In Deep

地球最期のニュースと資料

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地球すべての場所へのEMP攻撃がリアルになった日。北朝鮮からアメリカ本土へ攻撃がおこなわれた場合、1年以内の死者数は専門家の予測で数百万人から最大「3億人」

   

11月29日のアメリカのブログ記事より

The Economic Collapse

EMP攻撃が米国におこなわれた際に想定される「国家単位」の被害

・電力送電網のクラッシュによる完全な停電
・通信システムとテレビ、ラジオ網の崩壊
・コンピュータシステムの完全な停止(交通、軍事、医療を含む)
・あらゆる物流の停止(食料・飲料水供給を含む)
・インターネットの崩壊

EMP 兵器が米国中央上空で爆発した場合の被害想定

1997年 アメリカ下院「国家安全委員会」公聴会資料

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それは「リアル」になった

アメリカでは今、EMP 攻撃についての報道や記事が大変多いのですが、今回は、報道から内容を抜粋してまとめていた冒頭のブログ記事をご紹介したいと思います。

なお、タイトルにした「死者3億人」という数字も、その中にあるもので、これはアメリカの EMP 攻撃の専門家のトップである EMP 委員会会長の「 EMP 攻撃から1年以内に全米人口の 90%が死に至る可能性がある」という言葉から書かせていただいていますが、ややお大げさだとは思います。

ところで、In Deep は、過去ずいぶん EMP について記事にしてきた経緯がありまして、そして「今すべての状況が変わった」中、それを振り返りたいと思います。

初めて EMP (電磁パルス)攻撃について In Deep に出てきたのは、今から7年前でした。当時の In Deep は、海外の記事の翻訳だけをメインとしていて、自分の文章はあまり書いていなかった時でしたが、最初に EMP の言葉が出てきた記事は、

米国の保守系シンクタンクが「米国は電磁パルス攻撃で壊滅する」と報告
 In Deep 2010/11/30

でした。日付を見ますと、2010年の 11月30日ということで、ちょうど 7年前の今日だったようです。

その記事では、アメリカの保守系シンクタンクである「ヘリテージ」という財団が、当時のアメリカ大統領(オバマ氏)に「 EMP 攻撃に対しての警告」を報告したという内容の記事をご紹介しました。その冒頭は以下のようなものでした。

「新しい暗黒時代」をオバマ政権に警告する報告書

アメリカの国家安全の専門家2人がヘリテージ財団を通して、オバマ政権の当局者たちに電磁パルス(EMP)攻撃への準備を進めるように進言した。「想像も及ばないような未曾有の災害」の被害を最小限に食い止めるために、早急に作業を進めるべきだという。

報告書にはこうある。「どんなグローバルな人道的努力も、何億人ものアメリカ人を飢餓と放射線の暴露と医療不足による死から救う方法はないだろう」

「地球は新しい暗黒時代へと後退していくだろう」と国家安全の専門家であるジェームス・キャラファーノ氏とリチャード・ウィーツ氏は報告書で述べる。

というものでした。

しかし、この時には「その相手の国は具体的には想定されてはいなかった」のです。

この記事の中にはアメリカの EMP 攻撃対策委員会の当時の委員長で、レーガン政権の科学アドバイザーだったウィリアム・R・グレアム氏という人の以下のような談話のくだりがあります。

米国EMP攻撃対策委員会委員長の談話

「高高度の核爆発による EMP 攻撃をアメリカ合衆国に仕掛けることができる能力を持つ敵は、若干ながら存在する。あるいは、他にも、その技術を獲得しようとしている国があるようだ」

「 EMP 攻撃は、それほど高いレベルの技術を持たなくとも可能だ。たとえば、敵がアメリカへ EMP 攻撃を実行しようとする場合、その敵は長距離弾道ミサイルを持つ必要はない。 EMP 攻撃は、高高度に核弾頭を高く打ち上げればいいため、たとえば、アメリカの海岸沖で貨物船を使って、短距離か中距離のミサイルを使えばできてしまうのだ」

