地球の最期のときに

どの動物が最も人を殺しているか



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gatesnotes.com

 

最近、「 2015年の1年間で、動物によって殺された人間の数とその内訳」に関しての資料を見ました。

初めて見たものでしたが、興味深いといえば興味深いものでしたので、ご紹介したいと思います。

冒頭のグラフがそれで、これはインタラクティブ(双方向)グラフになっていまして、図にふれると説明が出たりするのですが、それを簡単に説明したいと思います。

ここで示されているのは 2015年の統計ですが、その年には「 150万人が他の動物により殺された」と推定されるのだそう。

まあ、この「 150万人が動物に殺された」という数字だけを提示されますと、何だかとんでもない感じに見えますが、内訳にいろいろありますので、そのあたりを説明してかグラフの内容をご紹介したいと思います。

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動物と人間の現在

この 150万人の死という数字は、年間のエイズでの世界の死者数と同じほどで、相当なものではありますが、ただ、この「人間を殺した他の動物」には「人間そのもの」も入っていまして(殺人や戦争)、これが 58万件ありますので、それを除外してみますと、

「人間以外の動物に殺された人間の数は 92万人」

ということになります。

ちなみに、この 2015年の世界全体での死者数は、過去記事、

2015年の世界全体の死者数は「5760万人」。私たちは日月神示の「1日10万人の死…」の警告をはるかに越えた時代に生きている
 2015/12/23

というものに書いたことがありますが、統計からの推定では、この 2015年には世界全体で「 5760万人」ほどの方が死亡したと考えられます。

この全体の死亡数から見ますと、推定として、

「 2015年は、全世界のヒトの死因のうちの 1.6 %ほどが他の動物により殺された」

ということになるようです。

さらにいえば、「人間を殺した動物」のトップは「蚊」なのです。

蚊は、人間を襲って殺すのではなく「マラリアなどの病気を媒介して人を殺す」ということになりまして、これが 83万件で最も多くなっています。

参考までに、この「蚊」も「人間」と共に除外しますと、2015年に他の動物に殺された人の数は「約 9万人」ということになり、全体の死者数の割合は「 0.016%」ということになり、まあ実際には人間の死因の中で、他の動物に殺される例というのは決してメジャーな理由ではなさそうとは思いました。

しかし、今回は「蚊」も「人間」も含めて説明させていだたきます。

なお、最近の年間での死因の上位は、多少の変動はあっても、大体下のような感じで固定されています。

世界の死因上位5位

1位 心臓血管病(脳梗塞や心筋梗塞など) 1700万
2位 ガン 700万人
3位 慢性閉塞肺疾患( COPD ) 300万人
4位 気道感染症(かぜを含む上部感染症) 300万人
5位 HIV / エイズ 150万人

これを見てわかる通り、現在は動物など相手にならないほどの「病気の時代」です。病気の前には戦争の死者(2015年は 17万人)さえも、まったく及んでいません。

それにしても、たとえば、過去記事の、

異常な増加を見せる「人間に対しての動物の攻撃」は、今の地球の人類と他の生命との関係のどのような状態を現しているのか
 2016/06/19

などで取りあげましたように、どうも最近は「動物の人間への襲撃がとても増えている」ような気はしています。

何だか「動物と人間がうまくいっていない世界になってきている」というような。

最近、インドの以下の状況が報道されていました。

ゾウやトラに襲われ1日1人が死亡 インド

AFP 2017/08/01

インドで、ゾウやトラに襲われて1日に約1人が死亡していることがわかった。同国政府が新たな統計を発表した。インドのゾウやトラは人間に生息地を狭められ、絶滅の危機にひんしている。

インド環境省によれば、2014年4月から今年5月までの1143日間で、国内でゾウとトラに襲われて死亡した人は合計1144人(ゾウに襲われた人が1052人、トラは92人)に上り、この数字が減少する兆しはない。

一方で同省によれば、同時期にトラ345頭とゾウ84頭が主に密猟者によって殺された。ゾウは象牙目当てで狙われる。

ゾウと人間とのあつれきは全国にも広がっており、昨年6月には南部タミルナド州で、12歳の少女を含む4人がゾウに踏まれて死亡した。

インドではこの数十年で都市化によって広大な規模の森林が失われ、野生動物が人間の生活圏に進出せざるを得ない状況を生んでいる。

 

