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地球という場所の真実 宇宙の中の地球

米大学の昆虫学者が「火星の表面は生きた昆虫で覆われている」という内容の論文を科学誌に発表

投稿日:


Sciencealert




 

10年前の私自身を思い出し

今回は、アメリカのオハイオ大学の昆虫学者が、

「火星表面の写真には、数多くの昆虫のような存在があるとしか言えない」

ということを論文で発表したことについての科学記事をご紹介したいと思います。

後述しますが、現実の火星の状況を知ると、そのような可能性はほぼないのですが、なぜ、この記事に興味を持ったのかといいますと、私自身が、今から 10年以上前の 2008年頃に「ふと」、

「火星の表面の状況ってなんか変じゃね?」

と思ったことがありまして、それ以来、しばらくの間の私は、「火星の写真マニア」となっていたのでした。

現在、火星を探査しているのは、NASA の無人探査機ローバーのキュリオシティ号ですが、当時は「スピリット号」と「オポチュニティ号」という2機の火星無人探査機が、数多くの火星の写真を地球に送り続けてくれていました。

それらの火星写真を見ていた時に、地表のある部分に「どうも違和感のある感じ」を見出しまして、そこを画像アプリケーションなどで拡大に拡大を重ねていくと、

「やはり、どうも違和感が強い」

ということになりました。

それで、次から次へと火星の写真を見ているうちに、そういう部分があまりにも多いことに気づきまして、暇があれば、それを行っていまし。それは 2012年に、新たな火星探査機キュリオシティが投入された後も続きました。

パノラマ写真から一部分を切り抜き、気になる部分を拡大すると、それが何かということは言えなくても、

「どうも違和感がある」

という場所が、私が見出しただけでも数百カ所はありましたでしょうか。

実際はどれも単なる岩であるはずなのですが、「単なる岩……?」という感覚が払拭できなかったのですね。

たとえば・・・あくまで下のは一例ですけれど、こんな感じです。

2012年にキュリオシティが撮影したパノラマ写真の一部より

NASA

それで、その周辺を次々と拡大していきますと、以下のような状況が次々と現れてくるのでした。

火星の表面の各地を拡大したもの

NASA

毎回、

「単なる岩……?」

と呟きながらも、特に何を追求したいわけでもなく、暇な時にこういう部分をピックアップして、ファイル化していました。

そのような火星写真コレクションは数百枚はあると思います。

ただ、全体としては、興味深いというより、「何だかちょっと気味が悪い風景」というのが正直なところで、あまり現物には近づきたいとは思えない感じではありました。

それでも、「火星には何かあるのかなあ」と、その頃の私は、漠然とは考えていました。

しかし。

そのような思いを断ち切ってくれたのもまた、火星探査機のキュリオシティだったのです。

私が曖昧に持っていた「火星に昆虫のような生物がいるのではないか」という考えは、2012年から火星の探査を開始したキュリオシティの調査によって、

「ほぼ完全に粉砕された」

のでした。

キュリオシティは、それだけ立派な探査をおこなった優秀なローバーだったのですけれど、この探査の決定打は、

「火星の大気の組成がはっきりした」

ことです。

キュリオシティに搭載されている「SAM」というガスや大気を分析する装置によって、火星の大気は以下のような組成だと判明しました。

実際にはもっと項目が多いですが、主要な成分をピックアップします。

火星の大気の組成

・二酸化炭素 95.32%

・窒素 2.7%

・アルゴン 1.6%

・酸素 0.13%

・一酸化炭素 0.07%

・水 0.03%

・一酸化窒素 0.013%

大気の 95パーセントが二酸化炭素で、そして酸素はたったの 0.13パーセント。これでは、いかなる大型生物でも生息するのは不可能です。少なくとも、多種多様な多細胞生物が存在できる環境ではないです。

もちろん、このような大気の組成下でも、微生物なら、いくらでも生息できるでしょうけれど、昆虫のような大型生物は、どうやっても存在することは無理だと思われます。

そのようなこともあり、今回ご紹介する記事に出て来る昆虫学者の方の主張も、基本的には難しいと思います。

それでも、「昔の私と似ている人だ」と思いまして、ご紹介させていただきます。

しかし、火星の表面が、先ほどの拡大した写真のように「多彩な形や色彩にあふれているように見える」ことは確かなようで、その理由はよくわかりません。

大型生命はいないにしても、何か「単なる砂と岩だけの場所だけではない」というようには今でも思っています。

まあしかし、昨日の「地球の磁場圏外で人類は生存できない」という内容の主張をご紹介した記事でも明白なように、どのみち人類は火星に行けないですからね。

では、ここから記事です。


An Entomologist Claims That Mars Is Covered in Bug-ShapedThings, And He Has 'Proof'
Sciencealert 2019/11/20

