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明らかになったリビアでの奴隷オークション……。難民たちの夢は映画『カサブランカ』の頃からほとんど変わらない「安い人の命」へと変転し

   

11月14日のアメリカCNNの特集記事より

CNN

今回はこのアメリカ CNN の記事をご紹介したいと思います。

アフリカの各地からヨーロッパに渡るために移民としてリビアにやってきた人たちの多くが、トリポリなどの町中で「奴隷」としてオークションにかけられている現状を取材したものです。

アフリカの密航業者が「そのまま奴隷マーケットをも作っている」ということを初めて知りました。

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どこにもない難民たちの最終到着地点

今回の場所である「リビア」というのは、北アフリカの下の位置にあります。

Google Map

地中海を渡れば、そこはヨーロッパという場所でもあり、モロッコなどと並んで、ヨーロッパを目指すアフリカの多くの国の人々がこのリビアのトリポリに到着します。

そのアフリカの移民、難民の発生数は、過去記事、

紛争・暴力・自然災害…… 2016年の地球では「1秒に1人の避難民が発生」していた

にありますように、年を追うごとに大変な数となっていまして、たとえば 2016年の場合ですと「 3110万人の新たな避難民」が発生しました。

また若者の避難民が多いのです。若者というより「子ども」だけでも、下のグラフのようなことになっています。

これは、14歳未満の子どもたちだけの数です。

statista.com

その理由は、紛争、飢餓、自然災害と様々ですが、昨年 2016にアフリカ大陸で難民が発生した国は、避難民監視センター IDMC によれば、以下のようになり、それぞれの国でこれだけの難民が発生しています。これは紛争も自然災害も合わせた数です。

端数は省略しています。

2016年にアフリカ大陸の国で発生した難民の数

・エチオピア 64万人

・ナイジェリア 58万人

・スーダン 22万人

・ニジェール 21万人

・ソマリア 18万人

・リビア 15万人

・カメルーン 8万人

・チャド 4万人

・セネガル 2万人

・コンゴ 2万人

このような数の「人」が、リビアかモロッコに殺到するわけですから、そこに目をつける悪いビジネスマンが出てくるのは不思議ではないです。

昔のアメリカ映画で『カサブランカ』(1942年)というドイツ軍占領下のモロッコでの恋愛話を描いた作品がありますが、その映画には、アメリカへ脱出するために、モロッコで乗船できる船を待ち続けている多くの人たちが描かれていましたが、北アフリカは今も(人種がかわっただけで)同じような場所のようです。

『カサブランカ』の中のドイツ軍将校の台詞で、「ここでは人の命は安い」というものがありますが、それも今とあまり変わっていないのかもしれません。

ちなみに、リビアのオークションでの「人の落札額」は 5万円から 10万円のあいだくらいの相場のようです。

そしてまた、かろうじてヨーロッパまで辿りついた人々が「ヨーロッパで幸せになったのかどうか」は、また非常に微妙な現実となっていることも事実です。

では、ここから記事です。


People for sale
CNN 2017/11/14

人間売ります

生きた人々が400ドルでオークションにかけられる場所

CNN が入手した、携帯で撮影された動画に写っている一人の男性は、その個人を特定することはできないが、彼はナイジェリア人だ。二十代に見えるその男性は薄いシャツを着ており、スウェットを履いている。

そして、その彼が立っているのは、オークションの現場なのだ。オークションとはいっても、ここでは中古車が売られているわけでも、土地や家具が売られているわけでもない。オークションにかけられているのは2人の人間だ。

動画の中で競売人は、「 900 … 1000 … 1100 … 1200 … 。よし、1200リビアディナールで落札だ」と言っている。1200リビアディナールは米ドルで約 800ドル(10万4000円)だ。

競売人が、カメラの撮影されていない場所で語ったところによれば、このオークションは、「農場での働き手として、大柄で力のある若者」を求めているグループへの売り出しとして行われているのだという。

すなわち、これは「奴隷オークション」なのだが、この動画を見た後、 CNN は、この内容の信憑性を検証し、調査するためにリビアに向かった。

そして、今年 10月、リビアの首都トリポリの建物に隠しカメラを持ち込んだ結果、私たちはほんの 6分か 7分のあいだに、十数人の人たちが「オークションで競り落とされていく」光景を目撃した。

 

