ボッシュ氏、再び
ビル・ゲイツさんの財団でワクチン開発のトップクラスの位置にいたギアート・バンデン・ボッシュ氏という科学者を最初取り上げたのは、もうそろそろ 3年にも近くなるほど前の以下の記事でした。
(記事)かつてビル・ゲイツ氏の下でワクチン開発を行っていたウイルス学者が「このままでは人類の大量死が起きてしまう」と、コロナワクチン接種の「緊急停止を要請」する内容の書簡をWHOと欧米各国政府に送る
In Deep 2021年3月22日
まだ日本では、本格的なワクチン展開がなされていなかった時です。
それはともかくとしても、何しろこの人は、ゲイツ財団や、ワクチンの世界展開を進めている GAVI アライアンスなどの組織でワクチンのトップ開発者として働いていたわけですから、
「唐突にコロナワクチンへの反対意見を述べ始めても、最初は誰もほとんど信じていなかった」
あたりが実際のところでした。「何かまた企んでんだろ?」みたいな。
私なども「ボッシュ」などと呼び捨てにしたりしていたこともありますが、しかしその後も、ボッシュ博士はわりと淡々と、同じ主張を続けています。
先ほどの記事の後に、2021年5月に、ボッシュ博士のメディアとのインタビューを文字におこしたことがあります。
(記事)「新型コロナワクチンは人間のすべての免疫能力を破壊して人を死に導く」:元ゲイツ財団のワクチン開発局長のボッシュ博士は人類の存続のためにワクチン使用停止を訴え続ける
In Deep 2021年5月5日
このインタビューは、私にしても、他の方々にしても、
「今後も何がなんでもワクチンを拒否し続ける意志を確固とさせる」
もののひとつではあったと思います。
まだ、私はいろいろなことを何も知らない時期でしたけれど、ボッシュ博士が強調し続けていたことは、つまり、接種すると、
「免疫がなくなってしまう」
ということでした。
コロナに対してというより、どんなものに対しても、です。
今となり、ボッシュ博士が当時考えていた理屈そのものの理屈で現在に至っているかどうかはわからないですが、「免疫がなくなる」ということにおいては、まったくその通りの状況となりつつあります。
ただ、このインタビューでは、いわゆる免疫寛容のシステムとは「正反対」の意見をボッシュ博士は述べていまして、つまり、
「コロナワクチンの抗体は特異的抗体なので、それに特化したもの(たとえば最初の接種なら武漢株)に対しては抗体として機能するが、他のあらゆる変異種にはまったく通用しない(感染する)」
ということを述べていました。
実際には、「免役寛容」とか「抗原原罪」などの概念があり、特に複数回接種した場合は、上の逆となるわけで、現状では、
「武漢株以外の変異種には免疫が働かないので、オールスルーで体内に入るけれど、それがコロナの症状の発生に至ったり、重症化したりということはない」
というのが今の、特に複数回接種者が多い日本の現状です。
ボッシュ博士にしても、「まさか 7回も打つ国が出てくるとは思っていなかった」とは思われますが、ともあれ、その中で、たとえば、悪役として知られる、
「 IgG4 抗体」
というものが、ブースター接種以降、誘導されることがわかってきたり、他にも、いろいろと「免疫上の問題」が多数わかり初めているのが現状です。
最近のネイチャーの論文によれば、
「 mRNAワクチン接種を 3回打つと 50%近く IgG4 抗体が増加する」
ということですので、5回、6回、7回接種というのは、確率的に考えましても致命的とも言える様相だとは思います。
ワクチン接種後の IgG4 が誘導される率
nature.com
以下の記事にあります。
(記事)「コロナは単なる風邪」という幻想からはそろそろ抜け出さないと…。今やこれは、老衰死の大量生産と IgG4 にむしばまれた人たちの致死を加速させる狂気の病原菌
In Deep 2023年12月9日
ともかく、ボッシュ博士は当時から、最大の問題は「人々の免疫が弱体化(あるいは免役がなくなる)こと」だとしていて、そして、
「それにより、変異種は強毒化した形となり得る」
ということを言いたかったのかもしれません。
上にリンクした記事のタイトルに、
> 「コロナは単なる風邪」という幻想からはそろそろ抜け出さないと…。
とありますが、これはコロナ自体の変異がどうこうということもあるのですが、「人間のほうの免疫が弱体化している」ときには、どんなものでも「単なる〇〇」という感染症は、この世に存在しない形となるということです。すべてが猛威を奮う可能性が出てきてしまう。
ともかく、そのボッシュ博士が、最近、ワクチン安全性研究財団の創設者であるスティーブ・カーシュさんとオンラインでの対談をおこなっていました。
2時間くらいある対談なのですが、その中で、「注目すべき部分」が、X などに投稿されています。日本語字幕がついたものもあります。
その注目すべき部分を文字におこしましたので、その部分をご紹介したいと思います。私個人としては、全面的にボッシュ博士が言うようになるとは思えない部分もありますが、それはそれとしてご紹介します。
日本語字幕がついた動画は、こちらにあります。
対談全体は、以下にあります。2時間ちょっともあり、私は全体は見ていません。
Dr. Geert Vanden Bossche on “White Lung” Pneumonia
ここから注目されている部分を日本語でご紹介します。
ボッシュ博士とスティーブ・カーシュ氏の対談より
ボッシュ氏:
JN.1 (※ 最新のコロナ変異種)は非常に警戒すべきです。なぜなら、変異がスパイクタンパク質に制限されなくなり、これはウイルスの感染性を減少させるために CTL (※ キラーT細胞)の活性が向上していることを示しています。
その CTL 活性は、実際にはウイルスの毒性を防ぐ非中和抗体を増強する T細胞の減少に寄与します。
ですので、これは、私がずっと予測していたことですが、最終的にこの進化が高度にワクチン接種された国での入院や重症疾患の波を引き起こす、高度に毒性のある変異株の出現に必然的につながるだろうということです。
もちろん、高度にワクチン接種された国だけです。
これはいつも同じですね。
カーシュ氏:
つまり、まだ何も見えていないということですね。これはただの第一幕で、第二幕に備えるということで、感染者は増えることになります。
ですので、今後は確かに感染者が増えると思いますが、以前と比べて、死者が 2倍、3倍になると予測されているのですか? あなたが予測していることを数量化することはできますか?
