NASAの無人探査機ジュノーが撮影した木星の衛星イオの様子
・NASA, EarthSky
木星もその衛星も荒れくるっている今
地球は今いろいろ「変な感じ」ではありますけれども、その地球自体は、紛れもない太陽系の中のひとつの惑星です。
それだけに、「太陽系全体がおかしくなれば、地球もおかしくなるかもしれない」というような考え方は、少なくとも私にはあります。
太陽系の異変というのは、この 10年くらいの間には、わりと散見され続けていまして、最近では、「土星の輪の崩壊の前兆かもしれない」というような光景が NASA の探査機カッシーニが撮影したりしていたことを下の記事でご紹介したこともありました。
そして、最近、その「見た目」としてもっとも驚いたのは、木星の第一衛星である「イオ」の冒頭の写真なのですね。
さらに拡大しますと、下のようになっちょるのです(なんか方言になってるぞ)。
衛星のイオの今
これは赤外線画像で、「赤く爆発しているような部分は火山活動」を示しているのだそうですが、何だかこう、デススターが攻撃されて爆発する瞬間のような雰囲気を醸し出しています。
そして思うのは、
「いくら何でも噴火、多すぎじゃね?」
ということです。
このイオという木星の衛星は、地球の衛星である月と大きさがとても近く、地球と月とイオの大きさを比較しますと、以下のようになります。
地球とイオの月のサイズの比較
・イオ
衛星として考えると、それなりの大きさの星であるわけですが、それが以下のように。
イオの昔と今
撮影の光学スタイルがつがいますので、色の差異はともかく、「イオで異常に活溌な火山活動が現在起きている」ことは事実なのではないでしょうか。
それにしても、
「何があった?」
と、イオに聞いてみたい気はします。
「イオはまだ 16だから……」と言われれば、それまでですが、衛星イオはそんな年でもなさそうです。
そもそも、月くらいの大きさの星でこんなに火山活動が起きているということ事態が「あり得ることなのか?」とも思います。
しかし、あり得るのかどうかも何もなく、実際に観測されているのだから、あり得るということになりそうです。
このイオは、地球以外で最初に活火山が観測された天体で、以前にも観測がされてはいますけれど、こんな激しい光景は以前に見たことはないです。
そもそも、イオの親方である木星そのものが最近非常に激しい様相を見せていますし。下の今年3月の記事では、3月7日の NASA が撮影した木星の「北極の様子」の写真をご紹介しています。
木星で今起きているあまりにも「超現実的なカオス模様」からふと思い出すのは、シュタイナーが「木星は宇宙の現在を描き出している」という言葉だったり
NASA の木星探査機ジュノーが撮影した最近の木星の「北極」の様子
・NASA
この渦は、サイクロン、つまり「悪天候」を示しているらしいのですが、これも何だかものすごい光景だと思います。
そして、その衛星であるイオは、あのような灼熱というのか何なのか大変な様相となっているわけです。
太陽系の惑星のことについてはわかっているようで実は全然わかっていないのが現実でありますが、それが私たちに示唆として与えているものがあるとすれば、どんなことなのだろうなとは思います。
ちなみに、上にリンクしました木星の過去記事には、ルドルフ・シュタイナーの講演集『星と人間 - 精神科学と天体』から木星について少し抜粋したことがあります。
その時には抜粋していなかった部分で、シュタイナーによる「木星」という存在の意味については、以下のように記されています。これは現在の合理的な科学とはまったく相容れない主張ではありますが、精神科学というものの意義を考えますと、興味深いものではあります。
ルドルフ・シュタイナー『星と人間』 よりセクション「思索する木星」
木星は太陽系の思想家です。思考は、宇宙の全存在を育成する要素です。創造的な思考と、受容的な思考は、木星から私たちに向かって輝いてきます。
木星の思考形態は、宇宙のさまざまな存在を形成する力を、すべて含んでいます。土星は過去を物語ります。それに対して木星は、宇宙の現在をいきいきとした形で把握し、いきいきと描き出します。
木星が霊眼に示すものには、熟考して関わる必要があります。人間がみずから思考を展開しないと、透視者として木星の秘密に接近することはできません。木星の秘密は、思考形態においてのみ明かされるものだからです。
(略)