「イランはカスピ海船舶からの移動式弾道ミサイルの発射訓練を実施した。また、イランは、EMP 攻撃に一致した高高度の爆発試験もおこなっている」

というように、国名として出てくる国はイランでした。

しかし、それから7年後、もはやイランへの注意は要らん状態となり、EMP 攻撃をおこなえる能力を持ちながら「アメリカに敵対する国」は、ほぼひとつになりました。

それが北朝鮮ということになるのですが、その北朝鮮が 11月28日に久々におこなったミサイル試験は、上の EMP攻撃対策委員会委員長が言う、

> アメリカの海岸沖で貨物船を使って、短距離か中距離のミサイルを使えばできてしまうのだ

をしなくても「本土から本土」でのその攻撃をおこなえる可能性を示唆したものでした。下は 11月29日の報道です。

北朝鮮、新型ICBM「火星15」発射成功と表明 「米全土到達可能」

Newsweek 2017/11/29

北朝鮮の国営メディアは29日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射実験に成功したと発表した。新型ICBMは同国が保有する最も強力なミサイルで、米国全土への到達が可能としている。

北朝鮮側の発表によると、ミサイルの高度は4475キロ。飛行距離は950キロで、飛行時間は53分だったという。北朝鮮がミサイル実験を行うのは9月半ば以来。

国営メディアによると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、新型ICBMの発射成功を見届けた後、同国がミサイル技術を確立させ、核兵力を完成させるという目標をついに実現したと宣言した。

北朝鮮からアメリカのニューヨークまでを射程とする「兵器」が完成したことになります。もちろん、完成したと言っているのは北朝鮮自身でしかないですが、飛行時間(53分間)その他を考えてみても、成功かあるいは成功に極めて近いところにきたことは事実ではないかと思われます。

それにしても進展が早い。

先ほどの7年前のニュースででは「北朝鮮」という具体的な国名さえ出ていなかったわけで、アメリカにおいて「 EMP と北朝鮮」というふたつの言葉が同時に報じられ始めたのは 2011年に入ってからでした。

2011年3月の記事、

朝鮮半島発のアルマゲドンを懸念する米国: 北朝鮮の EMP (電磁パルス)兵器の完成が近い
 In Deep 2011/03/10

では、アメリカ ABC ニュースの「電磁パルス爆弾の完成に近づつつある北朝鮮」(ABC)という報道をご紹介しました。

過去ずいぶんと EMP に関しての記事を記させていただいていますが、「本土から本土への攻撃可能性の現実化」がこんなに早いというのは、やや驚きでもあります。

2012年に行われたミサイル発射が「不思議な失敗」で終わった際には、

「 EMP 攻撃シミュレーション」だったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
 In Deep 2012/04/17

という記事におきまして、「北朝鮮は、すでに大まかな部分では具体的な EMP 攻撃の方法論を確立したのではないか」というようなことを書きました。

その後、朝鮮人民軍のリ・ヨンホ(李英鎬)総参謀長は、2012年 4月25日の朝鮮人民軍建軍 80周年を祝う中央報告大会において、

「我々は、アメリカを一撃で破壊できる移動式兵器を有した」

と述べます。

この内容については、

朝鮮人民軍総参謀長が述べる「米国を一撃で破壊できる移動式兵器」の真意
 In Deep 2012/04/26

という記事で韓国の報道を翻訳させていただいています。

リ・ヨンホ朝鮮人民軍総参謀長(2012年4月15日)

seoul.co.kr

そして、2017年に入ると、アメリカでもどこでも「 EMP 」という言葉が頻繁に見られるというようなことになっています。

今年 8月にアメリカ当局は、アメリカ本土への EMP 攻撃に対しての演習「ブラック・スカイ」の開始を宣言しました。

これについては、

電磁パルス(EMP)攻撃の懸念がかつてないほど高まる中で、アメリカではFEMA主導による「全米ブラックアウト・シミュレーション演習」が進行
 In Deep 2017/08/29

という記事で内容をご紹介しています。

もともと私が EMP に興味を持ったのは、2010年頃2「超巨大な太陽フレアへの脅威」がアメリカで議論されていまして、その「太陽フレアと同じ威力を持つ兵器」があるということを知り、それが電磁パルス兵器、すなわち EMP だったということで、とても興味を持ったのです。

そして、調べるうちに、「現在の文明社会を消し去るのに最も効力のある兵器は EMP 」と確信するに至ったのでした。

最初のほうにでふれましたように、最初に EMP のことを取りあげたのは7年前でした。7年前というのは、このブログを初めて間もない頃でしたので、まるで EMP と寄り添うようにブログの歴史が刻まれてきたような感じではあります。

