月の状態と大地震の発生の関係をさらに調べてみました
・写真はギリシャのコルフ島の満月。Starship Asterisk
前回の記事、
・噴出する「地震を起こすものの正体」: 月、重力、太陽活動、宇宙線、惑星直列
2016/04/23
は、元USGS(アメリカ地質調査所)の地質学者が、「巨大地震は満月と新月の日に起きやすい」と述べていたことを聞きまして、それは本当なのだろうかと、少しだけ調べてみたことなどを書いたのですが、古い年代ですと、満月はわかっても、新月のほうがわからないものなどがありました。また、過去の満月・新月の参考にしたのは、海外のサイトで、地震の日付けは日本時間ですので、1日ほどのズレがある場合があることにも気づき、それを含めて、もう一度調べたいと思っていました。
そうしましたら、インドネシアにおすまいのお知り合いから、過去の満月と新月(西暦 1500年代まで)をシミュレートできるウェブサイトがあることをお教えいただきました。それは、
というウェブサイトで、他にも役に立つシミュレーション計算がいろいろできるサイトでした。
いろいろと便利なサイトがあるものですね。
それで、その気象庁のデータをもとにして、過去の巨大地震をいろいろと確認してみましたので、そのデータを記しておきます。
前回の記事同様、満月と震源と地震発生日が同じか、前後3日以内の場合、赤い字で表示してあります。
ちなみに、満月と新月というのは、太陽の光と地球の関係からは、下のようになる時のことで、満月は最も明るい状態、新月は月最も暗い(見ることができない)状態です。
満月と新月
・宇宙ワクワク大図鑑
基本的なことを学ぶには、子ども向けのサイトが一番わかりやすいです。
では、データに入りたいと思います。
今回は、
- 歴代でマグニチュードが大きかった10の地震
そして、さらに、
- 21世紀のマグニチュード8以上の地震
もピックアップしてみました。
21世紀に発生した全世界のマグニチュード8以上の地震は全部で 20個で、すべて環太平洋火山帯で発生しています。
その3つの項目の、それぞれの巨大地震と満月・新月の関係です。
歴史上の巨大地震と満月・新月の関係性
後ろの「満月」か「新月」が赤で表示されているものは、地震発生日と満月か新月のどちらかがシンクロしているものです。
歴代でマグニチュードが大きかった地震
- 1 チリ地震 1960年5月22日 M 9.2 – 9.5 (満月は5月11日 / 新月は5月25日)
- 2 スマトラ島沖地震 2004年12月26日 M 9.1 – 9.3 (満月は12月27日 / 新月は12月12日)
- 3 アラスカ地震 1964年3月28日 M 9.1 – 9.2 (満月は3月28日 / 新月は3月14日)
- 4 アリューシャン地震 1957年3月9日 M 8.6 – 9.1 (満月は3月16日 / 新月は3月2日)
- 5 東北地方太平洋沖地震 2011年3月11日 M 9.0 (満月は3月19日 / 新月は3月2日)
- 5 カムチャツカ地震 1952年11月4日 M 8.8 – 9.0 (満月は11月2日 / 新月は11月17日)
- 7 チリ・マウレ地震 2010年2月27日 M 8.8 (満月は2月28日 / 新月は2月14日)
- 7 エクアドル・コロンビア地震 1906年1月31日 M 8.8 (満月は2月9日 / 新月は2月25日)
- 9 アリューシャン地震 1965年2月4日 M 8.7 (満月は2月16日 / 新月は2月2日)
- 10 スマトラ島沖地震 2005年3月28日 M 8.6 (満月は3月26日 / 新月は2月10日)
このようになり、歴史上で最も大きかった 10の地震のうち、7つの地震が、満月あるいは新月の時期とリンクしていたことがわかります。
次に、21世紀になってから発生したマグニチュード8以上の地震です。
マグニチュード8以上となりますと、あまり起こっていないと思っていましたが、2001年から 2015年に間に 20の地震が起きていました。すべて、環太平洋火山帯において発生したものです。
21世紀のマグニチュード8以上の地震
- 2001年6月23日 ペルー沖で地震 - M 8.4 (満月は6月6日 / 新月は6月21日)
- 2003年9月26日 十勝沖地震 - M 8.0 (満月は9月11日 / 新月は9月26日)
- 2004年12月23日 オーストラリア、マッコーリー島周辺で地震 - M 8.1 (満月は12月27日 / 新月は12月12日)
- 2004年12月26日 スマトラ島沖地震 M 9.1 – 9.3 (満月は12月27日 / 新月は12月12日)
- 2005年3月28日 スマトラ島沖地震 - M 8.6 (満月は3月26日 / 新月は3月10日)
- 2006年5月4日 トンガで地震 - M 8.0 (満月は5月13日 / 新月は5月27日)
- 2006年11月15日 千島列島沖地震 - M 8.3 (満月は11月5日 / 新月は11月21日)
- 2007年1月13日 千島列島沖地震 - M 8.1 (満月は1月3日 / 新月は1月19日)
- 2007年4月2日 ソロモン諸島で地震 - M 8.1 (満月は4月3日 / 新月は4月17日)
- 2007年8月15日 ペルー地震 - M 8.0 (満月は8月28日 / 新月は8月13日)
- 2007年9月12日 スマトラ島沖地震 - M 8.5 (満月は9月27日 / 新月は9月11日)
- 2009年9月29日 サモア沖地震 - M 8.1 (満月は9月5日 / 新月は9月19日)
- 2010年2月27日 チリ・マウレ地震 - M 8.8 (満月は3月1日 / 新月は2月14日)
- 2010年4月6日 スマトラ島沖地震 - M 8.0 (満月は4月28日 / 新月は4月14日)
- 2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震 M 9.0 (満月は3月19日 / 新月は3月2日)
- 2012年4月11日 スマトラ島沖地震 - M 8.7 (満月は4月11日 / 新月は4月21日)
- 2013年2月6日 ソロモン諸島で地震 - M 8.0 (満月は2月26日 / 新月は2月10日)
- 2013年5月24日 ロシア、オホーツク海で地震 - M 8.4 (満月は5月25日 / 新月は5月10日)
- 2014年4月1日 チリ沿岸北部で地震 - M 8.2 (満月は4月15日 / 新月は3月31日)
- 2015年5月30日 小笠原諸島西方沖地震 - M 8.1 (満月は6月3日 / 新月は5月18日)
ということで、21世紀に世界で起きた 20の地震のうち、12の地震が、満月か新月と時期的にシンクロしていますが、このくらいだと、要するに大体半々くらいですので、微妙ですね。マグニチュード7以上などを加えて、もう少し範囲を拡大してみたいですけれど、意外と時間のかかるものでして、今回は、ここまでのものとなります。
いずれにしましても、これらの巨大地震と満月・新月の関係性をどのようにご覧になるかは、読まれている方のご判断にお任せしますが、もう少し何かの要素を加えて調べて見ると、何かの傾向は見えてくるような気もしないでもないです。