In Deep

地球最期のニュースと資料

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電磁パルス(EMP)攻撃の懸念がかつてないほど高まる中で、アメリカではFEMA主導による「全米ブラックアウト・シミュレーション演習」が進行中。日本では…

      2017/11/07

2017年8月10日のアメリカの報道より

US Gov Launches Drill to Prepare For “Black Sky” EMP Attack
  

2017年8月27日の産経新聞のEMP兵器の記事より

「電磁パルス攻撃」の脅威 上空の核爆発で日本全土が機能不全に

産経新聞 2017/08/27

北朝鮮が核兵器や弾道ミサイルで挑発を続けるなか、もう一つの深刻な脅威として「電磁パルス攻撃」の可能性が指摘されている。上空で核爆発を起こし、広範囲で都市機能を破壊するものだ。北朝鮮は既に攻撃能力を持つとみられるが、日本の対策はほぼ手つかずで、専門家からは懸念の声が上がる。

電磁パルス攻撃は地上への核攻撃と違い、ミサイルの弾頭部分を大気圏再突入時の高熱から守る技術は必要ない。小型の核弾頭を搭載したミサイルを発射し、目標上空で起爆するだけだ。

緊張の頂点にある北朝鮮と金正恩国務委員長の近況

seoul.co.kr

(※)上の写真で金正恩国務委員長におぶさって(?)いるのは、北朝鮮のロケットエンジン開発担当の科学者たちです。




EMPがもたらす永遠に近いブラックアウト

この In Deep で繰り返し書いたことのあるテーマの中のひとつとして、

「 EMP 兵器(電磁パルス兵器)への懸念」

についてがあります。

EMP 攻撃というものがどんなものかというのは、たとえば、2010年の過去記事、

米国の保守系シンクタンクが「米国は電磁パルス攻撃で壊滅する」と報告
 2010/11/30

に、アメリカの保守系シンクタンクのヘリテージ財団が、当時のオバマ政権の当局者たちに、

「電磁パルス(EMP)攻撃への準備を進めるように進言した」

ことがアメリカで報じられていたものを記事にしたものでしたが、その中から、「アメリカが EMP 攻撃に遭った場合はどうなるか」という想定の部分を抜萃しますと、わかりやすいかと思います。

Report warns Obama about ‘new’ Dark Ages

「新しい暗黒時代をオバマ政権に警告する報告書」より抜粋

米国の国家安全の専門家2人がヘリテージ財団を通して、オバマ政権の当局者たちに電磁パルス(EMP)攻撃への準備を進めるように進言した。「想像も及ばないような未曾有の災害」の被害を最小限に食い止めるために、早急に作業を進めるべきだという。

報告書にはこうある。

「EMP 攻撃は、アメリカ合衆国の日常生活に必要な様々を破壊してしまう能力を持つ。電気網、電話網、輸送網、ATMシステム、食料、上下水道インフラなど、多くが破壊される」

「もし、北アメリカ上空の大気圏で高高度核爆発を起こした場合、結果として生じる電磁放電によって、ほとんどすべての一般社会と軍のインフラは、永遠に破壊されるだろう」

「どんなグローバルな人道的努力も、何億人ものアメリカ人を飢餓と放射線の暴露と医療不足による死から救う方法はないだろう」

「米国への巨大な EMP 攻撃は、想像も及ばないほどの荒廃をもたらす。通信機能は破壊され、輸送システムは止まる。電力は、そのものが存在しなくなる」。

「過去、米国の近代社会に起きた災害や惨事は、 EMP 攻撃がもたらす破局の前には色褪せてしまう」。

「電磁パルスの影響によって、米国の 1億3000万台の自家用車と 9000万台のトラックが動かなくなる。米国の鉄道網はすべて電力で動いている。航空産業はすべて破壊されるだろう」

「EMP 攻撃は、それほど高いレベルの技術を持たなくとも可能だ。たとえば、敵が米国へ EMP 攻撃を実行しようとする場合、その敵は長距離弾道ミサイルを持つ必要はない。 EMP 攻撃は、高高度に核弾頭を高く打ち上げればいいため、たとえば、米国の海岸沖で貨物船を使って、短距離か中距離のミサイルを使えばできてしまうのだ」。