この7年間、地球の文明を崩壊させるような超巨大な太陽フレアは発生しませんでした。これからも、少なくともしばらくはその可能性は低いと思われます。

かわりに台頭してきたのが EMP の「リアル化」ということになるのかもしれません。

それにしても、普通は、どんな兵器をどんな国が持っていようと、「通常の状態」でしたら、そんなに気にするようなものではないはずです。

というのも、 EMP 兵器に関しては、「作った本人たち」が、そのあまりにも重大な影響の可能性を知っているわけですから、普通はそんなものを使いたいわけがない。

非道にもほどがある。

しかし……。

結局、北朝鮮という国家の状態とか、あるいはキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長らの状態が「普通ではない」かもしれないということが懸念の部分ではあります。

経済制裁などを含め北朝鮮はかつてないほど追いつめられているでしょうし、先日は、ヨーロッパの報道などで、「キム・ジョンウン委員長の健康状態が相当悪い可能性」について報じられていました。

11月20日のオーストラリアの報道より

news.com.au

この報道も何ら確定した根拠に基づいたものではないにしても、いろいろな面で今の北朝鮮は「不安定すぎる」というような気がします。EMP のような甚大な影響を残す可能性のある兵器を持つような国は、もう少し安定していないといけないような・・・。

そして、どんなことであっても「絶対に起きない」いえることは、この世にはないかもしれないわけでもあります。

そんなわけで、今すぐどうこうということではないにしても「地球のすべてに到達させることのできる EMP のリアル」をついに手にした北朝鮮と対峙するアメリカという形の中で、アメリカでは最近、EMP 攻撃の際の具体的なシミュレーションを述べるサイトが多くなっています。

今回は、アメリカやヨーロッパの各メディア報道をまとめて記事にしていたアメリカの人気ブログ「エコノミック・コラプス」から記事をご紹介したいと思います。

内容にはやや大げさな被害想定も含まれてはいますが、被害の大小は別として、EMP 攻撃で起きるとされていることは多分確実に起きるのだろうと思われます。


How A North Korean Electromagnetic Pulse Attack Could Kill Millions And Turn America Into A Post-Apocalyptic Wasteland
The Economic Collapse 2017/11/28

どのように北朝鮮の電磁パルス攻撃が何百万もの命を奪い、アメリカを黙示録以前の荒れ地に変えてしまうか

北朝鮮の大陸間弾道ミサイルがアメリカにとって、どれほどの重大性があるかを書かせていただこうと思う。

北朝鮮はこれまで合計 22発のミサイルを発射したが、今回の最新の発射では、北朝鮮がこの地球のあらゆる場所を射程にできる能力を保持したことが示された。実際、マティス国防長官は、このミサイル発射を受けて、「北朝鮮は基本的に世界のどこにでも脅威を与えることができる」と認めており、それにはアメリカ全土が含まれる。

個々の都市に核兵器を打ち込むことができることに加えて、いつか北朝鮮は EMP 攻撃でアメリカ全土に打撃を与えようとする可能性もある。

北朝鮮がアメリカの中央部の数百キロ上空で「1つ」の核弾頭を爆発させたとした場合、それは北米の広範囲の電力網を破壊し、アメリカの電子機器は事実上、機能しなくなるだろう。

突然、自宅も学校も機能しなくなる。ほぼすべての自動車はコンピュータ制御のシステムに依存しているため、車での移動もできない。すべての電話機は不通になるので、誰とも連絡を取ることができない。基本的にはすべての電子機器類が使えなくなる。これには、コンピュータ、テレビ、GPS 機器、銀行 ATM、冷暖房、冷蔵庫、クレジットカードリーダー、レジ、病院の医療機器、信号などが含まれる。

最初の数日間はある程度穏やかに過ぎるかもしれないが、数日経っても電力が回復してこないことに人々が気づき始めたとき、その時からパニックが始まると予想される。

今回、北朝鮮が発射した大陸間弾道ミサイルは、約 1,000キロを走り、最高高度は4,500キロに達した。

こんな性能を持つミサイルを北朝鮮が開発することなどは絶対にないと言われ続けてきたが、今、それは実際に起きている。

英国 BBC によれば、ミサイル分析者のシーア・コットン(Shea Cotton)氏は、これは、北朝鮮がアメリカのニューヨークとワシントン D.C. にミサイルを到達させることができることを意味すると語ったと報じている。

