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「自己拡散型ワクチン」技術の存在を知り、そして、ファイザーの臨床計画書ではmRNAワクチンの有害事象が「接触した未接種者に起こる」ことも知る


投稿日:2021年5月2日






米マイアミでの出来事から知る現代テクノロジーの進歩


最近、米マイアミの私立学校の代表が、「ワクチンを接種した人の近くにいた未接種者」に生理の不正出血や流産などが世界中で起きているとして、

「学校の教職員及びスタッフに、状況がわかるまでコロナワクチンを接種しないようにと通達した」
ことが話題というか、議論になっています。

これは簡単にいうと、この代表の人は、「ワクチンを接種していない人が、ワクチン接種した人と接触しただけで有害事象を起こしてしまう」ということで、まるで、

「ワクチンの有害事象が感染する」
みたいなことを言っていたわけです。

「いくらなんでもそんなことは」と思っていましたが、ふと、昨年の科学メディアを思い出しまして、そのことを後で少しご紹介させていただきます。

まず、そのマイアミの私立学校の代表の発言についてふれていた最近の記事の一部をご紹介します。

マイアミの私立学校セントナー・アカデミーは、学校の健康を守るための予防措置として、新型コロナウイルスワクチンをまだ接種していないスタッフたちに、接種を学年末まで待つように指示した。そして、このことは、現在、国際的な非難の的となっている。

セントナー・アカデミー校の CEO レイラ・セントナー氏が学校スタッフに送信したメールは、後に報道機関にリークされ内容が明らかとなったが、そこには以下のように書かれてある。

最近世界中で、COVID-19ワクチンのいずれかを接種した人の近くにいただけで、何万人もの女性たちが、不規則な月経、出血、流産、閉経後の出血、および無月経(月経の完全な喪失)など、生理と生殖に関する有害な事象を報告しています。

これらの不測の事態の原因を正確に知る人は誰もいないでしょうが、ワクチン接種を受けた人たちは、その体から接触した人たちに何かを伝染させているようです。

より多くのことが判明するまで、私たちは生徒と学校チームの福祉に関しては注意を怠らないようにしければなりません。


このメールの内容が判明した後、科学者たちや他の何百もの主流メディアの報道は、レイラ・セントナー氏の発言を「科学的根拠のない誤った情報の源」として却下しようと試みている。

しかし、この発言は少なくとも調査する価値があるものではないだろうか。 the Defender 2021/04/30)


レイラ・セントナー氏の実際の手紙は、スクリーンショットの形で、ご本人のインスタグラムに載せられています。

この記事では、その後、このようなこと、つまり「ワクチン接種者から《未接種者に》ワクチンの有害事象が伝染する」というようなことが起こり得るのだろうか、ということについて書かれてあるのですけれど、普通に考えれば、「そんなのないない」となるのが普通で、私もそう考えていました。

ところが、その記事の文中に、

「エクソソームの水平情報伝達」
についてふれられている部分がありまして、少し気になりました。

エクソソームというのは、細胞から分泌というか、脱落した非常に小さな(ウイルスと同じくらいの大きさの)顆粒状の微細物質で、これは最近になってから研究が進んでいる分野であり、私自身は何も知らないのです。

実は最近、ある方から、エクソソームについてわかりやすく書かれている本「がん」は止められる: 指令物質をコントロールする医療革命を紹介いただきまして、今は本の到着待ちということで、エクソソームについては、また別の機会で取り上げたいと思います。

それよりも、このマイアミの学校の CEO の「ワクチンの有害事象が伝染する」ということについて、あることを思い出しました。そのひとつは、「ファイザー社のコロナワクチン臨床研究実施計画書に、そのようなことが書かれてあることでした。

まず、そのことに少しふれます。


「接触での有害事象の伝染」をファイザー社は確認している


ワクチンなどの場合は、臨床研究実施計画書は「プロトコル」という名称であらわされますが、ファイザー社のコロナワクチン・プロトコルは以下にあります。

PF-07302048 (BNT162 RNA-Based COVID-19 Vaccines) Protocol
RNAベースの新型コロナウイルスワクチン・プロトコル

全 146ページと膨大なものですが、その 69ページに、

・母乳育児中の曝露
・職業暴露

のふたつのセクションが続きます。

その内容を簡単に抜き出します。

カッコ内はこちらで注記したものです。プロトコルの用語は難しいですので、注釈が間違っている部分があるかもしれません。

ファイザー社のコロナワクチン臨床研究実施計画書より

セクション 8.3.5.2 母乳育児中の曝露
Exposure During Breastfeeding

母乳育児中の曝露(乳児への伝染)は、次の場合に発生する:

