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イベルメクチンからチーズへと
今日の本題は、タイトルのチーズの話なのですが、実は今日は最初、イベルメクチンのことを少し調べていたんです。
報道で、アメリカのフロリダ州が「がんに対してのイベルメクチンの使用拡大の検討を含めた研究を始める」という記事を見まして、私も以前、がんに対してのイベルメクチンの効用についての論文を読んで関心を持ったことはあり、たとえば、2021年10月の「抗ガン剤としてのイベルメクチンに関しての数々の論文を知る」という記事などに論文の概要を示したこともあり、興味はありました。
ただですね。
その後、まあ最近のことですが、動物用のイベルメクチンについての安全データシート、というものを見たことがありまして、それが、
「もしかすると、危険なんじゃないの? これ」
ということを何となく伺わせるものだったんですね。
もう一度書いておきますけれど、あくまで「動物用」のイベルメクチンです。人間用のイベルメクチンではないです。
米メルク社とサーモフィッシャー・サイエンティフィック社という、共にイベルメクチンを製造販売している企業の安全データシートです。
メルク社の安全データシート
merck.com
このメルク社のデータシートは最終更新日が今年 4月14日と、わりと最近更新されたものですが、その 1ページには、以下のように書かれてあるのですね。本当にくどいですが、これは、人間用ではなく、「動物用」のイベルメクチンのデータシートです。
メルク社の動物用イベルメクチンの安全データシートより
セクション2. 危険有害性の要約
OSHA危険有害性情報伝達基準(29 CFR 1910.1200)に基づくGHS分類
可燃性液体:区分2
眼刺激:区分2A
特定標的臓器毒性(単回暴露)(経口):区分1(中枢神経系)
特定標的臓器毒性(反復暴露)(経口):区分1(中枢神経系)
その他の危険有害性
蒸気は空気と爆発性混合気を形成する可能性がある。
GHSラベル要素
危険有害性絵表示注意喚起語:危険
危険有害性情報:
H225 引火性の高い液体および蒸気。
H319 重篤な眼刺激を引き起こす。
H370 飲み込むと臓器(中枢神経系)の損傷を引き起こす
H372 飲み込んだ場合、長期又は反復暴露により臓器(中枢神経系)の障害を引き起こす。
サーモフィッシャーサイエンティフィック社の動物用イベルメクチンの安全シート(2024年3月30日更新)にも、以下のような項目が並んでいます。
・この化学物質は、2012年OSHA危険有害性情報伝達基準(29 CFR 1910.1200)により危険物とみなされている
・急性経口毒性
・重篤な眼損傷/眼刺激性
・生殖毒性
・飲み込むと致命的
・重篤な眼刺激を引き起こす
・生殖能力または胎児に損傷を与える可能性がある
これらを読んでいて、「うーむ」と思わざるを得ない感じでした。他にも関係する資料や論文などを読んだりしていたのですが、このイベルメクチンの毒性の問題は、とても今日 1日でどうこうできるものでもなく、もう少し調べてから、書けることがあれば書いてみたいとは思いますけれど…正直、複雑な心境ですね。
それで、こういうのを調べたりしている中で、いろいろな製薬会社のことや、関連する記事や資料などを見ていましたら、タイトルの、
「米国産のチーズの 90%にはファイザー社が開発した遺伝子組み換え酵素が使われている」
という事実に突き当たってしまったのでした。
今回はこちらが本題です。
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ほぼすべてのチーズで使われている遺伝子組み換え微生物
最初は、「また、陰謀論かなんかで、大げさに書かれているんじゃないの?」とか思っていたのですが、そもそも、私はチーズは大好きですが、「チーズの作り方をよく知らない」ということがあり、そこから調べますと、次第に、これが事実であることを知るのでした。
