地球の最期のときに

火山と人類の共存が崩壊する時代に : 記録のある過去500年で最悪の被害を出している中米グアテマラのフエゴ火山がもたらした光景が、これから世界中で加速すると思われる理由



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6月3日 火山雷を放出しながら噴火するグアテマラのフエゴ火山


vk.com

フエゴ火山の火砕流が通過した後の村


David de Zabedrosky

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予期されていなかった近年最大規模の噴火は火山との共存を崩壊させた

フエゴ火山の場所

Google Map

6月3日、中米グアテマラにあるフエゴ火山が大噴火を起こしました。それにより、現在わかっているだけで 25名の方が死亡し、300名以上が負傷しています。

「わかっているだけで」としたのは、火砕流と溶岩流に地元の村が直撃され、被害の全容はただちに明らかになるものではないようだからです。

下の動画は、火砕流の後に最初に入った救助隊などによって撮影された周辺の村の様子ですが、ここではいくつか場面をカットしていますが、灰の中に人の姿なども点々としており、惨状としか言いようがありません。

火砕流を発生させ巨大な噴火を起こすフエゴ火山


Twitter

灰にまみれながら緊急避難するフエゴ山周辺の住民


David de Zabedrosky

なお、文字に残るフエゴ火山の噴火の記録は 1581年からで、その間の噴火との正確な比較は難しいですが、しかし、今回のものは最も大きな被害のひとつといえるものとなりそうです。

今回のこのフエゴ山の噴火での被害は確かに悲惨なものなのですが、それ以上に、この噴火についてご紹介する理由は3つほどあります。

下のような感じです。

・フエゴ山の噴火は「珍しいものではなく」、毎年のように噴火している火山で、地元の人たちも噴火に慣れていた。

・今回の噴火は過去数百年で最も大きなものである可能性がある

・ハワイのキラウエア火山の噴火や、インドネシアのムラピ火山の大噴火など、世界中で大規模な火山噴火が次第に重なってきている

この中では、特に最初に書きました「フエゴ山の噴火は珍しいものではなく、周辺に住む人々も噴火に慣れていた」ということに思うところがありました。世界では、同じように火山地帯の中で火山と共に暮らしている人々はたくさんいます。日本もそうですが、環太平洋火山帯にはそのような地域が多くあります。

「あの火山は私たちに危害を加えるものではない」と考えていたものが、ある時にそうではなくなる。

今年 2月に大噴火を起こしたインドネシアのシナブン火山の場合も、その噴火に慣れている地元の子どもたちが、あまりにも壮絶な噴火の様子を見て泣き叫ぶ様子が印象的でした。

2018年2月19日に近年最大の噴火を起こしたシナブン山近くの小学校


これから環太平洋火山帯はどうなる? …

また、今年の火山に関してのとても印象的な事象として下の記事でふれました「南太平洋のバヌアツの島が火山の噴火により人々が永久退避し、無人島になった」ということがあります。

https://earthreview.net/permanent-evacuation-from-ambae-by-eruption-devastation/

この島も、長く人間と火山が共存してきたわけですけれど、この 2018年において、ついに「火山との共存が破綻、あるいは崩壊した」わけです。

人口 1万人ほどの小さな島の話ではあるとはいえ、今後同じようなことが規模を拡大して起きないと言えるのかどうかは何ともいえない部分があります。

今年 4月に「どこまで火山活動は拡大するのか」とした以下の記事を書きました。

https://indeep.jp/maybe-volcanic-era-is-starting-now-2018/

ここで取りあげたハワイ島のキラウエア火山は、その後噴火し、現在も被害が拡大し続けていますが、日本でも、大きな被害こそ出ていないものの、火山の噴火が頻発しています。

そして、そのうちのいくつかは、やはり「噴火に慣れている」という状況の場所となっていることも事実です。

 

今後に関してのこととして、これは一般的な見解ではなく、私個人の考えですが、今年 4月の「巨大地震と火山噴火が起きる本当の理由は、宇宙線の増加と太陽活動の低下…」という記事などに書きましたけれど、太陽活動がこれから最大限に低下していくことと、それと共に地球の自転速度が低下している(過去記事)ということなどから、今年から数年間あるいは十数年間は、火山の噴火や地震あるいはその他の地質活動が非常に活溌になると確信しています。

これは昨年以来ずっと確信したままです。

そして、これもあくまで個人的な考えですが、回数だけではなく、その「規模」も拡大していくと思っています。

規模の拡大の話に関しては、データとしてお見せできるような確証は特にないですので、思い込みのたぐいかもしれないですが、現状では、昨年あたりから考えているような「規模に関しての推移」を見せているという気がしないでもありません。

環太平洋以外でもいろいろなことがあり、たとえば最近、イタリアの海域で「異常に高い海水温度」が記録されていまして、理由はわかっていませんが、「海底火山の活動と関係しているのではないか」という説を持つ人たちもいます。これは下の記事に書いています。

https://earthreview.net/impressive-sea-surface-temperature-across-adriatic-sea/

 

ちなみに、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の予測では、今年 7月、ついに太陽黒点の相対数(平均数)が「0」になると予測しています。

それ以降は、ずっと「0」が続いていくことになっていくはずです。復帰するのは通常通りだと 2025年頃でしょうか。


太陽黒点相対数 予測値

公式にも、この夏から本格的に太陽活動極小期に入ることになります。

この太陽活動の「極小期」と、そして、地球の自転速度の低下の「最大値」が重なるこの夏からは、これまでに見られていたような地質活動がさらに本格化する可能性はそれなりに高いと思われます。

その時に、最近見られているような「火山と人類との共存の崩壊」がどの程度起きるのかということが気になります。