11月24日のオーストラリアの報道より
11月14日のアメリカ国立気象局のツイートより
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「何かが起きている」のは確定的だけれど、一体何が……?
この数年は、「不可解な音が聞こえる」というような報告とか、フェイクを含めてのニュースなどはよくありましたけれど、今、世界中で起きている音の「事件」は、以前とは比較にならないほど「何か起きている感」が強いものです。
何しろ 10月くらいから、公式に報告されているだけでも下の地図にある 64の場所から「大きな衝撃音と振動」が報告されているのです。
2017年に「振動と衝撃音」が記録された場所
アメリカとイギリスで圧倒的に多いですが、他の地域からも多少あり、あるいは報告されていない地域もあるかもしれません。この地図を見る限りは、日本を含めてアジアからの報告はないようです。
どのような状況なのかを、まず最初に、ここまでの流れをまとめている冒頭のオーストラリアの報道をご紹介します。
ここからです。
Mysterious loud booms heard across the world in 64 locations and NASA doesn’t even know why
news.com.au 2017/11/24
世界各地の 64 の異なる場所で鳴り響く発生源不明のミステリアスな衝撃音。NASAにも理由はわからない
現在、オーストラリアを含む世界の 64 の異なる場所で謎の衝撃音が記録され続けている。しかし、NASA はその音が何なのか説明できないようだ。
ミステリアスな音が世界各地で鳴り響き、さまざまな場所で人々が困惑している。
その恐ろしい音は、中東から今年のヨーロッパ、そしてオーストラリア、アメリカの東海岸にまでいたるところで記録されている。
今週は新しい報告として、アメリカのアラバマ州で住民たちを脅かす衝撃音が記録されている。地元の警察は 11月20日の午後 9時頃に、発生源の特定できない「非常に大きな衝撃音」が聞こえたと伝えている。
この衝撃音は、多くの家を揺さぶるほどのものだった。
しかし、警官や専門家たちは、この不可解な衝撃音を引き起こした発生源を把握していないようだ。
一部の専門家たちは、原因が超音速の航空機による大気中での空気の振動(ソニックブーム)ではないかと述べている。
10月10日には、同様の音がオーストラリア・ケアンズで鳴り響き、地元民たちを混乱させた。多くの人々は戦闘機 F/A-18A-D ホーネット が飛んでいるのだと思ったという。
その 2週間後には、南オーストラリアのエアー半島で、また同じ衝撃音が鳴り響いたが、その際、音が鳴るのと同時に、空を「青い流星」が横切っていった。
その青い流星は、目撃者が報道メディアに語ったところによれば、「それは、どんどん大きくなり空を横切る中で大きく光りました。そして火花のようなものを放っていました」というようなものだった。
その後、大きな音が2度聞こえたと同時に空が輝き、大地が2度大きく揺れたように感じたという。
これらを含め、現在までに世界の 64 の場所から同じような報告が続いている。
アラバマ州では、「家全体を揺り動かす」ほどの信じられない大きな振動と衝撃があったと報告されている。
アメリカ国立気象局のアラバマ支局は、この音は航空機のソニックブーム、あるいは、流星群からの流星によるものである可能性があると語った。
その音の際には、アラバマ州の住民たちから「大きな衝撃音」に関しての多くの SNS への投稿があった。しかし、衛星や事故や火災などはなく、また、アメリカ地質調査所(USGS)によれば、その時には地震も起きていない。
NASA のビル・クーク(Bill Cooke)氏は、アメリカ ABC ニュースの取材に対して、このアラバマ州の不思議な衝撃音の発生源はいまだに不明だと語った。
クーク氏は、その音は、巨大な超音速航空機や地上での爆発によって生成された可能性があると考えている。
NASA の流星科学者たちはは、この衝撃音の発生した原因を突き止めるために、新しいデータを分析し続けているという。
ここまでです。
ちなみに、この記事に出て来るアラバマ州で衝撃音が報告された時のアメリカ地質調査所(USGS)の音波計測グラフは下のようになっていました。
2017年11月14日 アメリカ地質調査所の音波グラフ
相当に激しい振動音が鳴り響いたことがわかりますが、しかし、このアメリカ地質調査所は、「原因となるようなものは何も見いだせなかった」とウェブサイトで報告しています。
これまでのような曖昧な音の事象ではない
こういう音の騒動の際には、実際にそうである場合が多いのですが、「航空機などによるソニックブームではないか」とする意見があります。
ソニックブーム - Wikipedia
ソニックブームとは、主に戦闘機などの超音速飛行により発生する衝撃波が生む、轟くような大音響のこと。
超音速で飛行する物体が上空を通過した際に、何かが爆発したような2つの不連続な音として観測される
しかし、64 カ所からの報告の中にはソニックブームもあったかもしれないですが、「そうではないことを確信させる」ような報告も多いです。
この奇妙な振動と衝撃音について報道を目にし始めたのは 10月の後半頃からだったのですが、たとえば、アメリカのニュージャージー州の例などは、
「いったい原因は何だ?」
