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2019年からの世界 アメリカの憂鬱 拡大する自然災害

アメリカで始まった新たな大洪水伝説 : 米国立気象局が「今年5月までに国土の3分の2が洪水に見舞われ、2億人が危機にさらされる可能性がある」と発表

投稿日:2019年3月26日 更新日:

2019年3月21日の USA トゥディの記事より


Spring flooding could be 'unprecedented' with 200 million Americans at risk




 

アメリカを覆い尽くそうとしている前代未聞の洪水危機

今から 10日ほど前に、アメリカのネブラスカ州など中西部を中心とした、「過去最悪の規模の洪水」が発生したということがあり、その影響は今も続いています。

これについては、以下の記事などで取りあげさせていただいています。

米ネブラスカ州の黙示録的な洪水被害は過去最悪に。100万頭の仔牛が死亡し、140を超える市と郡に非常事態が宣言

このタイトルにも「 100万頭の仔牛が死亡し」というような表現にありますように、すさまじい農業被害が出ているのですけれど、先頃、アメリカ国立気象局と、NOAA (アメリカ海洋大気庁)が、共に、

「この洪水は、今後2ヵ月の予告のようなものに過ぎない」

ともとれるような発表をおこなったのです。

すなわち、

「 5月の終わりまでに、アメリカの東部全域を含む国土の 3分の 2が洪水の影響を受け、2億人のアメリカ人が危険に直面する可能性がある」

と述べたのです。

まずは、そのことについて、アメリカのブログ「エンド・オブ・ジ・アメリカンドリーム」が、各報道の内容をまとめた記事を投稿されていましたので、それを翻訳してご紹介したいと思います。

この春のアメリカが直面しようとしている「危険な状況」がおわかりになるのではないかと思います。

ここからです。


200 Million People At Risk: National Weather Service Warns Apocalyptic Midwest Floods Are “A Preview Of What We Expect Throughout The Rest Of The Spring”
endoftheamericandream.com 2019/03/24

アメリカの2億人が危険に直面している:アメリカ国立気象局は米中西部の黙示録的な洪水は、「これからの春を通じて続く事象の予告かもしれない」と警告した

アメリカの中央部を襲った洪水は、アメリカの農家の人々に過去数十年で最悪のダメージを与えた。しかし今、アメリカ国立気象局は、この洪水は、単に「これからの春を通じて続く事象の予告編のようなものかもしれない」と述べている。

そのようなことが現実になるのだろうか。私たちがすでに目撃したアメリカ中西部の巨大な荒廃の後、これから洪水はどれほど悪化する可能性があるのだろうか。

今現在、すでに何千何万の家や農場が完全に破壊されている。経済的被害の総額は、数十億ドル(数千億〜1兆円)になるとも言われている。

しかし、国立気象局などの予測によれば、残念なことに、さらに悪い事態がやって来る可能性が非常に高いのだ。

この冬のアメリカは、非常に雪が多かったが、そのために、今後数週間のうちに、大量の雪が溶けると見込まれている。雨が降らなくとも、その大量の雪解けによる水だけで途方もない洪水を引き起こす可能性が指摘されている。

雪が溶けることに加えて、気象の専門家たちは、今年のアメリカの春は非常に雨が多い季節になると述べている。

ウェザーチャンネルは、今後 3ヶ月間で、「アメリカ本土 48州すべての低地で、平年を上回る降水量があるだろう」と予測している。

そして、今後降ると予測される雨は、アメリカ中央部に甚大な洪水を引き起こした大雨を含めた、ここ数週間で降っている豪雨より多くなると見られているのだ。

現時点で、ミシシッピ川流域では、すでに「平年の 3倍の降雨量」となっている。

しかし、仮に今回のような大規模な洪水が再び起きることがないとしても、今年のアメリカの食糧生産高は大幅に減少するだろう。今回の洪水では、何千もの農家の人々が、平年の予定通りの植え付けや収穫をすることができなくなっている。

それどころか、今年まったく畑を使うことができない人たちも数多くいる。

そして仮に、先ほど書いたようにアメリカの気象の専門家たちの予測通りに、今後 3ヶ月間に大雨や雪解けによる洪水が繰り返し発生するとした場合、これは、現代アメリカ史の中で、前例のない規模の農業被害となる可能性がある。

そして、現時点(3月20日過ぎ)で、アメリカ中西部の北部では、いまだに「 50センチ以上の雪が積もっている」のだ…。

これについて、WIRED は以下のように報じている。

サウスダコタ州東部とミネソタ州では、いまだに 50センチメートル以上の雪が残っている。

アメリカ中央部のミズーリ州、オハイオ州、ミシシッピ州では、河川から水を放水しているが、水が下流に流れるには数週間かかる。

その間、緊急事態当局は、地元住民たちに避難計画を立てることを強く奨めており、また、特定の地域では、洪水保険に加入するように呼びかけている。

同じ記事では、以下のように、現在、アメリカの 2億人が危険に直面していると警告している。

アメリカ中西部を荒廃させている記録的な大洪水は、現在さらに深刻化している。

今後数週間のうちに急速に雪が溶け、それと同じような時期に暴風雨が増えると予測されているため、アメリカの各当局は、5月までに、全米 25州で 2億人が危険にさらされると警告している。

