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11月14日にメルマガ「自由という幻想。そして、村上名誉教授によるワクチン後データの発表や3I/アトラスの今」を発行させていただきました。

2025年からの世界 人類の未来 人類の覚醒と真実 資本主義の終焉

自動化ディストピア時代のサバイバルとは。そして、ストラウス・ハウ理論の「第4の転換」期間にAIにより生じる大規模な社会の崩壊と再生

投稿日:


Andrey Azimov




そんな時代に

面白い投稿を見ました。アメリカで「求職者追跡システム」を運営しているという方で、つまり、求職者たちの応募書などを分析している方ということのようですが、以下のように投稿していました。

ちなみに、冒頭の写真は、その投稿のひとつに載せられていたものです。

アンドレイ・アシモフ氏の投稿より

37signals 社 (※ 米国のウェブアプリケーションを手がける企業)は求人に 2,000人の応募を受け取った。

その多くが、応募書を書くために AI を使用していた。そして残念なことに、彼らのほとんどが同じ AI の出力結果だった。

同じフレーズが使われていた。

応募者はおそらく ChatGPT を開いて、37signalsの求人に応募するためのカバーレターを書くように依頼しただけなのだろう。

他の誰かが同じシステムに似たようなものを書くように依頼すれば、似たような出力が得られる。

そしてそれは明らかに即座に失格となる。

Andrey Azimov

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2024年の今、就職市場はこれまでにないほど競争が激しい。

私は求職者追跡システムを運営しており、毎月何百万人もの人々が応募しているのを見ている。

現在、トレンドとしては、人々は自動化ツールを使用して同時に何千もの仕事に応募しているのが現状だ。

しかし、このようなトレンドは、(求職している)あなたに有利に働く可能性がある。なぜなら、今、あなたは簡単に他の群衆から目立つことができるからだ。

ほとんどの人たちの求職応募書やカバーレターは同じように見え、GPT (AI)スタイルの自動生成されたゴミだ。企業は現在これらの低品質な応募者に圧倒されている。

代わりに、私は以下を推奨する:

・一つの企業をよく調査し、その企業が何をしているかを学ぶ

・本物で誠実な応募書を書く

・企業の製品、ミッション、またはコミュニティについて具体的に述べ、あなたがどのようにそれに適合するかを応募で示す

・企業の製品やコミュニティと交流する、例えば彼らの GitHub リポジトリに貢献したり、Discord に参加したりする

あなたは目立てるはず!

(※) GitHub とは、ソフトウェア開発のプラットフォームで、Discord コミュニケーションサービスのことです。

Andrey Azimov

つまり、

「他のみんなが AI などで作成した同じような規格の応募書を作っているのなら、そうではなく、自分の手で誠実に応募書を作り、そして入りたい企業に対して真摯な態度で臨みましょう」

という……まあ、何だか当たり前のようなことなんですが、非常に多くの人たちが(何と、2000人のうち 1800人が AI で応募書を自動作成)、自動生成された書類や応募書を多数の企業に同時に送りつけているような今だからこそ、

「そのようなことをしないことで、あなたは目立つことができる」

と述べているようです。

まあ、このように言うほど、さまざまな書類を自動生成する若者たちが増えているということなんでしょうけれど、「とにかく、それをやらないこと」が有効な時代になっていると。

思えば、一流の企業、まして IT やウェブ関係の企業の採用者が、それが AI で作られた書類かどうかを見抜けないわけもなく (あるいは、皮肉な話ですが、それが AI で作られた書類かどうかを見抜くために、企業も AI でフィルタリングしています)、そして、上にありますように、それが AI で作成された書類だとわかった時点で、

「即座に失格となる」

わけです。

文章が下手でも知識があまりなくても、とにかく誠実で真摯な態度こそが、相手に伝わる早道だ……という何だか道徳の話を書いているような感じになっていますが、しかし、本当にそうだと思います。

この X の投稿を知ったのは、ドラー・コラプス(ドルの崩壊)というメディアの記事で、そのタイトルが、

「 AI は第4の転換期における制度崩壊を加速させている」

というものでした。

この「第4の転換期」というのは、最近取り上げることもある、「ストラウス・ハウ世代理論」という 1990年代の理論で、2025年から 2030年あたりが、ストラウス・ハウ理論によれば「第4の転換期」という非常に大きな変転の節目になる可能性が高いというものです。

最近の記事…これは内容は「鳥インフルエンザの記事」ですけれど、記事中盤の「今は80年ぶりの人類史の大転換の渦中にあるのだから」というセクションで簡単に述べています。