「毎日1人ずつ人間が動物に殺されている」というインドの状況は、過去に例がない事態のはずで、やはり、動物と人間がうまくいっていない状態は拡大しているのかもしれません。

最近の日本のヒアリの騒動も似たものがあります。行動範囲の狭い生き物であるヒアリは、人によって拡散されなければ、人間社会との軋轢は生まれなかったはずです(参考記事「ヒアリの何が恐いのか…を調べてみると、結論から書くと、子どもの致死率は「天文学的に低い」上に、歴史的な人災の本件で…」)

では、ここから、現状での「人間と動物の死を巡る関係」についてのグラフをご紹介します。

 


Why I’d Rather Cuddle with a Shark than a Kissing Bug

人間に死をもたらした動物と死者数 2015年

1位 蚊 830,000人が死亡

地球上で最も人の死を導いているのは蚊であり、世界では1分ごとにひとりの子どもがマラリアで亡くなっている。

 

2位 ヒト 580,000人が死亡

蚊についで人間が殺される要因となっているのが「人間による死」だ。2015年は、40万9000人が殺人で死亡し、17万2000人が戦争で死亡した。

 

3位 ヘビ 60,000人が死亡

死者のすべては毒ヘビに噛まれた事例。

 

4位 サンドフライ(ブヨなどの虫) 24,200人が死亡

多く吸血された場合や、重要な器官に毒が達した場合に死に至る場合がある。

 

5位 犬 17,400人が死亡

犬による死者の大多数は、狂犬病に感染した犬に噛まれたことによるもの。狂犬病を媒介するのは犬だけではないが、発症すると、ほぼ 100%死亡する。

 

6位 サシガメ 8,000人が死亡

サシガメは、カメムシ目サシガメ科の昆虫の総称。ヒトの血を吸った際に、シャーガス病と呼ばれる病原体を媒介し、それが死亡の原因となることがある。

 

7位 淡水カタツムリ 4,400人が死亡

淡水カタツムリの体内には、住血吸虫症を引き起こす寄生虫が住み着いており、その寄生虫が人間の皮膚下で増殖する。

(訳者注) これは年間の死者数が 4400人とされていますが、Wikipedia には、住血吸虫症は「世界 77ヶ国で 2億人以上が感染しているとされる」という記述と、「年間死者数はアフリカだけで 20万人ほどと見積もられている」という記述がありまして、詳細な数値は曖昧なものなのかもしれません。いずれにしても、淡水カタツムリという生き物は、人間社会に影響の大きなものであるようです。

8位 サソリ 3,500人が死亡

ヒトを殺すほどの毒を持つサソリの種類は少ないが、年間にこのような被害が出ている。

 

9位 ツェツェバエ 3,500人が死亡

アフリカ睡眠病をはじめとするさまざまな病気を引き起こすトリパノソーマを媒介する。

(訳者注) ツェツェバエの媒介するアフリカ睡眠病に関しても、Wikipedia には「年間 4万人が死亡している」という記述があり、曖昧な部分がありそうです。

10位 回虫 2,700人が死亡

ヒトに最もありふれた寄生虫で、世界で約 10億人が感染しているとされる。

 

以下、動物名と 2015年の死者推定数を記します。

11位 サナダムシ 1,600人が死亡

12位 ワニ 1,000人が死亡

13位 カバ 500人が死亡

14位 ゾウ 100人が死亡

15位 ライオン 100人が死亡

16位 ハチ 60人が死亡

17位 トラ 50人が死亡

18位 クラゲ 40人が死亡

19位 オオカミ 10人が死亡

20位 サメ 6人が死亡


 

ここまでです。

ライオンさんやサメさんは、コワイものの代表格として描かれることも多いですが、ヒトの命を奪う面では、蚊の足下にも及ばない安全な存在であることがわかります。サナダムシにも大きく負けています。

そういうわけで、現状では、人間を殺す存在に関しては「蚊とヒトの一騎打ち」という感じとなっていますけれど、大きな戦争などが起きた場合、あるいは「人間がみんなおかしくなって周囲の人々を殺し始めたりした時」には、人間の死因として、ヒトが蚊を抜くことになることと思われます。