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「傷だらけの太陽」を横目に地球に接近している地球近傍天体最大級の小惑星は、かつてギリシャを焼き尽くした太陽神の息子ファエトンの名と共にやって来る

   

11月30日の太陽の表面

spaceweather.com

11月29日のロシア・トゥディの報道より

RT

今回は、最近の不思議な太陽の見た目のことと、その「太陽」と、やや関係というか因縁のある、クリスマスに地球に近づく超巨大小惑星のことについて簡単にふれさせていただきます。

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これまで見たことのないほど傷だらけの太陽

この1週間ほど、太陽にはコロナホールと呼ばれる「黒い領域」が発生して少しずつ大きくなっていたのですけれど、11月30日には、それがいろいろな場所に発生して、何だか「傷だらけの太陽表面」のように見える状態となりました。

冒頭の写真が今の状態ですが、こういうような状態の太陽は記憶では見たことがないです。

下は写真の各部を拡大したものです。

11月30日の太陽の表面

 


spaceweather.com

面積の広いコロナホールが発生することは年に何度かありますけれど、今の状態のように、表面のいろいろなところに引っかかれたようなコロナホールが出現するという光景は見たことがないです。

何だか痛々しい感じもするコロナホールの状態ですが、それと共に、数日前まで、太陽には「円形の磁気フィラメント」という、NOAA (アメリカ海洋大気庁)によれば、「非常に奇妙」なものも太陽表面に浮き出ていました。

11月23日の太陽の表面に出現した円形のフィラメント

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NOAA によれば、この丸い磁気フィラメントは、直径が 28万キロあるのだそう。

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これは地球の直径(約 1万2800キロ)の 20倍以上となります。

いろいろと見慣れないものが太陽の上に出ているわけですが、見た目はともかくとしても、一般的にはコロナホールの「黒い領域」が多いと太陽からの磁気嵐は強まる傾向がありますので、この状態が地球への磁気の到達と関係する可能性はあります。この「傷だらけの太陽」の傷が今後広がるのかどうかはわからないですが、コロナホールとしての「黒い部分」が全体的に広がっていけば、地球もまた磁気の影響を受けるのかもしれません。

そして、今、その太陽に近づいている天体がありまして、これが、ずいぶん以前の In Deep でもふれたことのある「太陽神の息子」の名を持つ昭小惑星なのです。

 

 

かつてギリシャのアテネを燃やし尽くした天体ファエトンが来る

これに関しては、まずは冒頭にありますロシア・トゥディの報道をご紹介したいと思います。


Giant 5km-wide asteroid to make closest approach to Earth in 40 years – just week before Christmas
RT 2017/11/29

直径5kmの巨大な小惑星が、ちょうどクリスマスの前週に過去40年間で最も地球に接近する

6500万年前に地球に衝突して、恐竜をこの大地から葬り去ったと考えられる天体の約半分の大きさの巨大な小惑星が、この半世紀で最も地球近くにまで接近することがわかった。天文学者たちによれば、この天体は 12月中旬に地球の傍を通過していくという。

天体の名前は「小惑星 3200 ファエトン(3200 Phaethon )」で、12月16日頃に地球に最接近すると予測されている。

この直径 5キロの巨大な天体は、最接近時に地球から 1000万kmの地点を通過していくと予測されているが、これは、この 3200 ファエトンが発見されて以来、最も地球近くにまで接近することになる距離だ。

アメリカの NASA と「国際天文学連合小惑星センター (MPC)」の両者は、この小惑星を「地球に危険を与える可能性がある天体」と分類している。危険な可能性のある天体かどうかは、その天体が地球から 300万kmより近くを通過するかどうかで決められるが、3200 ファエトンは、西暦 2093年に、地球からわずか 280万km の地点まで接近すると予測されている。

この小惑星は、ギリシア神話に登場する太陽神ヘリオスの息子ファエトンに由来している。神話では、ファエトンが地球に墜落したために地上に大火事が起き、これを消すためにゼウスが川の水を氾濫させたことによって大洪水が起きたとされる。

