ハロウィーンの起源
ハロウィーンというようなことを認識したのはこの数年くらいで、それまではそれがどんなものかまったく知りませんでした。知ったのは、記事の日付けを見ますと 2017年となっていますので、今から 5年前ですね。
[記事] 地下に戻ったままの善と悪の精霊たち : かつて子どもと大人の戦争だったハロウィンはアメリカ当局と企業が発明したプロパガンダ語で丸く収まることに。その連語は「トリック・オア・トリート」
In Deep 2017年10月31日
これは、アメリカのスミソニアンの記事で知ったのですが、ハロウィーンの起源は、2000年ほど前まで遡り、スミソニアンの記事の表現だと以下のようなものでした。
「民間伝承によれば、ハロウィンの日には「善と悪の両方の精霊」が「現実にできる地割れ」から解放され、社会に影響を与えるとされた」
というように、「善と悪の両方の精霊」が地下から出てくる日でした。
今は、トリック・アンド・トリートだとか言うようになりましたが、19世紀までのアメリカのハロウィーンに呟く言葉は以下だったと記録されています。
「魔除けの季節が始まるぞ。夜になれば、墓地から死者たちの霊がよみがえってくるぞ」
このようなゾンビのような日であったようなのですが、このスミソニアンの記事では、その後、19世紀から 20世紀までに、このハロウィーンというものが、「子どもたちが大人たちの社会と、大人そのものを破壊してもいい日」というように変化していったことをテーマとしていました。
記事の副題は、「19 世紀の都市化は、アメリカのアナーキーな精神を解き放ち、休日のいたずらを社会騒乱に変えた」というものでした。
記事には過去の記録が書かれているのですが、すごい状況だったようです。少し抜粋しますと、以下のようなことが、ハロウィーンの日にアメリカ全土で繰り広げられていたようなのです。太字はこちらでしています。
(スミソニアンの記事より)
> 子どもたちのイタズラはエスカレートしていった。1887年には、礼拝堂の座席が糖蜜で覆われ、1888年にはパイプ爆弾が爆発、1891年には新しい家の壁が黒く塗りつぶされた。
>
> 1894年には、ワシントン DCで 200人の男の子たちが、路上電車に乗っている身なりのいい人たちを小麦粉の大袋で次々と叩きのめした。
>
> …その頃になると、ハロウィンには、子どもたちは火災警報器を鳴らし、店の窓に向けてレンガを投げつけ、校長の家に猥褻な絵を描いた。子どもたちは主に富裕層や大人、権威を徹底的に攻撃した。
>
> 子どもたちは、大人たちにお金やお菓子をねだり、くれなければ「荒らすぞ」と脅した。
>
> 大人たちの中に、子どもたちと戦い始める者たちも出てきた。20世紀初頭のアメリカの新聞には、わずか 11歳から 12歳の子どもたちに散弾銃を発射して応じた大人の話が書かれている。 (smithsonianmag.com)
ハロウィーンというのは、アメリカにおいては「子どもと大人の戦争の日」だったようです。ついには、子どもに散弾銃まで発砲する大人が出てきている。
> 子どもたちは主に富裕層や大人、権威を徹底的に攻撃した。
にありますように、子どもは(特に裕福な)大人を叩きのめしてもいい、あるいは裕福な大人の持ち物を破壊してもいい。
「何だかほのぼのとした時代だなあ」とスミソニアンの記事を読んで思いましたが(おいおい)、残っている写真もすごいものです。
以下は、それぞれ 1900年代初頭のハロウィーンの日の写真です。このような出で立ちで「イタズラという名の破壊行為」を繰り広げていたようです。
その後、なぜ、今のようなハロウィーンになったかというと、
「企業を通じたプロパガンダが成功した」
のでした。
ハロウィーンは、大人との戦争の日ではなく、「大人からおやつをもらえる楽しい日」として、たとえば、ラジオなどを通じて、あるいは、ディズニーの映画などを通じて、このプロパガンダを広く始めたのでした。その後、「子どもと大人の戦争は終わった」のです。
ともかく、この 10月31日という日は、「善と悪の両方の精霊」が、現実にできる地割れから解放され、社会に影響を与える日、というのが起源のようです。
それにしても、今年のハロウィーンは、悪の精霊のほうは何となく感じますが、「善の精霊はどうした?」というようにも思いますけれど、何だか、世界各地で大変な大量死が続いています。
韓国の事故は、日本でも大きく報じられていますが、同じ日に、ソマリアの首都では、テロと見られる爆発で 100人以上が亡くなり、インドでは、観光で人気の吊り橋が崩落して、90人以上が亡くなっています。