EMP とはこのように想定されているもので、これまでの戦争での攻撃の概念とは大きく違うものなのです。

簡単に書けば、

・攻撃とその爆発自体では誰も傷つけないし、誰も死なない

もので、ただし、

・該当地域のすべての電気インフラが消える

のです。

今の私たちのような「すべてを電気に依存している状態」から電気が奪われるのですから、それにより社会は疲弊するわけです。

いろいろなことが起こるでしょうけれど、たとえば・・・

電気や通信はすべて途絶します。
交通網は止まります。
食糧はどこにも届きません。
医療は機能しません。
警察・軍事は機能しません。

・・・というようなことになるとは思います。

他にもいろいろなことが起きるでしょうが、そういう状態が何日も、地域によっては何年も続くことで、多くの人たちが犠牲になるわけです。

これが EMP 攻撃です。

その完全な復旧に何十年かかるかはわからないと言われていますし、金額的にも何百兆円かかるかもわからないと言われています。

しかし、こんなとんでもない攻撃は、先ほどのヘリテージ財源の報告にありますように、高度な技術は必要なく、

・EMP 攻撃は、それほど高いレベルの技術を持たなくとも可能

・短距離か中距離のミサイルを使えばできてしまう

というものでもあるのです。しかも「一発でOK」でもあるのです。

こういうことが可能な国が、どのような国に該当するかということは、最近の状況でさらにはっきりとしてきた感じもあります。

 

あっという間の決着

そういえば、わかりやすい例として、今朝(8月29日) 、私はテレビのニュースをつけていたのですが、突然、画面が全局一斉に「国民保護に関しての云々」というものに変わりました。


・NHK

私が見た時は「 6月2分」に最初のこの情報がテレビで流れました。テレビは「頑丈な建物や地下に避難して下さい」とか、そういうことを連呼していました。

それを見ていて、

「どうしろと言うんだ?」

とは思いました。

何しろ、北朝鮮からの距離だと、ミサイルは 10分ほどで日本に到達するのです。

どんなところに住んでいたとしても、朝の 6時に「 10分間のうちに、頑丈な建物や地下に避難できる人」などいるわけがない。

そして、現実には、6時6分には、ミサイルは日本の上空を飛び去っていたわけで、つまり、この「国民保護に関する情報」から 4分後には日本に到達していたわけです。

「何のための誰のための緊急情報?」とは思いましたけれど、話は、この「国民保護に関する情報」についてのことではなく、ちょうど、今日そういうことがありましたので、引き合いに出させていただいたのですが、

「仮にこれが EMP 攻撃だった場合」

は、その 6時6分には、「テレビ画面も何もかもすべてが消えている」のです。

すでに決着はついているわけです。

その時は、すでに「永遠の暗黒」の中に突入しているのです。

まあ、永遠の暗黒というか、電気のなかった時代に逆戻りするだけですが。

ちなみに、その「一発での影響範囲」ですが、日本は、本州の中央の上空あたりで爆発すれば、ほぼ全土が麻痺するはずです。

というのも、1997年にアメリカ下院の「国家安全委員会」の公聴会に提出された資料では、爆発の高度によって、下のように影響を受けることが示されています。

1997年にアメリカ議会に出された EMP 攻撃の被害想定図

広大なアメリカでこれですから、日本の場合は、沖縄と北海道の一部などを除いたほぼ全域が「一瞬で文明が吹っ飛ぶ」ことになります。

北朝鮮の軍部は以前から、この EMP を開発してきた気配はありまして、たとえば、2012年4月に、北朝鮮は「米国を一撃で破壊することが可能な移動式の兵器システムを保有している」と公式に発表したりしていて、冷静に考えると、保有核弾頭の少なさなどから EMP 以外ではちょっと考えにくいものではありました。

下はその時の韓国の報道からの一部です。

北朝鮮の高官であり実力者である人民軍のリ・ヨンホ総参謀長は、「米国を一撃で破壊することが可能な移動式の兵器システムを保有している」と述べた。しかし、兵器に関しての具体的な言及はなかった。