と考えざるを得ないようなものでした。
下はその時のアメリカの報道で、「すべての家が揺れた」というようなタイトルがつけられています。
10月25日のアメリカの報道より
この報道の内容は「音」を体験した人たちの言葉がたくさん載せられており興味深いものですので、この記事も翻訳して概要をご紹介したいと思います。
The whole house rumbled! Mystery shaking felt in several NJ towns
地区のすべての家が揺れた! ニュージャージー州のいくつかの地域で謎の振動が起きる
10月23日の朝、ニュージャージー州南部で「謎の振動」が感じられた。
同日、アメリカ地質調査所(USGS)は、この海岸での謎の振動と衝撃音について調査していると発表した。
その発生源は何かわかっていないが、その振動は非常に広い範囲で感じられた。
ウィリアムズタウンに住むある住民の女性は、「家全体が揺れているように感じられました」と言う。「何かが家の近くで衝突が起きたと思い、調べるために外に出たが、通りでは何も起きていませんでした。そのような振動を引き起こしそうなトラックや人の集団などもいませんでしたので、困惑しました」
エッグハーバータウンシップに仕事場を持つ別の女性は、「オフィスのフロアが揺れて、揺れは次第に大きくなりました」と語る。「ウェイマスに子どもが住んでいるのですが、彼もそれを感じたそうです。ジェット機の振動かと思いました」
チェリーヒルに住む男性は、揺れは約 45秒間感じたという。「揺れよりも音が長く続きました。音は低く始まり、そのうち音は大きくなっていき、2〜3回それが繰り返されました」
ニュージャージー州フランクリンビルに住む女性は以下のように述べた。「まるでゴリラが屋根裏部屋を飛び回っているかのような音に聞こえました。家は少し揺れましたが、揺れそのものはそれほどではなかった」
ノース・ワイルドウッド市の市長や、郡保安官なども振動と衝撃音を感じたが、何か訓練などの特別な活動についての報告は受けていないと語る。
その後、アメリカ地質調査所は、「地震ではない」とウェブサイト上で発表した。また、気象局も「そのような音の原因となるような気象の事象は何もなかった」と述べている。
2016年1月に、やはりニュージャージー州で振動が発生した騒ぎがあったが、その際には、ニュージャージー州からノースカロライナ州にかけての大西洋上空でおこなわれたアメリカ軍の試験飛行だったことが判明している。
しかし海軍航空局は、その日その時刻に、基地からら空中に飛行した航空機はないと語った。そして、「今回の振動と騒音は私たち軍とは関係ありません」と述べている。
ここまでです。
ここに出てくる描写の中で興味深い部分を並べてみますと、以下のようになると思います。
・音と振動は 45秒間続いた (そんなに続くソニックブームはないです)
・音と揺れが次第に大きくなる
・その時間に軍用機は飛んでいなかった
こうなりますと、ここまで NASA や専門家たちが主張していた説、すなわち、
・航空機のソニックブーム
・流星
・地上での爆発
は「あり得ないような感じ」というようになってくるように思われます。
流星というのは、要するに隕石の衝突のようなことを述べているのだと思いますが、45秒間も音と揺れが続いて、それが次第に大きくなっていくというような隕石の衝突はありません。天体の衝突の場合は、音も振動もそれに気づいてから爆発するまでほんのわずかであるのが普通です。
そんなわけで、現在までのこの状況からは「こういうものかもしれない」という推測はまるでつきません。
というのも、そもそも、この音と振動が、
「空から鳴り響いているものなのか、地下から鳴り響いているものなのか」
もわからないからです。
仮に、地下から鳴り響いているとすれば「何か大きな地質の変動の兆し」のようなものである可能性もあるのかもしれないですし、「空から」の場合……うーん……空からだともうわからないですね。
音速以上の速さで飛ぶ戦闘機などによるソニックブームと同じような原理で鳴っていたとしても、現状では多くの場所で軍は関係を否定しており、「震動や衝撃音の発生源はわからない」ということになっていまして、まるで、
「正体不明の、あるいは肉眼では見えないような音速以上の速さで長く飛行する物体が数多く上空を飛んでいるような描写」
が浮かぶという、実にSF的な発想にしかなりません。
音の地域がアメリカとイギリス、そしてオーストラリアに集中しているということは発生の原因と関係しているのかどうかもわかりません。
そして、特筆すべきは、アメリカの場合、「原因不明の事象に対して、NASA 、国立気象局、アメリカ軍のすべてがコメントを出している」ということで、その上、NASA とアメリカ軍は調査中だとしています。
このあたりから見ても、今起きていることは、以前あったような、何となく音が鳴っているというような「曖昧な事象ではない」可能性が高く、原因を突き止めたいと考えている人たちが多いというようにも思えるのでした。
インターネット上の慣用句に、
「いったい何が始まるんです?」
というものがありますが、そういう気配を感じさせる事象ではあります。
そして、こんなに長く、そして数多くの場所で音の事象が続いているのですから、今後も続く可能性がありますし、そのうち何かいろいろとわかってくるのかもしれないですので、その時にはまたご紹介したいと思います。
何が起こっているのですかね。