地球の最期のときに

エコノミスト誌が30年前に示唆した「世界通貨の登場」。その通貨名は血塗られた歴史の背景を持つ「フェニックス」。ビットコインはそれと関係する?



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30年前となる1988年の英エコノミスト誌の表紙。特集は「世界通貨に備えよ」

The Economist

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The Economist

1843年創刊の世界で最も歴史のある経済誌エコノミストが、今から 30年前に、「 2018年に、まるでビットコインのような通貨が大ブレークする」ことを予言するような示唆の表紙を描いた特集号を出していたことを知りました。上がその表紙です。

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拡大し続けるビットコイン狂想曲

今はとにかく「ビットコイン」という言葉がメディアのいたるところに出てきます。なので、何となくみんな知っているようなことと錯覚しがちです。

しかし現実として、日本も他のあらゆる国でも、一般の人の間で「ビットコインとは何なのか」ということをきちんと知っている方々のほうが少ないと思われます。

私もよくわからないですが、たとえば、どなたかが「ビットコインというのは何だろう」と思ったとします。そして、インターネットで調べようとするとします。インターネットの調べ物でのポピュラーな媒体として Wikipedia がありますが、その人が「ビットコイン – Wikipedia 」を見ると、その始まりは下のようであることを知ります。

ビットコイン – Wikipedia

ビットコインは、公共トランザクションログを利用しているオープンソースプロトコルに基づくPeer to Peer型の決済網および暗号通貨である。

 

さて・・・。

何より私がそうですが、この冒頭に出てくる言葉の半分以上は、普通の方々にはわからないです。

「公共トランザクションログ」もわからないし、「オープンソースプロトコル」もわからない。「Peer to Peer型の決済網」もわからないし、「暗号通貨」もわからないかもしれない。「である」もわからないかもしれない(それはダメだ)。

しかし現実として、「わかる人たちの実数」はすさまじく、たとえば、下は 2017年12月26日、つまり 10日ほど前の日本経済新聞の記事の見出しです。

日本経済新聞

この記事によりますと、

「日本でビットコインを保有する人は 100万人以上いる」

ということになっているのです。

100万人ですよ、100万人。100人じゃなく、100万人ですよ。

2017年の日本の出生数は過去最低の 94万人でしたから、今の日本は「出生数よりビットコインを保有する人のほうが多い国」ということになっています(何の比較だ)。

そして、こういう書き方は失礼かと思いますが、高齢者の方々でビットコインを理解したり保有したりする人は、いなくはないでしょうが、多くはないと思いますし、幼稚園児や小学生もあまりいないと思われます(そもそもダメだし)。

となりますと、保有している人たちの年齢層が、およそ二十代から六十代くらいが中心だとしますと、その世代でビットコインを保有する人の「」は結構なものとなるのではないでしょうか。

お隣の韓国もビットコインに投資する人の数と共に、「その熱中ぶり」がよく報じられていて、たとえば、「韓国のサラリーマン、10人に3人が仮想通貨に投資 (Money Voice 2017/12/28)」などというものすごい数字も報じられていたりします。

韓国のサラリーマンの実数は知らないですが、人口 1億2700万人の日本のサラリーマンの数が、正規・非正規含めて 5000万人くらいだそうですので、人口 5200万人の韓国のサラリーマンの数も、そこから考えれば、少なくとも 2000万人以上はいるということになるでしょうか。その数千万人のうちの 10人に 3人が、ビットコインなどの仮想通貨を保有するという数字が仮に本当だとすると、ものすごいことではあります。

ついには、韓国では、「ビットコイン・ゾンビ」という言葉も生まれています。

2017年12月11日の韓国英字紙コリア・タイムズより
koreatimes.co.kr

ビットコイン・ゾンビというのは、簡単にいうと、「パソコンやスマートフォンの画面などで 24時間ビットコインの価格をチェックし続ける人たち」のことを呼ぶ名称として生まれたものだそうです。韓国ではすでに、「異常な病的状態の若者たちを生んでいる」として、政府がビットコイン取引所の閉鎖を含めた規制の検討に入っています。

まあ、そういうように、熱狂している人たちやそういう場では今もさらに大変に盛り上がっているようです。

そして、その「ビットコインの未来」という本質的なことについては、もう意見や主張はバラバラという感じでもあります。しかも、それは「両極端で対立している」ものでもあります。

