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WHOさえもインフルエンザの治療ガイドラインから永久に削除することを決めた「タミフル」がなぜ日本ではいまだに処方され続けるのか

      2017/12/02

2007年3月の読売新聞。タミフル服用後の発生事例

読売新聞

今日、下のニュースを見ました。

インフル薬“異常行動”めぐり厚労省が「施錠」など通知へ

TBS News 2017/11/23

インフルエンザの治療薬を飲んだ子どもなどが「異常行動」を起こす報告があとを絶たないことを受け、厚生労働省が近く「部屋に鍵をかける」といった具体的な対策を呼びかける方針を決めたことがわかりました。

厚生労働省によりますと、タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬を飲んだあと、急に走り出した、部屋から飛び出そうとしたといった異常行動の報告が昨シーズン54例ありました。いずれも薬との因果関係は不明です。

厚労省はこれまで、「薬を飲んだあとの2日間は子どもを1人にしない」よう呼びかけていましたが、異常行動の報告があとを絶たないことから、新たな通知を出す方針を決めました。

新たな通知では、部屋に鍵をかける、飛び出しや飛び降りを引き起こす環境に子どもを置かないといった具体的な対策を呼びかけることを検討しています。

このニュースを読んで、「まだタミフルって日本で処方されてたのか!」と驚きましたが、すでに積極的に処方されているのが「全世界で日本だけ」という状況になりつつある中で、今年も日本においては処方が続く可能性がありますので、少し関係したことを書いておきたいと思います。これに関して、日本は異常事態に陥っています。

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「タミフルと異常行動の因果関係はわかっていない」は現在ではあやまち

まず最初に書いておきたいのは、先ほどのニュースの中に、

「薬との因果関係は不明」

というくだりがありますけれど、これに関していえば、3年前に決着はついていまして、「タミフルと異常行動には明らかな関係がある」と断定して構わないはずです。

この評価をおこなったのは、イギリスに本部を置き、臨床試験をくまなく収集し、評価・分析する国際的な医療評価機関『コクラン共同計画』です。

コクラン共同計画は、世界で最も権威のある医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)』と共同で 2014年に発表した声明で、

「インフルエンザ治療薬タミフルの効果は限定的であり、医療機関に対して使用指針の見直しを求める」

としたのです。「使用指針の見直しを求める」というのは、つまり「なるべく使わないようにしてほしい」という通達となります。

その声明のオリジナルは、こちら(英語)にありますが、簡単に書きますと、臨床調査で、タミフルの効果と「安全性」については以下のことがわかったのです。

コクラン計画と BMJ が発表した内容

[タミフルの効果]
・成人の場合、発症期間が 7日 → 6.3日と 0.7日短縮
・未成年では発症期間短縮の効果は見られなかった

[タミフルの安全性]
・吐き気と嘔吐 → 成人で 4%、子どもでは 5%に見られた
・頭痛 → 3.1% に見られた
・精神症状 → 1.1% に見られた

というものです。

つまり、効果としては、

大人の場合、服用しないより 16時間ほど早く症状が治まるという部分だけが効用といえそうで、しかし、子どもの場合は、

「効果がないだけではなく、嘔吐、頭痛、精神症状の副作用《だけ》がある薬剤」

であると確認されたということになり、タミフルは、少なくとも子どもにとっては「益ではなく害だけがある」という存在だといえそうです。

特に、

「 1.1%に精神症状があらわれた」

という副作用は重大なものだと思います。

たった 1%といいますけれど、

・100人に処方されれば 1人
・1万人に処方されれば 100人
・100万人に処方されれば 1万人

の「精神に症状が現れる」わけです。後述しますが、日本には多い年には、ワンシーズンに「 900万人分近くのタミフル」が出荷されています。

精神症状は軽い場合も重い場合もあるでしょうけれど、冒頭の報道にある、

> インフルエンザの治療薬を飲んだ子どもなどが「異常行動」を起こす報告があとを絶たない

ということに直結していると思われます。

しかし……それよりこの問題は、別の部分にもあると思わざるを得ません。

それは「人間としての良心」の問題にも関わることかもしれないですが、誰かを非難したいわけではないですので、あえて書かせていただけば……うーん……どう書けばいいでしょうか。