現在の洪水被害地域から遠く離れて暮らしているアメリカ人にとっては、何の関係もない話だと思われるかもしれないが、それはやや違う。

今後の 5月までに、ミズーリ川とミシシッピ川に沿って起きると予測されている洪水は、アメリカの過去の洪水記録をすべて上回る範囲で発生するものとなる可能性が高いのだ。アメリカ国立気象局は、「アメリカ合衆国の東半分のほぼすべて、国土面積でいえば、全体の3分の2が洪水の影響を受ける可能性がある」と述べている。

USAトゥディは次のように報じている。

アメリカ国立気象局の副局長、メアリー・エリクソン氏は、記者会見で、今年の春を通じて、アメリカの東半分のほぼすべて、合衆国の国土面積の3分の2近くが洪水に見舞われるはずだと語った。

国立気象局によると、アメリカの約 25州において、「中程度」から「重大」な洪水が発生すると予測されている。

現在起きているアメリカ中西部の洪水は、「これから 5月までの春の期間を通して続く事象の予告編のようなものだと言えるかもしれません」とエリクソン氏は述べている。

そして、以下のように付け加えた。

「今年アメリカで起きる洪水は、過去数年間に経験したものより悪化する可能性があります。 1993年と 2011年に発生した歴史的な洪水よりもさらに悪化する可能性があるのです」

これは、アメリカで起き得る洪水の最悪のシナリオであり、これまでの最悪のシナリオをすべて上回るものとなる可能性が高い。

何千もの農場が破壊されるだろう。

そして、何十億ドル(何千億〜 1兆円)もの追加的な損害が、私たちの農業産業に与えられるだろう。

食糧生産量は短期間で減少していき、食糧価格は急激に高騰するはずだ。そして、私たちはスーパーで、とんでもない価格の食糧品と向かい合うことになるのかもしれない。

現在までに起きている洪水により、アメリカの農家は、すでに数百万ブッシェルの小麦、トウモロコシ、および大豆を失っている。

 

なお、ウェザーチャンネルは、今後、特に危険だと考えられる州と地域を記事で掲載している。それは以下の通りとなるが、あなたがたの中で、以下に記載のある地域に住んでおられる方の場合は、事態が予想以上に極めて悪くなる可能性も考慮し、速やかに緊急事態計画を準備しておく必要があるだろう。

NOAA (アメリカ海洋大気庁)によると、今後、中規模から大規模洪水のリスクが最も高い地域は、ミシシッピ川上流周辺、ミシシッピ川北部、五大湖、ミズーリ川東部、オハイオ川下流域、 カンバーランド川下流域とテネシー川流域となる。

 

今、私たちの地球は変化しており、気象パターンはより激しくなっている。

たとえば、地球の反対側の南半球で今何が起きているのかを見てみれば、オーストラリアでは「カテゴリー 3の重大なサイクロン」に見舞われるという事態が起きた翌日に「カテゴリー 4のサイクロンの直撃を受ける」という事態が報じられているのだ。

私たちは今まで見たことのない事態を目の当たりにしている。

いずれにしても、アメリカの中央部に住んでらっしゃる方の場合は、この春の洪水を極めて重く受け止めていただきたいと思う。

この洪水の危機を説明するために、当局でさえ「終末的な表現」を使っているほどなのだ。そして、当局のその大げさにも聞こえる警告は、決して誇張されたものではないと考えていただきたいと思う。


 

ここまでです。

なかなか深刻な状況が迫りつつあるのかもしれないということがわかります。

文章では、「アメリカ東部全域と、国土の3分の2が洪水の影響を受ける可能性がある」ということが述べられていますが、地図で見ますと、さらにわかりやすいと思われますので、提示させていただきますと、以下のようになります。


USA Today

さらには、先ほどの記事では、 アメリカ国立気象局が、

「この春のアメリカは全域として、雨が多い」

というようなことが記されていましたが、これも、アメリカ海洋大気庁の予測では、以下のようになっていまして、西海岸の一部以外は「とても雨が多い春」となるようです。


USA Today

特にアメリカ東部では、非常に雨が多い場所が多いようです。

そして、記事にもありましたように、この冬のアメリカは異常な降雪量だった地域が多かったのですが、

「その雪がこれから一気に溶けてくる」

のです。

その雪解けの水だけでも、川の水量の増加にかなり寄与するはずなのですが、そこに前代未聞の大雨が続くという予測になっているのですね。

実際にどれほどのことになるかは、4月、5月の降雨の状況次第なのでしょうけれど、現時点でのアメリカ気象当局の予想はかなり絶望的な響きとなっています。

 

