乱射事件の背後にあるもの
ほんの数日前の 8月27日にアメリカのミネアポリスにあるキリスト教カトリック教会で、乱射、というより無差別狙撃事件があり、子ども 2人が死亡し、17人が負傷する(うち、子どもが 14人)という出来事がありました。
以下のような出来事です。
BBCの報道より
米ミネソタ州ミネアポリスのキリスト教カトリック教会で 27日、襲撃者が建物の外から窓越しにミサの参加者らに向けて発砲し、8歳と 10歳の子ども 2人が殺害され、17人が負傷したと警察が発表した。
警察などによると、事件があったのはミネアポリス南部の住宅地にある「アナンシエイション(受胎告知)教会」。 5~ 14歳が通う学校を併設しており、事件発生時、教会は児童・生徒でいっぱいだった。
負傷者のうち 14人は子どもで、全員命に別条はないとみられている。3人は 80代の教会信者だという。
容疑者は、23歳のロビン・ウェストマンという名の人で、現場で自らを撃って自死しています。
発生当初は、この事件の動機というのか、理由付けがほとんどわかっていなかったのですが、その後の報道で、このロビン・ウェストマンという人の状況が、ややわかるようになってきました。元男性であるトランスジェンダーの女性でした。
以下は、ニューヨークポストの報道からです。
2025年8月27日のニューヨークポストの報道より
ミネアポリスのカトリック学校で子ども 2人を殺害し 、 少なくとも 17人に負傷を負わせた狂気的な銃撃犯は、トランスジェンダーの女性であることが判明した。
銃撃犯が投稿した衝撃的な動画には、銃のマガジンに走り書きされた手書きの宣言文や「ドナルド・トランプを殺せ」「子供たちのために」といった言葉が映っている。
ロビン・ウェストマン(旧姓ロバート・ウェストマン)は、水曜日の午前8時半頃、子供たちでいっぱいの新学期を祝うミサの最中、自身が通っていたアナンシエーション・カトリック・スクールの教会のステンドグラス の窓に向けて発砲した。
ミネアポリス警察署長ブライアン・オハラ氏は記者会見で、この卑劣な大量殺人事件の数時間前、ウェストマン容疑者(23)が一連の歪んだ動画をユーチューブに投稿し、その中には声明文も含まれていたことを認めた。
錯乱した文章の中で、彼は「無力な子どもたちの上に立ちはだかる恐ろしい怪物になる」ことを嬉々として空想している。
前回の記事でも、やや陰惨な AI による殺人事件のことを取り上げたばかりで、暗いニュースが続いて申し訳ないですが、このロビン・ウェストマンという人が、トランスジェンダーだったことの「何が問題なのか」ということについて、医学メディアなどからの引用を合わせて取り上げたいと思います。
結局、これらの問題は、
「 SSRI (抗うつ剤)の話に突き当たる」
のです。
トランジェンダーによる「子どもたちへの無差別乱射」は、2023年3月にも、アメリカのナッシュビルという街で起きています。
以下はその時の報道の翻訳です。
報道「ナッシュビルのキリスト教徒学校襲撃事件で 6人が死亡、28歳の銃撃犯がトランスジェンダーであることが判明」より
監視カメラにおさめられたテネシー州ナッシュビルのコヴナントスクールで武器を持って歩くオードリー・ヘイルの姿。2023年3月28日、テネシー州ナッシュビルの私立キリスト教学校で 28歳の女性が銃乱射事件を起こし、少なくとも 3人の子どもと 3人の教職員が死亡した。警察は、容疑者の女性を射殺したと報告した。
警察当局は、5人の警察チームが、現地時間午前 10時30分頃、学校の 2階のロビーで女性を射殺したと述べた。