まず、チーズを作る材料は、
・牛乳
・塩
・レンネット
・培養スターター
となり、このうちの「レンネット」というのが問題なのです。
「そもそもレンネットってなんだ?」と調べますと、牛乳が凝固する性質を持つもので、以下のように説明されます。
レンネットとは、もともとは仔牛の第四胃を塩漬けにして抽出したもののことです。これを牛乳に添加すると牛乳が凝固する性質があり、古くからチーズ製造に利用されています。
レンネットには、タンパク質を分解する酵素の一種であるキモシンが豊富に含まれています。
一方、微生物や植物にも同じ働きをもつ酵素を生産するものがあり、チーズ製造に利用できます。微生物や植物から生産したものには「凝乳酵素(微生物由来)」「凝乳酵素(植物由来)」があります。
つまり、もともとは「牛などの反芻動物の第四胃 (正確には胃の内壁)からレンネットが得られていた」のですが、次第に、この動物性のレンネットから
・植物性レンネット
・微生物レンネット
に移行していき、しかし、どちらも効率が悪かったり、味への影響の問題などがあるようです。
たとえば、アメリカでオーガニック系の食料を販売している Simply Grass-Fed 社のページには植物性レンネットについて以下のように書かれています。
植物性レンネット
原料によって異なり、「植物性レンネット」という用語はしばしば誤用されます。
真の植物性レンネットは、イラクサ、アザミ、イチジクの樹皮などの植物から抽出されますが、これらの植物は凝固酵素を有しますが、残念ながらMCA/PA(乳凝固活性/タンパク質分解活性)比が低いため、チーズの収量が低下し、チーズ熟成中に苦味物質が生成されます。
そのため、「植物性レンネット」と表示されているチーズのほとんどは、真の植物性レンネットではありません。チーズの表示に使用されるレンネットの名称に関する規制がないため、微生物レンネット(カビ由来)または FPC (遺伝子組み換え型)のいずれかです。
そして、もうひとつのレンネットが「遺伝子組み換え」タイプです。
ファイザー社製のレンネット遺伝子組み換えFPC(発酵生産キモシン)
植物性レンネットや微生物レンネットの、チーズの味が苦くなる可能性があるといった欠点を克服するために、科学者たちは遺伝子組み換え技術を活用し、牛乳を凝固させる酵素を生成する遺伝子組み換えの新しい種を作り出しました。
チーズ製造において動物性レンネットの最も一般的な代替品である FPC をご紹介します。
これは、生物のゲノムを改変する CRISPR 遺伝子編集技術を用いることで実現しました。また、GRAS(一般的に安全とみなされる)ループホール認定(米国のみ)を取得しており、ファイザー社は新規食品添加物に関する事前承認要件を免除されました。
北米のチーズのおよそ 90%は FPC レンネットで作られており、原材料ラベルにはバイオエンジニアリングされたレンネットと元の動物ベースのレンネットが区別されていないため、消費者は何を食べているのか知るすべがありません。
ここから、
> 当社では、遺伝子組み換えにより得られた DNA 組み換え酵素を含まない WalcoRen 社の動物レンネットを使用しています。
という宣伝に入っていくのですが、それはともかく、ここにある「ファイザー社は新規食品添加物に関する事前承認要件を免除」という部分に関しては、こちらの論文だと思いますが、以下のように書いてあります。
> 提供されたデータに基づき、当該食品酵素は意図された使用条件下では安全性上の懸念を引き起こさないと結論付けた。
とあり、事前承認要件を免除されたということになるようです。
米国では遺伝子組み換えFPCの使用は90%、ヨーロッパと日本はデータなし
それにしても、「 90%にファイザー社の遺伝子組み換え酵素が使われているってホンマかいな」と思いましたが、面倒くさいので(苦笑)、とりあえず、AI に聞いてみました。
問い:米国のチーズの約90%にファイザー社が開発したFPCが使用されているのは本当ですか?