どちらも、犠牲者は増える見込みだと報じられています。
連続する大量死ということでは、ふと、2014年から 2015年に起き続けたことを思い出します。
4回続いた皆既月食の下で
この 2014年という年の春頃、「4回連続で皆既月食が起きる現象」(テトラッドと呼ぶそうです)があることを知りました。以下の記事で取りあげています。
[記事] 赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして過去の同じ現象の時にイスラエルの建国があった
In Deep 2014/04/06
単に皆既月食が4回続くということなら、現象として全然あり得ることなのですが(それでも、過去 2000年間で 8回だけ)、この 2014年は、
「そのすべての皆既月食の時期が、ユダヤの重要な祭事と重なっている」
ことを知りました。
具体的には、以下のようになっていました。
この「過越」と「仮庵の祭り」というのは、イスラエルで最も重要な祭事のふたつです。こちらの記事などで記したことがあります。
この4回連続する皆既月食というのは、それ以前の 2000年間で「たった7回」しか起きていない現象なのですが、過去に何が起きてきたかというと、「犠牲と大量死」であることが示唆されていました。
それで、この 2014年の春には、「今年はそんな年になるのかな」と、やや不安に思っていましたけれど、結果として、その後の約1年半、つまり4回の皆既月食が続いた期間である 2014年4月15日から 2015年9月28日には以下のようなことが続きました。
4回連続した皆既月食の期間(2014/04/15 - 2015/09/28)に発生した旅客機事故や消息不明
・2014年03月08日 マレーシア航空370便 消息を絶つ(乗客乗員 239名 / 安否不明)
・2014年04月16日 韓国セウォウル号の沈没( 295 名死亡)
・2014年07月17日 マレーシア航空17便 ウクライナで撃墜(乗客乗員 298名 / 全員死亡)
・2014年07月23日 トランスアジア航空222便 台湾で墜落(48名死亡)
・2014年07月24日 アルジェリア航空5017便 マリで墜落(118名死亡)
・2014年08月10日 セパハン航空140便 イランで墜落(39名死亡)
・2014年12月28日 エアアジア8501便 インドネシアで墜落(乗客乗員 162名 / 84遺体収容)
・2015年03月24日 ドイツ旅客機が墜落(乗客乗員 150名 / 全員死亡)
これだけ連続して旅客機が墜落することは、通常ではほぼないと思いますが、その他にも、この期間には、以下のようなことが続きました。
2014年4月15日から 2015年9月28日に起きていたこと
・イスラエル軍がガザに侵攻
・ウクライナ騒乱
・シリアの内戦
・イラクの内戦
・リビアの内戦
・香港の騒乱
・イスラム教スンニ派武装組織が「イスラム国」の樹立を宣言
・タイの軍事クーデター
・エボラ出血熱の拡大がコントロール不能に
たった 8年くらい前ですけれど、ウクライナの争乱も香港の騒乱も忘れてしまっているあたり、時間は記憶を消していきますね。
ちなみに、この 2014年のウクライナの騒乱と香港の騒乱には関係があって、香港の騒乱の時に、ウクライナの「アゾフ大隊」の支援グループであるネオナチグループが、香港に赴いていたことが示されていました。以下の 2014年の記事に書いています。
[記事] 破局の手前 : 2014年ウクライナ騒乱を率いたネオナチ集団が香港デモ隊と合流。そして、その背後に共通する「プロビデンスの目」
In Deep 2019年12月8日
タイトルに「プロビデンスの目」とありますが、この正式な意味は、「目が描かれたキリスト教における意匠で、神の全能の目を意味する」ということらしいですが、フリーメーソン的なイメージも強いものかもしれません。
ウクライナでは、2006年まで使われていた紙幣に、この「プロビデンスの目」が使われていました。
このウクライナが、今度は「世界を騒乱に陥れようとしている」わけですけれど、なかなか緊迫していますね。
先日「アメリカがヨーロッパ各国に核爆弾を出荷する」と報じられていました。
(報道) アメリカが「リニューアルした核爆弾100発」をヨーロッパに12月までに出荷という報道 (2022/10/31)
(その報道より)
> ベルギーのメディア、ポリティコが 10月27日に報じたところによると、核空中投下重力爆弾のアップグレードされた、より正確なバージョンの B61-12 核爆弾は、12月にヨーロッパの NATO 基地に到着する予定だ。
