インフルエンザワクチンの接種が、ウイルスの大気中への拡散を6倍に増大させている



米国科学アカデミー紀要に掲載されたインフルエンザ患者の呼気についての論文

PNAS

今回は、アメリカで今月発表されたインフルエンザウイルスの感染経路に関しての医学的研究についてご紹介しようと思います。

いろいろ内容あるその論文の中にひとつ「衝撃的な事実」が示されていたのです。

それは、シーズン前にインフルエンザワクチンの接種を受けていた人で、その後、インフルエンザにかかった人の「呼気」から排出されるインフルエンザウイルスの量は、「接種していない人より 6.3倍多かった」ことがわかったのです。

これは「インフルエンザワクチンそのものがインフルエンザを爆発的に流行させているかもしれない」ことを示唆しています。

そのことをご紹介しようと思いますが、その前に少しだけ書きたいことがあります。

 

なぜ人類はインフルエンザにかかるのか(それは自然の摂理では?)

joy105.com

インフルエンザのことを「風邪」といっては怒られるような奇妙な時代になって久しいですが、1960年代に生まれた私は幼少時に極めて体が弱く、小児喘息である上に、治療薬のせいなのか免疫力が著しく弱い子どもでした。

親が言うには、当時のお医者さんは「この子は5歳まで生きることはないでしょう」と言っていたのだそうです。今も昔もお医者さんの言う内容は同じようですが、しかし、私自身はどういうわけか幼少時にそうはならず、ここまで生きました。

そんな弱かった私ですから、おそらく小学校に上がるまで、あるいは小学生の頃など幾度ととなく「今でいうインフルエンザ」にかかっていたと思われます。

今では 40度の熱だと大騒ぎですが、私は、中学生くらいになるまでは、月に一度や二度は 40度以上の熱を出していましたし、幼稚園の頃は、「熱のない時のほうが少ない」という感じだったようです。

幼稚園はその半分も行っていなく、ずっと家で寝ていたので、天井を見ていた記憶しかないです。ゴロゴロと寝て、たまにブラブラと周囲を徘徊するという「半グレ」的な幼稚園児だったのですが、しかし、そのぶん考える時間がたくさんあったのは有意義な4〜5歳時代だったようにも思います。

当時はまだ、有限世界の果てが自分の家の2キロくらい先にあると確信していた頃でした。後にそれを実際に見て失望してからは、そのことを考えなくなりましたけれど。

さて、何を書いているのだかわからなくなりましたが、そのように極度に体が弱かった私ですけれど、その後の数十年は、インフルエンザにかかったことがないのです。

今後あるかもしれないですが、少なくとも 30年か 40年はそういうように過ごしてきました。理由はよくわからないのですが、要するに、

「幼少期に病気にかかりすぎたお陰で、変な免疫がある」

のではないかと自分では思っていましたけれど、2016年に米国のアリゾナ大学とカリフォルニア大学の共同による研究は、この曖昧な考えをある程度は示唆してくれていたことを知りました。

これは「インフルエンザの免疫」についての研究なのですが、詳しいことは、過去記事、

「1968年以前に生まれた人たちは鳥インフルエンザのパンデミックで死なない可能性」を示したアメリカの研究が示唆する「世紀末のメカニズム」  In Deep 2018/02/01

に、英国テレグラフに掲載された報道を翻訳してご紹介していますので、ご参照下さい。そこから一部を抜粋しますと、


2016年11月10日の英テレグラフの記事「1968年より以前に生まれた人たちは、鳥インフルエンザのパンデミックから守られる可能性がある」より抜粋

Why being born before 1968 could save you from a bird flu pandemic

今回の研究において科学者たちは、 H5N1 および H7N9 に起因する新型インフルエンザの重症疾患あるいは死亡例のすべての既知の症例のデータを分析した。

その結果、人間は最初に感染したウイルスの型によって、その後の免疫力のタイプが決定されることがわかった。

この保護機能は「免疫刷り込み」と呼ばれるプロセスの中で機能する。

個人がインフルエンザウイルスに初めて曝されると、その際に、免疫システムによって抗体が作られる。インフルエンザウイルスの表面には、棒キャンディーのように飛び出しているタンパク質があり、抗体はこれを探し出してウイルスを体内から排除し、病気から守る免疫力となる。

