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4月26日にメルマガ40兆個による細胞への攻撃が延々と続いていくを発行させていただきました。

2018年からの世界 アメリカの憂鬱 人類の未来

「地獄の完成」 : アメリカ人の薬物での死者数の増加は究極的な段階に。その中でアメリカ当局は「モルヒネの1000倍強力な鎮痛剤」を承認するという地獄の上塗りも

投稿日:2018年12月3日 更新日:

12月2日の米国ゼロヘッジの記事より


zerohedge.com

11月4日の米NBCニュースの報道より


FDA OK painkiller 1,000 times more powerful than morphine




 

2015年から急拡大するアメリカの地獄状況は後退する気配なし

今回の記事のタイトルには「地獄」という文字を入れさせていただいていますが、これは、今回ご紹介させていただくのは、

「アメリカでの薬物過剰接種での死者数の急上昇が止まらない」

ということについてなのですけれど、この「地獄」という言葉は、同じアメリカでのオピオイドの過度な蔓延について書きました以下の2つの記事に対応しているものですので、その言葉を入れました。

《地獄の夏》という名のパラダイムシフトが2017年にやって来るのなら… : アメリカの年金地獄やヘロイン / オピオイド地獄に見る「門」のようなもの
投稿日:2017年3月17日

2015年から加速しているアメリカの「ヘロイン / オピオイド地獄」が人ごとではないと思うのは、私たち日本人もまたあまりにも無知にさせられているから
投稿日:2017年6月13日

「オピオイド」という言葉は、日本人にはあまり縁がないですが、要するに「強力な鎮痛作用を持つ薬剤」として、たとえば、モルヒネというものがあったり、あるいは、必ず人を破滅させるもののひとつであるヘロインとかのことです。現在のアメリカでは、フェンタニルというオピオイドが過度に蔓延しています。

過剰摂取による死者が 2015年頃から急激に上昇していく中で、2017年から、最初は州単位で非常事態が宣言されていき、そして国家としても、大統領が「健康に関する非常事態」と宣言し、国から地方までの当局が総動員でこの問題に対応しようとしてきましたが、今や、

「制御不能」

となっています。

まずは、その状況について、冒頭のゼロヘッジの記事をご紹介します。

アメリカでは、薬物の過剰摂取による死者数の急上昇と「自殺の増加」により、2017年に、「アメリカの平均寿命が下がった」のでした。

それは「徐々に」ということではなく「 2015年頃から急上昇した」のです。

ここから記事です。


"We Are Losing Too Many Americans": Drug Overdose Deaths Spike, Life-Expectancy Tumbles
Zero Hedge 2018/12/02

「我々は多くのアメリカ人を失い続けている」 : 薬物の過剰摂取による死亡数が急上昇しており、アメリカの平均寿命が下がる事態に

アメリカでの薬物過剰摂取(オーバードーズ)による死亡者は、2017年に 7万人を超えて、2016年から 10パーセント上昇するという急増を示し、政府の報告では全米の平均寿命が 3年ぶりに低下した。

アメリカ疾病管理予防センター (CDC)の責任者ロバート・レッドフィールド (Robert Redfield)氏は、このデータは深刻な問題だと語っている。

レッドフィールド氏は、CDC の声明で以下のように述べた。

「平均寿命は、その国家の全体的な健康状態の様相を示すものであり、今回のこの平均寿命が下がるというアメリカでの統計は、我々は、あまりにも早く、そして、あまりにも多くのアメリカ人を失っているということを知覚することへの呼びかけであると考えます」

「アメリカの全体的な平均寿命の低下は、薬物の過剰摂取の死亡者数の急激な上昇と、自殺による死亡率の上昇が加速していることと関連しています」

アメリカの 2017年の自殺率は前年より 3.7パーセント上昇した。薬物の過剰摂取による死亡と、自殺の 2つの死因は、ともに 2年連続でアメリカの平均寿命を減少させたと CDC は報告している。

下の図に示されているように、薬物の過量接種は、「ラストベルト ( Rust Belt / ※ アメリカ中西部地域と大西洋岸中部地域の一部に渡る脱工業化が進んでいる地帯)と、大西洋側中部と北東部で大部分が発生している。

2017年のアメリカでの薬物過剰摂取による死者数の比較

アメリカ人の 2017年の平均寿命は 78.6歳で、2016年より 0.1歳の減少だった。

この 0.1歳という程度の数値は、それほど大きな下落に見えないかもしれないが、アメリカの平均寿命は上昇傾向が続いており、本来、下落傾向にはない。現時点では中産階級の平均寿命が下がっていることが示されている。

薬物の過剰摂取による死亡数は、2016年の 6万3,632人から 2017年には、7万237人に増加し、薬物過剰摂取による死亡率は 9.6パーセント増加した。

過剰接種の大半は、オピオイドまたはオピオイド類似体の薬物だった。

下のグラフは、2017年までの薬物の過剰摂取による死亡率の推移を示している。

1999年から2017年の薬物過剰摂取による死亡率の推移

 