当局は、銃撃犯はナッシュビル都市圏に住んでいた元学生だったと報告した。その後、銃撃犯は、女性から男性へのトランスジェンダーであるオードリー・ヘイルと特定された。
最近になって、このオードリー・ヘイル容疑者の日記が公表されていまして、きわめてアメリカを憎んでいたことがうかがえるものでした。
ヘイル容疑者の日記の一部より
「私はアメリカ国民が大嫌い。アメリカは自由の国なんかじゃない。バカだらけの国だ。この国はますます悪くなるばかりだ。私のような神々が足りない。アメリカとその国民は皆、まもなく滅びる運命にある」
「私はディラン・クレボルドの生まれ変わりだと感じている。私の鬱についての思いは、彼と私の経験と永遠に結びついている」
上にあるディラン・クレボルドというのは、1999年にコロラド州のコロンバイン高校で銃乱射事件(コロンバイン高校の虐殺)をおこしたうちの一人で、現場で自死しています(享年 17歳)。
ちなみに、全然関係ないことですけれど、私が、In Deep の前身ブログであるクレアなひとときというものを書き始めた動機が、2007年4月に起きた「バージニア工科大学銃乱射事件」でした。
アメリカ国内で起きた銃乱射事件としては当時史上最多であった33人(教員5人、容疑者1人を含む学生28人)が死亡した事件です。
この事件の容疑者は、在米韓国人で同校の学生だったチョ・スンヒという人で、この「チョ・スンヒの人生」を調べて書き出している中で、それをまとめだしたのが私がブログを書き始めた最初です。
この場合も、あとで関係するかもしれないですが、チョ・スンヒは、「場面緘黙症 (特定の場所や大勢の前で話すことができない)」であったり、「精神科での投薬治療」を受けています。
チョ・スンヒ - Wikipediaより
チョは場面緘黙症であると診断された。バージニア工科大学の委員会報告書によれば、これは2007年8月、8年生の春のことであった。
両親は、彼のために投薬および心理療法を求めた。高校では、彼は「情緒障害」という区分のもとで特殊教育を受けた。
口頭発表やクラスでの会話は免除され、言語聴覚療法を受けることになった。その後、3年生の終わりまで、精神科の治療を受けた。
2007年の当時、場面緘黙症での投薬治療にどのような薬が使われていたかは明白ではないですが、現在では、以下のようになっています。
> 場面緘黙症自体を直接治す薬はなく、薬物療法は不安症状の緩和を目的として行われます。主に抗不安薬やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬が用いられ… Google AI
話が少し逸れていますが、最初がトランスジェンダーによる大量殺人という括りから始まっている話ですので、そこにいったん戻ります。
抗うつ剤(SSRI)の最大の副作用とは何か?
さて、先ほどのふたりのトランスジェンダーの無差別狙撃容疑者の人々が、抗うつ剤を処方されていたかどうかは定かではありませんが、しかし、2023年の論文には、
「トランスジェンダーの約 40% が自殺未遂を報告している」
という点にふれていて、さらには、
「トランスジェンダーの約 40% が SSRI を服用している」
ことが説明されています。
そして、以前の記事でも書きましたけれど、抗うつ剤 (SSRI )の最大の問題となる副作用は以下の二点です。
・自殺、あるいは自殺念慮
・他人に危害を与える攻撃的な行動
これは、以下の記事で、サイエンティフィック・アメリカン誌の記事をご紹介した中で取り上げました。
・アメリカの医薬品当局も日本の厚生労働省も共に認める「SSRI 系抗うつ剤は自殺を後押しする」という事実は今や誰もが知っている。なのになぜ処方は続いている?
