ギリシャ・コルフ島で目撃された巨大な火球 2017年6月3日
この6月は、まだ1週間しか経っていないですが、さまざまな天体の落下に関する報道がとても多く、また、火球の目撃も大変多くなっています。
そして、そういう時期に、現在の流星群と直接関係あることではないですが、
「流星群の小惑星が地球に衝突する危機が極めて高まっている」
というようなタイトルの報道がなされたりしていて、いろいろと天体について考える日でしたので、最近の天体についてのいくつかの報道などについてご紹介しておきたいと思います。
それぞれが断片的なご紹介になかるかもしれないですが、ここ数年少しずつ増えている「天体の衝突の影響」というものが、今年さらに極大化していくものなのどうかということも気になります。
まずは、現在、地球が発生源不明の流星群の流れの中にあることについてです。
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DAYTIME METEOR SHOWER
Spaceweather 2017/06/07
日中の流星群
今週、地球は、未知の発生源からの流星の破片の流れの中を通り抜けている。そして、その影響により、地球では広い範囲で昼間の流星を引き起こしている。
昼間の流星は肉眼ではほとんど見えないが、流星は電波を反射するために、天文学者たちは流星群が進行中であることを関知することができている。
カナダにある隕石軌道レーダー(Meteor Orbit Radar / CMOR)のデータによれば、現在この流星群のホットスポットは、太陽からそれほど離れていない牡羊座にある。
このアクエリズ流星群(Arietid ) は、毎年6月上旬に発生し、今年は、6月7日(日本時間 8日)にピークに達する。観測条件が良ければ、その際には 1時間に 60個以上の流星が見られ、今年最も活気のある流星群の1つとなる。
アクエリズ流星群がどこからやってきている流星群なのかはわかっていない。
天文学者の中には、小惑星1566イカルス、あるいはマックホルツ彗星(96P / Machholz)からの破片ではないかと考える人たちもいるが、確証はない。
ここまでです。
このアクエリズ流星群というものは、その流星の源が突き止められていないものなのだそうですが、それが今日から明日にかけて最大の活動状態となるということのようです。
そして、この流星群と関係があるわけではないのでしょうけれど、この数日、世界では「奇妙な落下物」について多く報じられています。
どこから来ているのかわからない流星群の直撃の中、世界中で展開する様々な火球と落下物
まずは、アメリカのフロリダ州で、
「空から氷が落ちてきた」
というニュースが、数日前にありました。
2017年6月2日の米国の報道より
フロリダ州のケープコーラルという場所で起きたもので、上の写真だけ見ると雪が降ったような感じのものですが、実際には「氷の塊」として降ってきたものが、地面に衝突した際に破裂して上のようになったものです。
フォックスニュースは以下のように報じています。
・民家の庭に巨大な氷の塊が落下した
・地面への衝突で、氷は周囲約9メートルに氷の破片として散らばった
・気象状況から雹(ひょう)ではない
・雪ではない(6月のフロリダに雪が降ったら、大ニュース)
・気象局やNOAAに問い合わせたが、まだ返答なし
このようなもののようです。
被害は特になかったのですが、周囲9メートルに散らばるような氷の塊が、頻繁に落ちてくるようでは物騒ではあります。
あと、6月6日にイタリアのインヴェリーゴという街で、これは雹は雹なんですが、「形の奇妙な雹」が降ったことが SNS を通じて伝えられていました。
イタリア・インヴェリーゴの集落に降った雹 2017年6月6日
カメさんっぽい雹ではあります。
これらの「氷が降ってくる」ニュースを見ていて、ふと「 In Deep を書き始めた最初の頃にどこかで氷の塊が降ってきたことを紹介した気がするなあ」と探してみましたら、
・中国:晴天の中を巨大な氷の固まりが空から落ちてきた
2010/06/22
という7年前の記事が見つかりました。
2010年6月18日の中国の報道より