アメリカの中で、薬物過剰摂取による高い死亡数が報告されているのは、

・人口10万人に対して 57.8人が死亡しているウェストバージニア州
・人口10万人に対して 46.3人が死亡しているオハイオ州
・人口10万人に対して 44.3人が死亡しているペンシルバニア州
・人口10万人に対して 44人が死亡しているコロンビア特別区

などとなっている。

この 2017年の死亡率の上昇については、2015年から 2016年にかけて薬物過剰摂取による死亡率が 21パーセント上昇したことに比べれば重大ではないと報じるメディアもあった。

しかし、トランプ大統領がこのオピオイド危機を「健康に関する緊急事態」と宣言して以来、連邦、州、地方政府は総動員して対策にあたっているが、すでにコントロール不能の状況に陥っているのだ。

アメリカの自殺率の急上昇も懸念事項となっている。

CDCの報告書には、以下のように記されている。

アメリカにおける人口 10万人あたりの自殺率は、1999年の 10.4人から、2017年には 14人に増加した。

10歳から 74歳までの男性と女性の両方で 1999年以降、自殺率が上昇している。アメリカのほとんどの農村部では、都市部よりも自殺率が 2倍以上高くなっている。

当局は、「今はアメリカ経済の最高のときだ」と主張しているが、主張とは対照的に、アメリカ経済はそれほど堅実ではないという現実がある。

薬物の過剰摂取による死亡率の増加、自殺率の上昇、そしてアメリカの平均寿命の低下に関しての記録的な水準は、「強い経済」という表面的な喧伝の下で、何かが深刻に間違っていることを示している。


 

ここまでです。

そして、タイトルに「地獄」と入れましたが、このような状況の中、冒頭2つめのアメリカ NBC ニュースが報じていましたように、

「モルヒネの 1000倍異常強力な鎮痛剤がアメリカ食品医薬品局から承認された」

のです。

NBCニュースの記事には、以下のようにありました。

アメリカの規制当局は、フェンタニルよりも 10倍以上強力であり、モルヒネよりも 1,000倍以上強力で速効性のある超強力なオピオイドのタブレットを承認した。

ここに出てきます「フェンタニル」というものが今のアメリカをオピオイド地獄にしている薬剤なのですが、それより強力だと。

モルヒネの 1000倍強力とかになりますと、もうよくわからないのですが、公的に承認された以上は、実際に販売され、医療の現場でも使われるのだと思います。

モルヒネでさえ、Wikipdia には、

強力な鎮痛・鎮静作用があり、重要な医薬品である一方で強い依存性を持ち

とあるものですので、その 1000倍となりますと、どういう作用のものなのですかね。

いずれにしても、「そういうものが、そのうち販売される」と。

 

 

現実の否認の連鎖の中で

基本的に、薬物の過剰摂取という状態は、

「現実を否認するための《現実》」

という減少の中のひとつだと私は認識していて、否認したい現実の中で、そこから逃れる手段として薬物が強大な存在となっているという状況です。

なので、多くの人たちは、「現実が変わらない限り、薬物から逃れることができない」ということになっていくはずです。

では、「現実は変わるか」というと……まあ、これは人それぞれ価値観が違いますけれど、「現実はどんどん悪くなり続けていて、ごく近い未来に良い状態へと変化するということも考えにくい」ということが言えると私は思います。

 

このような中では、「現実を否認したい人」はさらに増えていく。

 

そして、「現実を否認するための現実」のもうひとつが、記事にありました「自死」です。

先ほどリンクしました過去記事「 2015年から加速しているアメリカの「ヘロイン / オピオイド地獄」が人ごとではない…」には、アメリカのニルヴァーナというバンドのボーカルだったカート・コバーンという人のことについて書いていますが、彼の「オピオイド依存 → 自死」という流れは、今のアメリカ人の多くと同じ流れです。

カート・コバーンという人の人生全体(ほとんど全部)が、あまりにも悲しいものだったように、今のアメリカ人にもそういう人たちが数多くいるということになるのかもしれません。

 

アメリカでの自死に関しては、ワシントン大学の研究で「多くのアメリカ人は、アメリカでは殺人より自死で亡くなる人の方が多いことを知らない」ということがわかったということが報じられていたことがありました。

下はその際のニュースリリースです。

米ワシントン大学の10月30日のニュースリリースより


washington.edu

アメリカは殺人事件などの犯罪が多いというイメージがありますが、実際には、アメリカでは、「自死による死亡数が、殺人の二倍以上」なのです。そういうことを、ほとんどのアメリカ人は知らなかった。

まごうことなき地獄にアメリカは突き進んでいます。

 

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