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アメリカの医薬品当局も日本の厚生労働省も共に認める「SSRI 系抗うつ剤は自殺を後押しする」という事実は今や誰もが知っている。なのになぜ処方は続いている?

   

2016年2月のサイエンティフィック・アメリカンより

Scientific American

SSRIで消えたNさんに捧ぐ

 

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昨日、

「製薬企業は組織犯罪」だと断罪し、発表されている薬の研究報告が虚偽であることを告発し続けるコクラン計画の共同設立者ゲッチェ博士はかく語る

という記事を書かせていただきました。

その内容は大体このタイトルの通りですが、その中で、「 SSRI 」という「抗うつ剤」について少しふれた部分がありました。

その記事そのものは、抗うつ剤を対象にした記事ではなかったですので、あまり詳しくは書きませんでしたが、現在 SSRI 系の抗うつ剤を服用している人は非常に多いと思いますし(推定で数百万人規模)、その関係記事をご紹介しようと思います。

まずは、その記事をご紹介しますので、お読みいただきたいと思います。昨年2月のアメリカの『サイエンティフィック・アメリカン』の記事です。

サイエンティフィック・アメリカンは、Wikipedia に、「一般向け科学雑誌としては世界最古、また現在定期刊行されているアメリカの雑誌としても最古である」と書かれてあるような科学と医学の権威中の権威です。

そして、その記事で取りあげている内容は、最近たまに出てくる英国のブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の発表で、こちらも医学界の最大の権威です。

これだけの権威と権威が発表した記事だということは、「このことは現在ほとんどの医者や薬剤師、専門家の方々が知っていること」だと思って読んでいただくとよろしいかと思います。簡単に書けば「 SSRI を飲むと死にやすくなる」ということを、です。

ちなみに、タイトルにしました「アメリカの医薬品当局も日本の厚生労働省も共に認める」というのは、SSRI 抗うつ剤と自殺企図の増加の関連についてはそれぞれが公的な文書に記しているためにそう書かせていただきました。

今では医療や保険に携わる人たちはみなが知っていることですが、私たち一般の人はあまり知らないかもしれません。

では、ここから記事です。


The Hidden Harm of Antidepressants
Scientific American 2016/02/03

抗うつ剤の隠れた害

臨床試験の詳細な分析により、抗うつ剤による自殺企図や攻撃的な態度などのマイナスの作用が過少に報告されている事実が明らかになった

抗うつ剤は最も一般的に処方されている医薬品のひとつだ。全米保健医療統計センター(アメリカ疾病予防管理センターの1部門)による 2011年の報告によると、12歳以上のアメリカ人 10人のうちの 1人が抗うつ剤を服用している。これは12歳以上のアメリカ人の 11%が抗うつ剤を服用していることを示す。

しかし、最近の報告では、これらの薬物の安全性に関する重要なデータ、特に小児および青少年のリスクについての重要なデータは、医療界および一般からも過小に報告されていることが明らかとなった。

先週(2016年1月)、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(以下、BMJ)に掲載された最新かつ最も包括的な分析では、デンマークのコペンハーゲンにある北欧コクランセンターの研究者グループによれば、製薬企業が臨床研究報告書に抗うつ剤の深刻な害や副作用のすべてを記載していないことがわかったのだ。

これらの臨床研究報告書は抗うつ剤の新薬の承認申請の際にアメリカ食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁 (EMA)などの規制当局に送られた書類でもある。

研究者たちは、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」と「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」の 70の異なる二重盲検、プラセボ対照試験の書類を調べ、この調査において、これらの抗うつ剤を使用した小児および青年において自殺思考と攻撃的行動の発生が倍増することを見出したのだ。

BMJ が発表したこの論文では、抗うつ剤の臨床試験の報告書に矛盾があることについての不安な告発が浮上した。

2015年9月の医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・エピデミオロジー(Journal of Clinical Epidemiology)に掲載された研究では、抗うつ剤研究のメタアナリシス(複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること)の 3分の 1が製薬会社の従業員たちによって作成されおり、さらに、これは他の薬剤のメタ研究より 22倍少ない分析となっていた。

同月、別の研究グループは、製薬企業グラクソ・スミスクライン社が資金を提供したパキシル(SSRI に属する抗うつ剤)の 2001年の臨床試験のデータを再解析した際に、青少年に対しての有効性が誇張されていることと「未知の悪影響」の存在が明らかになったと報告した。この研究は、治験に関するより詳細な情報が含まれていた。

この研究グループは、最も有用な情報のいくつかは、報告書に付属書類として掲載されている個々の「患者一覧」の中にあることを発見した。例えば、そのパキシルの報告書自体に「感情的負担」や「うつ病の悪化」による自殺企図が患者の記述の中にあることが明らかになったのだ。