この写真は、民家の屋根なんですね。つまり、広い中国の広大な河北省で「民家にピンポイントで落ちてきた」というあたりも、趣のあるニュースでした。
この時の記事を読みますと、
この9日前にも、豊寧郡承徳市で、同時に3カ所に3つの大きな氷の固まりが降っている。それぞれが突然音を立てて落下し、それらは30センチ未満で、75センチ程度の穴を地面に開けた。
ということで、このときの中国では続けざまに氷が降っていたようです。
この時の中国と今回のフロリダの共通点は「晴天の中を氷が降って来た」ということで、普通に考えますと、雹などの気象現象ではないといえそうです。
そして、おそらくは「天体」だと思われます。
「氷隕石」という概念がありますが、要するに「天体の破片などの氷の塊がそのまま地球に突っ込んでくる」というもので、そういうたぐいなのかもしれません。
ただ、氷が宇宙からやって来た場合、大気圏に突入する段階の熱で相当溶けてしまうと思われますので、中国やフロリダのように直径1メートルにの近いような塊が落ちてくるとすると、「元々が相当大きなもの」でないと、形が残ったまま地上に衝突するのは難しいです。
6月6日には、インドのジャイプールという街に、
「岩のようなものが降ってきた」
ことにより住民たちがパニックになったことが報じられています。
短い報道ですので、ご紹介します。
Rock-like object falls from sky, appears to be meteorite
DNA India 217/06/06隕石かもしれない岩のような物体が空から落ちてきた
インド・ジャイプールの郊外で、空から落ちてきた謎の岩のようなものが、地元の住民たちの間にパニックを引き起こした。
暗い灰色をしたその物体は隕石のように見え、重さは約4キロだった。 警察によれば、他にもその周辺では岩のようなものがいくつか見つかった。
現在、インド地質調査所と科学捜査研究所の関係者が調査しているという。
こちらも「複数降っていた」と見られるようですが、これもやはり形が残っているということで、天体が地表に直接影響を与えた例といえそうです。
火球もずいぶんと報告されている今週ですが、そういう「天体の衝突のことを思い浮かびやすい日々」を過ごしていた今日、下のようなニュースが出ていました。
流星群の小惑星が「地球に衝突する可能性が高まっている」とするプレスリリースに関してのものです。ここに出てくる「おうし座流星群」というのは、毎年 10月中旬から 11月下旬にかけて地球が体験する流星群ですが、その中の比較的大きな小惑星が地球に衝突する可能性が極めて高いというものです。
今回は、この記事から抜粋してご紹介して締めさせていただきます。
ちょっと断片的な内容となりましたが、天体のことについては、今年これからもふれることが多くなると思いますので、過去からの流れなども含めて、まとめられる時にまとめたいと思っています。
流星群に未知の小惑星か、地球衝突の危機高まる チェコ研究
AFP 20107/06/07
チェコの天文学者チームは6日、「おうし座流星群(Taurids)」として知られる流星群の小惑星が地球に衝突する危険性が高まっているとの研究結果を発表した。
チェコ科学アカデミーの天文学者チームは、おうし座流星群のうち大気中で爆発する大型の流星144個を分析し、そこで直径200~300メートルの小惑星を少なくとも2個含む新たな分枝を発見した。今回の結論は、この分析結果を元に導き出されたものだ。
チェコ科学アカデミーはプレスリリースを発表し、「この分枝には、直径が数十メートル以上の未発見の小惑星が多数存在する可能性が非常に高い」「よって、地球がこの惑星間物質の流れに遭遇する数年に1回は、小惑星と衝突する危険性が著しく高まる」と述べている。
集団で太陽を周回している天体で構成されるこの新発見の分枝は、数年に1回の間隔で約3週間にわたり地球と遭遇する。そのため、「この3週間の間、(直径数十メートル級の)より大型の天体との衝突確率が著しく高くなる」のだという。
また、これらの小惑星は非常にもろく壊れやすいが、これほどの大きさがある場合では、地球大気の深部にまで到達して、実際に地球と衝突する可能性も考えられるとしている。