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11月29日にメルマガ第三次世界大戦が迫っているかもしれない中で「体に良い食生活とは何か」と考え込むを発行させていただきました。

軍事的カオス

SNSで世界中に拡散するフェイクニュース全盛時代に生きるために。そして、現代社会の「情報」の存在の裏にあるもの

投稿日:2016年11月7日 更新日:


CNN




 

情報「爆弾」の中で

今、アメリカは何かの選挙の最中らしいのですが、そういう中で、冒頭の CNN ニュースでは、

「今のアメリカのインターネット上はフェイク(偽)ニュースが先行して拡散している」

というようなことに対しての懸念を記した記事を掲載していまして、今回は、この記事をご紹介しようと思います。

この「フェイク・ニュース」、あるいは場合よっては単に「ホラ話」という存在は、私のようなサイトをやっていますと日常的に出くわすもので、ニュースのカテゴリーにもよりますが、最近は全体として、

「むしろ偽ニュースの方が多い」

というような感じもあります。

もちろん、この「フェイク」というニュアンスは、悪意を含んだものから他愛のないものまで様々ですが、「誤っていることをわかっていて、そのことを書かない」というものがフェイクニュースだとすると、そういうものは多いです。

最初から偽ニュースとして作られたものとして、今年話題となったもののひとつに北朝鮮の金正恩氏が自爆テロで死亡したというものなどがありましたが、それをはじめとして、いろいろとありました。


・eastasiatribune.com

上は、過去記事の、

「北朝鮮の金正恩、自爆テロにより死亡」のニュースに動揺するフェイク慣れしていない世界で
 2016/06/17

という記事でふれましたが、このニュースサイトは、すべてが作り話により構成されているサイトで、むしろフェイクだということがわかりやすいものでした。

しかし、最近は「真実と虚偽を巧みに合わせる」ものが多数あり、自分の判断だけでは難しいものがあります。

今回は冒頭の CNN の記事をご紹介しますが、その前に、それとは少し違う話として、

「現在の世界での情報とは何か」

ということについて少し思うことがあり、ほんの短く書いておきたいと思います。

私たちはインターネットなどが日常となった現在、以前と比べると、日々たくさんの「情報」と接することができるようになりました。

では、私たちが日々接する「情報」とは何かということについて考えると、そこにはいろいろとあるのかもしれないという可能性を感じることがあります。

2011年に出版された、サイバー戦争について書かれた『核を超える脅威 世界サイバー戦争』というアメリカの著書があります。

現代のサイバー攻撃というものは、「わずか 15分で国家の機能は全面麻痺する」というようなものであるということなどが書かれたものですが、その全体の内容はともかく、その中に中国のサイバー戦略についてのセクションがあります。

中国人民解放軍に「サイバー戦闘部隊」が創設されたのは 2003年のことらしいですが、その中国サイバー軍の兵器と技術について、中国の公文書に掲載されているものが載せられていたのです。

彼らサイバー部隊がどのようなことに重きを置いていたかということです。

それは以下の 10項目です。

中国人民解放軍サイバー戦闘部隊の攻撃要項

・情報地雷を仕掛ける

・情報偵察を行う

・ネットワーク・データを改ざんする

・情報爆弾をばらまく

・情報ゴミを投棄する

・プロパガンダを広める

・情報詐欺をおこなう

・クローン情報を流す

・情報防御を築き上げる

・ネットワーク・スパイ駐在所を設置する

これは「戦争「においての技術ですが、しかし、私はこの中の、特に中段たりの、

・情報爆弾をばらまく
・情報ゴミを投棄する
・プロパガンダを広める
・情報詐欺をおこなう
・クローン情報を流す

というあたりは、今のインターネット上などに果てしなく広がる「情報」と、存在感がとても似ていると感じたのでした。

本当の情報を見えにくくする方法には、

「真実の情報を必死に隠す」

という方法がひとつあると思いますが、これは大変です。それに、必死に隠していたものがバレれば、それでおしまいです。

それよりも、防御する側が誰でも考えるであろうこととしては、

「同じカテゴリーのゴミ情報を大量に垂れ流す」

という方法ではないかと思います。

何百、何千の類似情報(その中に真実はひとつもないか、あるいは巧みに紛れ込んでいる)の洪水の中から真実を見つけ出すことはおそらく不可能で、そして、そのゴミ情報とゴミ情報に対して《どちらが正しいのか》というような議論が起きていくうちに、