ボッシュ氏:
それはやりたくない。しかし、もちろん、その数字が怖いからではありません。
私の控えめな意見では、私たちが見るものは、残念ながら、私たちが見る流行波の規模に関して完全に…完全に前例のないものだということをおそれているだけです。
カーシュ氏:
では、それを数量化していただけませんか? 5倍ですか? 10倍ですか? 20倍ですか?
ボッシュ氏:
今のところ見えているものからすると…もちろん年齢によって、あるいはワクチン接種の頻度と、ワクチン接種の速度に依存するものですが…高度にワクチン接種された国では、おそらく、人口の深刻な減少に取り組むことになるかもしれないと言いたいと思います。
しかし…。
一部の高度にワクチン接種された人口構成国で、おそらく、30%から 40%までの深刻な人口の減少に直面することになったとしても私は驚かないでしょう。
ここまでです。
ここに出てくる「 JN.1 」というのは、現在、特に欧米などを席巻しつつあるコロナ変異種です。
もはや変異種 EG.5 (エリス)は、勢いを失っていまして、この JN.1 というものが、多くの国で主流となりつつあります。
それで、この JN.1 が主流になったヨーロッパでどういうことが起きているかというと、「今年最多のコロナ死者数」だったりします。
(記事)イタリアの1日の新たなコロナ死者数、入院者数が、過去9ヵ月で最多に
BDW 2023年12月16日
2023年4月5日〜12月13日のイタリアの週毎のコロナ死者数の推移
Antonio Caramia
排水中のウイルスレベルを見ますと、ヨーロッパの他の国でも、過去最大クラスの蔓延が起きている地域が多いと見られます。
(記事)ヨーロッパ各地で、排水中のコロナウイルス検出量が「パンデミック以来最大」に
BDW 2023年12月17日
オーストリアの排水中のウイルスレベル(2020年11月-2023年11月)
JWeiland
一般の報道では、もうコロナでどれだけ死亡者が増えようとも、大きく報じられることはないですので、各種のデータで知るしかない状態となっています(2020年のパンデミックの時と逆のことが起きている)。
ヨーロッパでは、たとえば先ほどのイタリアのようにコロナ死者が急増している国では、これからの冬、さらに(いろんな風邪のようなものを含んでとしての)大量死が拡大するとは思います。
では、日本はどうなのか。
ここで「免役寛容」あるいは「抗原原罪」という問題に突きあたるわけで、日本のように、5回、6回、7回と接種した人たちが多くいる国に固有の現象が起きるか、起きているのだと思います。
免疫のシステムが「武漢株以外に働かない」のですから、感染はオールフリーでなされるとしても、症状も出ないですし、コロナによる重症化というものもあまり考えられない。
「あ、それじゃ、コロナワクチンの複数回接種のおかげでコロナにかからないで済むんですね」
と言われれば、「そうですね」と答えるしかないのかもしれません。
しかし、その代償は大きいです。
スパイクタンパク質の「血管内皮へのダメージ」という作用が、今までよりさらに強くなる可能性があります。
衰える人は、ますます衰えていく。
身体の老化が進む人はますます老化していく、
脳を含めて、それが進行していく。
この「老化」に関しては、最近、興味深い論文を見ました。
「オミクロンは、細胞老化を誘導する独自の能力を持っている」
というものでした。オミクロン以前の他のコロナ株にはこのような能力はありません。
以下に論文の概要を翻訳しています。
(記事)「オミクロンは早期の細胞老化を誘導する独自の能力を持っている」という論文。つまり「老化が早まる」
BDW 2023年12月17日
これが意味するところは、「オミクロンの抗原が含まれるようになったワクチン接種」でも、同じことが見られると思います。
つまり、急速な老化の多発ですね。
(参考記事)「ターボ老化」社会の行く末。論文からの推定としては、接種者全体の約50%が非常に長期のスパイクタンパク質の影響を受ける模様
In Deep 2023年10月25日
4回目だか 5回目の「二価ワクチン(武漢株も同居していました)」と、その後の現在の一価ワクチンは、オミクロン由来のスパイクタンパク質による「感染保護」という名目となっていますので、「早期の細胞老化の誘導」がすでに始まっている接種者の方も多いと見られます。
ターボ老化の話はともかく、さらに、複数回接種者は、体にとって良くはない IgG4 抗体を発現させている可能性がかなり高い。
ガンをふくめた限りない種類の疾患や、あるいはどんな感染症にも弱くなっている可能性があります(インフルエンザワクチンを接種して、すぐインフルエンザにかかるとかもあり得ます)。
レプリコンで武漢型が「復帰」することへの懸念