……たとえば、先ほど、イギリスのブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(以下、BMJ と表記します)という医学誌にふれましたけれど、その BMJ という雑誌は、Wikipediaには、以下のように記されています。

国際的にも権威が高く、日本でも医師であれば必ず読んでおくべき雑誌と言われている。

とあり、

> 医師であれば必ず読んでおくべき

とあるということは、先ほどのコクラン共同計画との共同声明であるこの「タミフルの安全性」について、特に西洋の医学情報をよく学んでいる多くの医師たちは、「タミフルを服用すれば 100人に 1人に精神症状が出る」という数値を「知っている」はずで、冒頭の指針を出していた厚生労働省の人たちも「知っている」はずです。

私のような素人でも知っているのですから、専門家の多くは、少なくとも「そういう情報があった」ことは知っている。

そして、その内容はコクラン共同計画と BMJ が明らかにしたように、

「タミフルにインフルエンザ治療薬としての効果はない」

という結論だったわけです。

そのことも多くの専門家たちは知っている。

それでも、医師たちの団体も厚生労働省も保険関係の機関もガイドラインを変えない。

本来なら「効果がない」と明らかにわかったのであれば、「服用した際の注意の指針」等を出すのではなく、「処方そのものに関してのガイドライン」か「規制」に踏み込むのが妥当なのではないでしょうか。

害だけがある薬物であることが明確なのに、それを知っているかもしれない医療者たちが「子どもにも」出し続けている。何十人も、あるいは何百人もの十代の若者たちが事故に陥っているのに。

……と、この部分が問題なのかなと思った次第です。知らなかったというなら仕方ないかもしれないですが、それならそれで「情報に疎い医師」ということになり、それはそれで問題なような気もします。

最近はあまり報道されていないようですけれど、2004年から 2007年までだけでも、タミフルを服用した後に若い人たちを中心に、冒頭のように「精神症状の副作用」と思わしき事態による事故が起きています。その表をもう一度載せます。

2007年3月22日の読売新聞より

読売新聞

インフルエンザ治療には何の効果もない上に、このようなことになってしまう。

2007年以降にこれが止まったわけでもないでしょうし、連綿とこんなことが続いている。

しかも、この方々は未成年です。

先ほどの、「タミフルは未成年にはインフルエンザ治療薬としての効果は《まったく》ない」ということを考えると、この子どもたちはまったく無意味な化学薬品を飲まされて事故に至ってしまった……。

子どもたちの親御さんしても「早く治してあげたいから」と病院に行き、薬をもらって飲ませたわけで、「親の愛情の結果」だと考えると、悲しいものがあります。

 

このままではタミフルの消費のほぼすべてが日本でのものになる可能性


日本では今でも数多く処方されているタミフルも、ヨーロッパではほとんど処方されておらず、BMJ の先ほどの発表があった 2014年からは、おそらくさらに減っていると思われます。

そうなってくると、タミフルを処方している国は、アメリカと日本くらいなのですが、実はアメリカも CDC (アメリカ疾病管理予防センター)など医療をつかさどる機関はタミフルを推奨していません。

ということで、「今、タミフルが処方されているのは、ほぼ日本に限定され初めてきている」ということになっているのが現状ではないでしょうか。

10年くらい前の時点で、すでに「世界のタミフルの8割を日本が消費」していました。下は、2000年から 2007年まで(インフルエンザのシーズンである前年の冬からの意味)のタミフルの処方量の国際比較です。

blogos.com

すごいですよね。

数字の単位は 100万なんですが、これが「 100万人分」なのか「 100万錠分」なのかわからなかったのですけれど、2007年3月22日の読売新聞に、

スイスの製薬会社ロシュからタミフルを輸入、販売している中外製薬によると、昨年度に国内では約860万人分が出荷され、売り上げは約380億円に上った。

と「 860万人分」とありますので、グラフの単位は「 100万人」ということのようです。

ということは……もちろん 860万人分のすべてが処方されるわけではないにしても、ここから先ほどの BMJ の

「 1.1%に精神症状」

という数字を見てみれば、「その時には、数万人に精神症状が出ていた可能性」があると理解でき、決して小さな数字といえないように思います。

いずれにしましても、世界でタミフルが処方されているのは、先ほどのグラフにありますように「日本とアメリカだけ」といってもいいほどなのですが、アメリカは「手を引き始めている」と思われますので、今後は、「全世界でタミフルが処方されているのは日本だけ」ということになっていく可能性もないではないかもしれません。