研究者たちは、このメカニズムによって、重体となることを免れる確率は 75%で、死亡を免れる確率は 80%にのぼることを突き止めた。


こういうように、「ある種のインフルエンザにかかることは、ある種のインフルエンザに対しての免疫となり得る」ことがわかったのです。

私が「風邪やインフルエンザの予防という概念は無軌道」と考えるのには、こういう意味もあります(これだけではないですけれど)。

そんなように、普通の社会の状況下でインフルエンザに感染し発病するということは、普通の「世の摂理」だと思うのですが、その自然の摂理を乱すものが「ワクチン」だと私は個人的には考えています。

今は、はしかやおたふくを含めて、いろいろなものをワクチンで幼少時に押さえ込みますが、その行為そのものが、自然の摂理から考えてどうなのかを今一度考えてみてもいいのではないかと。

もちろん予防ワクチンを全否定するものではなく、「ものよっては無意味を超えた弊害がある」ということもあるのではないかと。

さて、これらは一種の雑談で、本題は「インフルエンザワクチンそのものが病気の爆発的流行に一役買っている可能性」についてのことです。


ワクチンを接種した人たちは感染した後に通常より大量のインフルエンザウイルスを周囲に撒き散らすようになることが判明


今回ご紹介するのは、ある意味衝撃的なもので、

「インフルエンザワクチンの接種が、ウイルスの大気中への拡散を6倍に増大させている」

ということなどが示されている論文です。

この研究は、米国メリーランド大学の専門家などによるもので、今年 1月18日、冒頭にあります米国科学アカデミー紀要に掲載されました。米国科学アカデミー紀要は、ネイチャー、サイエンスと並んで権威のある発表媒体ですので、相当数の医学関係者がこの論文を読まれたことだと思います。

ちなみに、この論文は「ワクチンの接種がウイルスの拡散を6倍に増大する」という部分が発表のメインではなく、

「インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみよりも、通常の呼吸で拡散している」

ということが判明したということが大きい内容でもあります。

つまり、「息をしているだけで拡散する」ことがわかったということです。そういう意味では、よくいわれる「マスク」という存在は微妙ではあります。

いずれにしましても、この研究の論文の中に、「インフルエンザワクチンの接種が、環境へのウイルスの拡散を増大させている」ということが示されているのです。

ここから考えられることは・・・たとえば、普通、ワクチンの接種はインフルエンザ・シーズン前に主におこなわれますが、その「接種キャンペーン」を官民あげて大々的に実施すればするほど、そのシーズンは「インフルエンザが爆発的に流行する」ということも言えるのかもしれません。

たとえば、今年のように

今のワクチン接種の状況を見ますと、今シーズンも、これからさらにインフルエンザは爆発的な流行となるかもしれません。

その論文について紹介しているアメリカのメディア記事をご紹介します。

もし、さらに興味のある方や、あるいは医療関係者の方々がいらっしゃるのであれば、ぜひ米国科学アカデミー紀要のオリジナルの論文のほうも読まれていただきたいと思います。そして「インフルエンザワクチンの実相」をご確認いただければと。

これまで、インフルエンザワクチンの接種は「自己責任」だという立場を持っていた私ですが、今回の論文を知り、そうも言っていられないのかなとも思います。

それでは、ここから記事です。




Flu Vaccine Increases Your Risk of Infecting Others by 6-Fold, Study
greenmedinfo.com 2018/01/28