売り手は迷彩服を着た男性だった。彼はこのように言っていた。

「誰か男は要らないか? これは掘り出し物だ。こいつらは体もでかいし力もある。誰かこいつらを買わないか?」

買い手は、価格が上昇するにつれて手を上げる。「 500、550、600、650 … 」ひとつのオークションは数分で終わる。

そして、落札された男性たちは、新しい主人に引き渡され、その時からまったく別の運命を歩むことになる。

オークションの後、私たちはオークションで落札された男性のうち2人と合うことができた。彼らは怯えており、これまで会った全員に対して恐怖心を抱いていた。

 

毎年何万人もの人々がリビアの国境を越える。彼らは、より良い機会を求めて紛争や経済的な問題から脱出する難民たちだ。

彼らはリビアを通り、その海岸から地中海への玄関口まで行き着くための資金を得るために、ほとんどの人たちは自分たちのすべてを売る。

最近、リビア沿岸警備隊による取り締まりの強化が続いており、リビアから出航できる船の数が減っている。そのため、密航業者たちには船に乗りたい希望を持つ人たちの受注が多く集まり続けている。

この関係性から、密輸業者は主人となり、移民と難民は奴隷となる。

CNN が撮影した証拠の動画は、その後、リビア当局に渡し、当局は調査を始めると約束した。

トリポリにある不正移民局のナゼール・ハザム(Naser Hazam)中佐は、奴隷オークションを目撃したことはないが、組織されたギャングが国内で奴隷の密輸を行っていることを認識していると語った。

ハザム氏はこう語る。

「密航業者はボートに 100人の人々を詰め込む。場合によってはその人たちは死んでしまうこともあるかもしれないが、密航業者はすでにお金をもらっているので、そんなことは気にもしない。移民たちがヨーロッパに行って死ぬか、海で死ぬかはどうでもいいのだ」

国際移住機関(IOM)の運営・緊急事態局代表のモハメド・アブディケー(Mohammed Abdiker)氏は、「状況は非常に悲しい」と言う。4月にトリポリから戻った後、アブディケー氏は、「一部の報告は本当に恐ろしいもので、移民のための奴隷市場に関する最新の報告書は批判されるべきものに加えられるだろう」と声明で述べている。

 

リビアの奴隷オークションは、人々が通常の生活をしているリビアの一見普通の町で行われる。通りでは子どもたちが遊び、人々は仕事に行き、友だちと話しているような場所だ。しかし、そこで行われる奴隷オークションの光景は、遠い昔の時代に遡ったかのようなものだ。そこでは移民の手首と足首は拘束されている。

トリポリに移送される予定の移住者のための収容所監督官は、密航業者によって行われた虐待について多くの話を聞いたという。奴隷として売られて、逃げてきた人たちがこの収容所にはたくんさいるのだ。

監督官は言う。「収容所にいる人たちの体を見ると、その大部分には傷跡があります。殴られ、切りつけられた跡です」

ヴィクトリーという名前の 21歳の若者は、エチオピアの腐敗体制に疲れ、ヨーロッパを目指して家を出たが、リビアで奴隷として売られてしまった。

彼の話によれば、彼や他の人々は食糧を奪われ、劣悪な生活環境に拘束され、虐待されたという。

ヴィクトリーは自分の資金がなくなった時に密航業者に日雇労働者として売られ、そのお金で借金を返せばいいと言われたが、働いても借金の額にはなかなか届かず、何度もオークションで売られた。

最終的には、その借金の返済のために、密航業者はヴィクトリーの実家にも身代金の支払いを要求した。ヴィクトリーを解放するためにはさらにお金が必要だと。

ナイジェリアに住むヴィクトリーの母親は、その要求に従い、米ドルで 2780ドル(約 36万円)を払った。これはナイジェリアでは大金だ。母親は、金貸しから借金をしてヴィクトリーの身代金の支払いをおこなった。

北アフリカを通るルートでの危険性がますます高まるにつれて、多くの移民たちはヨーロッパの海岸に到達するという夢を捨て始めている。

今年は、国際移住機関が主催する自宅への帰還のためのプロジェクトで 8,800人の移民たちが自分の国へ戻った。

ヴィクトリーもナイジェリアに戻った。

「私はヨーロッパへ到着するという夢を叶えられませんでしたが、今生きていることを神に感謝したいと思います。しかし、幸せではありません。正直言って、この国に戻ってきたことは、とても苦痛でしかないのです」



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