そして、もうひとつのタミフルに関することとしては、今年の 6月、WHO は、「タミフルをインフルエンザの標準治療薬から外した」のでした。

 

国際基準では、もはやタミフルはインフルエンザ治療薬ではない

このことはやはり BMJ に掲載されていました。

BMJ

これは、日本でも報じられています。

WHO、タミフル格下げ 必須医薬品リスト

日本経済新聞 2017/07/09

抗インフルエンザ薬のタミフルが、6月に公表された世界保健機関(WHO)の新しい「必須医薬品」リストで「保健システムに最低限必要な薬」から「補足的な薬」に格下げされたと英医学誌BMJが9日までに報じた。

同誌によると、タミフルは2009年にリスト入りした。その後、大人で症状のある期間を約1日短縮するだけで、入院や合併症を減らす効果はないとの研究が発表されるなど、以前考えられていたよりも効果は限定的との報告が出たため格下げになったという。

効果を示す新たな情報が出てこなければ、リストから外す可能性も示唆した。

これは結構大きなことだと思うですが、それはどうしてかというと、WHO の最大のスポンサーはいつでも製薬企業です。ですので、WHO は常に製薬会社に相当気をつかわなければならないはずです。それでも、WHO はタミフルを必須医薬品から格下げし、そのうち「治療薬リストから完全に削除する」ということになりそうで、WHOでさえ、「そうせざるを得なかったほどの代物」ということになりそうです。

WHO に関しては、実際に資金提供者から圧力がかかことは広く知られていまして、たとえば、2015年2月の In Deep の記事、

メロンパンとステビアから知ったアメリカの「シュガー・ロビー」による過去50年間の砂糖消費拡大プロジェクトの現実

では、「砂糖についての健康への悪影響のレポート」を発表しようとした WHO が、アメリカの砂糖業界から「資金提供を停止する」と脅され、内容を変更したことが、2014年のニューズウィークの報道で明らかにされたことについて記したことがあります。

そのニューズウィークの記事はリンクした記事の後半に翻訳があります。

そういえば、やはり今日、朝日新聞が「砂糖の有害性、業界団体が50年隠していた?」という報道をしていました。

もちろん、WHO は莫大な運用資金がかかる団体なわけで(WHO の年間予算は約 5000億円)常に大量の資金を必要としていますので、資金提供者が最も大切なことは理解できます。人の健康などを第一に考えていたら、すぐに運営が行き詰まってしまいます。

それに限らず、この世には利害関係がたくさんあるわけで、それはそれとして理解してあげたいところです。

そして、私たち個人としては、誰を非難する必要もなく、「自分や家族などを守る」ということを淡々とすればいいだけなのだと思います。

「しないほうがいいことはしない」

という原則を守るだけでいいわけで、そういう輪が静かに広がっていけば、おかしな事故は起きないで済むはずです。

 

たとえば身内やお子さんなどがインフルエンザにかかることはあるかもしれません。そして、心配で病院に行ったとして、そして、そこでタミフルを処方されたとします。お医者様と摩擦が生じるような拒否はしなくてもいいでしょうが、

「もらったそのタミフルをお子さんに服用させるかどうか」

を真剣に考えるのは親の役目のような気もします。

医者ではない私に「飲んではいけない」とは言えないですが、少なくとも今現在はタミフルに関しての医学的知見は今回の記事にあるように確立しています。それは、服用することは無意味であり「安全性だけが脅かされる」というものです。

効果もないだけならともかく、こんなことで、すでに何十人、あるいはそれ以上の若い人たちにいろいろなことが起きているのは、あまりにもつらい現実だと思います。



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