地球の最期のときに

ノアの日 : 急激に数と規模を増す現実の洪水の渦中で、紀元前2000年の中国で「水位38メートル」の黙示録的な超巨大洪水があったことが明らかに。そして今、世界はそこに近づいている?



投稿日:2016年8月14日 更新日:

シュメールの洪水神話

大洪水が聖地を洗い流すだろう。人類の種を絶やすために。

これが神々の集会の決定であり、宣言である。




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世界中の洪水の規模が日に日に増していて、その報道の見出しにおどる文字も過剰になっています。

米国メリーランド州の「1000年に1度の洪水」を報道する2016年8月1日のUSAトゥディより

USA Today

 

米国ルイジアナ州の「1000年に1度の大雨」を伝える2016年8月13日の記事より

The Watchers

 

今年の中国の自然災害(多くが洪水)での被害を伝える報道

Indian Express

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いよいよ「極限」の洪水の日も近いのではないかという気配

ここ数年は、洪水について記事にすることが多かった気がします。

特に、2013年頃からは、洪水の規模が「黙示録的」という形容を使っても差し支えないようなものになってきたように記憶しています。

記事でいえば、2013年6月の、

世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖
 2013/06/20

の頃から、洪水の規模と頻度が次第に激しくなってきました。

下の写真は、2013年6月のインドの大洪水で、水に飲み込まれた聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像で、とても象徴的な光景でした。

BBC

その 2013年頃から、年を追うごとにその規模が拡大しているように見えました。報道でも「 100年に 1度の」というような表現が使われることも多くなりました。

そして、今年。

冒頭に載せました「 1000年に 1度」という言葉が 10日ごとに報道の見出しを飾っているアメリカもすごいですが、しかし、昨日の記事にも少し書きましたけれど、「大きな出来事が次々と起こると、少し前の同じカテゴリーの出来事を忘れてしまう」という現象が、少なくとも私には起きます。

つまり、今回のカテゴリーでしたら「洪水」ですが、ほんの少し前の6月に書きました、

水の黙示録 : 歴史の中で最も多く文明を破壊してきた「文明クラッシャー」の大洪水が未曾有の数で発生し続けている
 2016/06/04

という記事の冒頭の見出しは、

2016年6月3日現在、壊滅的な洪水に見舞われている国は、アメリカ、メキシコ、フランス、ロシア、オーストリアにオーストラリア。ベルギー、ドイツにウクライナ。中国、ドイツ、ルーマニア …

という寿限無的なもので、ほんの少し前に、このように「世界的な洪水」が発生していたこともあったのです。

「ほんの少し前のことを忘れてるなあ」

と、健忘症じみた反省をする次第ですが、確かにこう次々と大きな洪水が起きていますと、さらに上回るような事象が起きないと、当事者でない限り、あっという間に忘れてしまうというほど、今は自然災害の多い時代です。

日本にしても、大規模な洪水こそ発生していませんが、その理由は、おそらくは、日本のインフラが洪水に対して有効に作用している部分が大きいと思われ、つまり、「降雨量」だけを見れば、世界中で大洪水を引き起こしている降雨量と、今年の日本の各地で何度も表示された「記録的豪雨」の降雨量には差はないです。

というか、大洪水が起きている他の国以上の雨量を、今年の日本の各地で経験していまして、それらの雨量は、洪水に対しての防備が弱い国なら、壊滅的な大災害になっていてもおかしくないほどのものです。

今年7月の鹿児島の豪雨などは、報道によれば、「5日間で 1000ミリの豪雨」だったそうです。

これは「日本の全国平均の総降雨量の 70%にあたる」という壮絶な雨量で、これが他の国や地域なら、確実に壊滅的な洪水に陥るはずです。実際、世界各地の大洪水での雨量は、多くがこれよりもはるかに少ないです。

ところで、感覚的にはともかく、実際に洪水は増えているのでしょうか。

 