しかし、先ほどはイタリアのグラフを載せましたけれど、「日本ほどではないにしても、ブースター接種を相当多くの人が何度か受けた国」のコロナ入院グラフを見ていますと、
「どうなっていくのかなあ」
と別の懸念は感じます。
たとえば、シンガポールです。
シンガポールも大変ワクチン接種率が高いまま推移した国として知られますが、シンガポールでも、「コロナ入院数が急激に上昇している」のです。
2023年のシンガポールのコロナ入院数の推移
Antonio Caramia
第49週目で今年最大となっています。
ご存じのように、かつてのパンデミック下のように「無差別に検査をして感染数を上げている」ということではなく、「コロナで入院している人の数」ですので、懸念される事態だとは思います。
ただ、検査の結果でコロナだとわかったということはあるにしても、今は免疫弱体化時代ですので、
「他の感染症などに重複感染している人たちがたくさんいる」
という可能性はあるのかもしれません。
それを含めての大量死ならば、今後起き得るとは思います。
シンガポールのデータは、入院患者数だけのもので、年齢や、ワクチン接種の有無と、何回接種したか、などはまったくわからないですので、どういう人たちが重症化しているのかは不明ですが、比較的、日本と近いスタンスの国のこのようなデータは気になりました。
しかしまあ……もう何が元に戻るわけでもないですし、なるようにしかならないというのが現実のところではないでしょうか。
私自身は、ボッシュ博士の言うような、この変異種 JN.1 により大きな被害がこの冬に出るとは考えていませんが、もう少し長いスパンで見ますと「予想もしなかった懸念」はあると思っています。
それは、レプリコンワクチンの接種の開始と関係しますけれど、このレプリコンワクチンって、
「武漢株の一価ワクチン」
なんです。
(記事)レプリコンワクチンのコスタイベ筋注って武漢株の一価?
BDW 2023年11月29日
自然の中ではまったく消えてしまった武漢株が復帰してくるのですね。
武漢株は、複数回接種者の方々が「全員体内に持っている抗体」ということになるのですが、しかし、もはや中和抗体が残っているともあまり思えず、残っているとすれば、
「感染増強抗体」
というように言われる ADE (抗体依存性感染増強)という、再感染の際に重症化しやすくなる、あるいは「そもそも再感染しやすくなる」という状態がもたらされることはないのかな、と。
しかし、これも、なるようにしかならない…というか、ADE が起きるかどうかなどというのは、その時期にしても何にしても、まったくわからないのですから、やはり「なるようにしかならない」としか言えないのですが、それでも、承認されたレプリコンワクチンが、新たな嵐を巻き起こす可能性は「ほんの少しにしても」あるようには思います。
レプリコンが、エアロゾル感染のようにどんどんと環境に拡大していくことは避けられないでしょうし、それに伴って(接種者に対しても、未接種者に対しても)これから起きることは予測できるものではないです。
(記事)エアロゾル感染する HIV が蔓延する世界で生きるには?
In Deep 2023年12月10日
これらのことを全体として考えてみますと、かなり時間はかかるであろうにしても、ボッシュ博士の言うような、
「人口の 30%から 40%の毀損が発生する」
という可能性はなくもないのかもしれないとも思わないでもないです。
…あと、先ほど、現在主流の変異種である JN.1 というものにふれたのですけれど、「なんかこれも過去のとずいぶん違う」ことが、X に投稿されていまして、しんし「私には理解できない」話なんです。
以下の「最初の武漢株から現在の JN.1 までの推移」のグラフを引用しています。日本語にしていますが、それぞれ私には「意味不明」です。
投稿者の方は以下のように書いています。
このパンデミックの大きな未解決の謎の 1つです。SARS-CoV-2 は、消化管では一般的で、肺ではまれですが、切断された ACE2 のみを利用する方向に現在も移行しています。この傾向は、JN.1 によって劇的に加速したことが現在わかっています。これは単なる免疫回避の亜種ではありません。
なぜこれが起こっているのか、その影響は何なのかは明らかではありませんが、知りたいと思っています。
グラフを見ていますと、確かに大きな変化が続いているのですが、これが何を意味しているのかは、私にはまったくわかりません。
どなたかおわかりになる方がいらっしゃればなあ……とも思いますが、この JN.1 という変異種も「工夫が加えられた」ものである可能性もあるのかもしれません。
ともかく、あとは世を見ていくしかないです。
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