>
> …新しい B61-12 核爆弾は、ドイツ、ベルギー、イタリア、オランダ、トルコに出荷される。
こんな挑発をロシアに対して続けていたら、どうなるかわかったものではないです。
さらに、西側は、ロシアに対して新たな制裁を課すことを順次発表していますが、誰の目から見ても、「さらに激しいブーメランになって戻ってくる」ことは明らかです。
アメリカは、ロシアからのアルミニウムの輸入を完全に禁止するとしていて (アメリカのアルミニウムの 15%がロシア産)、EU は「鉄鋼および紙製品、機械、化学薬品、プラスチックの輸入を禁止する」としたことが報じられていましたが、ただでさえ、ヨーロッパはエネルギーもないし、次々と大企業は生産停止や撤退に追い込まれてますし、こんなことを続けていたら、
「ヨーロッパには何にもなくなってしまう」
のではないでしょうか。
そしても結局、困るのは、政治家等ではなく、ヨーロッパの一般の人たちです。ウクライナの人たちは、すでに厳しい冬になることが確定的となっています。
ドイツでは、世界最大の鉄鋼企業が生産を停止し、世界最大の化学企業は「拠点を中国に移転する」と発表しています。
[記事] 絶滅する欧州産業 : 世界最大のドイツの鉄鋼企業が工場を閉鎖。そして世界最大のドイツの化学企業は、生産拠点を中国に移転と発表
地球の記録 2022年10月29日
食料についても、またも大きな懸念が次々と出てきていまして、7月にロシアとウクライナで交わされていた「黒海からの穀物の輸出」が 11月19日で停止されると報じられています。これにより、7月からそれなりに輸出されていた小麦を含む穀物のウクライナからの輸出が「完全に停止される」ことになります。
さらに、以下の記事で書いたのですが、アメリカの干ばつの状況が非常に悪くなっていまして、冬小麦の収獲が絶望的に低下する可能性が出ています。米ブルームバーグの記事をご紹介しています。
[記事] アメリカの干ばつ面積が過去最大に。乾燥し過ぎて「肥料も蒸発してしまう」状態の中、冬小麦の収穫量に重大な懸念
In Deep 2022年10月30日
現時点で、アメリカの干ばつ状況は以下のようになっていて、小麦やトウモロコシを含めたすべての穀物に対して 70%以上の土地が干ばつの状態となっています。これは、記録が残る中では過去最大の干ばつ面積です。
2022年10月25日時点のアメリカの干ばつ状況
U.S. Drought Monitor
農作地帯はほとんどが干ばつとなっているように見えます。
この秋から冬にアメリカで多くの降雪や降雨がなかった場合、春までには、アメリカの大部分が不毛の土地になる可能性さえあります。すでに、世界中で、食料インフレはかなりのものとなっているのですけれと、来年はさらに激しくなる可能性が高くなっています。
エネルギー問題のほうも、ディーゼルなどを含めて、来年さらに状況が悪化すると見られます。
また、最近のメルマガで、「日本国債の問題」について少し書いたのですが、これについて、私は素人ですので、ここでは書かないですが、米ゼロヘッジの絶望的な記事をご紹介しています。「日本銀行のイールドカーブコントロールが壊れ、まもなく日本の国債市場全体が存在しなくなる」というタイトルの記事です。これは、ドイツ銀行のストラテジスト(投資戦略の専門家)の分析を引用して伝えているものでした。
もちろん、今すぐどうこうということではないのですが、ゼロヘッジは、「数ヶ月以内には」という表現をしていました。
先日、アメリカの金融ライターで貴金属の専門家であるビル・ホルター氏という方が、やはり米国債のことについて語っていまして、
「全体が崩壊するまであと数週間」
と述べていました。
米保守系メディアの USAウォッチドッグが伝えています。
これも、数週間というのは大げさかもしれないですが、今後の1年以内くらいのどこかの時点で、日本でもアメリカでも、こういうことが起きる可能性があることを、少なくとも何人かの専門家たちは述べています。ヨーロッパの近い未来については何も語る部分はありません。
いろんなことが「ギリギリのところにある」ような感じに現在覆われていて、おそらく年末くらいまでは同じような状態が続くのかもしれないですが、来年は違うと思います。
このハロウィーンと来年のハロウィーンのあいだに、すべてにおいて劇的な変転が起きる可能性が高まっています。
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