WHOのテドロス事務局長が2019年1月に投稿した中国保健当局との会議の写真。中央に「シヴァ神」
・Tedros Adhanom Ghebreyesus
世界の保健衛生を担うマルクス・レーニン主義者の名は
今回のパンデミックに関して、世界保健機構 WHO のテドロス事務局長について、いろいろと言われることがあります。
私などは、この事務局長のことをまるで知らなく、顔が何となく「腹話術の人形系」であることなどもあり、何となくぼんやりとしたお役人なのかなあ、くらいにしか思っていませんでした。
ところが、昨日、イスラエルの報道メディアの記事を読みまして、
「この人はそういう人ではない」
ことを知りました。
このテドロス事務局長という人は、もともとエチオピアで最も極左的な政治集団である「ティグレ人民解放戦線」のメンバーであり、そして、WHO の事務局長の地位に関しても、「どこからかの資金により、金銭で勝ち取っている」可能性が高いようなのです。
つまり、「何かの目的のために」何が何でも世界の保健当局のトップになろうとしたようなのです。
また、最近、アメリカは、テドロス事務局長が率いる WHO が「中国寄りにすぎる」ことを理由として、アメリカの WHO への資金拠出を停止しました。
ドナルド・トランプ米大統領は14日、世界保健機関(WHO)への資金拠出を停止するよう指示したと表明した。新型コロナウイルス対策において、WHOは「基本的な義務を果たさなかった」と述べた。
アメリカは国連機関のWHOにとって最大の拠出国。昨年はWHOの年間予算の15%弱に当たる4億ドル(約430億円)を拠出している。
トランプ氏はこれまでWHOについて、過度に中国寄りだと非難してきた。 (BBC 2020/04/15)
しかし、さまざまな記録を見ますと、テドロス事務局長は「中国寄り」というより、「中国と一体」である存在でさえあることがわかります。
たとえば、3月16日のエポックタイムズ日本語版には、以下のように記されていました。
中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」は3月12日、「テドロス氏を守ろう!氏は中国支持で西側から激しく攻撃されている」と題する評論記事を発表した。(中略)
環球時報は、テドロス氏とWHOが中国当局から金銭的支援を受けたため、中共肺炎をめぐって中国当局に肩入れしたとの海外メディアの主張を否定した。
その一方で、同紙は、中国当局が3月9日、WHOに対して2000万ドル(約21億円)を寄付すると決定したことや、「2015年以降、中国のWHOへの拠出金が50%以上増えた」と強調した。
また、2005~16年まで、テドロス氏がエチオピアの保健相や外相を在任中、同国は「中国から130億ドル(約1兆3873億円)以上の融資を受けた」と言及した。 (epochtimes.jp)
2005年からの融資額が約 1兆3873億円というのは、エチオピアの経済規模から見るとものすごいですが(2005年のエチオピアの GDP はおおむね 1兆5000億円)、そういう昵懇中の昵懇という感じのようなんですね。
以下は、中国紙にあったイラストです。
そのような「革命戦士」であるテドロス事務局長が、昨年 1月に「自ら」ツイッター上に投稿したのが、冒頭の「シヴァ」と共にある写真なのです。
それについてのイスラエルの報道をご紹介します。
今の世界の現実を見ていますと、象徴的なものがあります。
WHO の最高責任者とシヴァ神との会議での写真 : その神はヒンドゥー教の「破壊の神」
Photo Surfaces of WHO Chief Meeting Chinese Officials with Shiva: Hindu ‘God of Destruction’
Breaking Israel News 2020/04/16
昨年の 1月、世界保健機関 WHO の事務局長がツイッターに投稿した一枚の写真は、それは一見何でもない写真のように見える。しかし、よく見ると、この WHO と中国の保健衛生組織との間の会議が描かれているこの写真は、「違和感」に満ちあふれている。
たとえば、この WHO と中国の会議が、ヒンドゥー教の破壊神とされる「シヴァ」と呼ばれる神の像と重ねられていることがわかるのだ。
今、WHO の役人たちと中国の保健当局の間のハイレベル会議を示すこの写真の意味が再び話題となっている。この写真は、2019年1月に、WHO の事務局長を務めているテドロス・アダノム氏のツイッターフィードに投稿された。
その会議の中央には、破壊神として知られるシヴァが鎮座している。