洪水が実際に増えていることをもう一度数値で確認する

先ほどもリンクしました過去記事「水の黙示録…」で、「洪水は実際に増えている」ことをグラフで示したことがあります。

1977年から2009年(2009年は5月まで)の洪水の発生件数

PLOS

そして、上のグラフにある 2009年以降も、少なくとも大規模洪水に関しては、

2009年 4件
2010年 19件
2011年 20件
2012年 4件
2013年 7件
2014年 8件
2015年 15件
2016年 21件(7月の終わりまで)

と増えています(World Flood Timelineより)。

地域別に見ますと、以下のように、もうあからさまに洪水は増加しています。

1950年から2000年までの地域別の洪水発生件数

Number of flood events by continent and decade since 1950

この統計を見ますと、オセアニアが変化がないことを除けば、2000年までに、

・アジア 1950年から洪水の発生件数が6倍以上
・ヨーロッパ 1950年から洪水の発生件数が5倍程度
・アメリカ 1950年から洪水の発生件数が大体25倍以上
・アフリカ 1950年から洪水の発生件数が大体20倍以上

というようになっていまして、率としては、もともと洪水があまりなかったアメリカとアフリカの増加ぶりがものすごいですが、発生件数はアジアが飛び抜けています。

そして、この統計もまた 2000年までのものなのですけれど、本格的に世界で洪水が増加し始めたのは、2010年頃からですので、現在までのグラフを作り直すと、ものすごい急カーブの曲線を描きそうです。

いずれにしましても、感覚的ということではなく、世界の洪水は、その数も規模も毎年大きくなっています。「戻る」ということがありません。

この傾向が収まらないとした場合、さらに洪水が増加していくということにもなりそうで、それはいつかは「極限の洪水」のいうことにまで至るものなのかもしれません。

それより先にミニ氷河期がやってくれば、今のような荒れた気象にはなりにくくなるとは思いますが、ミニ氷河期が来るとしても、しばらく先のことです。

最速でも、あと5年くらい先になりそうです。

[参考記事]精度97%の「2030年までのミニ氷河期突入」予測は、その発表の元となったロシア人女性物理学者の「太陽活動の解析予測の実績」から実現確実な状勢に 2015/07/22)

そんな中で、そのミニ氷河期が来る前に「本当の黙示録的な洪水が起きる可能性」、つまりは、歴史に残る大洪水のようなものが発生する可能性さえ考えるところだったりもします。

そんなおり、中国で紀元前 2000年前頃に「ノアの洪水伝説」と照らし合わせることができるような、聖書的な大洪水が起きていたことが、最近の研究で明らかになりました。

 

日本でも中国でも遠い過去に文明を一掃する大洪水が起きていた

世界には数多くの洪水伝説がありますが、中国にもあります。
それは次のようなものです。

洪水伝説 – 中国

『史記』巻1、『山海経』海内経[5]、『書経』等の経籍は、夏王朝成立の頃に伝説的な洪水があったことを記す。

帝堯の治世に「鴻水天に滔る」状態であったため、鯀を治水に当たらせたが、九年経っても「水は息せず」、治水に失敗した鯀は処刑された。鯀の子の禹が後を継いで治水にあたり、左手に測量縄を持ち、右手に定規を持って各地を巡り、十三年かけて治水に成功したとする。

洪水を収めるのに「 13年」かかったことが記されているわけですが、この王朝「夏(なつ ← ブッブー)」というのは、紀元前 1900年から 1600年頃のものらしいですが、「それより前」に、本当に大洪水があったようなのです。

英国テレグラフの報道より

Telegraph

これは、8月5日の報道でしたが、その後、AFP が、日本語記事として報じて下さっていますので、そこから少し抜粋します。


中国・伝説の大洪水、初の証拠を発見 文明史書き換えか

AFP 2016/08/05

中国の黄河で4000年前に大洪水が起きたことを示す初めての証拠を発見したとの研究結果が4日、発表された。この大洪水は、夏王朝とその後の中国文明の誕生につながったとされる。