しかし、この情報は 70回の試行のうち 32回しか利用できなかった。コクラン計画のこの研究の主任著者であるタラン・シャルマ(Tarang Sharma)氏は、以下のように述べる。

「付属書類の多くは、当局に要求された場合にのみ利用可能なのです。もし、私が完全なデータを手にしていれば、実際の(パキシルの副作用の)状況が、どれほど悪いものかということについてわかったかもしれず、それは実際には恐ろしいことでもあります」

この研究について、ロンドン大学の精神科医ジョアンナ・モンクリーフ(Joanna Moncrieff)氏は、「この研究は、抗うつ剤の完全な害と副作用が報告されていないということを確認したものだと思われます。薬剤規制当局への臨床試験報告で適切に報告されていなために、それらの害は公表されている(抗うつ剤の)文献には報告されていないのです」と述べる。

 

抗うつ剤の「ブラックボックス」を開くために

臨床試験報告書にアクセスすることは簡単なことではない。

コクラン計画の臨床研究者で最近の研究の共同著者であるピーター・ゲッチェ氏は、2007年に抗肥満薬に関して、欧州医薬品庁 (EMA)からこれらの臨床試験ファイルを取得する試みを最初に行った人物だ。

「 EMA はこれらの臨床報告の提出を断固として拒否しました」とゲッチェ氏は言う。

ゲッチェ氏は続けて以下のように述べた。

「彼らは商業的な機密性があるから(臨床報告書を渡すことはできない)ということで話していましたが、これらの臨床報告書には商業的秘密と関係するものはまったくありませんでした」。

「私たちは、この書類の中のすべての秘密が実際に人の命を犠牲にするのだと説明しましたが、EMA はそのことにはまったく興味がないようでした」

その後、ゲッチェ氏は、欧州連合(EU)機関に対して、臨床データの請求のための要請と申請をおこなったが、要請が通ったのは3年後のことだった。

3年後にゲッチェ氏のチームは臨床データを受け取り、EMA は今後、臨床試験関連のデータへの一般のアクセスを拡大していく方針を宣言した。

これは 2010年の出来事で、ゲッチェ氏がヨーロッパで起こしたこの画期的な成功は、アメリカではまだ起きていない。

ゲッチェ氏は、業界の影響を受けていない人たちによる薬剤の評価を行うために、研究者たちが臨床試験のデータにアクセスする必要があると述べている。

 

抗うつ剤への再評価が必要な時か

以前からの多くの研究で、抗うつ薬の使用による自殺企図の増加が見られたため、2004年にアメリカ食品医薬品局は、これらの薬物に「ブラックボックスの警告」をつけることを義務づけた。ブラックボックスの警告というのは、最も重大な副作用に備えてつけられたラベルのことだ。 EMA も同様のアラートを発行した。

過去に公表された事例研究を含む論文では、パキシルの副作用としての攻撃的行動に関するヒントが存在していたが、今回の BMJ の研究は、小児および青年の攻撃的行動の増加を記録する最初の大規模な研究といえる。

精神科医のモンクリーフ氏は以下のように言う。

「アメリカや他の国で、頻繁に抗うつ剤を服用している人が多い場所での学校での乱射や暴力事件についての議論が非常に重要だと思います」

抗うつ剤がうつ病に対して「プラシーボ(偽薬)よりわずかに優れた効果を持つ」ことを示唆する研究を含めて、この薬剤の長所と短所を論じるさまざまな研究を合わせた上で、SSRI を含む抗うつ剤について再評価する時期だと専門家たちは言う。

モンクリーフ氏はこのように述べた。

「私の見解では、抗うつ剤がうつ病に対して効果的であるという十分な証拠はなく、むしろ有害であるという証拠が積み上がり続けています」

「なので今、私たちは時間を巻き戻して、このような薬剤の処方の増加傾向を止める必要があるのだと思うのです」


 

ここまでです。

なお、この記事には「アメリカで SSRI の抗うつ剤を服用している人は、12歳以上の 11%にあたる」とあります。

アメリカの 12歳以上の人口はわからないですが、「成人の人口が 2億3000万人」ですので、非常に少なめにに考えても、

「アメリカでは 2000万人以上が抗うつ剤を服用している」

ということになります。

下の写真は記事でふれられていたパキシルという抗うつ剤です。

SSRI パキシル

mycanadianpharmacypro.com

そして、これら SSRI 系の抗うつ剤には、

・自殺

・他人に危害を与える攻撃的な行動

だという重大な副作用が顕著にあるということが臨床結果に「記されていないまま」新薬試験を通ったということが書かれてある記事でした。

「抗うつ剤の増加と自殺の増加の関連性」に関しては、日本でも「数字」として現れています。

たとえば、 6年前の記事ですが、NEWポストセブンの「1998年以降抗うつ薬の売り上げ増加と自殺者激増が一致 」には以下のようなくだりがあります。

2011年9月28日のNEWポストセブンの記事より抜粋

自殺者の家族などが集まる全国自死遺族連絡会が2006年7月から2010年3月に自殺で亡くなった方1016人の遺族に聞き取り調査したところ、約7割にあたる701人が精神科の治療を継続中だった。

