2018年12月27日のスウェーデンの報道より
新約聖書「ヨハネの黙示録」 13章 16-17節
また、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべての者にその右手か額に刻印を押させた。
そこで、この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。この刻印とはあの獣の名、あるいはその名の数字である。
つい先日、スウェーデンで「人体に埋め込むタイプの新しいデジタル装置」が販売されたことが報じられていました。
冒頭に、聖書のヨハネの黙示録なんかを抜粋してますけれど、この新しいインプラント型の装置は、以下のようになかなかすごいのです。
スウェーデンで販売された皮下に埋め込む装置は何でもできる
電車の改札もインプラントの入った手をかざすだけでOK
買い物もインプラントの入った手をかざすだけで会計が終了
電子キーもインプラントの入った手をかざすだけで開きます
インプラントの入った手そのものが身分証明(IDカード)に
装置の大きさ
基本的には、「あらゆる電子型カード情報はこの装置に入れることができる」ということで、日本の例でいうのならば、マイナンバーのような身分証明や、健康保険証、銀行のキャッシュカードからクレジットカード、あるいは Suica とか Pasmo のような電車に乗るためのカード、あるいは、運転免許証の情報も同じように扱えるのかもしれません。
このようなことになると「その社会の中で完全な手ぶらで生活できる」ということになり、便利は便利かもしれません。カードと違って盗難される可能性も相当低いと思われますしね。
いずれにしても、この「便利」という部分が良いと感じるのでしょうか、スウェーデンの報道によれば、発売以来、大人気で、数日のうちに、4000人以上のスウェーデン人が埋め込み施術をしたのだそう。
今も、予約殺到なのだとか。
こういうことに抵抗感って意外とないものなんですね。まあしかし、キャッシュレス社会というのは、それが極限まで進むと、こういうようなことにはなってくるのだろうなあとは思っていました。
この装置の大きさはマッチ棒の半分くらいの大きさのようで、埋め込む場所は、人差し指と親指の間の皮膚が少したるんだ部分だそうです。
手のツボでいえば、合谷(ごうこく)と言われる場所のあたりになります。
関係ない話ですけれど、この合谷というツボは、上半身にあるツボの中でも「最強のツボ」といわれるところで適応も多いです。合谷を押して、かなり痛いのであれば、体がいろいろな意味で疲れていたり痛んでいると考えていいと思います。
ところで、冒頭に「ヨハネの黙示録」のフレーズを抜粋していますが、キャッシュレス社会というものが目指す最大の目標は、結局、ヨハネによる黙示録の以下の部分の、
> この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできない
というものではあります。
このような埋め込み型のものではなくとも、「カードがなければ何も買うことができない」という国や地域は今はたくさんあるでしょうし、それが身分証明と直結している国や地域もあるはずで、それらの国や地域はもはや、それがなければ「物を買うことも、売ることもできない」世界です。
いろいろと「そういうの」が実現していっているのですよね。
ちなみに、冒頭に抜粋したヨハネ黙示録の部分は、有名な「 666 」が出てくる以下の下りにつながります。
ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。
数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。
そういえば、体内に埋め込む装置という話として、少し前に、「肥満を治療するためのインプラント装置」が米ウィスコンシン大学の科学者たちにより発明され、それについての論文が科学誌ネイチャーに掲載されたことが報じられました。
2018年12月17日の米国科学メディアの記事より
これは、脳と胃の間の迷走神経を刺激して、その通信をすべて「遮断」するというメカニズムだそう。
要するに、体内に埋め込まれた装置が「胃からのお腹が空いたという信号を脳に送らない」という働きをして、食欲を起こさないようにするというもののようです。
まだヒトでの臨床は行われていないですが、近いうちに始まるかもしれないとのことでした。
「埋め込み型」のフレーズでさらに思い出したのは、「体内に埋め込んで《避妊》するインプラント」です。
少し前の記事ですが、以下のようなものです。
体内に埋め込んで妊娠をコントロールする無線式「避妊インプラント」、販売へ
WIRED 2014/07/10
リモコン操作が可能で、16年間機能が持続する無線の避妊インプラントが、2018年に米国の店頭に並ぶ予定だ。
チップ自体の大きさは2×2×0.7cmほどで、臀部、上腕、または腹部の皮下に挿入する。このチップから、ホルモン剤のレボノルゲストレルが毎日投与されることになる(レボノルゲストレルは黄体ホルモン剤のひとつで、経口避妊薬・IUD〈子宮内避妊具〉・緊急避妊薬などの有効成分として用いられている)。
このチップの素晴らしいところは、16年にわたって避妊できるだけのホルモン剤を蓄えておけるという点だ。
その間、維持管理も不要だ。体内のチップは安全なケースに覆われており、1回分の30マイクログラムが放出される間だけ、薬剤が蓄えられている領域に電流を流し、シールを溶かす。
これら様々なものについて、良い悪いの価値判断はできないにしても、いろいろと機械を体内に埋め込んで生活していくような感じが広がるのでしょうかね。
とてもヨハネの黙示録的な世の中に着々となっていることを感じながら、もしかすると、来年はこれがさらに進むのかなとも思います。
来年は最初のほうの時期からわりと大変な感じになっていく気配もありますけれど、どのようなことになっていきますでしょうかね。
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