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人類の未来 地球という場所の真実 宇宙の中の地球

地球に「第3の月」が出現した日 : 2つめの月RH120に続き、地球を周回する新たな準衛星が発見されたことをNASAが発表。その存在は希望なのか脅威なのか

投稿日:2016年6月21日 更新日:

asteroid-2016-ho3Earthfiles




 

6月16日、 NASA が地球を周回する新たな準衛星を発見したことを発表しました。

地球と近い軌道で太陽のまわりを周回しながら、地球の衛星のごとく地球のまわりを周回しているとのことです。

その準衛星が描く軌道の動きについては、NASA のサイトに動画がありますが、一部抜粋しますと以下のような感じです。

2016-ho3

大きさは 40メートルから 100メートルの間と、それほど大きなものではありません(しかし、考え方によっては、この大きさにも十分な意味があることは後述します)。

そして、この準衛星は 2006年に発見された小惑星 2006 RH120 が、アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究で、「 10ヵ月周期で地球の自然衛星となっている」と結論して以来の準衛星ということになりまして、これで、地球は、以下の3つのお月様を持つことになったのでした。

・第1の衛星 月

・第2の衛星 2006 RH120

・第3の衛星 2016 HO3

 

増えていく地球の衛星

earth-and-moonstechnolat.com

第2の月については、5年前の記事、

「地球は隠された月を持つ」というマサチューセッツ工科大学の発表
 2011/12/23

に記したことがあります。

その中でご紹介した記事から抜粋しますと、「2つめの月」は以下のようなものでした。

Earth Must Have Another Moon, Say Astronomers

地球は「隠されたもうひとつの月」を持っていると主張する天文学者たち

惑星の軌道に野って回る衛星を研究している科学者たちによって、最近、驚くべき結論がもたらされている。米国マサチューセッツ工科大学が発行している『MITテクノロジー・レビュー』のレポートで、地球は常時、複数の衛星を持っていると報告されたのだ。

MIT のミカエル・グランヴィク氏が、ハワイ大学の研究者と共に、地球の軌道に乗って回っている「不可解な物体」を最初に発見したのは 2006年のことだった。それは、現在では小惑星「 RH120 」として知られている直径2、3メートルの小さな小惑星であることがわかった。それは、月のような自然の衛星だった。

それ以来、ふたりの研究者たちは、この「月」と地球の間の重力システムが、どのように軌道にその物体をとらえているかを研究し続けた。

このような「一時的な衛星」ということが実際に起こりうる可能性を研究した結果、天文学者たちは次の結論を見いだした。

「地球は常に、地球の軌道に乗って回っている直径1メートルの自然衛星を、少なくとも1個以上持っている必要がある」と、グランヴィク氏はオンラインの物理学誌 ArXiv で「地球の持つ自然衛星の数」というタイトルで発表した。

これは言い換えると、私たちの地球は「隠された月」を常に持ち続けているということにもなる。

そのような物体(自然の衛星)は、およそ10ヶ月間、軌道上にとどまり、そして、地球の周囲を三度周回する。

これらの衛星に占拠された軌道の直径がわずか1メートル程度であるとすると、これを公式に「月」と呼んでいいのかどうかは科学的に誇大である可能性があるが、しかし、今回の科学的な発見の意味は非常に大きい。

 

ということなのですが、事態はさらにややこしいことになっていきまして、この第2の月(研究者たちは「ミニムーン」と呼びます)について、ハワイ大学の研究者が以下のような発表をおこなったのでした。

・この地球の小さな月(ミニ・ムーン)の数はひとつではない。

・ひとつのミニムーンが1年間、地球の周囲を旋回する。

・そして、その後はその月は太陽の軌道に移動して「太陽の衛星」となる。

ということで、小さな月たちが次々と「交代」で1年間、地球の衛星となり、そして、その後は太陽の衛星になる。

つまり「小さな月(地球を周回する軌道を持つ)から」「小さな地球(太陽を周回する軌道を持つ)」になるわけです。

そして、ふたたび「別の第2の月」(表現がややこしいですが)が、地球の衛星になるためにやってくる。

ちなみに、そのハワイ大学の研究者であるロバート・ジェディック博士のチームは、これらのミニムーンの軌道をスーパーコンピュータを使用して計算したのですが、その軌道の無軌道なこと。

下の図が計算された地球の第2の月(たち)の軌道です。

クレイジーな第2の月の軌道

mini-moon-orbitDaily Mail

これを第2とすれば、今回発見された準衛星を「第3の月」として問題ないと思われます。

 

第3の月の地球への衝突の可能性は?

