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4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

人類の覚醒と真実 健康の真実

「早期発見されるガンの多くは過剰診断で、治療不要」であることがオーストラリアの研究で見出される。マンモグラフィを含むガンのスクリーニングは利点より害悪のほうがはるかに大きいという真実が明らかに

投稿日:2020年1月28日 更新日:


sciencealert.com




 

全体の4分の1のガンは処置不要なのに治療されている

武漢ウイルスは、なかなか圧倒的な拡大を見せていますが、今回はちょっと気になるオーストラリアの大学の研究の報道を見まして、それをご紹介したいと思います。

ところで、新型コロナウイルスのリアルタイムの状況について、米ジョンス・ホプキンス大学の研究者が、「完全なリアルタイム状況」を伝えるウェブサイトを開設しています。以下のリンクにあります。

Wuhan Coronavirus Global Cases

ページの左上が、リアルタイムの患者数(4,474とあるところ)で右上が、死者数(107とあるところ)と、その横が治癒した人(63)です。現状では、治癒した人より死者のほうがややペースが上回っています。

地図の円の大きさは患者数の数を示しますが、武漢だけではなく、かなり中国全土に広がっていることがわかりますね。

こちらの「武漢ウイルス最新情報 2020-01-28」にも書きましたけれど、中国疾病管理予防センターによれば、経過観察を受けている人の数が 3万人以上いるということで、今後もある程度の期間は、指数関数的に増えていくことも予測されます。

さて、今回の記事は、

「ガンの早期発見の多くが過剰診断である可能性」

を、オーストラリアの科学者たちが突き止めたというものです。つまり、受けなくてもいい抗ガン剤治療などの治療を受けている「病気でも何でもない人たち」がものすごく多いことについての衝撃的な研究です。

まずは、その記事をお読み下さい。そして、ガンの早期診断を受けようと考えてらっしゃる方々は、それがどういう意味を持つのかをそれぞれお考えいただければと思います。

ここからです。


Harmless Cancers Are Being Overdiagnosed, According to New Evidence
sciencealert.com 2020/01/28

研究での新しいエビデンスによると、無害なガンが過剰に早期診断されている

定期的なガン検診とスクリーニング検査が導入されたことにより、世界中で多くの人々の命が救われてきた。しかし、ガン細胞の早期発見は必ずしも良いことだけではないことがわかってきている。

すべてのガン細胞が同じものであるわけではなく、また、すべてのガン細胞が同等のリスクをもたらすわけではない。多くの場合、私たち人間は、成長しているガンが体内にあることを知らずに一生を過ごすことができており、その場合、体内にガンが存在することによって身体が害を受けることはない。

このように良性の場合に対しての化学療法(抗ガン剤治療)や放射線治療、または、手術による摘出などの治療は、その人たちに良い作用を与えるのではなく、はるかに害を与える可能性が高い。

現在、オーストラリアで進められている新しい研究は、医療の世界で、ガンの早期発見への取り組みが大きくなっていることに対して、その問題点を改めて浮き彫りにした。そのオーストラリアの科学者たちは、世界で初めて、5つの異なるガンが「過剰診断」されるリスクを計算した。

オーストラリア・クイーンズランド州にあるボンド大学の研究者たちは、1982年と比較して、ガン死亡数が上昇していないにもかかわらず、2012年にオーストラリアで患者たちが、ガンと診断される可能性がはるかに高いことを発見した。

この 2012年には、研究者たちの推定によると、男性のガンのほぼ 4分の 1が過剰診断されていた。これには、前立腺ガンの 42%、腎ガンの 42%、甲状腺ガンの 73%、悪性黒色腫の 58%が含まれる。

女性については、甲状腺ガンの 73%、悪性黒色腫の 54%、乳ガンの 22%を含む、すべてのガンの 18%に近い事例が過剰診断だったと推定された。

2012年のオーストラリアでは、女性では最大 11,000例のガンが検出され、男性では 18,000例のガンが検出されたが、その中には、診断や治療が必要ではなかったものが多く含まれていた可能性がある。

論文には、以下のように記されている。

ガンに対しての基本的な治療法である手術や放射線療法、内分泌療法、そして化学療法などのガン治療は、治療により身体的な危害が引き起こされる可能性がある。その診断が適切であれば、そのリスクは許容できると考えられる。