2025年8月2日の In Deep より

話は逸れますが、先日のメルマガ(8月1日発行)に書いたことで、現在の 2025年から 2030年の間というのは、「ストラウス・ハウ世代理論」という 1990年代にアメリカで提唱された理論に基づくと、

「今は 80年 (あるいは85年)に 1度の大転換の期間 」

となっています。前回の大転換は、第二次世界大戦が終わり、世界で最初に原爆が投下された 1945年にあたりますが、それから 80年経ちました。

その極めて大きな転換があるとした場合、戦争によるものなのか、金融崩壊などによるものか、あるいは他の理由によるものなのか(あるいは複合なのか)はわからないですが、今後の 5〜 6年というのは、人類史に残り続けるような、かなり大きな出来事が相次いで起きる可能性が(その理論からは)あり得ます。

なかなか面白いなと思うのは、私がこの「ストラウス・ハウ世代理論」というものを知ったのは、この夏のことで (最初に書いたのは、7月5日の「社会混乱の80年周期サイクルについての雑談」という記事)、つまり、つい最近なんですが、それ以来、「第4の転換期」という言葉が入った記事をものすごいペースで目にします。

流行語のひとつなんですかね。

せっかくですので、そのドラー・コラプスの記事をご紹介したいと思います。

ものすごく長い記事ですので、多少編集・抜粋しつつのご紹介です。

ここからです。





AIは第4の転換期における制度崩壊を加速させている

AI Is Accelerating the Fourth Turning’s Institutional Meltdown
dollarcollapse.com 2025/08/18

今のニュースの見出しは AI のイノベーションばかりに焦点が当てられており、インプットではなく、アウトプットに焦点が当てられている。良い点も悪い点も、そしてとんでもなくひどい点も含めてだ。

ほとんどはエンターテイメントの世界だ。人々が求めているのは、目新しいもの --- 洗濯物を畳み、皿洗いをし、Amazonで次に買うべき商品へと案内してくれるロボット --- だ。悲観的な見通しが立ちはだかる中でも、人々の関心は尽きない。しかし、AI が私たちに襲いかかり、一夜にして下着に核爆弾を落とすかもしれないという可能性がある。

だが、これに注意を払っている人は多くはない。

AI は誤りを明らかにし、長年続いた制度の崩壊を加速させており、次に何が起こるかを形作っている

AI は、著書『第4の転換』で「決定的な危機の時代」と表現されているまさにその最中に展開している。ストラウス・ハウ世代理論と呼ばれる、この主張を展開した著者のニール・ハウとウィリアム・ストラウスは次のように記している。

第4の転換期は危機であり、価値観体制が古い社会秩序を新しいものに置き換えることを促す、世俗的な激変の決定的な時代である。

この文脈において、AI の成長を推進する価値観は単なる技術的理想にとどまらない。これは、創造的破壊の渦中にあるシステムにおける生存特性なのだ。

AI を駆り立てるそれぞれの価値観は、次の時代に向けて再編されつつある世界の圧力、競争、そして機会を反映している。

私がここで言う価値観とは、単にテクノクラートエリートの価値観ではない。適応力を通して生き残るために体現されなければならない価値観のことだ。

AI は良くも悪くも、支配にも分散的な自由にも利用される可能性があり、今まさに、様々な機関とそのリーダーたちは AI の影響への適応を競い合っている。

その結果として起こることは、制度の広範な強制的な解体だ。それは危機の際に起こる。技術の進歩を通して起こる。そして、それは単に資本主義の根底にある特徴として起こる。システムの崩壊はすでに至る所で起こっている。特に私たちの制度において

ストラウス・ハウ理論は、 「第4の転換期は、社会および政治制度にとって『創造的破壊』の期間として機能する」と書いている。

私が強調したい重要な点は、第4の転換期に起こる制度の崩壊と刷新は、私たちが慣れ親しんでいる典型的な「進歩」の物語ではないということだ。

たとえニュースでよく耳にする話であっても。私たちは動画やチャットボット、そして大規模言語モデル(LLM)による情報取得、整理、そしてアウトプットの提供能力を目にするが、私たちが認識していないのは、こうした変化を内包するより大きな文脈だ。その文脈こそが、第4の転換期なのだ。

ハウ氏は最新著書『第四の転換期到来:歴史の季節が語る、この危機の終息と終焉の時』の中で、80年から 100年かけて秩序から混沌へと移行する四つのサイクル(転換)について述べている。彼は次のように説明している。