木星は宇宙の思想家です。宇宙の霊的現在について知ることのできるものすべてを、人間は木星に負っています。
という、まあ、シュタイナーらしい、よくわからない主張ではあるのですけれど、この中で唯一わかりやすい表現がある部分は、
> 木星は、宇宙の現在をいきいきとした形で把握し、いきいきと描き出します。
という部分のように思います。
つまり、シュタイナーの言うことに照らし合わせれば、あのカオスの様相を見せる木星の北極と南極、そして、衛星イヨ、いや、イオの何だかもう火山にボコボコにされている現在の様相は、「宇宙の現在をいきいきとした形で描き出し」ているものなのかもしれません。
宇宙全体がフルボッコ状態ということなんでしょうかね。
まあ、今回はそのことをちょっとお知らせしたいと思った次第です。
ところで、タイトルに、
・冥王星
と、
・惑星間衝撃波
という言葉を入れています。
それについて、それぞれ短くふれておきます。
色彩豊かな冥王星
冥王星については、やはり最近、詳細な画像が発表されていまして、それがどうも今まで抱いていた冥王星のイメージと違うのです。
冥王星は、天体観測技術の向上と共に、少しずつその姿が明らかになってきました。
そして、2018現在の NASA による冥王星の姿は以下のようになっています。
・NASA
NASA は、星の写真を発表する際には、特徴を明確にするために色を強調することがありますので、まったく実際の色かどうかはよくわからないですが、それでも、太陽からものすごく離れたところにあるこの星は、決して無味乾燥的な星ではなさそう……ということはいえるのかもしれません。
あと、先日の下の記事で、地球が太陽からの「惑星間衝撃波」の直撃を受けていたことをご紹介しました。
この時も、「太陽フレアも発生していないのになぜ衝撃波が?」と、疑問には思っていたのですが、しかし、その後、
「この惑星間衝撃波の発生した原因はわからない」
ということにのなっていることがわかりました。
スペースウェザーは、そのことについて、「週末のオーロラ発生のミステリー」として報じていました。記事から抜粋してご紹介しますと、下のように書かれています。
2018年4月24日の&スペースウェザーの記事「先週のオーロラの謎」より抜粋
4月20日の金曜日の夜明け前、オーロラがカナダの国境を越えて、アメリカ本土の 12州に出現するという事態となった。この予期せぬオーロラの出現は、ワシントン州からインディアナ州南部でさえ観測されたのだった。
この壮大なオーロラは、4月19日に発生した「惑星間空間衝撃波」によって引き起こされた。
惑星間空間衝撃波は、地球の磁場に惑星間の衝撃波が直撃することで、これは、太陽風の超音速の攪乱であそれにより、り、地球の周囲に吹きつける太陽からの物質に急激な変化を起こす。
太陽活動が活発な時期には、このような衝撃波は、太陽表面でフレアがあった際のコロナ質量放出(CME)によって、しばしば地球に伝えられる。
しかし、今回のこの現象には謎がある。
衝撃波が起きた先週、太陽で大きなフレアは起きていないのだ。
では、衝撃波の原因は何だったのか?
それは誰にもわからない。私たちは、太陽を観測している複数の人工衛星を運営しているにも関わらず、何かを見逃してしまった。この時の磁気の擾乱により、数日間、地球と太陽の間の観測は遮られている。
というようなことで、どうやら、
「謎の惑星間衝撃波が起きていた」
ようなのです。
ちなみに、これはですね、こういうようなことが、つまり、「原因がわからない衝撃波」がたびたび起きるようですと、それはつまり「強い磁気が《いきなり》地球を直撃する」ということですので、程度によっては影響があるのですよ。
そして、「前触れがない」状態で、「原因不明の衝撃波により」地球が強い磁気に突如として襲われることがあり得るということを今回知りました。
太陽活動が現在のようにとても弱い中でも、「突然の磁気嵐の直撃はあり得る」ということを私たちは今回知ったわけです。
「なんでもありだよなあ」と思います。
今回のことだけではないのですけれど、太陽系は全体として、何となく慌ただしくなっている感じがさらに強くなっていると感じます。
しかし、何が起きるにしても、そんなに急激に起きるとも思えず、物理的には、ある程度の長さの時間的経過の中で進んでいくことになるのだと思われます。
最終的にどうなるのかはわかりません。
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