また、東京都福祉保健局が自殺遺族から聞き取り調査をして2008年に発表した自殺実態調査報告書でも、自殺者のうち54%が「精神科・心療内科の医療機関」に相談していたことがわかっている。

実は国の調査でも自殺事例43事例のうち、20事例(46.5%)において死亡前1年以内に精神科受診歴が認められていた。平成21年度版の自殺対策白書はその事実を記し、こう指摘する。

<これは、従来から指摘されている、「自殺既遂者の9割以上がその直前には何らかの精神障害に罹患した状態にありながら、精神科治療につながっているのは少数である」という知見と、矛盾する結果である>

つまり、こうしたデータは、精神科・心療内科の受診が自殺防止につながっていないことを意味する。むしろ後述するように、受診が自殺を後押ししている可能性があるのだ。

 

もっと短く書けば、「自殺者の 7割が精神科の治療を継続中だった」ということは、精神科に通うことが自殺を抑止していないということでもあり、その最大の理由は、 SSRI (抗うつ剤)の処方だと今は言えるかと。その中の何人かは、抗うつ剤さえ服用して「いなければ」自殺を防げたかもしれないことがコクランが明らかにした「実際の臨床データ」でわかるかと思います。

そのような SSRI 系の抗うつ剤の日本での処方量は下のグラフの通りで、「空に飛び立つ鳳凰のような上昇」を見せ続けています。

抗うつ剤の市場規模の推移(単位は億円)

ai Report2011

SSRI が発売されたのが 1999年で、そこから抗うつ剤の処方量が急上昇していることがわかるかと思います。うつ病で自殺する人の数もそこから大きく増えました。

 

まあ、これ以上いろいろと書いても感情的になるばかりかもしれないですので、このあたりにしておきます。

感情よりも「現実」をお伝えしたい・・・というか、仮に現時点で、そういう抗うつ剤のようなものを服用したり、そういう方と関係のあるような方は、今回のサイエンティフィック・アメリカンの記事をお読みになって考えてほしいと思うのです。

私自身はかつて精神医療にベンゾジアゼピン漬けにされましたけれど、幸いなことに SSRI は拒否し続けたので、今こうしています。

何十年も前に SSRI の害など知りようがないですが、どんな処方された薬剤でも平気で飲んでいた私が、SSRI だけは絶対に処方を拒否しました。

実際にお医者様から「 今は SSRI っていう良い薬があるんですよ」と言われたことは何度もあります。

[関連記事] 意図して書き始めたわけではないけれど、話はナルコレプシーと脳萎縮と「30年間におよぶベンゾジアゼピン系薬物依存」のことへと転がる石のように

 

それにしても・・・。

少し前に、

WHOさえもインフルエンザの治療ガイドラインから永久に削除することを決めた「タミフル」がなぜ日本ではいまだに処方され続けるのか

という記事を書きまして、その中に、「専門家たちも医師たちもタミフルについて出された最新の研究結果を知っているはず」だと書きました。それはこの抗うつ剤にも当てはまるような気がしまして、つまり、ほとんどのお医者様たちは「服用すれば何倍も自殺企図の可能性が増える」ということを知っていて処方しているというのは・・・やはり何となく切ないです。

確かに誰もが仕事でお金を得て生活していかなければなりません。政治家は政治をして、八百屋さんは野菜を売る。裁判官は裁判をして生活し、歌手の人は歌を歌って生きている。そして製薬会社の人は薬を作り、お医者様はそれを処方して生活する。

人がそのように生きていくことを誰にも非難することはできないにしても、切なさはややあります。これは自分が多少当事者の面があるからかもしれません。

 

まあそれでも、人を非難するという気持ちにはなりません。

それよりも、それぞれの方が「自分が抗うつ剤のようなものを処方されることになった場合にどうするか」ということをサバイバル的に考えていただければと思います。

この厳しい時代に、「まるでうつ病のような状態」になることは誰にでもあり得ることです。そして、そういう時に「叩いてはいけない扉がある」ということを考えていただきたいと思います。



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