1945年5月10日 ベルリン陥落後に交通整理をするソビエト軍女性兵士。 halaljew
時計はさらに
前回、以下の記事で、ドイツ外相の狂気ともとれる言動について、少しふれました。今回のタイトルの「ドイツのジャンク」という意味もこの記事に記しています。
[記事] ドイツ外相のロシアへの宣戦布告を聞きながら、全体集団催眠の中で目覚める場所は天国か、それとも地獄か
In Deep 2023年1月26日
失言なのか、何も考えないで言ったのかはわからないですが、その後も訂正等の発言がないですので、言うべくして言ったということのようです。
この発言と対応したものということではないのですが、最近、ロシアのテレビで放映された「討論会」でのロシア著名人たちの発言等が海外でいっせいに報じられました。ドイツが、ウクライナにレオパルト2戦車を提供することを決定した後のものです。
ロシア1というテレビ局での番組で、ロシアのテレビ司会者として著名だというウラジーミル・ソロヴィヨフ氏という方の番組だと思われます。
ドイツがウクライナにレオパルト2戦車を提供することを決めたことについて、司会者のソロヴィヨフ氏は、
「我々ロシアはベルリンを爆撃しなければならない」
等と述べ、モスクワ中東研究所という機関の所長に至っては、
「ドイツに核ミサイルを使用すべきだ」
とまで(暗喩で)発言していることが収められています。
このロシアの討論について、英デイリーメールの記事をご紹介させていただこうと思います。
動画そのもののは、昨日はデイリーメールに英語の字幕つきで掲載されていたと思うのですけれど、今は見当たりませんでした。ギリシャの軍事メディアの記事に英語字幕つきの動画があります。
なお、ドイツと同盟であるヨーロッパ諸国の首脳陣は、先ほどのドイツ外相の発言が伝わってすぐに、「逃げ」をうっています。
「自分たちはこのような発言とは関係ありませんよ」
と。
以下は、いくつかの国の報道です。
(報道) フランス「ロシアと戦争状態にはない」 (AFP 2023/01/27)
(報道) 「我々は誰とも戦争をしていない」 - ハンガリーはヨーロッパがロシアと戦争状態にあるというドイツの主張を拒否 (REMIX 2023/1/27)
(報道) 「こんな狂気は見たことがない!」 - クロアチア大統領、ドイツ外相の「我々はロシアと戦争状態にある」発言を非難 (REMIX 2023/1/27)
このクロアチア大統領の「こんな狂気は見たことがない」というのが、多くの人たちの率直な感想だと思います。
ドイツの外相は、「私たちは NATO はロシアと全面戦争をしています」と、つまり「私たちは世界戦争をしています」と述べたようなものだからです。
アメリカの大統領が言ったのなら、「ああ、またか…」と妄言として扱えるでしょうが、若い外務大臣が言ったとなると、そうもできません。
ああ……アメリカの大統領といえば、以前「すでにこの世にいないジャッキーという人物を会場で探し回る」ということが報じられていましたが、今度は、「ダグ」という名前の、存在しない人物に会場で呼びかけ続けたことが伝えられていました。
この、物質世界に存在しない人たちを探し続けるという大統領の行動そのものは嫌いではありません。
形而上でありながら、現実でもたくさんのお花で大きな畑を作っていく夢の世界。
そういえば、昨年の 10月、このジャッキー・ダグ氏が以下のように語っていたことが報じられていたことがありました。
「キューバ危機以来、我々は初めて核兵器使用の直接の脅威に直面している。戦術核兵器を安易に使用すれば、アルマゲドンが避けられなくなる」
夢の中の啓示だったのでしょうか。
ともかく、デイリーメールの記事はかなり長いですので、始めます。
なお、第二次世界大戦のとき、ナチスドイツに対しての最終的な攻防戦といえるベルリンの戦いの際も、ドイツに対して最初に攻撃したのは、ソビエトの赤軍でした。
「この非常に危険な決定は、紛争を新たなレベルに引き上げる」: ドイツがウクライナに戦車を供与することを確認したことを受けて、怒りのロシアは、西側の車両を「燃やす」と誓い、 プーチン大統領のプロパガンダ担当者は、ベルリンへの核攻撃を要求するよう促した
'This extremely dangerous decision takes the conflict to a new level': Furious Russia vows Western vehicles will 'burn' as Germany confirms it will give tanks to Ukraine... prompting Putin's TV puppets to call for a NUKE strike on Berlin
