現時点で残っているスノーデン氏の最後の投稿
・Twitter
8月12日のツイッターのコメントより・Twitter
少し前の記事、
・世界を駆け巡る「エドワード・スノーデン死亡説」 : 本人に危機が発生した際に起動する[デッドマン装置]によるものかもしれない暗号ツイートの直後から湧き上がる論争
2016/08/08
では、アメリカ国家安全保障局(NSA)の内部告発者であり、その後、アメリカ政府から指名手配を受けて、ロシアで亡命生活を続けているエドワード・スノーデンさんが「謎のツイートが投稿された後、ツイートが投稿されない状態が続いている」ことをご紹介しました。
8月5日に投稿された謎の64文字のツイート(投稿60秒後に消滅)
現在、スノーデンさんのものとして残っているツイッターへの投稿は、冒頭にある 8月5日の「忘れ去られた歴史 (forgotten history)」という一文のみで(これもこれで、また何だか意味深です)、8月12日現在までの約1週間、ツイートは投稿されていません。
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その後、報道は交錯し、中には妙な報道も入り交じり
前回の記事以降、特に何かわかったわけではないですが、これに関しての正式な日本語の報道としては以下のような雰囲気になります。
NSA機密情報漏洩のエドワードスノーデン氏がナゾのTweet、一部では死亡説も
business newsline 2016/08/08
2013年にNSAの機密情報を内部告発し、現在はロシアで亡命生活を続けているエドワード・スノーデン氏が5日、HEXコードのナゾの文字列をTweetし、その直後にこのTweetが削除されたことが各方面で様々な憶測を呼ぶところとなっている。
スノーデン氏によるHEXコードによるTweetは、何らかの暗号解読のためのキーコードではないかとみられており、わが身に危険が及ぶような万一の事態が発生した際に備えて外部の関係者に預けた機密情報ファイルの解読用のキーコードなのではないかといった説も飛び交う状況となっている。
外部に預けていたファイルを開くためのパスワードの連絡手段として、Twitterを利用したという観測なども上がっており、いずれにせよスノーデン氏本人かその周辺で新たな動きが生じていることは確かなようだ。
HEXコードというのは、16進数に関係したコードのことだと思います。
報道的にはこれ以降、特に進展はないと思っていたのですが、エドワード・スノーデンさんのツイートへのコメントの中で、下のニュースがリンクされていることに気づきました。それは、
「エドワード・スノーデン氏の恋人が、彼はロシアで死亡したと発表」
というタイトルのものでした。
2016年8月8日の米国の記事より
・Mistress Of Edward Snowden Pronounces Snowden Dead In Russia
「何これ?」と思って読んでみましたら、これは一種の「創作的」なものだということにすぐ気づきました。
流れとしては、まず、下のロシアのニュースから始まります。
2016年8月8日のロシアの報道より
これは、ブリヤート共和国のバイカル湖の湖畔で、奥さんを連れた 27歳の男性が、酔った男にナイフで刺されて死亡したという報道です。
このロシアのニュースも読んでみましたが、どこにも「スノーデン」という文字は出てきません(ちなみに、スノーデンさんは、現在 33歳)。
しかし、このニュースのコメント欄にロシア語の下の投稿があったのです。
翻訳しますと、以下の通りです。
このロシア語のコメントの意味
「死亡した男性は、私の友人であるエドワード・スノーデンでした。彼は偉大なファイターであり、私と家族は悲しみの渦中にいます。酔っ払いに殺されるなんて何という無意味な死なのでしょう」
まあ・・・どこの国の SNS にもある、意味のあまりない「駄投稿」のたぐいなのでしょうが、先ほどのアメリカの記事「ロシアで恋人がスノーデン氏の死亡を宣言」というのは、これだけが基準になっていた、一種の与太話なのでした。
少なくとも、この「バイカル湖で殺された男性」は、スノーデンさんとは関係ないようです。
そんなわけで、結局、謎の投稿から1週間が経ち、何がどうなっているかはわからないままですし、前回、「彼は大丈夫」とツイートしたジャーナリストのグレン・グリーンウォルドという人からも、なぜ「大丈夫」だとツイートしたかの理由も含めて、現状については何も発信されていないと思われます。
