40Hzの刺激は記憶力と認知機能の低下を遅らせる。hukuibio.com
この10年で知った多くの音と人間の関係の概念
今年初めに少し体調を崩した後、久しぶりに積極的に「音」(たとえば、528Hz とか 432Hz などの周波数)を自分の部屋にいる時に流したりするようになっています。
「音と身体」についての話は、過去にずいぶんと書かせていただきまして、たとえば以下のようなものがあります。
In Deep 2018年11月22日
In Deep 2021年11月10日
「音」に関しては他にもいろいろな過去記事がありまして、中には、「8000Hzのホワイトノイズが微生物の育成を促進する」という研究をご紹介したこともありました。
また、音の概念の中には「ソルフェジオ周波数」というものがありまして、科学的な根拠はいまだに判然とはしませんが、一般的に以下のようなことが言われています。
・ 396 Hz・・・トラウマ・恐怖からの解放
・ 417 Hz・・・変容の促進
・ 528 Hz・・・DNA の修復
・ 741 Hz・・・表現力の向上
・ 852 Hz・・・直感力の覚醒
・ 963 Hz・・・高次元、宇宙意識とつながる
このソルフェジオという言葉を知ったのは、今から 11年ほど前で、イタリアのハル・サフリエニ地下墳墓という紀元前 2500年頃の地下構造物を調査していた際に、この構造物は、
「極めて正確な周波数を出すために建物自体が設計されていた」
ことがわかったという研究を取りあげたときでした(70Hzと 114Hzの相互の音響による強い重共鳴周波数)。
これは、2014年の「5000年前からソルフェジオ周波数を駆使していたかもしれない古代人…」という記事にあります。
その後、ライアーという楽器(ルドルフ・シュタイナーが音楽療法などのために設計を発案したとされていて、調律が現代の基準音の 440Hz ではなく、432Hz で行われる)の存在を知ります。
そんなわけで、この 10年ほどは音に興味を持つことがあったのですが、最近(ってまあ、昨日ですが)、
「 40Hzの音波がアルツハイマー病の進行を遅らせる」
というネイチャー誌に掲載されている論文を読んだのです。
40Hzの音波という概念
論文のタイトルは「多感覚ガンマ刺激はアミロイドのグリンパティッククリアランスを促進する」という私には訳のわからないものですが、概要には以下のようにあります。
> 脳内のグリンパティックな体液移動により、代謝老廃物が除去される。非侵襲性の 40 Hz 刺激は、複数の脳領域で 40 Hz 神経活動を促進し、アルツハイマー病のマウスモデルの病理を軽減する。
>
> 本研究では、多感覚ガンマ刺激がアルツハイマー病の 5XFAD マウスモデルの皮質における脳脊髄液の流入と間質液の流出を促進することを示す。
「うーん、もっとわかりやすく説明してくれないだろうか」と探していましたら、米マサチューセッツ工科大学のニュースリリースで、このことにふれていまして、簡単にまとめると、以下のようなことだそうです。
MIT News の内容のまとめ
・40Hzの音や光(ガンマ波感覚刺激)は、アルツハイマー型認知症の認知機能低下やバイオマーカー(アミロイド斑など)の進行を遅らせる可能性が示唆されている。
・1日1時間の継続的な刺激は、初期アルツハイマー患者において安全で実用的なアプローチであり、記憶力や日常生活能力の維持に寄与する可能性があると報告されている。
(原理)40Hzの音と光の刺激は、脳内の「ガンマ振動」を強化し、アルツハイマー病の病理に関与するアミロイド斑を減少させる効果が期待されている。
(研究結果)初期アルツハイマー病患者を対象とした研究で、毎日 40Hzの視聴覚刺激を約 2年間継続した結果、認知機能低下の遅延が見られた。
MIT News 2025/11/14
アミロイド斑というのは、一般的には、アルツハイマー型認知症患者などの脳内に蓄積する、アミロイド(ベータ)タンパク質の凝集・沈着物で、神経細胞の外側に形成され、毒性により神経細胞を傷つけ死滅させることで、認知機能障害や脳の萎縮を引き起こすとされているものです。
先ほどのマサチューセッツ工科大学のニュースリリースによれば、
「 40Hzの音波は、このアミロイド斑を減少させる」
ということのようですね。
ですので、アルツハイマー病の「治療」ということとは関係ないかもしれないですが、進行を遅らせるということにはなりそうです。ただ、別の研究では、「認知機能が改善した」という言葉も含まれていましたので、治療という概念と少しは関係するのかもしれません。
以下はその論文のハイライトです。
2025年10月の論文より
・軽度アルツハイマー病 (AD) 患者 5名が 2年間にわたり毎日 40Hz の視聴覚刺激を安全に使用した。
・遅発性アルツハイマー病(LOAD)患者では、40 Hz 脳波(EEG)パワーの増加と認知スコアの改善が見られた。
・2名の遅発性アルツハイマー病患者では、2年間の毎日の 40Hz の視聴覚刺激の使用後に血漿リン酸化タウ217が減少した。
・この小規模なパイロットは、長期の 40Hz 療法とアルツハイマー病バイオマーカーの変化を関連付けた初めてのものだ。
血漿リン酸化タウ217というのは、アミロイド斑蓄積を血液検査で診断できるバイオマーカーだそう。
「それにしても、40Hzなんて概念がどうして出てきたんだ?」
と思いまして、研究を遡ってみますと、約 10年前の 2017年10月の研究に行き当たりました。
その冒頭が、
> ガンマ振動(20~50 Hz)の変化は、いくつかの神経疾患で観察されている。しかし、ガンマ振動と細胞病態の関係は明らかではない。
とあり、「ガンマ振動」というものと神経疾患との関係はわかっていたことのようです。
ガンマ振動とは、
> 脳神経細胞が約26〜70Hz(あるいは30〜90Hz)の周波数で同期して電気信号を放出する現象。
だそうで、
「一般的には 40Hz前後」
なんだそうです。
そこから、40Hzを使用しての研究が始まったのだと見られます。
とはいっても、先ほどの研究では、その期間は「2年間にわたり…」などとあり、そう簡単に変化するものでもなさそうですが、知っておいてもいいことなのかもしれないとは思いました。
ちなみに、40Hz の音をどのように聴くかというと、たとえば Youtube で検索すると、たくさん出てくるのでした。つまり、今ではそれだけ有名な周波数のようです。
ただ、数多くアップされている音の中で、「どれがいいとか悪いとか」は私にはわからないですし、周波数の計測などはしていないですので(つまり正確かどうかはわからない)、良い悪いはわからないながらも、「こんなにたくさんアップされているんだ」と知った次第です。
何にしても、音(周波数)というのは不思議ですね。
人間の身体のどこからどこまでも干渉するようになっている。もちろん、身体に良い音も「悪い音」もあるでしょうけれど。
ちなみに、
「人間の細胞自体が音を発している」
という事実もあります。2002年に米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のジェームズ・ギムゼフスキー教授が発見したものです。
興味深いのは、「ガンになると細胞の音の調和が崩壊する」のです。
つまり、ガン細胞は通常の細胞とは異なる周波数を出しているということになりそうです。
この研究を取りあげていた記事は、2020年1月の In Deep の記事「音と病気の関係を示す驚異的な発見…」で翻訳しています。
音と人間の関係についての発見は今後もまだまだ続きそうです。
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