地球の最期のときに

超過死亡率データを見て思う、緩慢に進む子どもたちのジェノサイド



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厚生労働省の「努力」

本題とは関係ないですけれど、今日、週間 FLASH の記事が、Yahoo ニュースに掲載されていまして、そのタイトルこそ「10月登場の新ワクチン BA・4、BA・5に「中和抗体の数値低い」論文データ」というようなものなのですが、名古屋大学の小島勢二名誉教授の「発見」について以下のように述べていたことが書かれてあります。太字はこちらでしています。

 

> 厚労省が、ワクチンを接種したけれど接種日が分からない「未記入」を、「未接種」と分類して公表していた為に、本来効果が薄いオミクロン株に対するワクチン効果が過大に評価され、殆ど「正反対」ともいえる結果になっていた…

 

要するに、

「ワクチンをいつ接種したかわからない人たちを」

「未接種と分類していた」

と。

そして、小島勢二名誉教授が、独自に計算をし直したところ、

 

> その結果、ワクチンを2回接種した人の感染予防効果がマイナスになり、かえって感染しやすいといえる結果になったのです。

 

と述べていたのだそう。

これに関しては、山形県にある医療法人 徳洲会 新庄徳洲会病院のウェブサイトの6月1日の「院長コラム」に「Vol.248 単純なミス? 意図的な改竄?」という文章がありました。太字はこちらで施しています。

 

(新庄徳洲会病院 「院長コラム」より抜粋)

> PCR検査の陽性者が出ると、医療機関からワクチンの接種歴が、ワクチンの種類と接種日と共に報告されます。その際に、接種したけれど接種日まではわからない人が相当数いるため、接種日未記入者が発生します。この接種日不明者を厚労省は未接種群に分類していました。その間は、未接種群の人口あたりの陽性者数は接種済群の2〜3倍になり、特に80歳以上では10倍以上になりました。ところがその事実が発覚後の4月11日以降のデータではこれを接種不明群に分類したため、未接種群の陽性者は半減し、接種済群との差が一気に縮まり、年代によっては逆転するという事態になったのです。 shin-toku.com

 

ミスか意図的なのかはともかく、これによって、「ワクチンを2回接種した人の感染予防効果がマイナスに」という結果が出てしまったようです。

 

これは現在の 3回目接種、4回目接種だと、さらに微妙な話となっていまして、たとえば、以下は、愛媛県知事の 8月17日の記者会見の記録からの抜粋です。

 

(愛媛朝日テレビで報じられた 8月17日の愛媛県 知事記者会見録より抜粋)

> 次に、ワクチンの接種についてでございます。

> ワクチン接種については健康上の理由で、接種できない方もおられますが、亡くなられた方で、接種回数2回以下となる方が合わせて10名いらっしゃいます。 4回目、3回目の接種を済ませた方は35名

> これだけ見ると、多くの方が亡くなっているように見えるのですが、ただし、60才以上の方で、8月1日時点で約9割の方が、3回以上のワクチンを接種しておりまして、接種2回以下の方は1割程度で、これに対して、死亡者の中で、接種2回以下の方は、2割以上を占めておりまして、やはり未接種や接種回数の少ない方がお亡くなりになる割合は、人口と比べますと高くなっているのではなかろうかと見ております。 pref.ehime.jp

 

比率云々はともかく、

・接種回数 2回以下の方で亡くなった方は 10名

・4回目、3回目の接種を済ませた方で亡くなられたのは 35名

ということを知事は述べてしまっています。

それにしても、先ほどの週間 FLASH の記事は、ワクチン自体を否定することには踏み込みたくはないようで、記事の締めはこうなっていました。

> 集団免疫獲得までの今しばらくは、“重症化を防ぐ”ために「それでも打つ」しかなさそうだ。FLASH

 

この「重症化を防ぐ」というフレーズは美しくよく使われますが、だったら、世界で最も 3回目、4回目が進んでいる国のひとつである日本が、なぜ以下のようなことになるのでしょうか。