しかし、ガンという診断が、不必要に下された場合、患者たちは、それらのガン治療によって危害を加えられるだけであり、人を助けるという意味での治療とはならない。

最も過剰診断されていると推定されるガンは、乳ガンと前立腺ガンだった。これらは、比較的一般的なガンであり、近年、世界中のいくつかの国では、この乳ガンと前立腺ガンに対しては、症状が観察されない場合でも、広範囲のガン検査スクリーニングプログラムを採用している。

実際に、1980年代にマンモグラフィ(乳ガンの早期発見のために人の乳房をX線撮影する装置)が初めて導入されたとき、米国では乳ガン患者が 50%増加した。数年後、今度は前立腺の同様のスクリーニング検査が導入された際には、前立腺ガンの発生率は 2倍になった。

ボンド大学の医学者であるポール・グラジオ(Paul Glasziou)博士は、以下のように述べる。

「問題は、一部のスクリーニングでは、ガンのように見えるが、ガンのように振る舞わない細胞もガンとして特定してしまっていることです。とはいえ、いくつかの種類のガン検診スクリーニングは、診断でとして重要なものであるために、このような過剰診断の問題を減らすことは容易ではありません」

オーストラリアと同様に、広範なスクリーニングプログラムの普及は他国の尺度にも影響を与えているようだ。

デンマークの研究では、マンモグラフィによるスクリーニングでは、後期腫瘍(2cmを超える大きさの乳ガン)の数は減少せず、リスクをもたらさない可能性のある小さな腫瘍が非常に頻繁に検出されていることがわかった。これは、マンモグラフィによる乳房のスクリーニングが乳ガン死亡率を低下させていないことを示唆している。

昨年、米国でおこなわれた 40年間のデータを精査した研究では、甲状腺ガン、腎臓ガン、および悪性黒色腫の発生率が急激に上昇している一方で、ガンによる死亡数はほとんど変化していないことが判明した。

この米国での研究を受けて、米ブリガム婦人病院のギルバート・ウェルチ(Gilbert Welch)氏は以下のように述べた。

「多くの人々が、マンモグラフィを含むガンのスクリーニング検査をより多く受けることが社会全体の健康にとって最善であると想定していますが、実際にはそうではないかもしれないのです」

ウェルチ氏は、ガンの過剰診断の問題の根底にあるものは、「現代の医療におけるガンの早期発見に対しての無意味ともいえる熱意」にあるとしている。

しかし、このガンの過剰診断についての議論は、その結論が出るにはほど遠いものであり、科学者の中には、特定のガンのスクリーニングを廃止あるいは回数を減らすことを提案している人たちもいるが、現実として、現在のガンの早期発見についての医療的慣行を変えようとしている国はほとんどない。

 


 

ここまでです。

ちょうど数日前、私の住む区の、おそらく保健所から電話がありまして、電話の女性は、

「ガンの定期検診はお受けになられましたか?」

と言いました。

「へえ、今はわざわざ電話してくれるのか」と驚きましたが、まあ、「はい、そのうち是非」とか何とか言って、お礼を言いつつ電話を切りました。

ガン検診はもちろん受けたことはないですけれど、ガン検診以前に、そもそも通常の定期検診も……確か、最後に受けたのが二十代の終わり頃ですから、30年以上受けていないのです。これから先も受けることはなさそうです。

もともと体が弱かった私ですので、本格的に検査などすれば、悪いところなどはいくらでも見つかるでしょうけれど、でもまあ、検査に行かない習慣が根づいてしまっていて、こればかりはどうにもならないですし。

もう五十代の中盤を過ぎていますので、この日本の高齢化社会を考えると「なるべき長生きしない」というのは、私自身の誓いでもあります。実際、奥さんとかに渡しておく「延命拒否嘆願書(終末期の医療・ケアについての意思表明書)」とかもすでに書き始めてますし。

ただまあしかし、こういう個人的なことはどうでもいいのですけれど、多くの方々には長く生きていただきたいと思います。

その意味では、このオーストラリアの研究でおわかりの通り、「ガンの早期発見は、多くの場合、むしろ健康を損なう可能性が高い」わけです。西洋医学でのガンの治療は身体に大変な負担をかけます。