今回のこの発見については、天文学的に大きなことだとしての内容で報じられているものがほとんどですが、アメリカの Vox というメディアは、科学的価値と共に、

「今回見つかった準衛星が地球に衝突する可能性はないのだろうか」

ということを記していました。

つまり、たとえば、先ほど書きました第2の月は1年ごとに軌道を変化させていっているわけですが、この第3の衛星も、少しずつ軌道を変化させているのなら、場合によっては、地球に衝突するなどの軌道を描く可能性はないのかということについても記していました。

2016 HO3は、最大で 100メートルある小惑星ですが、この数十メートル規模の小惑星の衝突というのはどれほどの意味となるのか。

 

これについて NASA は、資料の中で、小惑星の地球への衝突の「頻度」を直径レベルごとに記しています。

それによると、数十メートルのものでも、ツングースカ大爆発レベルのダメージになることが記されています。

小惑星の大きさと地球に衝突する頻度(NASA資料)

・直径30m以下 / 高高度で爆発消滅 / 1年から50年に1度の頻度

・直径30m以上 / ツングースカの大爆発と似た事象に / 250年から500年に1度の頻度

・直径140m以上 / 地域的な影響/ 5,000年に1度の頻度

・直径300m以上 / 広範囲に影響/ 2万5,000年に1度の頻度

・直径600m以上 / 中規模な全地球レベルの影響 / 100万年に1度

・直径5000m以上 / 全地球レベルの影響 / 600万年に1度

・直径10,000m以上 / 大絶滅 / 1億年に1度

この資料では、直径 30メートル以上の小惑星が地球に衝突しただけでも、1908年にロシアのツングースカで起きた大爆発のような事象になるとあります。

ツングースカの大爆発は、一般的に天体の爆発とされていますが、ツングースカで爆発をした天体は、直径 60メートルから 100メートルの天体だとされていますので、第3のビール・・・じゃない、第3の衛星 2016 HO3 の直径は 40メートルから 100メートルということで、大きさとしては似ていることは似ています。

たった数十メートルの天体が衝突しただけとはいえ、当時の状況は下のように非常に大規模なものでした。

ツングースカ大爆発 - Wikipedia

落下した隕石が大気中で爆発したために、強烈な空振が発生し半径約30-50kmにわたって森林が炎上し、約2,150平方キロメートルの範囲の樹木がなぎ倒された。

1,000km離れた家の窓ガラスも割れた。爆発によって生じたキノコ雲は数百km離れた場所からも目撃された。イルクーツクでは衝撃による地震が観測された。

爆発から数夜に渡ってアジアおよびヨーロッパにおいても夜空は明るく輝き、ロンドンでは真夜中に人工灯火なしに新聞を読めるほどであった。

ロシア極東での爆発で、アジアやイギリスで夜に新聞を読めるほど明るくなったというのはすごいですが、数十メートルの天体でもこんな感じになるのですね。

ただ、ここにある、

>爆発から数夜に渡って

というのはどういう現象なんですかね。爆発した天体が何日も上空で光り続けるということなのでしょうかね。このあたりは、やや謎ではありますが、いずれにしても、ツングースカの爆発はそのくらいものすごいものでした。

今年の春以降、世界中で「大規模な火球の爆発」が多いのですが(地球ブログのこちらのリンクに一覧があります。)、おそらく、やや大きめの天体の地球の大気圏への突入が増えているということになりそうなのですが、あくまで私感としてですが、今後も増えそうな気はします。

5月にフィンランドで目撃された火球などは「満月より10倍明るかった」と報じられています。

5月にフィンランドで爆発した「満月より10倍明るい」火球

finland-fireballavaruus.fi地球の記録

 

巨大天体の地球への衝突については、2012年の、

良い時代と悪い時代(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012/10/06

という記事以来、何度か記させていただいていますが、今年とか来年とか、そういう具体的なスパンで何かわかるわけではないですが、上の記事では、この地球は、比較的短いサイクルで、「天体の衝突が頻発する時代」と、「天体の衝突がほとんど起きない時代」を繰り返していることを書きました。

そして、この 500年間は「天体の衝突がほとんど起きない時代」でした。

「天体の衝突がほとんど起きない時代」には、人間は自然と宇宙からの脅威をあまり受けないために、自然に対しての畏怖が消えて、「人間こそが何でもできる」という、どちらかというと驕った社会となっていきます。

今の社会もおそらくそうなのでしょう。

そして、「天体の衝突が頻発する時代」に、人はようやく、自分たちの力の及ばない事象と突き当たることで、「自然の本当の脅威」がこの世に存在することに目を向けるようになり、宇宙と自然に畏怖と敬意を払うことに目覚めてきました

天体の衝突が頻発する「悪い時代」にこそ、実は人間は成長するのです。

そのように、人間がふたたび宇宙と自然との正しい調和について考えることを気づかせてくれるために、天体の衝突が頻発する時代がやってくるというのなら、それはいつが適正なのでしょうか。

今でしょ!(古ッ)。

おそらく宇宙という存在は、時代時代の地球を是正するためにあらゆる事象を地球に見舞ってくれているのだと思います。
 

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