コロナ 日本の新規感染者数 5週連続世界最多 死者数は2番目

NHK 2022/08/25

WHO=世界保健機関がまとめた今月21日までの1週間の新型コロナウイルスの感染状況によりますと、日本は新規感染者数が5週連続で世界で最も多くなったほか、死者数も、2週連続で世界で2番目に多くなりました。

日本と世界全体の人口100万人あたりのコロナ死者数の推移の比較

ourworldindata.org

これを見て興味深いのは、いわゆる第 1波から第 6波のように言われる昨年 9月くらいまでの流行波では、日本のコロナ死者数は、全世界の動きと比較的連動していたことがわかります。

ところが、ブースター接種が始まった 2021年12月あたりから「世界とのリンクが切れはじめ」、4回目が始まってからは完全に連動性が切れた感じです。

そもそも「重症化を防ぐ」というフレーズがどこから出てきたのか、今もよくわかりません。

 

ところで、ヨーロッパの人口動態、特に「過剰(超過)死亡率」のデータを記録し続けている Euro MOMO (読み方は、おそらくユーロモモ)の最近のデータを見ていまして、

「展開的に非常にイヤな感じとなっている」

ことを知りました。




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突出している年齢層

最初に、現状の結論をいえば、

「全年齢層では、過剰死亡は特に今年増えたということはない」

ということがあります。

以下のグラフは、全年齢層の 2020年から 2022年の過剰(超過)死亡数の比較です。

ヨーロッパの全年齢層の過剰死亡数の推移

euromomo.eu

2020年から 2021年の比較では、現時点でのヨーロッパでの過剰死亡数は 2021年よりやや高く、2020年よりやや低いという非常に健全、というのか平常の数値を見せています。

では、次に、「 0歳から 14歳の過剰死亡数」を見てみます。

0歳から14歳の過剰死亡数の推移

euromomo.eu

この若い年齢層において、2022年になり過剰死亡数が急激に増加していることがおわかりかと思います。また、2020年は、今くらいの時期から「過剰死亡率が異様に減少していた」こともわかります。

2022年の急増も 2020年の急激な減少も、どちらも具体的な理由はわからないにしても、この年齢層だけがこのような顕著な差を見せているのです。

本当は、この若い世代の過剰死亡について、年齢別に、もう少し詳しく知りたかったのですが、この 0歳から 14歳の次は、

「 15歳〜 44歳」

という、かなり大ざっぱな区分となっていて、十代後半はどうなのか、二十代はどうなのかということはわかりません。

このような大ざっぱな年齢区分となっている理由は、おそらくは「もともとこの年齢層は過剰死亡率に年ごとの差が出ない年齢層」だからだと思います。

全世代で最も死亡率が低く、要するに「そうそう亡くならない世代」であり、それが十代後半から四十代ということなのかもしれません。

なお、この 15歳〜44歳でも、2022年が最も過剰死亡が多いですが、0歳から14歳ほどの顕著な差ではないです。

0歳から14歳の過剰死亡の原因は、まあ、それはいろいろと考えられるでしょうけれど、たとえば今年のヨーロッパは、非常に厳しい猛暑に早くから襲われていましたので、「猛暑による過剰死亡」というのも考えられるかもしれません。

熱中症等が原因の場合は「主に高齢者中心の過剰死亡」となるはずです。

そこで、日本でいう後期高齢者層にあたる 75歳から 84歳の過剰死亡を見てみます。

75歳から84歳の過剰死亡数の推移

euromomo.eu

なんと、この年齢層では、「今年 2022年の過剰死亡数が最も低い」のでした。

2020年の 12週くらいからの急上昇は、これはコロナそのものによるものかもしれませんが、他は緩やかな曲線を描いています。

ですので、原因は猛暑や熱中症の増加とは異なるものかもしれません。

原因は何であれ、結局、異常な数値が「最も若い年齢層」に集中していることがわかります。

その原因はいろいろだと思います。ワクチン、他の疾患など、いろいろとあるとは思いますが、この「 0歳から」という赤ちゃんが入る括りとして考えますと、以下の記事などに書いてきましたような、「小さな子どもの免疫喪失」というのも関係あるかもしれません。

