日に平均 3回発生していた。ドイツでは、キリスト教の教会に対する攻撃が、1日平均 2回発生していた。
キリスト教の教会や象徴への攻撃は、ベルギー、イギリス、デンマーク、アイルランド、イタリア、スペインでも一般的になっている。ドイツではプロテスタントの教会も標的にされているが、攻撃されるのは圧倒的にカトリック関係の教会や施設と象徴だ。
しかし、これらの施設に対しての放火、排便、冒瀆、略奪、嘲笑、悪魔的汚損、窃盗、排尿、破壊行為などの反キリスト教的攻撃の加害者たちは、ほとんど逮捕されていない。
警察とメディアはしばしば加害者たちのアイデンティティと民族的背景に関する情報を検閲する。その結果、多くの容疑者たちが精神的障害を持っているとされ、結果として、多くの反キリスト教的攻撃は憎悪犯罪に分類されないのだ。
フランスとドイツでは、反キリスト教の攻撃の急増は、最近のイスラム世界からの移民の増加と一致している。加害者たちと、その動機に関する公式統計が存在していないため、イスラム教徒の反キリスト教主義やジハード主義の原因に起因する攻撃の正確な数を知ることは不可能だ。
対照的に、スペインでは、キリスト教の教会や十字架に対する攻撃は、キリスト教が公共の場から永久に排除されることを望んでいるアナーキストたちや過激なフェミニスト、その他の極左活動家たちによって行われている場合が圧倒的に多い。
反キリスト教攻撃の背後にある動機は、以下の 4つの広範なカテゴリーに分類されるようだ。
破壊行為
ヨーロッパのキリスト教関係施設に対する攻撃のほとんどは、破壊行為だ。これらは、明確な反キリスト教の意図を欠いている場合もあるが、キリスト教徒にとって神聖な物や象徴を標的とするとき、冒瀆に陥る。
ほとんどのヨーロッパ諸国の法律によれば、検察官は破壊者がキリスト教徒またはキリスト教に対する敵意によって特に動機付けられたことを証明しなければならないため、厳密な法的観点からは、このような冒瀆犯罪を憎悪犯罪として訴追するのは困難となっている。
盗難
神聖な施設への攻撃の中には金銭的な動機がある場合が多い。フランス、ドイツ、その他の場所では、泥棒たちが教会の鐘、神聖な金属物、さらには排水管さえも盗んでいる。目的は、これらの神聖な物をスクラップ業者等に販売することだ。
英国では、イングランド全国にあるすべての教会のほぼ半数が略奪された。犯罪の多くは、ドローン、オンライン地図、および全地球測位システム(GPS)を使用して、空中映像を通じて目標を特定し、独自の脱出ルートを計画するような高度に組織化されたギャングたちによるものだ。
遺産の保全機関であるヒストリック・イングランドによると、略奪品は金属の窃盗が最も多く、中には、歴史的な価値を持つ礼拝所から教会の屋根全体が取り外された例もあった。
政治的動機
キリスト教関係施設への攻撃の中には、過激な政治的動機によるものもある。特に、特に過激なフェミニストや過激な世俗主義者たちは、ローマカトリックが家父長制の権力と権威の象徴であると考えており、そのような政治的な理由でキリスト教施設を攻撃する。
そのような攻撃の場合は、教会や宗教的シンボルを政治的な落書きで汚す行為などが含まれ、その多くは本質的にアナーキストまたはフェミニストたちによる。
宗教的動機
本質的に宗教的またはスピリチュアル的な動機に基づくと思われる攻撃の多くは、キリスト教に対する根深い敵意を反映している。
そのような攻撃には、イエス・キリストの表象や聖母マリアの像に糞を塗りつけるなどの冒瀆行為が含まれる。あるいは、聖体拝領の聖餅(キリスト教の儀式で使用される薄焼きパン)の汚損または窃盗を伴う。
ローマカトリック教徒たちは、この聖餅は、聖体拝領の際にキリストの真の存在に変容すると信じている。あるいは、これらの攻撃の中には、ブラックミサと呼ばれる儀式で奉献された聖餅を使用する悪魔主義者による場合もあるかもしれない。
これらのような攻撃は、特にローマ・カトリック信念の本質に対するものであり、カトリック教徒に対しての脅迫や嫌がらせが目的の場合や、カトリック教徒が彼らの信仰を実践するのを妨げることを目的としているようだ。憎悪犯罪の定義に合致するこれらの攻撃は、ヨーロッパの宗教の自由に対する直接的な脅威となるが、犯罪として訴追されることはほとんどない。
ヨーロッパのメディアは、イスラム教徒に対する攻撃は大きく報じる傾向があるが、キリスト教徒に対する悪意のある行為はほとんど報じない。
反キリスト教による破壊行為の問題は、破壊者たちが 2週間以内に 9つの教会を攻撃した 2019年2月まで、ヨーロッパのメディアは、キリスト教徒に対する悪意のある行為をほぼ報じなかった。
この問題は、その後の 2019年4月にパリの象徴的なノートルダム大聖堂が破壊された際に報道されたが、しかし、それ以来、ヨーロッパのメディアは再びキリスト教施設への度重なる攻撃について沈黙し、事実を覆い隠している。
しかし、たとえばフランスでは、2019年の 1年で 1000回以上のキリスト教関連施設への攻撃が起きているというのが現実なのだ。
ここまでです。
先ほども書きましたけれど、オリジナルの記事では、この後に、資料として、「 2019年に発生した主なキリスト教関係施設への攻撃」を何百件も載せているのですが、それをすべて掲載することに意味があるとは思いませんので、興味のある方はオリジナルの記事をご参照下さい。
それはもう、ものすごい数なのですが、すべての項目に報道などへのリンクがなされていますので、すべて事実のようです。
ヨーロッパの主要メディアがこのことをあまり報じないのは、急増している移民の多くが「キリスト教徒ではない」ことと関係している可能性もあります。
つまり、このような攻撃が毎日起きていることが多くのキリスト教徒たちに知られた場合、国内の治安などの情勢に問題が及ぶという懸念もあるのかもしれません。
そもそも、以下のふたつの過去記事などで取り上げたことがありますように、すでにヨーロッパは、暴力に関して、やや混沌としているという現実があります。
すでに暴力に太陽の力は必要ない : イギリスでは「14分間に1度」の割合でナイフでの殺傷事件が起き、世界でのテロの発生はもはやコントロール不可能の状態に
In Deep 2017年11月6日
今のように太陽活動が歴史的に弱い中でも、このような暴力が吹き荒れているのですから、状況によっては、さらに悪化していく可能性もありますし、「余計な刺激を人々に与えたくない」という判断があるのかもしれません。
そのような中、キリスト教関連施設や聖母などの宗教的象徴への攻撃と冒瀆も、減っていくという可能性は考えにくいわけで、いろいろな意味で受難は続くということになるのかもしれません。
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