今すでに起きていて、これからさらに起きようとしていることは、どうやら明らかに、

「アメリカの歴史の中で経験したことがない洪水事象」

ということになるようです。

 

大規模な洪水が世界中で増加し始めたこと自体は、今から 7年、8年前などに遡りますけれど、本当に大洪水が顕著になり始めたのは、「 2018 年」でした。

ようするに昨年ですが、以下の 2018年5月の記事を書きました時に、「大洪水の時代が始まるのかな」というような気配はありました。

中東オマーンのこの世の終わり的な洪水を見て、瞬間的に「黙示録が今始まった」と自覚するに私を至らせた今の世界の中で

そして、この 2018年だけでも、In Deep で、大洪水について以下のような記事を書かせていただいています。

2018年の In Deep の大洪水に関しての記事

まるで全世界が洪水の中のようだ : フェニックス神の聖地であるレバノンの黙示録的な洪水で想いを強くする「この世の行方」
 In Deep 2018年6月16日

洪水伝説の再来 : アラビア半島を中心とした中東地域の過去1ヶ月の雨量と洪水発生数が観測史上最大に。そこからふたたび思う「黙示録の時代」
 In Deep 2018年11月17日

また、「アース・カタストロフ・レビュー」でも、注目すべき個別の洪水事象について、カテゴリー「洪水の時代」で取り上げさせていただいていますけれど、個別の案件では、実は今の世界では、あまりにも多くの洪水が日々発生し続けておりまして、ご紹介できているものは、そのうちの1割とか2割とかにも満たないのかもしれません。

数年前とは比較にならないほど「激しい大規模洪水」が増えているのです。

そして、どう考えてみても、これからも増えるとしか予測しようがないです。

先ほどのアメリカのこの春の雨量の予測。

あるいは、今現在もなお中東で続いている異常な降雨と洪水。

例えば、下の動画は昨日(2019年3月25日)のイラン南東部の砂漠地帯の都市であるシラーズの光景です。

2019年3月25日 イラン南西部シラーズの黙示録的な洪水

https://youtu.be/yjhQ6URbE74

何だかものすごいことにっているのですが、イランでは、3月20日頃から各地で大規模な洪水が発生しています。

氾濫するような大きな川があるわけでもなく、中東の砂漠地帯の洪水はどこもそうですが、「大雨だけでこのような洪水にまでなっている」ようなのです。

ちなみに、上の動画のシラーズの 3月の平均降雨量を調べますと、小数点以下を四捨五入しますと、「 8ミリメートル」でした。

これがどの程度かといいますと、たとえば、東京の 3月の平均降雨量は 117ミリメートルですから、計算する必要もないほどですが、イランの各地は、普通はこのように「全然雨が降らない」場所ばかりなのです。

それが先ほどのような大洪水が、しかも何日も続いている。

 

アメリカでは、3月中旬にネブラスカ州で前代未聞の洪水が発生して、そして、

「アメリカの洪水はこれからさらに激しくなる」

というように、当局が正式に発表している。

 

本当に「洪水の時代」に入ったことを感じます。

 

日本がどうなるのかはわからないですが、それでも、「いつか」は同じように、前代未聞の大洪水と関わらないとは誰にも言えない部分があるのかもしれません。

もともと日本は雨量が多いですから、何か間違えますと、その洪水の規模はものすごいものになりやすいですからね。

 

まあ、現実問題としましては、アメリカの今後の具体的な状況はわからないにしても、ある程度の激しい洪水が繰り返される可能性はかなり高いということから、

アメリカに住まれている方や、関係が深い方については、今後2ヵ月間の情報に留意されること

は重要かと思います。

それと共に、これも日本への影響は何ともいえないにしても、「今年のアメリカでは、農作に関して前例のない規模の被害が生じる可能性がある」ということから、

食糧の動向全般に気をつけてみる

というのも、少なくとも年の前半はやや必要なのかもしれません。

 

先日の以下の記事でふれさせていただきましたが、今年 2019年は、確実とは言いませんけれども、経済や金融をめぐるシステムの中で、かなり大きな変化を見ることになるのかもしれないという可能性がそれなりに高いと思います。

太陽活動と経済金融の過去のデータから、今あえて強く記させていただく「大暴落と大恐慌へのカウントダウンが完全に始まっている」こと

特別何も起きなくとも、経済や金融の変化は起こり得ると思いますが、自然災害を含めた外部的な大きな要因があったとすれば、それは、そのような変化をさらに激しくする可能性もあるかもしれません。

夏くらいまでに、この世がどのように進んでいくのかを見ていきたいと思います。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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