「どちらも真実ではないゴミ情報なのに、どちらかは真実のように見えてくる」

というようなことが起こり得ることを私は今まで見てきました。

これが「現代の情報爆弾」のように思えるのです。

ここでいう「真実の情報」というものがどんなものかということは具体的に想定して書いているわけではないです。

 

いずれにしても、今回ご紹介する偽ニュースの話題というのは、それらの中の、最も表層的な部分の話だとも思います。

私たちが生きているこの世界そのものについての「情報」に関しても、おそらく、私たちは「ゴミ情報とゴミ情報を比較して検討している」という状況が続いているような気がします。

まあしかし、そういう面倒な話はともかくとしても、日常の中で、他の人に情報やニュースを拡散するような場合、この CNN の記事にありますように、偽ニュースとそうでないものを判別することは悪いことではないとも思います。

ここからです。


The plague of fake news is getting worse -- here's how to protect yourself

CNN 2016/11/01

偽のニュースの災いが悪化している中、あなた自身を偽ニュースから守るための方法

多くの人たちとニュースを共有する前に、二重、いや三重のチェックをするということをインターネット上での新しいルールとする時が来ている。

そのニュースが実に素晴らしいと思える時は、特に何度もチェックすべきだ。

なぜか? たとえば、最近のドナルド・トランプ氏のツイッターだ。

トランプ氏は、10月30日、「ツイッターと Google 、そして Facebook は、クリントン氏に対しての FBI の捜査を葬り去ろうとしている」と主張した。このことに関する証拠はないが、反証することは簡単だった。

FBI の(クリントン氏の)電子メールの件についての報道は、Google ニュースのトップにあった。 FBI 長官のジェームズ・コミー氏の名前は Facebookの「トレンド」ボックスの上位にあり、そして、ツイッターにも、この論争についての議論があった。そのことから、トランプ氏の主張が誤りであることは明白だった。

それにもかかわらず、トランプ氏の間違った「葬り去っている」という主張は、その日の氏の投稿の中で最も人気のあるツイートになった。

約 25,000アカウントがリツイートし、ほぼ 50,000 アカウントが「いいね!」をクリックしたことにより、この虚偽の内容は広がっていった。

この世にソーシャルメディアが台頭したことには、多くの良い面があるが、ソーシャルメディアの大きな欠点のひとつは、誤った情報が拡散することだ。

偽のニュースは、特に Facebook のようなソーシャルネットワークにおいて、インターネット上の病巣といえる存在となっている。

CNN で私が先に述べた通り、今回のアメリカ大統領選においては、信頼できない情報源のニュースの数が数え切れないほどに膨れあがっている。私が「情報に対して二重、三重のチェックをする必要がある」と述べるのは、これが理由だ。

人々を欺くために開設されたとおぼしき新しいウェブサイトは、毎日のようにインターネット上に出現しているように見える。

それらの偽ニュースサイトの作成者たちのインセンティブは明白だ。多くのソーシャルメディアで記事が共有されればされるほど、サイトのページビューが増加し、広告収入の増益につながるためだ。

これらの偽ニュースの多くは、保守派、あるいはリベラル派の意見を補強し、彼らを真実から切り離す。

ある Facebook のページ(hyperpartisan Facebook pages)は、一貫して彼らの数百万人のフォロワーに虚偽あるいは誤解を招く情報を提供し続けていることが、バズフィード(米国のメディア)によって判明した。

虚偽や誤解を招く情報が真実の情報よりも多く共有されていたのだ。これは長く厳しい大統領選の中での良い兆候とは言えないだろう。

バズフィードの報告チームは、「右翼的なページは、左翼的なページよりも虚偽あるいは誤解を招く情報を共有しやすい傾向にあることがわかった」と述べている。実際、作り話や、非常に誤解を招くような話が Facebook の「トレンド」ボックスに入り込んでくる機会は多い。Facebook はこの問題に対処しようとしていると述べている。