米科学誌サイエンスに発表された研究結果によると、大洪水が発生したのはこれまで考えられてきたよりも数百年遅い紀元前1920年。これは、禹王による夏王朝樹立の時期が通説よりも遅かったことを意味し、この発見により歴史が書き換えられる可能性がある。

地質学者からなる研究チームは、青海省の黄河に沿って調査を行い、土砂崩れによってできた天然ダムの名残や、せき止め湖や突発的洪水で生まれた堆積物を調べた。

論文を共同執筆した米パデュー大学地球大気惑星科学部のダリル・グレンジャー(Darryl Granger)教授が電話記者会見で語ったところによると、調査の結果、過去1万年間に発生したことが分かっている中でも最大級の大洪水があったことが示された。

その際の水位は、現在の黄河よりも38メートル高い位置まで上昇したという。

これほどの大洪水が起きると、岩屑(岩石の破片)などの堆積物が攪拌され、古い土壌と新しい土壌が混ざるため、研究チームは堆積物ではなく、大洪水の原因となったとされる地震の犠牲者の骨から大洪水が発生した年代を測定した。


 

というもので、その時の水位は、

> 現在の黄河よりも38メートル高い位置

というような規模だと推測されるそうで、このような洪水になりますと、もはや対策も何もなく、どうにもならない側面はありそうですが、そういう洪水が、ずいぶん昔とはいえ、「起きていた」という事実があります。

しかし、日本にも、今から 1900年ほど前に、それよりもさらにすさまじい「ノアの洪水など比較にならないほど」の激しい大洪水が起きていた可能性があることが最近わかっています。

過去記事の、

日本の西暦127年の「大洪水」を知り、その時代への突入の可能性を感じる中… (2015/09/07)

の中で少しふれていますが、もともとは、NHKスペシャル「巨大災害 「極端化する気象~海と大気の大変動~」」という 2015年9月のテレビ番組の中で伝えられたもので、過去数千年間の日本の気候変動の状態を明らかにする研究プロジェクトの中の、大木の年輪(としわ ← ブッブー)の解析により、西暦 127年に、「過去数千年の日本の中で最大の降雨量があった」ことが示されたのだそうです。

そして、ここからは仮説ですけれど、その 西暦 125年の洪水が弥生文明を終焉させた可能性もあると言われるようになっています。

もちろん、これは「新しい日本の文明」が始まるキッカケでもあったのですが。

中国では、紀元前 2000年ほど前の大洪水の後に新しい文明が生まれ、日本でも、1900年ほど前の大洪水により新しい文明が生まれたようです。

ルーマニアの宗教学者ミルチャ・エリアーデという人は『世界宗教史』の中に、

洪水の原因は人間の罪であると同時に世界の老朽化であることが確認される。

宇宙は、生存し、生産するという単なる事実によって、しだいに退化し、ついに衰亡するのである。これゆえに、宇宙は再創造されなければならないのである。

言いかえれば、洪水は新しい創造を可能にするために「世界の終末」と罪に汚れた人間の終末を大宇宙の規模で実現するのである。

と書いています。

あるいは、

洪水神話の大部分は、いわば、宇宙のリズムの一部を形成していると思われる。

堕落した人間が住む「旧世界」は原水のなかに没し、しばらくすると、「新世界」が「混沌」の水から出現するのである。

というようなことも記しています。

ミルチャ・エリアーデ(1907-1986)

 

そして、過去の地球では、「大宇宙の規模で実現」というほどのものかどうかはわからないですが、大洪水がそれまでの局地的な文明を一掃し、新しい文明を作りだしていった事実が、おそらく他のあらゆる地域にあるように思います。

もしかすると、「局地的ではない」洪水もあった時代もあったのかもしれません。

そして、劇的に洪水が増加している現在は、ノアの次の時代の洪水の日に、ますます近づいているのではないでしょうか。

もちろん、それは何年後とかいうような短い具体的なサイクルの話ではないにしても、今ほど「浄化」という言葉が似合う時代はないような気がします。

「リセットの日は近い」という憶測は、あながち的外れでもないように思えて仕方ありません。

 

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