dailymail.co.uk 2023/01/25
数十台の近代的な戦車をウクライナに送るというドイツの決定に対して、ロシアは本日、「これは非常に危険」であり、「紛争を新たなレベルに引き上げる」だろうと警告した。
長い論争に終止符を打ち、ドイツのオラフ・ショルツ首相は本日、政府が、自前のドイツ製レオパルト2戦車を前線に送り、NATO 同盟国がその一部を引き渡せるようにすることを最終的に確認した。
ショルツ首相は、防空システム、重火器、複数のロケット発射装置のさらなる納入についてもほのめかし、ドイツは「納入するものを拡大するつもりである」と述べ、首相の以前の消極的な態度を大幅にUターンさせた。
ロシアはこの動きに「露骨な挑発」と烙印を押し、新しい NATO の物資は「他のすべてのものと同じように燃え尽きる」だろうと警告したが、怒り狂ったプーチン氏のプロパガンダ担当者の一人は、核攻撃でドイツ議会を破壊するよう呼びかけた。
そしてロシア大使は今日、「この非常に危険な決定は、紛争を新たなレベルの対立に導き、ドイツ連邦がそれに関与することを望まないというドイツの政治家たちの声明と矛盾している」と述べた。
ブルームバーグによると、米国はウクライナに 31両の M1 エイブラムス戦車を 4億ドル (約 520億円)相当の取引で提供し、ベルリンは、まず 14両のレオパルト2戦車を提供する予定だ。
ロシアの貯蔵施設には約 10,200両の戦車があり、推定 3,300両がウクライナに対して配備されており、これまでに、1,640両が破壊された。
ドイツの提供に対して、ウクライナのヴォロディミール ・ゼレンスキー大統領は、「心から感謝している」と述べた。
ロシア側は、より多くの戦車の供給は「永続的な痕跡を残し」、「何の役にも立たない」ことにつながると警告しており、政府では、これらのハイテク兵器がロシア軍に壊滅的な打撃を与える可能性があるとの懸念が出た。
ドイツのオラフ・ショルツ首相率いる政府に対しては、数週間前から、戦車をウクライナに送り、NATO 同盟国にも同じことをさせるよう周囲から圧力がかかっていた。
ショルツ首相は、ロシアをエスカレートさせる可能性のある動きを警戒していたが、ついにその方針を転換させた。
彼は声明の中で次のように述べた:「私たちは、ウクライナを支援するために必要かつ可能なことをしているが、同時に、戦争がロシアと NATO の間の戦争にエスカレートするのを防いでいることを、私たちが行うすべてのことにおいて常に明確にしなければならない」
これらの戦車の、ウクライナ軍への使用方法の訓練が間もなくドイツで開始され、国は兵站と弾薬も提供すると述べた。 また、ドイツ政府は、ドイツ製の戦車を在庫からウクライナに迅速に配送したいパートナー国に適切な譲渡許可を発行すると述べた。
これに対し、ロシア政府のスポークスマンであるドミトリー・ペスコフ氏は、「多くの専門家たちがこの考えがばかげていることを理解していると確信している。この計画は技術的に悲惨だ」と述べた。
「しかし、何よりも、それがウクライナ軍に与える可能性を過大評価している。これらの戦車は、他のすべての戦車と同じように燃える」
プーチン大統領のプロパガンダ担当といえる存在で、モスクワ中東研究所所長のエフゲニー・サタノフスキー氏は、「ドイツの民主主義の中心に核ミサイルを使用すべきだ」とワルドマン・ライン・チャンネルに語った。
サタノフスキー氏は以下のように述べている。
「装甲に十字架を付けたドイツの戦車が、ロシアの兵士を攻撃して再びウクライナを行進するだろう」
「私は自然にこのことに感情的に反応した ……ソビエト連邦は 1941年にベルリンを爆撃した。そして私にとってこれは、ロシア国会または連邦議会は、単に突っ立ったままでいてはならないというメッセージだ」
「平らで、わずかに放射能を帯びた、溶けた地面を……」
一方、プーチン大統領のもうひとりのプロパガンダ担当者といえるウラジーミル・ソロヴィヨフ氏も、この動きについて怒りを露わにし、ロシア大統領にとって重大な打撃であると同時に、ドイツが戦争に直接参加したという証拠でもあると、彼ははっきりと述べている。
ソロヴィヨフ氏は以下のように述べた。
「ドイツは教訓を学ばなければならない。我々(ロシア)はドイツ議会を放置することはできず、ベルリンを爆撃しなければならない。『レッドライン』はすでに過去のものだ」
「これは、第二次世界大戦の記憶を再燃させ、ドイツを、我々との紛争の直接の当事者と見なすという明確で決定的なメッセージを送る時が来た」