ひとりの昆虫学者が、火星の表面は昆虫型のもので覆われており、その「証拠」を持っていると主張している

現在の宇宙ミッションでは、火星に微生物の生命体が存在するかどうかという証拠の探求に注目が集まっている。仮に火星に微生物が存在したとして、それは化石などの形で過去のものとして見つかるのか、あるいは今の火星に生きた微生物がいるのかはまだわからないが、刺激的な探査が続いている。

ところが、アメリカのある科学者によると、私たちは、すでに火星で生命を発見しているかもしれないという。しかも、それは微生物ではなく、大型の昆虫だというのだ。

米国オハイオ大学の昆虫学者であるウィリアム・ロモーザー(William Romoser)博士は、火星探査機によって撮影された火星表面の写真を何年間も見続けている。

その長年の観察の中で、火星表面の写真の多くは、岩の中で化石化された昆虫と、そして、それだけではなく、生きている昆虫のように見える構造を示しているものが数多くあると博士は言う。

さらに、博士は、ヘビのように見えるいくつかのものも見つけた。博士によると、この一連の証拠は、今後さらに調査を続けるための正当な理由となるという。

ロモーザー博士は、セントルイスで開催されたアメリカ昆虫学会の年次総会で、この内容を発表した。

博士は、「火星には生命が存在しています。それは過去だけではなく、現在も存在しているのです」と主張する。

そして、以下のように言う。

「火星の昆虫のような、これらの動物相の間には明らかな多様性があり、高度なグループとして解釈される地球の昆虫と似た多くの特徴を示しています。たとえば、翼の存在、翼の屈曲、機敏な滑空/飛行、さまざまな構造の脚の要素などです」

現在、火星から送られてくる写真は、探査機ローバーのキュリオシティが撮影しているもので、火星の表面の詳細な状況を示している。地質学者たちはこれらの写真を研究し、火星の地質史を理解しようとしている。

ロモーザー博士が昆虫のような形のものを発見したのは、これらのような写真だ。写真の多くは、周囲の状況とは異なるように見える甲羅、脚、翼、触角、分節された体の昆虫の証拠を示していると博士は言う。

博士は各写真を慎重に目視検査し、昆虫に最も似た形を示すものを選択した。基準には、周囲の岩石との劇的な違い、透明度と対称性、セグメンテーションなどの複数の形態のグループ化が含まれている。

博士はまた、特定のポーズや動き、そして飛行している証拠、他の形との明らかな相互作用、そして明らかに輝いている目の様子などから、これらの昆虫やヘビが生きているかもしれない証拠とだと語る。

しかし、ロモーザー博士に昆虫として特定されたものは「ただの岩」の可能性も高い。

火星の写真を見つめて、そこに特定の形状を見出すことは、「パレイドリア」と呼ばれる現象(雲の形から動物や顔などの何らかの物体を思い浮かべたりするような、自然のものに形式を与える錯覚的な認識)の可能性がある。

パレイドリア現象は、実際は意味のないものに、現実のものを認識するという意識の錯誤だ。

これまでにも、火星表面に人の顔のようなものが見えると話題になったりしたこともあった(※ 以下の1976年に探査機バイキングが撮影した火星の表面のこと)。

ロモーザー博士は、昆虫学教授として 45年間のキャリアの持つプロの昆虫学者だ。それだけに、彼は昆虫に対しての知覚や意識が平均的な人々より強い可能性があり、それが、パレイドリアに結びついたということはないだろうか。

ロモーザー博士の主張が正しいか間違っているかどうかは、実際にはわからないが、しかし、その答えは比較的早く出るかもしれない。

キュリオシティよりさらに高度な機器を搭載した火星ミッションが 2021年から開始されるのだ。この探査では、火星の生命の探索が含まれる。

火星に微生物がいれば、それを探査できる可能性があり、あるいは、昆虫のようなものがいるなら、それも発見されるだろう。

ロモーザー博士は、人々に火星の写真を詳細に見ることを勧めている。

「学会で報告した研究は、確証的なものであると私は考えています。それだけに、火星の写真に対してのさらなる研究が必要であることは明白です」





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Oka In Deep

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