ツイートに、テドロス事務局長は以下のように記している。
WHO と中国は、長く生産的なパートナーシップを楽しんできた。 WHOは、2000人を超える中国人医療従事者の海外研修を支援できたことを誇りに思っている。私たち WHO は、一帯一路を通じて、他国の医療システムを強化するという中国の取り組みに感謝している。
テドロス事務局長は「2,000人を超える中国人医療従事者の海外研修」を支援することにより、中国の「一帯一路」への WHO の参加を祝う機会であったと述べている。
中国の「一帯一路」は、健康衛生管理とは何の関係もないもので、それだけに、このテドロス氏の言葉は、会議にヒンドゥー教のシヴァ神の像が置かれていることより不可解なことでもある。
中国の一帯一路は、2013年に中国政府が採用した世界開発戦略であり、アジア、ヨーロッパ、アフリカの約 70か国と国際機関へのインフラ開発と投資を含む。
現在、一帯一路は英語で「The Belt and Road Initiative (帯と路の取り組み)」とされているが、以前は「One Belt One Road (1つの帯、1つの路)」と名付けられていた。しかし、2016年に中国政府が「1つ」という単語の強調が誤解を招きやすいと考えたため、名前が変更された。ただし、「One Belt One Road」は依然として中国語のメディアでは使用されている。
明記された一帯一路の目的は、「文化的な交流と統合を通じて、統一された大きな市場を構築し、国際市場と国内市場の両方を最大限に活用して、加盟国の相互理解と信頼を高め、資本流入、人材プールを、テクノロジーデータベースにより革新的なパターンで行う」こととなっている。
批評家たちは、これを中国を中心とした貿易ネットワークによる世界情勢での中国の支配の推進力と見なしている。
アメリカのトランプ大統領は「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」という名称のプログラムで、一帯一路に対抗するために静かに取り組んでいる。欧州連合は、いくつかの加盟国の反対にもかかわらず、一帯一路をサポートしている。
シヴァはヒンドゥー教の主要な神の 1つであり、ブラフマー(ヒンドゥー教の創造神)とヴィシュヌ(ヒンドゥー教の重要な神)を含むトリムルティ(ヒンドゥー教の三位一体)の中で「破壊者」として知られている。
ヒンドゥー教では、シヴァは恩恵を与える者であると同時に「万物を破壊する者」であるという二重性を表している。
インドの神話学者であるデブダット・パッタナイク(Devdutt Pattanaik)氏は、シヴァが現代の企業社会にどのように適合するかを説明する記事をエコノミックタイムズに記している。
そこでは、「組織というものは、何かを達成したいという願望を持つ人々によって構築されている」とパタナイク氏は書いている。この欲望は彼らを組織の創設者であるブラフマーにするが、彼らの欲望が止まり組織を手放すと彼らは破壊者であるシヴァになる。
ヒンズー教は中国政府によって承認された 5つの宗教の 1つではないので、なぜ、中国の公的な会議で、ヒンズー教の神の像が会場に展示されたのかは不明だ。
これを見て思い出すこととしては、スイスにある CERN として知られる欧州原子核研究機構の入り口に目立つように破壊された破壊者シヴァの大きな像だろう。
CERN は世界最大の素粒子物理学研究所を運営している。物理学者のフリッチョフ・カプラ氏は、「現代の物理学者たちにとって、シヴァのダンスは素粒子のダンスである」と、CERN の正門に設置されている謎めいたシヴァ像の存在を説明していた。
2012年、CERN は国連の公式のオブザーバーステータスを付与された。
核研究組織の創設以来、核の研究とシヴァが関連してきたことに注目することも興味深い。
第二次世界大戦の終わりに日本に投下された原子爆弾に関する研究により、「原子爆弾の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーは、1945年に行われた最初の原子爆弾実験の際に、ヒンドゥー教の聖典「バガヴァッド・ギーター」からシヴァ神に言及する部分を以下のように引用している。
「私は死となった。そして、世界の破壊者となった」
とオッペンハイマーは述べた。
オッペンハイマーは、核兵器には、ヒンドゥー教の神シヴァのように本質的に二元性があり、恐ろしく破壊的であることを指摘したと考えられている。
しかし、今回のツイッターの投稿者である WHO のテドロス事務局長の過去の経歴を考えると、このシヴァの写真はさらに不穏なものかもしれない。