ひとりの女性の試験参加者は、研究介入(ワクチン試験接種)を受けている間、あるいは中止した後に母乳育児をしていることが判明した。母乳育児中の環境曝露の例は、吸入または皮膚接触による研究介入に曝露された後、彼女が母乳育児をしていると報告した女性の家族または医療提供者から報告された。

(試験の)調査員たちは、SAE(深刻な有害事象)が発生したかどうかに関係なく、調査員の認識から 24時間以内に母乳育児中の曝露を報告する必要がある。

情報は、ワクチンSAEレポート(ワクチン有害事象報告)フォームを使用して報告する必要がある。環境暴露の設定で母乳育児中のばく露が発生した場合、ばく露情報は研究に登録された参加者に関係しないため、情報は本人のものとしては記録されない。

セクション8.3.5.3 職業暴露
Occupational Exposure

職業暴露(伝染)は、研究介入した人(ワクチン試験を受けた人)との直接接触を受けたときに発生し、AE (有害事象)の発生につながる場合とそうでない場合がある。そのような人には、医療提供者、家族、および試験参加者のケアに関与するなど他の役割の人物が含まれる場合がある。

調査員は、関連する SAE(深刻な有害事象)があるかどうかに関係なく、調査員の認識から24時間以内に職業上の曝露を報告する必要がある。 Pfizer

全体的に難しい書き方ですが、この、

> 環境暴露の設定で母乳育児中のばく露が発生した場合


というのは、「ワクチンの臨床試験を受けた女性から母乳経由で、赤ちゃんに有害事象を含む暴露が起きた場合」という意味と思われ、職業暴露のほうは、

「仕事でワクチン試験を受けた人との直接接触を受けたときに有害事象を含む暴露が発生する」

という意味だと思われます。

職場などでの接触は、まさか授乳を介することはないと思われますので、「接触」あるいは「吸入的」暴露と思われます。

また、この文書には、妊娠中の暴露に関しては、

> 男性のワクチン接種者が受胎前後に女性のパートナーに曝露した場合に発生


ともあり、妊娠しているお母さん自身はワクチンを接種していなくとも、旦那さんがワクチンを接種した場合、奥さんが暴露する可能性があるとして書かれていると思われます。

他にもいろいろと書かれてありますが、これを読む限りは、「吸入または皮膚接触」で、接種者から未接種者へ「ワクチンの副作用が伝播する」ことをファイザーの研究チームは認識しているということになるのではないかと。

基本的には、伝染暴露しやすい例として、

・家族
・医療関係者
・職場

などが例とされていますが、いずれにしましても、

「単に物理的に近接しているだけでワクチン接種の副作用事象が起きる可能性がある」

と、ファイザーのプロトコルに書いてあることを知った次第です。

本当にそんなことが起きるとすれば、なかなか厄介ですが、そのようにしか読めない部分はあります。

そして、このこととは関係ない話なんですが、昨年、「自己拡散型ワクチン」という言葉を聞いたことがあります。

夏頃だったか、まだコロナワクチンの実用化など夢にも思っていなかった頃でしたので、あまり気にしていませんでしたが、多くの科学メディアで報じられていました。

それも少しご紹介させていただきます。


自己拡散型ワクチン


読みましたのは、以下の米ニューサイエンティストの記事においてでした。
日付けを見ますと、2020年8月の記事です。

We now have the technology to develop vaccines that spread themselves
私たちは今、自分自身で拡散することができるワクチンを開発するテクノロジーを持っている


この記事の内容は、たとえば、恐ろしい感染症のひとつとして狂犬病がありますが、狂犬病は「犬に予防接種をする」ことで、世界の主要国では、著しく狂犬病を減少させることができた、という話から始まります。

これは事実ですが、次に話は「コウモリ」に移ります。この記事の出た昨年の 8月頃は、新型コロナウイルスが「コウモリからヒトに伝染した」と思われていた頃でしたが、他にも、エボラウイルス、マールブルグ熱、SARSウイルス、ラッサウイルスなど、コウモリが媒介しているとされる病気はたくさんあります。

ならば、「たとえば、コウモリの間で流行しているコロナウイルスのような、動物の間の病原体をワクチンで撲滅することができれば、狂犬病のように、人の感染症も減少するだろう」ということにふれ、しかし、犬に予防接種を打つことは簡単でも、「ジャングルの中のコウモリたちに、ひとつひとつワクチンを打つことは不可能」であるわけですが、