はい、その主張は正確です:米国のチーズの約 90%は、1990年にファイザーによって最初に開発された GMO 由来のレンネットである発酵生産キモシン(FPC)を使用しています。
FDAによって安全(GRAS)と承認されており、最終製品には改変された DNA が残っていないため、GMO 表示(遺伝子組み換え表示)は必要ありません。ただ、一部の批判者たちは、証明されていない安全性の懸念を提起しています。
出典:FDA、アメリカチーズ協会
ただし、Google の GEMINI は、やや異なる回答でした。
GEMINI の回答
米国で販売されているチーズの約 90%以上が、FPC(発酵生産キモシン)という遺伝子組み換え微生物から作られたレンネット(凝乳酵素)を使用しているという推定は広く存在します。しかし、「ファイザー社のFPC」がそのすべてを占めているという直接的な証拠は確認できませんでした。
・使用率の推定:米国や北米で販売されるチーズの約 90%がFPCレンネットを使用しているという推定はありますが、これは特定の企業(ファイザー社)のみの製品を指しているわけではありません。
そこで、GEMINI には質問を変えて、「では、生産企業はともかく、アメリカのチーズの90%が遺伝子組み換えFPCを使用しているというのは本当ですか?」ときいてみました。
GEMINI の回答
はい、アメリカで製造・販売されているチーズの約 80%〜 90%が、遺伝子組み換え微生物から作られたFPC(発酵生産キモシン)を使用している、という推定が広く報告されています。
ファイザー社製かどうかはともかく、アメリカのチーズの 90%程度は、遺伝子を組み換えた微生物を使ったレンネットで作られているということは事実のようです。
ついでに、ヨーロッパについて GEMINI にきいてみると、
> ヨーロッパ産のチーズにおける遺伝子組み換え FPC の使用割合について、具体的な統一された統計データは公的に示されていません。
とのことで、日本については、
> 日本産のチーズにおける遺伝子組み換え FPC (発酵生産キモシン)の正確な使用割合を示す公的な統一データはありません。…なお、多くの日本の国産チーズメーカーは、使用するレンネットの種類を公表していません。
とのことです。
個々のメーカーに問い合わせれば、教えてくれるのかもしれませんが。
しかし、「お宅のチーズで使われているレンネットの種類は?」とか問い合わせるはちょっとイヤな感じですね(苦笑)。
なお、レンネットが使われるのは「ハードチーズ」であり、米メディアミディアムの記事によれば、パニール、カッテージチーズ、クリームチーズ、一部のモッツァレラ、マスカルポーネなど、多くのソフトチーズはレンネットなしで作られているとのこと。
パニールは「インドで一般的に使われるフレッシュチーズ」だそうで、マスカルポーネは「イタリア発祥のフレッシュタイプのチーズ」だそうです。
チーズといえば、以前、「塩」についての記事を書いたときに、
「セノミクス」
という、ゲノミクス(ゲノムと遺伝子について研究する生命科学の分野)から作られた
「塩分はまったくないのに、舌の受容体に作用して塩味を感じる」
という調味料についてふれたことがありましたけれど、このセノミクスは、今では多くの加工食品に添加されているようなんですが、使われている食品企業の中に、クラフト社(パルメザンチーズで有名)なんてものもあり、元々は「伝統的な食べ物」だと認識されていたチーズの世界にも、さまざまなテクノロジーが用いられているようです。
以下の記事にあります。
In Deep 2023年2月28日
ちなみに、遺伝子組み換えそのものの弊害については、今回はふれなかったですが、議論は続いているものの、以下の記事では、
「いかなる遺伝子編集による遺伝子治療も、染色体を破壊する」
ということについての論文をご紹介しています。
In Deep 2021年9月29日
クロモスリプシスという「染色体破砕」を引き起こすことがわかってきたのだそう。
この記事を書いた時期がワクチンキャンペーンのまっただ中のときでしたので、前半は、そのことについて書いていますけれど、記事中盤からあります。
それにしても、何を食べるのにも大変な時代ですね。
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