インフルエンザワクチンは他人への感染リスクを6倍にすることを新しい研究が示唆





インフルエンザウイルスの感染経路に関して物議を醸す可能性のある医学的研究に関する論文が米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。この新たな研究では、現在のシーズンおよび、その前のシーズンにワクチン接種を受けた場合、接種を受けた対象者から排出されるインフルエンザ・ウイルス粒子のエアロゾル排出量が 6.3倍に増加したことが明らかになったのだ。

ワクチン接種は、標的とされた病原体に対して免疫性を付与するという疑問のない確信に基づいて行われている。

そのために「ワクチン接種」と「予防接種」という用語が、しばしば同じ意味として使用されることがあるが、これは、不自然な意味の理論的混乱だ。なぜなら、インフルエンザワクチンの場合、予防についての確実性は完全ではないからだ。そこにあるのは、むしろ宗教的信念と近い概念ともいえるのかもしれない。

しかし、ワクチンがインフルエンザを予防するという宗教的理念が、その正統性を支持することができなくなったらどうだろうか。これについては、実際に数百の例があり、多くのワクチンの意図しない副作用が、その利点を上回ることを示す医学論文は 500近くとなる。それらのすべての医学論文はこちらのデータベースにリンクがある。

その新しい例として、2018年1月18日に、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に『季節性インフルエンザ症状を示す患者の呼気からの感染性ウイルス』というタイトルの論文が掲載された。 

この研究で、インフルエンザ患者は、かなりの量のインフルエンザ・ウイルスを呼気から吐き出していることがわかった。そして、これらを外部に伝達するためには、咳やくしゃみは必要がないこともわかった。それは「単に呼吸だけ」なのだ。それにより伝播していく。

さらに、この研究では、男性は、より細かいエアロゾルによって女性よりも多くのインフルエンザ・ウイルスを多く呼気から排出することがわかり、また、女性はより頻繁に咳をすることが分かった。

しかし、それより、この研究について最も顕著なものは、以下の所見だ。

以下は、論文からの抜粋である。

今シーズンにワクチン接種を受けていたインフルエンザ患者では、呼気からのエアロゾルの排出量が、受けていなかった人に比べて、6.3倍多かった。
この研究の実験方法の詳細は以下のようなものだ。

急性呼吸器症候群のボランティア 355人をスクリーニングし、その中のインフルエンザ感染が確認された 142人の患者から、1日目に 鼻咽頭からのサンプル採取、および 30分間の呼吸サンプルを提供してもらった。すべてのサンプルおよび培養された分泌物および微細エアロゾルについて、ウイルスの RNAコピー数を調査した。


その中の有効な培養物を用い、52種類(39%)の微細なエアロゾルと 150種類(89%)の分泌物から感染性ウイルスを回収した。(略) エアロゾルウイルス RNA は、体重指数および咳の数と正の相関があった。また、症状が現れてから日数が増えることとの相関には否定的な結果となった。


微細エアロゾルウイルス RNA はまた、現行シーズンおよび前シーズンの両方においてインフルエンザ・ワクチンの接種を有することと積極的に関連していた。また、感染性エアロゾルの発生にはくしゃみや咳は必要なかった。


今回の研究のこの発見が正確なものであり、また再現性のあるものであれば、インフルエンザ・ワクチンの接種は、それにより他の人にウイルスを感染させる可能性が高くなることを示す。あるいは、ワクチン接種を受けた人が周囲にいる環境では、インフルエンザ・ウイルスに曝露する確率が高くなるということにもなる。

過去にも、インフルエンザの観察研究報告を調べた 2010年のカナダの研究で、2008年から 2009年のシーズンの H1N1ワクチン接種が、2009年の春から秋の H1N1 の罹患リスクを 1.4倍から 2.5倍増加させていたことと関係していたことがが発表されたことがある。

また、インフルエンザだけではなく、MMR (新三種混合ワクチン)およびロタウイルス・ワクチンのような一般的なワクチンに関しても、ワクチン接種後のウイルスの流出および感染を含む医学的影響が文書化されている。