それにしましても、この記事にありましたように、最近の医学が「あまりにも早期発見に情熱を注ぎすぎている」ことは危険だなあとは思っていました。

最近なんかは、以下のような報道が続けてありましたからね。

がんや認知症、血液1滴で早期発見 分析技術が進展 (日本経済新聞 2020/01/11)

費用はたった9800円「尿一滴」でガンの早期発見が可能に (Flash 2020/01/03)

この尿の検査に至っては、

> ステージ0や1の早期ガンでも、同等の精度

で検出できるとありまして、これを読んだ時に、先ほどの記事の以下の部分が強調されました。

1980年代にマンモグラフィが初めて導入されたとき、米国では乳ガン患者が 50%増加した。

数年後、今度は前立腺の同様のスクリーニング検査が導入された際には、前立腺ガンの発生率は 2倍になった。

ガンのスクリーニング検査の導入により、検出しなくてもいいガンまでもが検出されるようになったために、「ガン患者が大幅に増えた」と。

ですので、上のような「血液1滴」とか「尿一滴」など、「ステージ0のガン」までも検知できるようなシステムにより、またも大幅にガン患者が増えるのは確実だと思われます。

それだけなら別にいいのですよ。

しかし、「そこで、治療する必要がないのに治療が始められる可能性がある」わけです。

特に、抗ガン剤治療が始まると、その人はどうなるかといいますと、以下の記事にありますように、「腸内細菌環境と脳が破壊される」わけです。

抗ガン剤は「腸内細菌環境を破壊」し、「脳に炎症を起こす」ことが米国の大学での研究で初めて判明。これが化学療法のすべての副作用のメカニズムである可能性
投稿日:2019年11月12日

治療する必要のないガンの治療により、身体に復帰不可能なほどのダメージを与えられる可能性が高いのです。

もちろん、ステージの高いガンの場合で治療しなければならないガンに関しては、治療をどうするかはご本人を含めて考えることですが、「治療しなくていいガンを治療する」ことによって、単に身体を傷付けるというのはどうかなと思います。

また、上の記事にもありましたが、たとえば、乳ガンの場合、マンモグラフィによる早期診断が、

「死亡率の改善にほとんど寄与していない」

こともわかってきています。

これは、治療と予防に関する医療情報を伝える国際組織「コクラン」の研究でも、乳ガンのマンモグラフィによるスクリーニングに意味がないことが以下の論文で述べられています。

New study finds breast cancer screening leads to substantial overdiagnosis
(新しい研究により、乳ガンのスクリーニングが大幅な過剰診断につながることが判明)

この研究によれば、検査を受ける回数が多くなるほど過剰診断、つまり間違った診断を受けるリスクが高まることも示されています。

デンマークの調査では、20年間、毎年、乳ガンのスクリーニングを受け続けた場合、「偽陽性の検査結果(ガンではないのにガンだと診断される)」可能性が 25%から 50%になる、とあります。

つまり、スクリーニングを受け続けると、半数くらいの人は、いつかは「ガンではないのにガン」と診断される可能性が出てくるということのようです。

コクランは、乳ガンでは「3人に1人が過剰診断されている可能性がある」と結論付けています。

スイスとフランスの医学の世界には、マンモグラフィによる乳ガンスクリーニングを基本的に廃止すべき、あるいは大幅に減少させるべきだと主張しているグループもあります。

しかし現実として、今の医療の時代の流れは「さらなる早期発見」へ向かっていますので、ボーッと生きていますと、「早期発見による過剰診断に巻き込まれる」可能性が高いです。

そもそも、ガン細胞なんていうのは、毎日毎日たくさん生み出されているわけで、たまには腫瘍化もしているものもあるでしょう。それがすべて悪性としての存在のものではないわけで、しかし過剰な早期診断は、それらもピックアップしてしまう可能性が高いと思います。

もちろん、私は、早期診断そのものに対しての良い悪いを言うつもりはなく、それは各自のご判断によるものだとしても、今回ご紹介したオーストラリアの研究にありますように、早期発見には、かなりの割合で「過剰診断」が含まれることを知っていただきたいなと思いご紹介させていただきました。

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