…これは強調しなければならないが、進歩はサエクルム (※ 地球上の人が完全に入れ替わるのに要する時間)の目的ではない。もしサエクルムに目的があるとすれば、それはむしろ、常により良いものを期待する社会を、創造的な自己調整の段階へと押し進め、そこで時折、より悪いものに立ち向かわなければならないことにある。

…サエクルムは、社会を存続させ、適応力を維持する程度にのみ、長期的な進歩に貢献する。

この意味で、その目的は自然進化の目的に似ている。「サエクルム」は私たちをより良くするかもしれないし、そうでないかもしれないが、私たちの生存を促す。それは、特定の世代が望むものを与えてくれるわけではないかもしれないが、しかし、時が経つにつれて、社会が必要とするものを与え、より多くの世代が後を継ぐことになるのだ。

AIは社会の誰もが望むものではないかもしれないが、最終的には解決策の一部となるかもしれない。それは長い道のりだった。約 30年前、ジェームズ・デール・デイビッドソンとウィリアム・リース=モッグ卿は、『主権者個人:情報化時代への移行を制する』の中で、AI の影響について次のように書いている。

「現在ほとんどの人が想像しているよりも速く、マイクロプロセッシングは国民国家を転覆させ、破壊し、その過程で新しい形の社会組織を生み出すだろう」

AI イノベーションがニュースの見出しを飾り続ける中で、破壊は再編のプロセスにおける痛ましい部分だ。それらはニュースの見出しにはならないものの、まさにそこで新しいものが古いものを追い越し、解体し、新たな産業が生まれ、中央集権的な権力からより機敏な企業へと統制が分散化されるのだ。

そうは言っても、現在、第4の転換期において崩壊と再生の過程にある 3つの基礎的制度がある。

 

伝統的な企業構造は崩壊している

過去 100年間、企業構造は中央集権化、トップダウン型の階層構造、明確な分業体制、そして正式な方針と手順によって構築されてきた。企業内部の行動を最もよく理解するには、採用プロセスを見るのが最善だ。

過去 10年間で、テクノロジー業界では、トップダウンのプロセスに代わるリーン・アントレプレナーシップ (※ 最小限のリソースを用いて顧客のニーズを特定し、価値を創造する事業開発手法)や、イノベーションと製品開発を迅速化するためのフラットな階層など、新しい協働方法が導入された。

そして、新しい人材を引き付けるために、企業はこれらのアイデアや考え方を自社の文化に取り入れ始めた。オープンなオフィススペース、金曜日にはフーズボールテーブルを囲んで上司と無料の軽食や飲み物を提供するといったものだ。

今、AI は個人にとって同じプロセスを民主化しつつある一方で、企業はそれに適応しようと試みている。その結果は、まさに「道化師の世界」レポートのようだ。AI は、AI の粗悪品を生み出す大衆の力を増幅させているに過ぎない

1つの求人広告に対して 2,000人の応募があり、そのうち 1,800人が同じ AI ツールを使用して同様のカバーレターを作成したと想像してみてほしい。

ほとんどの人たちが、ZipRecruiter (※ ワンクリックで 100を超える企業に求人情報を送信することができるアプリ)でワンクリックで応募できる電子レンジのようなアプリを欲しがっている。

つまり、クライアントに提供する価値などまったく考慮せず、求職者はき手っ取り早くお金が欲しいだけなのだ。ある会社のオーナーは、あるポジションに 2,000件もの応募があり、そのほとんどが同じようなカバーレターだったことを話している。(※ 先ほど書きました、37signals 社への求人についての話です)

皮肉なことに、企業が中央集権的でトップダウン型の採用システムの崩壊に適応する方法の一つは、AI フィルタリングの層をもう一層追加すること、つまり AI の活用を増やすことになっている。

大量の応募書類を受け取った後、企業は応募者を工場のような AI ビデオリクルーターに通す。この奇妙な感覚はこちらの投稿で見られる。 (※ これは簡単にいえば、「AI によって自動応募された求職者をフィルタリングして除外するために、 AI を使う」というようなことです)

人材獲得と採用の未来はすでにここにある。採用と人材獲得を皮切りに、典型的な企業構造は崩壊しつつある。

しかし、企業の崩壊は、この崩壊全体の一部に過ぎない。かつて企業への人材供給のパイプラインであった高等教育も、同様に急速に崩壊しつつあり、AI はその亀裂をさらに広げている。

 

大学や高等教育は重要性を失った

旧来の高等教育モデルは崩壊している。雇用主も志望者も資格を求めている。残念なことだが、学生が大学で買うのはもはやスキルではない。彼らが買っているのは、履歴書に載せるための論文と実績だ。