In Deep 2017年11月28日
アメリカでは SSRI の一部のパッケージには「ブラックボックス警告」 (FDAによる最大級の副作用の警告)をつけることが義務づけられています。
セルトラリンというSSRIの黒枠警告

「抗うつ薬は、小児および若年成人患者における自殺念慮および行動のリスクを増加させます」等と書かれてあります。
日本には、ブラックボックス警告の制度はないですが、実は添付書類には書かれてあるのですけれど、大抵の医師はそれを処方する患者さんには説明しません。
あるSSRIの日本の添付書類
8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。
また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。
ここに「敵意、攻撃性、衝動性」とあり、「自殺企図、他害行為が報告されている」とありますが、これらは実際に起きている報告です。
この「暴力性」について、2020年の論文を取り上げていたアメリカの医学メディアがありました。以下のようにあります。
785,000人以上のSSRI使用者(15~60歳)の調査(スウェーデン国家登録)
・SSRIを服用している人は、薬を服用していないときと比べて暴力犯罪を犯す可能性が 26%高かった。
・リスクは特に若年成人(15〜34歳)で高く、15〜24歳では 28%増加し、25〜34歳では 35%増加した。
・重要なのは、服用を中止した後も危険が続いたことだ。服用を中止してから最初の 4週間は暴力犯罪のリスクが 37%上昇し、その後 12週間経っても 20%上昇した。
さらに、2015年の、やはりスウェーデンの調査を取り上げた論文では、以下のような数字となっていました。
スウェーデンでは 856,000人以上が SSRI を処方されている
・若年層(15~24歳)の使用者は暴力犯罪で有罪判決を受けるリスクが 43%高かった。
リスクは暴力犯罪だけにとどまらない。
・事故リスクが 29%上昇。
・アルコール関連の病院受診リスクが 98%上昇。
15~24歳の男女別内訳:
・若い男性:暴力犯罪のリスクが 40%高い。
・若い女性:暴力犯罪のリスクが 75%高い。
男性より女性のほうが、著しく強く影響を受けていることがわかりますが、「暴力犯罪のリスクが 75%高くなる」という数値は尋常な話ではありません。
なお、長期データによると、トランスジェンダーとして性別適合手術を受けた人は、全体の死亡率が 3倍高く、自殺リスクが 19倍も高いことが示されています (論文)。
このことはともかく、若者による暴力の増加の原因のひとつには、確実に SSRI の処方があるのです。
先ほど書きましたバージニア工科大学銃乱射事件のチョ・スンヒも、SSRI を処方されていた可能性は高いです。
そして、SSRI には「脳と、そして、他人や自分に対しての感情を麻痺させる」性質があります。
以下はニュージーランドで行われた研究からです。
ニュージーランドで抗うつ薬を服用している患者 1,829人を対象とした調査では、62%が性的困難を報告し、60%が感情が麻痺していると感じ、52%が自分らしくないと感じ、39%が他人のことをあまり気にしなくなり、47%が興奮を経験し、39%が激しい動揺を経験し、39%が自殺念慮を経験したと報告された。
・60%が感情が麻痺していると感じ
・39%が他人のことをあまり気にしなくなり
・39%が自殺念慮を経験した
という結果です。この 40%だとか 60%という数字は「まれに起きる副作用」と言える数字ではありません。「主作用」と言えるものです。
これについては、以下の記事の後半でいろいろ取り上げています。
・「医学という名の悪の輪廻」:接種後の精神症状からSSRIの生み出す悪夢まで
In Deep 2024年2月5日
SSRI の処方が拡大するばかりの中で、たとえば、アメリカでは銃乱射が増加し続けています。
アメリカでの学校銃乱射事件による死者数 (2014-2024年)

BDW
アメリカだけではなく、若者の銃などによる無差別攻撃の増加は主要国で増え続けていて、昨年と今年だけでも、以下のようなものを思い出します。これらは移民云々とは関係のない事例で、すべて、地元で育ってきた少年たちによるものです。
・オーストリアの高校での銃乱射事件の死者は10人となり、同国史上最悪の乱射事件に
・フィンランドの学校で12歳の少年が銃の乱射。児童1人が死亡
これらの国では、(少なくとも少年や少女による乱射は)かつてはほとんどなかったことです。
こういう事件の増加を社会的な要因の中から探ることも大事なのかもしれないですが、SSRI の処方、という服用している人たちの暴力性が高まることが明確に示されているものが存在し、そして、そのようなものが、国により数十万人から数百万人などに処方されているわけです。
社会的な要因とも相まって、今後若い世代による暴力的な犯罪は増えることはあっても減ることは決してないと思う理由がここにあります。
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