しかし、科学者たちは、今のところはギリシャ神話のような心配をする必要はないと考えている。今回の接近は、これまでで最も近い場所を通過していくとししても、地球と月の距離の約 27倍に相当する距離だ。

11月には、ロシアの科学者チームが、12月に地球を飛行する 3200 ファエトンの詳細なビジュアルモデルを作成した。

太陽を周回しているこの小惑星は、水星、金星、地球、火星の4つの惑星の軌道を横切っていく。

実際には、この天体はすでに地球に「かなり接近して」飛んでいる。 1974年12月には、地球からわずか 800万km離れたところを過ぎたが、科学者は当時この小惑星の存在を知らなかった。この小惑星が発見されたのは 1983年だった。


 

ここまでです。

この「小惑星 ファエトン 3200」は、直径が 5キロときわめて大きな小惑星ですが、今回の接近は決して地球に影響を与える距離ではないですので、そういう脅威の面では今回は心配のいるものではないと思います。

ただ、この「ファエトン」という名称は、ギリシャ神話に出てくる存在で、「地上を大災害に陥れた」ものでもあります。

紀元前 4世紀に書かれたプラトンの『ティマイオス』には、クリアチスという人との対談で、プラトンは以下のように語っています。

プラトン『ティマイオス』より

アテネでは火と水による大きな災害が起きた。それは、太陽神ヘリオスの息子ファエトンが父の馬車を馬につないだが、地球に落ちて燃え尽きてしまったためだ。

これは神話の形をしている。しかし、実際には、地球を回っていた天体が地球に落下した現象を示しているのだ。地球上の大火事というのは長い間隔をあけて繰り返されたのである。

このとき、海岸や川辺よりも山の上の方が被害がひどかった。一方、神が大洪水で地球を清めるときには、羊飼いや町に住む人々を海に押し流す。

 

このように、プラトンは、

「ファエトンの神話は、実際にあった天体の地球への衝突の描写だ」

として語っているわけで、そして「地球上の大火事というのは長い間隔をあけて繰り返された」という時代があったことも語っています。

これに関しては、2012年12月の記事、

太陽神の息子「ファエトン」はいつまで地球への爆撃を回避してくれるのだろう

というものでもふれたことがあります。

なお、理由はわからないのですが、「小惑星ファエトンは、大きくなり続けている」ようなのです。

ファエトン (小惑星) – Wikipedia には、以下のような記述があります。

ファエトン (小惑星)

2007年12月8日、アレシボ天文台がファエトンのレーダー測定を行った。近日点通過直後の2009年6月、STEREO衛星の観測により一時17等級から10等級に急激に増光し、2012年5月にも同様に増光が観測され、ファエトンが今もなお活動していることが明らかとなった。

ファエトンは2093年12月14日に地球から0.0194天文単位(291万 km)まで接近すると予測されている。また、潜在的に危険な小惑星 (PHA) の中では最大級の大きさである。

というように、

> 急激に増光し

というような「生きているような動き」を続けています。

そして、今年 2017年12月のクリスマスの前週、ファエトンは、この天体が初めて発見されて以来の近さにまで地球に接近いたします。

古代ギリシャに神話が作られた時代は、激しい天体の衝突が相次いだ時代だったようなのですが、その後の地球は何千年も「穏やかな時代」であり、巨大天体の衝突のない「良い時代」が続いています。

しかし、以前から書くことがありましたが、フレッド・ホイル博士は、「その良い時代の終わりが近づいている」と著作の中で何度も記していました。

そのあたりのことは、5年ほど前の記事、

良い時代と悪い時代: 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも

という記事に、フレッド・ホイル博士の著作『生命はどこからきたか』を引用させていただいていますので、ご参考いただければと思います。

そして、今の傷だらけの太陽を見ていて、「良い時代の終わり」を何となく感じた次第なのでした。

来年は空も大地もどちらも派手になる可能性が高い年となりそうです。



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