 

[記事] 世界中に広がる子どもの免疫消失 : オーストラリアでもコロナ、インフルエンザ、RSウイルスの3種のウイルスに「重複感染」して入院する赤ちゃんが急増
 In Deep 2022年7月2日

[記事] 若い年代が最も犠牲になっていることが次第に明らかに。英国の公式統計ではワクチン接種した14歳以下の子どもの死亡率は、未接種の子どもの「5000パーセント」に達する
 In Deep 2022年5月11日

[記事] コロナワクチン後天性免疫不全症候群(VAIDSとも)への警告に関する論文からも、ストレートな曝露を受けた小さな子どもたちへの懸念がさらに
 In Deep 2022年5月4日

 

あるいは、春以降、各国で乳幼児たちの「原因不明の」重症肝炎や風邪の重症化などが報じられ続けていました。以下はタイトルだけですが、すべて過去記事です。

 

ブラジルでの小さな子どもたちの「単なる風邪による重症呼吸器症候群」が加速。感染が確認された子どもの数が2300%増加した病院も

インドで乳幼児たちに深刻な症状の「謎の発疹性感染症」が広がる。つけられた名称は「トマトインフルエンザ」

小児の「原因不明の重症肝炎」の報告が世界十数カ国に拡大

 

先ほどの超過死亡に関して、個別の死因がそれぞれ書かれているわけでもなく、その原因は推測しても仕方ないことではありますが、いずれにしても、

「小さな子どもたちの過剰死亡が顕著になっている」

ようです。

 

日本では?

日本の年齢別の過剰死亡の状況はわからないですが、「全体」であるなら、

「日本では、2021年からずっと超過死亡の状態が続いている」

ことが、国立感染症研究所のデータが示しています。

国立感染症研究所等が主催する日本の超過および過少死亡数ダッシュボードというページがあります。

そこに「週ごとの超過死亡数」のグラフがあります。

見やすいものではないのですが、以下のグラフは、

・水色 ()が、記録された死亡数
・点線 (– – –)が、予測されていた死亡数
・緑の線()が、予測のしきい値の「上限」(これを超えると過剰な死亡)
・赤のプラス()が、予測しきい値より上
・赤のマイナス()が、予測しきい値より下

などとなります。

日本の週ごとの超過死亡数

exdeaths-japan.org

どこを見ますと、2021年以来、「過剰死ばかりになっているか」ということがわかるかといいますと、もう一度グラフを載せます。


exdeaths-japan.org

予想死亡数の紫の点線(- – -)と、予想しきい値の上限である緑のライン(ー)に沿って見ますと、2021年からは「ほとんどの週で予想死亡数を超えた超過死亡の状態となっている」ことがおわかりかと思います。

特に、2022年になってからの過剰死亡(青い棒グラフが緑のラインを大きく突き抜けている部分)の週がとても多いことに気づきます。

原因はともかく、このグラフから、「日本の過剰死は、一過性ではなく増えている」のです。

さきほどのヨーロッパ同様、ここでも原因の推測はしません。

データがない以上、推測さえもしようがないからです。

なお、最近、英大手メディアのテレグラフが、「英国を襲う過剰死の急増という静かな危機」というタイトルの報道をアップしていました。

テレグラフは、完全有料で、私は会員ではないですので全文は読めないですが、冒頭は以下のような記事でした。

英国を襲う過剰死の急増という静かな危機は氷山の一角に過ぎない

Silent crisis of soaring excess deaths gripping Britain is only tip of the iceberg