教育機関はこれを承知しているため、最大限に活用してきた。学生を工場モデルで大量生産し、エッセイ、レポート、その他のプロジェクトなどを要求する。しかし、AI はそれらを数回の指示で簡単に作成できる。

つまり、学生は本来支払うべき知識を蓄積し、内面化し、応用することができなくなっているのだ。AIの活用によって、蓄積と内面化の段階は完全に省略されてしまう。スキルの習得がなければ、教育は意味をなさない。

言うまでもなく、高等教育機関は AI のせいでその重要性を失っている。実際、AI の活用はあまりにも広く普及しており、変化の速度も非常に速いため、課題をこなすために AI を利用している学生と、就職活動の準備が不十分だと感じている学生が同じ状況にある。このように、AIは こうした古い教育機関の崩壊と重要性の低下を加速させている。

CampusTechnologyの レポートには次のようにある。

調査:学生の 86%がすでに学習にAIを活用

教育イノベーションに注力する大学と産業界の代表者による世界的な連合であるデジタル教育評議会(DIC)の最近の調査によると、学生の大多数(86%)が学習に人工知能(AI)を利用していると述べている。

そして、彼らは AI を定期的に利用している。AI を毎日利用していると回答した学生は 24%、毎日または毎週利用していると回答した学生は 54%、少なくとも毎週利用していると回答した学生は 54%だった。

最も一般的な使用例は以下の通りだ。

・情報の検索(69%)
・文法をチェックする(42%)
・文書を要約する(33%)
・文書を言い換える(28%)
・最初のドラフトを作成する(24%)

夏季には AI の利用が減少することがわかっている。もし AI の活用が学生の新たなスキル習得に役立つのなら、AIの利用がそれほど劇的に減少することはないだろう。

AIは「第4の転換」における制度的崩壊を加速させており、学生は就職し、企業に応募することで「現実の生活」を経験し、AI スキルが実際の社会貢献や収入拡大にほとんど関係ないことに気づくため、一種のワークショックが発生する。

過去 10年間、企業の中央集権的でトップダウン型のモデルが崩壊するにつれ、企業は人材戦略を転換した。旧来の企業は、旧来のスキル獲得モデルで運営されてきた高等教育機関が、本来持っているスキルを職場に活かすことに失敗しているため、迅速な適応に失敗した。その結果、雇用主と従業員の間に幻滅がもたらされた。

 

さらなる破壊と適応が待ち受ける

総合的に見ると、これはあらゆる機関に共通する状況だ。企業は中央集権的な採用・人材モデルを維持するのに苦戦している。大学は資格の意味を失い、その重要性を失っている。政府は肥大化し、非効率で、腐敗していることが露呈している。

これらの崩壊はそれぞれ単独の失敗ではない。これらは、はるかに大きなサイクルの兆候だ。第4の転換は単なる混乱ではなく、次に何が起こるかのための基盤を整える創造的破壊だ。

そして AI はそれを加速させる。それはあらゆる弱点を増幅させ、あらゆる非効率性を増幅させ、適応できないあらゆる構造を破壊している

旧秩序は、より遅く、より制御可能な世界のために築かれた。しかし、私たちがすでに生きているこの世界は、機械のスピードで動いている。官僚主義、階層構造、そして中央集権的な権威への信頼の上に築かれた制度は、到底追いつくことができない。

だからといって、すべてが灰に帰すわけではない。もはや機能しないものは火によって焼き尽くされるというだけだ。そこから、よりスリムで、より透明性が高く、より分散化された制度を再構築するチャンスが生まれる。

AI は救世主でもなければ、悪役でもない。

それは、私たちが何者なのかを明らかにするツールだ。そして、第4の転換が深まるにつれ、生き残るのは最も大きな存在ではなく、最も適応力のある存在だ

今後数年間、こうした旧来の制度の崩壊は、完全な決別ではなく、露呈、崩壊、そして強制的な適応という、骨の折れるプロセスとなるだろう。

官僚機構は最後の瞬間まで抵抗し、企業は譲歩する前に壊れたモデルに固執し、大学は価値が消え去った後もずっと資格にしがみつくだろう。

しかし、「第4の転換」が深刻化するにつれ、生き残ることができるのは、旧来の階層構造を捨て、分散化、透明性、そして適応性を受け入れた機関になるだろう。それ以外の機関は、機械のスピードで再編される世界に対応できなかった空洞の殻として、取り残されるだろう。

未来は彼らを待ってはくれない。もちろん、AI も待ってはくれない。

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