「自身で伝染していくタイプのワクチンが開発できれば、数匹のコウモリにそれを打って森に放出するだけでコウモリの病気の流行を防ぐことができる」


という話です。

コウモリに接種されたワクチンは、接触や他の感染媒体により「自ら拡散することで多くのコウモリにワクチン効果を伝染させることができる」と。

そして、タイトルにもあります通り、「今の科学はその技術を持っている」という記事でした。

当時、そのことを文書でリリースしていたのが、米ジョンス・ホプキンスだったのですが、その 71 ページにのぼる PDF 書類の中に、その「自己拡散型ワクチン」についての記述があります。

そのページにあるイラストで、この自己拡散型ワクチンの雰囲気がわかります。

以下のイラストです。

ひとりにワクチンを打てば、あとは次から次へとワクチンが「接触や飛沫から勝手に伝染」していくことが示されています。

ジョンス・ホプキンスによる自己拡散型ワクチンの説明ページ


今回はこのページをご紹介して締めさせていただきたいと思います。

ジョンス・ホプキンスのこの文書は、以下にあります。

Technologies To Adress Global Catastrophic Biological Risks
世界的な壊滅的生物学的リスクに対処するテクノロジー




 

ジョンス・ホプキンス『世界的な壊滅的生物学的リスクに対処するテクノロジー』 47ページ

自己拡散型ワクチン


これはどのような技術なのだろうか。
自己拡散型ワクチン(伝染性ワクチンまたは自己増殖ワクチンとしても知られる)とは、伝染病と同じように集団内を移動するように遺伝子操作されているが、病気を引き起こすのではなく、病気への防御をもたらす。

このビジョンは、対象集団の少数の人にワクチンを接種することだけで、ワクチン株が病原性ウイルスのように集団内を循環することにある。

これらのワクチンは、個人すべてに接種する必要なしに、ヒトまたは動物の集団におけるワクチンの適用範囲を劇的に増加させる可能性がある。

このテクノロジーは現在、主に動物集団を対象としている。

ほとんどの感染症は人獣共通感染症であるため、動物集団の病気を制御することで、人間へのリスクも軽減される。

自己拡散型ワクチンには、組換えベクターワクチンと生ウイルスワクチンの 2つの主要なタイプがある。組換えベクターワクチンは、免疫を誘導する病原性ウイルスの要素(病気を引き起こす部分を取り除く)を伝染性ウイルスベクターと組み合わせる。

サイトメガロウイルスは、種特異性が高く、中程度に感染するため、組換えワクチンの候補ベクターの 1つだ。

生ウイルスワクチンは弱毒化されている。ワクチンウイルスは野生型よりもはるかに病原性が低く、稀にワクチンがヒトからヒトへ伝染することが知られている経口ポリオワクチンや生弱毒化インフルエンザワクチンと同様といえる。

ウイルスの遺伝子工学には技術的なハードルがあるが、CRISPR / Cas9 (遺伝子の編集技術)などの合成生物学ツールは、今後これらのハードルを克服する上で研究者を支援する可能性がある。

自己拡散型ワクチンは、野生のウサギを粘液腫症から保護し、げっ歯類の集団でシンノンブルウイルスを制御するためにすでに使用されている。

追加の作業は、類人猿とコウモリのエボラウイルス、ラットのラッサウイルス、アナグマのウシ結核を標的にしている。

自己拡散ワクチンの最も実用的で有用な用途は、野生動物集団における病気の蔓延を制御することだ。

ワクチンは、ヒト以外の霊長類、コウモリ、またはげっ歯類を含む標的集団の中のホットスポットにあるいくつかの選択された動物に投与される。その後、ワクチンは標的集団内に広がり、各動物にワクチン接種する必要がなくなる。

動物集団での病気の制御が成功すると、感染した動物の数が制限され、それによって病気がヒトに波及する機会が減り、ヒトにその病気が発生する前に発生を防ぐことができる。

このような戦略は、ヒトの病気の発生機会の総数を減らすことにはなるだろうが、ヒトでの感染が確立された場合、ヒトの間での病気の発生を中断することはできない。そのため、重大な公衆衛生上の脅威が発生した場合、自己拡散ワクチンを(ヒトに)使用することで、人口に広く接種することができる可能性がある。

動物でのアプローチと同様に、より多くの感受性の高い集団に保護を与えるために必要なワクチン接種者は少数であるため、大量のワクチン接種操作の必要性がなくなる。






ここまでです。

これは、ぶっちゃけて言えば、「新たな伝染性の感染症を遺伝子の編集と組み換えで次々と作る」ということでもありますが、ここに「変異」とか「抗体依存性」というような概念を合わせて考えますと、いやあ未来はもう……(苦笑)。

そして、ファイザー社のコロナワクチンは、意図的であるとかないとかを別にしても、このような「自己拡散性を持つかもしれない」ということを先ほどのようにファイザー自身の文書から知ります。

逃げ場がなくなっていきますね。

今後数年はいろいろとすごそうです。

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