観測史上最高の熱波を報じるメキシコの報道より
南米チリの首都サンティアゴは氷点下の気温と氷に包まれている
Sponsored Link
私の住む場所を含めて、ここ最近の関東は、過ごしやすいというのか、晴れやかな天候や気温の日々が続いています。日中の最高気温が高くなったとしても、湿度が低いせいか、比較的心地良いといえる感じです。
今日も、ボーッとベランダに佇みながら、
「何だかアゼルバイジャンの春みたいだなあ」
と呟いていましたが、考えてみれば、アゼルバイジャンに行ったことがあるわけでもなく、「朝から妄言」というたぐいの思考であることがわかります。
それはともかく、私の住んでいるあたりの気温に関して、「比較的心地良い」というように書いたのですけれど、「平年と比べると、どうなんだろう」と、ユーラシアの気温の現況を見てみましたら、下のように「何だかグッチャグチャ」になっていたのでした。
下は、6月2日の「平年との気温の差」です。
簡単に書けば、
・赤が濃くなればなるほど平年より気温が高く
・青が濃くなればなるほど平年より気温が低い
ことを示します。
2018年6月2日の中東、ロシア、アジア等の平年との気温差
数字が小さくて、よくわからないかもしれないですが、ロシアの極東から中国東北部などで、場所によって「平年より 15℃気温が高い」というようなことが示されている一方で、ロシア西部やカザフスタンなどでは「平年より 10℃以上気温が低い地域が続発している」ということになっています。
現在のユーラシア大陸の気温の分布を大まかにあらわしますと、およそですが、以下のようになっているようです。
平年より気温が 10℃以上高い地域や、 反対に 10℃以上低い地域がこれだけ広範囲に広がっているとは今日調べるまで知りませんでした。
ヨーロッパやアメリカの荒れた気象に関して記事にすることは最近もありましたけれど、アジア地域の気象については、それほど取りあげていませんでしたので、気温は平年並みに推移しているのかな、程度に考えていたのですけれど、そうはいかないですね。
先ほどの気温分布では、6月2日に関しては、日本列島もほぼ全域が平年より気温が高く、しかも、北海道から九州まで広い地域で、平年より 5℃以上高い場所が点在しているという状況のようです。
つまり、「今は平年より暑い」ということになるようで、先ほどの「心地良い」という表現は適切ではないようです。
どうして、こんなにちぐはぐな気温の分布となってしまっているのかに関しては、個別にもいろいろと条件はあるでしょうし、大きな意味では、先日、ジェット気流に関して書いた以下の記事にあるようなことも関係するのかもしれません。
この記事にありますように、「ジェット気流がスムーズに動いていない」というようなこともあるのかもしれないなとは思いますが、まあしかし、いろいろな条件があるのでしょうね。
気温に関係するニュースを少し見てみましたけれど、やはり範囲を世界全体にしてみても、寒冷化とか温暖化とかの「傾向」というものがなくて、グチャグチャではあります。
冒頭に、熱波のメキシコの報道と、時期としては異常な寒波のチリについての記事を載せましたけれど、メキシコにいたっては、「高温で標識や信号機が溶けている場所がある」のだそうです。
下の写真は、メキシコのトレオンという場所の 6月1日の様子です。
6月1日 メキシコ・トレオンで熱波で溶けた信号機のカバーなど
あと、先ほどの気温分布にもありましたけれど、ロシア西部の広範囲が異常な寒さに見舞われていまして、氷点下を記録する場所があるなど、5月としては記録的な寒波となっています。
シベリアの寒波を報じるロシアのメディア
ロシアの首都モスクワでも、6月1日に、6月として観測史上で最も低い気温が観測されたことが報じられています。
そして、ロシアの東側では先ほどのように非常に高い気温となっていて、6月2日には、シベリアで「37℃」を記録した場所もあります。
6月2日のロシアの極東シベリア周辺の最高気温(35℃超えの地点が多数)
いくら何でも、これらの気温はちょっと極端ではあります。
日本は今のところ、天候も気温に関しても比較的穏やかな状態で推移していますが、いつこのロシアの状態のようになるかはわかりません。
それが高いほうか低いほうかもわかりませんが、世界中を通して今年もまた気象と気温の問題は大きく生活に影響しそうです。
たとえばヨーロッパでは、ワイン生産が寒波で戦後最低の生産数になるほどの崩壊の局面にあるなど、実生活に相当強く影響する事態が本格化しています。
そして、すでに「何年ものあいだ」この気象と気温の問題は蓄積し続けていますので、表面化する問題は今後さらに大きくなりそうです。