そんな中で、昨日、欧米のメデイアを中心として、突如として、「エドワード・スノーデン氏は亡命先のロシアで大金を儲けている」という内容の報道が一斉になされました。
2016年8月11日の報道
「スノーデンさんくらいの人だと、大金というと、1兆円くらい?」(国家を相手にするならできない相談でもなさそうです)と思って読みましたら、
「1年間で約 2000万円ほど」
なのだそうです。
「毎日 2000万円稼いでいる」なら、ややすごいですが(そういう人もまたいくらでもいそうですが)、彼の立場や、彼の持つ情報の可能性を考えると、むしろ少ない感じさえするのですが、金額はともかく、「ロシアで多額の金を稼いでいた」というようなニュアンスで、場合によっては、人々の心象を悪くさせるような感じの報道が、英国のデイリーメールなどを始めとして、多くの海外の媒体で報じられています。
このタイミングが、ちょうどスノーデンさんが「発信していないか、あるいはできなくなっている」時期に合わさるように出てきたりしているあたりも、何とも状況が混沌としているような気もしないでもないような。
まあ、おそらく何か目的があって沈黙を続けているのだとは思いますが、スノーデンさんがロシアにいる以上、欧米のいかなるメディアでも、現状を知るのは難しいのかもしれません。
現在、スノーデンさんのツイッターには、1800以上のコメントが寄せられていますが、その雰囲気を代表するようなものをいくつかご紹介して、今回の記事をしめたいと思います。
大体これらのようなコメントが 1800以上あると思われて構わないと思います(全部読んだわけではないですが、何百か読んだ感じでは)。
ちなみに、アイコンに顔写真が載っている人たちには女性がとても多く、彼がモテるタイプであることを改めて実感します。
ロシアでのエドワード・スノーデン氏
エドワード・スノーデン氏のツイッターに寄せられているいくつかのコメント
Justinさん
「メディアはあの謎のツイートは死人による投稿だと言っている。人々はスノーデンは殺されたか捕らえられたことを理論化し始めている」 8月5日
Mauriceさん
「映画『ジェイソン・ボーン』の中で、CIAがあなたに言及するシーンがある。非常に奇妙なことだ。いずれにしても、偉大な仕事を続けてくれ、エド」 8月5日
Grannyさん
「スノーデンさん、何かツイートした方がいい。人々が大騒ぎし始めているから」 8月5日
Free Worldさん
ちょっと、とんでもないことだ。米国は彼らのEメールがハッキングされていたことに動揺している。彼らが起動すれば、クーデターが起こり、国は不安定になる」 8月6日
DC Leachさん
「デッドマン装置...あるいは、チェックを忘れたか、あるいは...本当に死んでしまったのか。そして、一体誰がツイートを削除したのだ」 8月6日
Lourdesさん
「大丈夫ですか? あなたが失踪したか殺されたという噂が流れています。単なる噂であってほしいです。誰も信じられないし、どんな記事も信じにくい」 8月7日
Joelleさん
「お願いですから、他人からではなく、あなた自身から「私は元気だ」と言って下さい」 8月7日
felizさん
「人々は、あの奇妙な文字列は殺された時に起動するコードだと言っている。生きていますか? 元気でいてほしい」 8月9日
Irisさん
「スノーデンさんがどこにいるのか誰もわからないのですか。削除された謎のツイートから、もう5日間も何もツイートしていないのですよ」 8月10日
Californiagirlさん
「謎の投稿から5日も経ってしまいました。何がどうなっているのか誰か教えて下さい」 8月10日
Angelさん
「エドワード、私たちのためになる情報を君が持っているのなら、なぜすべてを一気にリークしないのだ。少しずつ公開することについては、君の目的がわからない」 8月10日
Britさん
「時は来た(it's time)のツイートの後、身を隠さざるを得ない状況になっているのだろうか?」 8月10日
Gregoryさん
「あなたがアメリカに戻ってこないのは、ロシアでの新しい生活を楽しんでいるからなのだね」 8月10日
Stephanieさん
「ああ、もうそろそろ、エドのツイートが途絶えて1週間になる。どうなってしまったのだろう」 8月12日