英国は新たな静かな健康危機に直面している。

過去 15週間のうち 14週間、イングランドとウェールズでは毎週平均約 1,000 人の死亡者が増加しており、そのいずれもコロナによるものではない。

現在の軌道が続けば、今年のコロナ以外の過剰死亡者数は、コロナによる死亡者数をすぐに上回るだろう。

専門家たちは、パンデミックの初期段階で政府が下した決定 – それは、人々を屋内に閉じ込め、病院から遠ざけ、治療やプライマリケアを奪った政策 – がついに犠牲として数となっていると考えている。

パンデミック時の元政府顧問であるノッティンガム・トレント大学のロバート・ディンウォール教授は、次のように述べている。

「私たちは、ガンや心臓病などの他の病気の治療の遅れや延期、貧困や欠乏に関連する病気による死亡例を見始めています。これらはよりゆっくりと進行します。ガンが迅速に治療されなければ、多くの患者がより早く死亡します」

このように、医療の専門家たちは、過剰死亡が拡大しているのは「ロックダウンの影響が出てきたため」としているのですが、まあ、それもないではないかもしれないですが、最近のカナダの以下のような報道を思い出しますと、

「いろいろと絡んではいる」

のだろうとは思います。

(報道) カナダ・アルバータ州の2021年の死亡理由のトップが「原因不明の死」であることが判明 (2022/07/31)

 

このアルバータ州の 2021年の死因の上位5位は以下でした。6位以下は上の記事にあります。

 

2021年のカナダ・アルバータ州の死因トップ10

1位 不明確で未知の死因 (3,662人)
2位 認知症 (2,134人)
3位 新型コロナウイルス感染症 (1,950人)
4位 慢性虚血性心疾患 (1,939人)
5位 気管・気管支・肺の悪性新生物 (1,552人)

 

未知の死因と認知症が圧倒的となっています。

また、この 2021年には、アメリカでも、「コロナ以外の過剰死」の急激な上昇が示されていたことを以下の記事でふれています。

 

[記事] アメリカの2021年の異常な率の「コロナ以外の過剰死」がCDCのデータで示される。特に労働人口年齢では死亡率が40%の急上昇
 In Deep 2022年1月15日

 

この場合も、「オピオイド(アメリカで乱蔓延している鎮痛剤)」が原因ではないかということが言われていまして、まあ、それもあるのかもしれないですが、こちらも複雑です。

結局、「明確な死因」あるいは「その根本的な原因」というのは、あとになってからは、なかなかわかるものではないです

それでも、そこに「私が想定しているような理由」が含まれるのだとすれば、これからも過剰死は拡大するとも考えられます。今回ご紹介したようなデータが今後も正直であるなら、数ヶ月語、数年後に、それがはっきりとしてくるのではないでしょうか。

 

そして、エネルギー危機のヨーロッパに「冬」が来ます。

以下の記事で書きましたように「寒さは暑さの何十倍も人を死に至らしめる」ことがわかっています。

 

[記事] エネルギー危機が今後「経験したことのない過剰死」に直結する予測が。これがジェノサイドの次章となる可能性も
 In Deep 2021年11月3日

 

この記事は、昨年 11月の記事ですが、現在のヨーロッパのエネルギー危機は、この時とは比較になりません。そして、ドイツなどの国では、解決の目処も立っていません。

アメリカも同じかもしれません。電力料金の急激な高騰で「 6世帯に 1世帯が電気料金を支払うことができていない」と米ゼロヘッジが報じていました。

それと共に食糧の問題があります。

これはまた改めて書かせていたただこうと思いますが、いよいよ壊滅的な穀物危機が近づいている可能性が高くなっています。繰り返し報じられる世界各地の干ばつとも関係しますが、次第に「度が過ぎてきている」感じとなってきています。

しかも、この気候による生産への影響は現在、アメリカ、ヨーロッパ、中国といった食糧大生産国すべてを巻き込んでいます。

日本への影響はわからないです。しかし、地球の大部分が影響を受けるのだとすれば、日本だけがノーダメージということもないとは思います。

本格的な過剰死の時代は実際にはこれから、のようです。

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