トランプ氏の側近や家族そのものが偽のニュース記事に騙されたこともある。これは、ABC ニュースの内容を偽造した偽報道「ドナルド・トランプ氏への抗議者が暴露:私はトランプ氏の集会に抗議するために 3500ドル(約35万円)を支払われた("Donald Trump Protester Speaks Out: 'I Was Paid $3,500 To Protest Trump's Rally.'")」を含む。

ABCニュースと極めて近い外観を持つそのウェブサイトは、実際には ABC ニュースと関係ないことがわかり、もちろん、ABC ニュースはそのような報道をおこなっていなかった。

しかし、この偽ニュースサイトは、10月上旬にトランプ氏の息子のエリック・トランプ氏を騙した。エリック・トランプ氏は、「ついに真実が出てくる」と、偽ニュースへのリンクと共にツイートし、そのリンク先(偽ニュースサイト)を読むようにフォロワーに勧めたのだ。

私が 10月30日に、CNN でこれら偽ニュースサイトのことに言及した後、私のメール受信ボックスは CNN への中傷であふれかえった。「 CNN こそ究極の偽ニュースばかり流しているではないか」と。

しかし、これらの中傷は問題を混乱させようとする意図的な試みだ。仮に CNN が誤っていたとしても、アメリカの大小の報道機関の多くは真実を報道するために賢明に努力している。

インターネット上で供給される偽ニュースには、私が見る限り、かなり大まかにわけて、以下の3つの種類があると思われる。

1. すべてが作り話による、ニュースにより視聴者を騙そうとするホラ話サイト。

2. その記事はウソではなく、また違法性もないが、しかし、読む人々を誤った方向に導く意図を持つ熱狂的な支持者サイト。特定の政党などについて良いニュースだけを共有し、敵対する政党については悪いニュースだけを報じる。

3. 事実と作り話を意図的に混ぜ合わせるハイブリッド型の偽ニュースサイト。

 

このようなフェイク・サイトによるニュースを読んだ際に、それらに気づくか、あるいは気づかずに拡散するかはインターネット・ユーザー次第だ。

たとえば、スノウプスのように、事実をチェックできるサイトも役に立つかもしれない。

米国の政治家を監視している サンライト財団(Sunlight Foundation)のアレックス・ハワード(Alex Howard)氏は、偽ニュースを見破るための方法の例として、以下をツイートした:

・ツイッターで情報源のリンク先を検索する

・Google でそのニュース検索する

・情報源サイトのこれまでの経歴を考察する(今までに偽報道をしたことがあるかどうかなど)

Google と Facebook 、そして、ツイッターが「クリントン氏に対しての悪いニュースを葬り去っている」という虚偽の主張をしたトランプ氏は、それらを「非常に不誠実なメディアだ」と批判した。

しかし、皮肉なことに、トランプ氏がツイッターを激しく糾弾したのはツイッター上においてだった。

また、トランプ氏は、誤った情報を流すことで悪名高いゼロヘッジ(Zero Hedge)の記事「ソーシャルメディアをこの世から抹消せよ」という主張からアイディアを得ている可能性がある。ゼロヘッジのこの記事は、虚偽の情報を含んでいた。

私は、トランプ氏陣営に、その真実からほど遠い主張の情報源はどこかと尋ねたが、誰も答えなかった。


 

ここまでです。

いずれにしても、今の世の中は「真実の報道」という言葉自体がすでに何だかおかしな響きになっている場合もあり、いろいろ難しい部分はあります。

もしかすると、真実と言われている情報もフェイクとされている情報も、すべては「何かによって洪水のように社会に投入された情報ゴミ」に過ぎないのではないかと思うこともあります。

なお、記事にあるゼロヘッジの記事の主張にあったという「ソーシャルメディアをこの世から抹消せよ」というのは、確かに過激かもしれないですが、たとえば日本でスマートフォンなどでの「コミュニケーション地獄」に陥っている若い人たちなどの話にふれますと、抹消しないまでも「そのありかたを考え直す時期に来ているような気がする」とは思います。

これらのツールがどれほどの数の日本の若者の命、あるいは実質的な命を消してしまったかとしみじみ思います。

 

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