2018年3月7日にNASAが発表した現在の木星の北極の様子
憤怒と混沌の木星が示すこと
2016年から木星を観測し続けている NASA の木星探査機ジュノー (Juno)が、最新の木星の北極の画像を送信してきました。
それは冒頭にあるような、何といいますか、この世のものとも思えない壮絶な様相を呈しているように私には見えました。
ちなみに、冒頭のは北極の画像ですが、「南極」は下の様相です。何かもっと大変な感じです。
木星の南極の様子
これらは、衛星ジュノーからの赤外線観測データを合成したものですが、合成といっても、光景に手を加えるというような意味ではなく、送信されてきたデータを画像に構築し直しているだけですので「光景はこのまま」です。色合いなど一部の違いはあるかもしれないですが、
「現在の木星はこのままの状態になっている」
といっていいと思われます。
NASA の説明によれば、この状態は、中心に渦がひとつあり、そのまわりを取り囲むように複数の「サイクロン(嵐)」が規則正しく並んでいるというものだそうです。
これが「北極では八角形に」「南極で五角形に」なっています。写真で説明しますと、下のようになっているということになります。
NASA は淡々と説明していますが、こんな現象は冷静に考えますと相当異常な状態には思えるのですが、実際ナショナルジオグラフィックによりますと、
> このように多角形に配置された(サイクロンの)集団は、太陽系のほかの惑星では見つかっていない。
ということで、やはりそれなりに異様な光景だとはいえそうです。
この「木星の北極」というのは、以前よりさまざまに不思議な場所ではありまして、たとえば、2012年には、NASA のチャンドラX線観測衛星が「木星の北極から《謎のX線》が発せられていることを観測した」ということがありました。これは、
・木星の「北極と南極」から発せられているエックス線の謎
In Deep 2012/04/11
という記事でご紹介したことがあります。
明るくなっている部分がX線が観測された場所で、木星の北極
あるいは、この北極で観測されるオーロラが、通常の科学で考えられないものであることが、欧州宇宙機関(ESA)の観測で判明したりもしていました。
これは下の記事でご紹介しています。
・木星のオーロラは地球でのメカニズムから考えると「異常に不可解なもの」だったことが欧州宇宙機関の観測により判明
地球の記録 2017/11/02
木星の北極のオーロラは下のような感じで光ります。
木星の北極のオーロラ
全体象から見ると、下の写真のオーロラが輝いている場所です。
2016年7月にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した木星
この木星のオーロラの何が「変」かといいますと、普通、たとえば地球のオーロラもそうですが、太陽系の星々のオーロラは、磁場の影響を受けるのですが、「木星のオーロラは磁場の影響とは違う《正体不明の不規則な原理》で光を発している」ことがわかったのです。何の力でオーロラが発光して回転しているのかわからないのです。
こういう不思議なことが多い木星なのですけれど、さらにいえば、
「昨年 2017年の後半以来、その姿を憤怒化させている」
という事実があります。
「憤怒化」という表現は、私がそう思っているだけですが、しかし、今の木星の表面の様相は、以前から私たちが知っている木星とはやや違います。
それは、下のようなものです。
2017年12月までにジュノーが撮影した何枚かの写真
・NASA、Business Insider
これらの写真にある多くの雲のかたまりのような状態は、科学的にいまだに説明できないものなのだそうで、謎のままとなっています。
科学的な説明はわからなくとも、異様な迫力がそこにあります。
2017年12月 木星の表面
「どうなっちゃったんだよ、木星は」と思いながら、ふと、『星と人間』という著作に収められているルドルフ・シュタイナーの 1923年の講演の一節を思い出したのでした。
そこから抜粋します。
なお、シュタイナーの言うことはとかく難しく、系統立てて考えることができなくなる部分もありますので、むしろ、あまり深く考えないで読まれてくださった方がよろしいかと思います。
ルドルフ・シュタイナー 講演「運命を規定する星 - 人間を解放する星」より
木星は太陽系の思想家です。思考は、宇宙理全存在を育成する要素です。創造的な思考と、受容的な思考は、木星から私たちに向かって輝いてきます。
木星の思考形態は、宇宙のさまざまな存在を形成する力を、すべて含んでいます。木星は、宇宙の現在をいきいきとした形で把握し、いきいきと描き出します。
木星が霊眼に示すものは、熟考して関わる必要があります。人間がみずから思考を展開しないと、透視者として木星の秘密に接近することはできません。木星の秘密は、思考形態においてのみ明かされるものだからです。人間は、自分で考えるときにのみ、木星の秘密に接近できます。
ここまでです。これは、著作『星と人間 - 精神科学と天体』の中の「運命を規定する星 - 人間を解放する星」というセクションにあります。
この中の、
> 木星は、宇宙の現在をいきいきとした形で把握し、いきいきと描き出します。
という部分を思い出したのです。つまり、シュタイナーが言うには、木星は「宇宙の現在をいきいきと描き出す」と。
私はふと、
「いきいきと描き出した現在の宇宙の姿がこれらの木星の姿なのかよ」
と先ほどまでの写真を思い返したりしていました。
まあ・・・・・しかし、一方で、それも不思議でもないのかなあという気も同時にしています。
この 10年ほどの間、ずっと太陽系は実は荒れています。
地球はその太陽系の中にあります。
先ほど挙げましたシュタイナーという人は、「人間は宇宙から作られた」という確固とした主張を持っていました。そして、ここでシュタイナーの言う「宇宙」というのは、太陽と月を含む、太陽系の星々のことです。
さきほどの講演の別の部分で、シュタイナーは、
「人間は地上で作られたのではありません。人間は宇宙から形成されたのです。」
と驚くほど明快に述べています。
このシュタイナーの説はともかくとして、私自身も、「人類は、太陽系の星々の影響を広範囲に受けている」とは確信しています。それは、いわゆる占星術などの括りではないですけれど、個人的な解釈としてそれはあります。おそらく理解されにくいことですので書くことはないですけれど、太陽系の星々との強烈にシンクロを地球の人類は持っていると考えています。
そして今、太陽系の星々が荒れているのは確かだとして、そこから私がこの数年思い続ける疑問がふあります。その選択はふたつなのですが、それは下のどちらがなのだろうと考えます。
すなわち、
「太陽系が荒れているから、人類とその社会も荒れている」
のか、
「人類が荒れているから、太陽系とその星々も荒れている」
のか。
一体どちらなのだろうな、と。
いくら考えても、それはわからないですけれど、なし崩し的に地球上の世界が崩壊に進んでいるように思えて仕方ない最近の私は、このような太陽系の星々の憤怒と混乱の様相を見る度に、またその疑問を思い出してしまうのでした。
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