朝鮮中央通信は 4月25日、平壌の人民文化宮殿で開かれた朝鮮人民軍建軍 80周年を祝う中央報告大会で、米国の攻撃に対応するための防御態勢の重要性を強調しながら、リ・ヨンホ総参謀長がそのように述べたと伝えた。

報道によると、総参謀長はこの日、人民文化宮殿を訪問した席で「移動式の兵器で米国を一撃で破壊することができる」と語った。 しかし移動式武器の名称などは具体的に明らかにしていない。

翻訳の全文は過去記事、

朝鮮人民軍総参謀長が述べる「米国を一撃で破壊できる移動式兵器」の真意 (2010/04/26)

にあります。

北朝鮮は昔から「はったり」が好きな国ではありますが、今やもはや「はったり」だけではなくなったことは十分に理解できます。

この EMP への邁進は、北朝鮮が3代目の現在の指導者になってから顕著です。

そういう状況が続く中、冒頭に載せましたように、アメリカでは「 EMP 攻撃の際の演習」が進められています。最近では 8月23日にありましたが、公式サイトを見ますと、2017年2月24日から。綿密に進められている演習であることがわかります。

演習では、

・フェイズ1 → 3日間の全米の完全停電に対処
・フェイズ2 → 4-6日間の完全停電への対処
・フェイズ3 → 15日間以上の完全停電への対処
・フェイズ4 → 復旧への道筋

となっていまして、どうやら「どうやって、半月くらいは対処しようのない状態が続く」と想定されているようです。

 

この7年間くらい、頻繁に EMP のことについて書くことがありましたが、少なくともアメリカでは、現実的な脅威として捉えている部分もあるのかもしれません。

日本の防衛部門に関しては、この EMP に対しての認識にどのくらいの「脅威感」を持っているのかはよくわかりません。

そんなわけで、冒頭の報道をご紹介して締めたいと思います。

なお、2010年頃からの EMP に関しての過去記事のいくつかをリンクしておきたいと思います。


北朝鮮はスーパーEMP兵器を完成させたのか? (2011/06/27)

「 EMP 攻撃シミュレーション」だったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験 (2012/04/17)

EMP カタストロフ: 米国の保守を代表するヘリテージ財団のメンバーが再び電磁パルスの脅威を報告 (2013/02/12)

ここから翻訳記事です。


US Gov Launches Drill to Prepare For “Black Sky” EMP Attack
trunews.com 2017/08/10

アメリカ政府はEMP攻撃に対しての準備演習「ブラック・スカイ」を開始する

アメリカ政府は、EMP攻撃や巨大地震、あるいはサイバーテロ事件等の後に広範囲な停電が引き起こされた場合についての演習『ブラック・スカイ』を準備中だ。

アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(以後、FEMA)とアメリカ合衆国エネルギー省は、1859年に太陽フレアによって生じた「キャリントンの嵐」と呼ばれる巨大な太陽嵐事象のような出来事に対応するための訓練「地球 EX 2017 (EarthEX2017)」と呼ばれる演習の準備を進めている。

仮に現代の社会に 1859年のキャリントンの嵐のような事象が襲った場合、すべての電気系統とインフラを失うため、私たちの生活は石器時代に引き戻されることになる。

地球 EX 2017 訓練のための電気インフラ・セキュリティ評議会(EIS)のウェブサイトによると、この演習では、他のすべてのインフラの障害を伴う「アメリカ大陸全域の規模の長期間の停電」をシミュレートする。

インフラ・セキュリティ評議会は、演習ブラック・スカイを「人為的(EMP攻撃、核攻撃など)に、あるいは自然(巨大な太陽フレアなど)によって引き起こされた悲惨な出来事」と定義している。

この演習では、米軍、国家警備隊、国土安全保障省、エネルギー省、FEMA、NOAA(アメリカ海洋大気庁)の各メンバーによって、全アメリカのブラックアウトの際の流通、供給について専門家レベルで議論が行われる。

演習に際しての首脳会議には 24カ国から 200名の専門家たちが出席し、アメリカ下院外交委員会メンバー、アメリカ国土安全保障委員会委員、英国議会議長などが顧問を務める。



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