「ドイツの戦車がウクライナに現れた場合、ドイツの領土、軍事基地、その他の場所を正当な標的と見なすことができるということを意味する」
「 NATOは戦わないふりをしている。夢の中でだ! ピストリウス (ドイツの国防相)は、ドイツを完全な破壊へと導いた愚か者として歴史に残るだろう。そして、ショルツ(首相)もベアボック(外務大臣)もだ」
さらに、もう一人の主要なプロパガンダであるマルガリータ・シモヤン氏は、ドイツが戦車を認可した後、「ガス室」をウクライナに送ると述べた。
第二次世界大戦中のナチスのガス室をほのめかして、シモニャン氏はテレグラムに次のように書いた。
「夏に近づくと、ガス室の配送も予想される」
ウクライナのゼレンスキー大統領政権のトップであるアンドリー・イェルマック氏は、テレグラムに以下のように書いた。
「我々の戦車兵のための数百台の戦車…これこそが真の民主主義の拳となるだろう」
英国のリシ・スナク首相は本日、この動きを歓迎した。
それに応じて、プーチン大統領は、それが進行中であることを否定しながらも、ひそかに新しいステルス動員を開始した。
ロシア政府は、200,000人の新兵の新しい「静かな」動員が計画されているという米国当局者から発せられた報告を否定した。しかし、劇的な新しい徴集兵の獲得の明確な証拠がある。
西側の情報筋は次のように述べる。
戦術の 1つは、十代の徴集兵に圧力をかけて、増給を申し出て紛争に迅速に参加するよう圧力をかけることである可能性が高い。
これとは別に、新しい規則により、兵役年齢の男性が徴兵を避けるためにジョージアやカザフスタンなどの他国までの運転することが禁止される。ロシア人ドライバーは国を出るために予約する必要があり、当局が国外への移動を拒否しやすくなる。
何千人ものロシア人男性が、最前線に追い込まれることを恐れて、ロシア国外に留まっている。
一方、ロシアのパスポートを取得したタジキスタンとキルギスタンからの移民たちは、突然ロシアから出国できなくなった。そのような人々は、「動員リストに含まれている」と言われていると報告されている。
オムスク地域では、防衛工場のために再訓練を必要とする何千人もの徴兵者のために、大規模な新しい訓練センターが建設されているようだ。
ロシアのニュースサイト Readovka によると、新兵たちは 2年間の訓練の代わりに、戦争遂行に不可欠な工場での人手不足を補うために、最大 6か月の短期集中コースを受けることになる。
モスクワ近郊のカルーガなど、一部の地域で新しい仕事に就く男性たちは、軍の登録を示すように命じられている。これは、法律で保持しなければならない文書だ。これにより、雇用主は、命令された場合に彼らを軍に送り込むことができるようになる。
1月25日に 45歳になるゼレンスキー氏は、1月24日のビデオ演説で、西側の同盟国に最新の戦車を提供するよう圧力をかけ、「必要性はより大きくなっている」と述べた。
ドイツと米国はこれまで重装甲の提供を控えており、クレムリンが紛争を拡大する理由になりかねないとして支援を警戒していた。
ロシアは、ウクライナへの近代的な攻撃兵器の供給が戦争をエスカレートさせると警告しており、一部の当局者は、その同盟国が世界を「世界的な大惨事」に導いていると述べている。
ロシアのアナトリー・アントノフ駐米大使は 1月25日、米国による戦車の引き渡しは「またしても露骨な挑発」になるだろうと述べた。
アントノフ氏は、テレグラムに掲載された発言の中で、「ワシントンが故意に我々に戦略的敗北を負わせようとしていることは明らかだ」と述べた。
「アメリカの戦車は、他のすべての NATO 機器のサンプルが破壊されているのと同じように、私たちの軍隊によって破壊されるだろう」とアントノフ氏は付け加えた。
ウクライナに大量の車両を供給するかどうかの問題は、最近西側の同盟国の間で議論されている。
これとは別に、ウクライナは、戦時中の指導部の最大の揺さぶりで、十数人の高官を解任した。
辞任または解任された役人の中には、キエフ、スミ、ドニプロペトロウシク、ヘルソン、ザポリージア地域の知事が含まれており、後者の 3つは戦争の最前線の州だ。キエフとスミは、戦争初期の主要な戦場だった。
退職した役人の中には、汚職疑惑に関与していた者もいた。
ウクライナには汚職と不安定な統治の歴史があり、何十億ドルもの西側援助の信頼できる管理人になり得ることを示す圧力にさらされている。
高官が解任されたのは、ウクライナの戦争の必要性について話し合うため、ヨーロッパや他国から 50人を超える国防高官の連合がドイツに集まり、戦車が主要な話題となった数日後のことだった。
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