かつて、北朝鮮の EMP 攻撃への脅威についての議論はほとんどが仮説的だったが、今やそれは完全に変わっている。

北朝鮮は、 EMP 攻撃を行うことができることを明確に示しており、昨年 9月、金正恩は、北朝鮮が EMP 兵器の開発を進めているいることを公然と認めている。

11月28日の米国 Fox ニュースの記事は以下のように書かれていた。

欧米の多くの記者たちは、北朝鮮の言う「大きな破壊力を持つ多機能核核兵器」という言葉を本気でとらえていなかった。しかし、金総書記はその公式声明の冒頭で、「超強力な EMP(電磁パルス)攻撃のために高高度で爆発させられる兵器」と述べていたのだ。

今は、私たちアメリカ人は知っている。北朝鮮の戦略目標のひとつが、敵に対して EMP 攻撃をおこなうことだと。そしてその北朝鮮の最大の敵はアメリカだ。

先ほど言及したようなアメリカのほぼすべての電子機器類が使えなくなるよう状況を起こす際の爆発は1回だけだ。英国デイリーメールは以下のように記している。

理論的には、384キロメートルの高度で爆発させた強力な爆弾は、アメリカすべての電子機器類の機能を消し去るだろう。ダメージを受けないのは、フロリダの最南端と最も東部にある一部だけだ。影響はカナダとメキシコにも及ぶと思われる。

この社会は、電気がなければ何も供給されることはない。あなたがアメリカのどこに住まれていようと、食べ物も水も薬も供給はされない。今週の Fox ニュースでは、私たちが直面する可能性を記述するために、以下のように「ポスト・アポカリプティック(post-apocalyptic / 黙示録以前)」という言葉を使っていた。

家庭や会社での照明や電気で動くすべての機器が止まり、水の濾過も、食糧の供給も、交通機関も消えたことに気づくとき、私たちは、文明以前の「黙示録以前」の時代の始まりの中にいることになってしまうのかもしれない。

そして、数日後からかつて見たことのない規模で社会は混乱するだろう。 以下はメディア「シフトプラン」の記事からの抜粋だ。

このような事態が発生してから最初の 24〜 48時間は、テレビ、ラジオ、携帯電話網などの一般的なニュースと情報の入手元が機能しなくなるため、それが市民の混乱を招くことになる。

EMP 攻撃から数日以内に、電気が戻って来ないかもしれないと人々は気づき、食料品店の棚が空になり始めると、システム全体が混乱に陥り始めるだろう。

攻撃から 30日以内に、食糧供給が消えていき、医療、薬剤、飲料水が入手できない上に略奪が横行するとみられるため、アメリカ市民の大量死が始まるだろう。

ここでいう「大量死」とはどのようなものだろうか。それについて英国インディペンデントは、この分野のトップエキスパートの談話を掲載しているが、その中には、停電が長く続くと、「すべてのアメリカ人の 90%までもが死亡する可能性がある」と確信している人たちもいる。下はそのインディペンデントの記事からの抜粋だ。

元 EMP 委員会のウィリアム・グラハム会長と元委員長のピーター・ヴィンセント・プライ氏は、EMP 攻撃で「アメリカの電力網の閉鎖は無期限となり、1年以内に最大で 90%のアメリカ人が死に至る可能性がある」と聴聞会で警告した。

彼ら以外では、ここまで高い数字を出す人はあまりいないが、ただ、アメリカでの死者数が数百万人規模になるということは誰もが同意している。

この全米の電力網はアメリカの最大の戦略的脆弱性のひとつだ。たった数十億ドル(数千億円)をかければ、EMP 攻撃に対して強化された電力網を築くことができるのだが、アメリカの政治家たちはこの問題には無関心だ。

それどころか、現実としては、アメリカ議会は EMP の脅威を調査している委員会から資金を引き揚げたのだ。以下は Fox ニュースの報道だ。

9月30日、「米国への電磁波攻撃の脅威を評価する委員会」はアメリカ議会からの資金調達が行えず、議会を解散した。

アメリカ議会は、時に信じられないほど愚かなことをおこなうが、これもそのひとつだろう。 EMP 攻撃は以前にも増して大きな脅威であるにも関わらず、議会は私たちを守る計画に取り組んでいる委員会に対して資金を出すことさえ望んでいないのだ。

ワシントンにいる私たちを「代表」しているこの人々は、ほとんどすべてについて完全に無知であるように見える。



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