たとえば、前回の記事、

数字からわかる「狂気じみていた2017年」。そして、おそらくはこの狂気は今年も継続する
 2018/01/03

では、アメリカの「信じるにはあまりにも狂気じみた 2017年の 44のことがら」という記事をご紹介したのですが、その中に、

金融界の著名な人物の何人かは、ビットコインの価格が最終的には 100万ドル( 1億1千万円 / ※現在の 80倍近く)に達すると予測している。

というものがあり、このような「ビットコインは、さらに大きく飛翔していく」という予測がいろいろとあります。

そして、もういっぽうは下のようなものです。

2017年12月25日のアメリカ報道

Bitcoin Value = $0? Morgan Stanley Makes a Flawed Argument

これは、世界第 3位の投資銀行モルガン・スタンレーが、今から 10日ほど前に「ビットコインの価値が将来ゼロになる可能性がある」という内容の論文を発表したという報道です。もちろん、あくまでひとつの投資銀行のアナリストたちの意見であり、これに対しての反論もとても多いです。

いずれにしましても、こういうように、

史上最高のバブルの状態を更新するほど高値に達する

という予測と、

価値がゼロになる

という「両極端」の予測が存在します。

私にはどっちのほうが近いのかすらわかりませんが、ただ、昨年 12月の記事、

ビットコインが17世紀のチューリップバブルを抜き、人類史上最大のバブルとなったことが確定した時に思い出す、かつて聞いた「デジタル通貨の崩壊」の予言
 2017/12/13

において、

「 2017年12月に、ビットコイン相場が人類史上最大のバブルとなったことが確定した」

ことをご紹介しましたけれど、強気の予測の人々は、これよりもさらに上がるとしているわけで、仮にそうなりますと、本当に私たちは今「奇妙な世の中に住んでいる」というような感慨が出てくる部分はあります。

2017年12月12日時点の「人類史におけるバブル」の比較

CONVOY Investment

 

ただ、どちらの方向に進むにしても、ビットコイン(あるいは、それを含む仮想通貨全体)はすでに、先ほどのように、

・日本で 100万人以上が保有

・韓国ではサラリーマンの3割が保有

という事態にまで突き進んでいる事象でもあり、どちらの方向に進むにしても、影響が大きく表面にあらわれるものだとは思います。

かつてないほどの数のバブル長者の誕生を見ることができるのか、あるいは、かつてないほどの社会的クラッシュに結びつく何かが起きてしまうのか……。

予測は別として、皆様はどちらを望まれますか?

 

そして、このような時代にクローズアップされたのが、冒頭に示しました 1988年の英国エコノミスト誌の表紙なのですね。

この表紙は、明らかに「 2018年に世界通貨が爆発的な登場をして、従来の通貨が消える」ことをイメージとして描いています

それがビットコインのような「暗号通貨」を念頭においていたものなのかどうかはわからないですが、このエコノミストの表紙で、そのコインの名前が「フェニックス」と名づけられていることにも大変な興味をもちました。下のように「 10フェニックス」という単位が描かれています。

Economist

 

 

「血塗られた世界通貨」は登場するのかしないのか

私は、ある頃から地名としての「フェニックス (Phoenix)」と、その「フェニックスという言葉の由来」に大変興味を持ち、In Deep でも何度かそのことを記事にしたことがあります。

ここでフェニックスのことにまでふれると話が混沌としますので、今回はふれませんが、過去記事としては、

5000年におよぶ「血の歴史」を持つフェニックスという言葉の概念を知りたくて・・・。歴史的な皆既日食の翌日、北緯33度上の最大都市がアメリカ分断の象徴となった日に
 In Deep 2017/08/23

悪魔元年? : 怒濤の「北緯33度線からの使者ラッシュ」が示す場所「フェニックス」の意味。そして、2017年という年の示唆を再び振り返る
 In Deep 2017/01/06

などがあります。

ちなみに、「フェニックス」という名称は、古代の地名フェニキアと、そのフェニキア人に由来されていまして、そのフェニキア人の活動範囲は、北緯 33度線(人類史で血にまみれた歴史の象徴の緯度)を中心としたものだったのでした。

「フェニックス」の語源となったフェニキアの場所と交易範囲

In Deep

その「血にまみれた場所から誕生したフェニックス」という概念が「世界通貨の名称に起用される」とすれば何と意味ありげなことか……と思った次第です。

前回の記事のタイトルにあります、

> 数字からわかる「狂気じみていた2017年」

というものの中には、ビットコインの狂乱も含まれているのですけれど、数秘術、あるいはそういうものとは関係なく、年明けから現実に起きていることなどを見ますと、この狂乱は「止まるまで続く」と思われます。

「止まるまで続く」というのは当たり前の表現ではないかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、もはやビットコインは「常識的な範囲での止まる時期を失った」ものとなっているわけですから「止まる」時はとても大変なことになるはずです。

そして、「止まらない」のなら、それは「今の世界が壊れた時」といえます。