エチオピア出身のテドロス氏が WHO 事務局長に立候補した時、エチオピア国内でも、その立候補に激しい反対意見が出た。
その理由は、テドロス氏は「ティグレイ人民解放戦線」に所属しているためで、この政治団体は、明らかにマルクス主義イデオロギーと、多くの人権侵害の記録を伴うエチオピアで最も強力な武装解放運動を行っていた団体であるためだ。
ティグレイ人民解放戦線は、自己決定を究極の社会主義革命の出発点と見なしている。また、ティグレイ人民解放戦線は、WHO におけるテドロス氏の立候補に数百万ドル(数億円)の資金援助を提供している。
さらに、テドロス氏がエチオピアの保健省のトップだったとき、テドロス氏はジャーナリストたちがエチオピア国内での疑わしいコレラ症例について報告するのを思いとどまらせ、故意に命を救う行動を阻止したことで知られている。
テドロス氏の保健省はこれらの伝染病に充当された 700万ドル(8億円)以上の資金を流用したとして告発されている。
テドロス氏は、WHO での彼の最優先課題として、普遍的な健康保険を特定した。
2017年、テドロス氏は、人権侵害の恐ろしい記録を持つリーダーであるジンバブエのロバート・ムガベ大統領を WHO 親善大使として任命した。
現在、テドロス氏の指揮下にある WHO は、コロナウイルスの蔓延に対するその反応について強く批判されてきた。テドロス氏は一部の政府高官や専門家たちから批判され、流行を食い止めようとする彼の努力においての行動が機敏ではなく、そして、パンデミックが発生した中国政府との関係が近すぎると考えられていた。
テドロス氏は中国の封じ込め措置を称賛し、それらを「アウトブレイクコントロールの新しい基準」として説明し、情報を抑制する中国の努力を褒め、批判された。
ここまでです。
うーん……もう何が起きているのやら……。
下が WHO と中国保健当局との会議で中央におかれていたシヴァ像です。
「私は世界の破壊者となった」
なお、シヴァ神というのは、ヒンドゥー教の最高神と呼ばれることもありますが、ヒンドゥー教というのは、「三神一体(トリムルティ)」とされていて、
・シヴァ
・ブラフマー
・ヴィシュヌ
が同様に重要で、その中で、シヴァは、
「破壊と再生をつかさどる神」
とされています。
シヴァは「1116の異名を持つ」と言われているそうで、その名称の中には、「万物を破壊する者」「恐怖を与える者」というものがある一方で、「恩恵を与える者」などがあります。
テドロス事務局長と彼が率いる WHO は、このシヴァ像にどんな意味を込めて、そこに置いたのか。
ところで、テドロス事務局長が所属しているエチオピアの政党「ティグレ人民解放戦線」は、 Wikipedia によれば、以下のような歴史を持つようです。
ティグレ人民解放戦線の歴史
・1970年代初頭の地下活動を行っていたエチオピアの反政府組織が前身
・1973年頃からエチオピアの反政府運動の中心的役割を果たすように
・1975年2月、マルクス・レーニン主義を掲げるティグレ人民解放戦線を結成
・1991年 エチオピアの政権の座に就く
・現在まで、エチオピアの与党連合として政権の中枢に
このような政権で、保健大臣、外務大臣などを歴任したのが、テドロス事務局長だったようです。
そのテドロス事務局が、「シヴァ」を象徴的に会議のテーブルの上に乗せて、中国との会議を開催している。
世界は複雑であります。
なお、先ほどのイスラエルの報道では、「原子爆弾の父」として知られるロバート・オッペンハイマーが、最初の核実験の際に、以下のシヴァの言葉を口にしたことにふれています。
「私は死となった。そして、世界の破壊者となった」
このオッペンハイマーが言ったとされる言葉を、WHO のテドロス事務局長が述べたとしても不思議ではないというのも感慨深いです。
こんな中で、以下のふたつの「破壊」に関しての報道が続いていました。
パンデミックの中、中国が核実験をした可能性と、アメリカが核実験を行う可能性について言及した記事です。
中国の核実験の可能性について言及した米ウォールストリートジャーナルの記事。
・WSJ
ロシアの外務副大臣がタス通信に語った内容について伝える報道。
・almasdarnews.com
死と破壊のカオスの連鎖がまだまだ続いていくのですかねえ。
何となく、現在のパンデミックは、これから起きることのほんの序章といった雰囲気も強くなってきています。
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