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4月19日にメルマガ私たち現生人類は「鉄の種族」であることから思う生き方を発行させていただきました。

2020年からの世界 人類の未来 日本の未来

国家総動員法にあたる「人民戦争」を中国が宣言する中、「私たちはウイルス黙示録にとても近い時代に生きている」ことを初めて知る

投稿日:2020年2月9日 更新日:


米CDCが保管する天然痘ウイルス。Smithsonian




 

中国が人民戦争を宣言した理由

中国でのコロナウイルスの状況は、もはやどうなっているのかよくわからなくなっている中で、欧米などのメディアはさまざまに報じています。

英インペリアルカレッジ・ロンドン医学部の副学部長であるニール・ファーガソン教授は、MRC 国際感染症分析センターのインタビューに対して、

「中国では、1日に 50,000件の新規症例が発生していると推測される」

と述べていました。

このインタビューをまとめた記事によれば、教授が述べた要点は以下のようになるようです。

ニール・ファーガソン教授の分析

1. 中国では 1日 50,000件の新規症例が発生
2. 感染者は 5日ごとに倍増する
3. 死亡率はまだ不明
4. 中国では 3月に感染のピークを迎えると予測
5. そのため、流行のピークはまだ 1か月先になると見られる
6. この流行を 2003年の SARS で行ったように制御することは非常に困難
7. 今回のアウトブレイクは常に過小評価されている
8. 疾患による致死は遅い場合で最長 3週間後
9. 報告された中国国外での死亡例は、この致死の遅れからいまだ安心材料ではない
10. 私たちはまだこの感染症に関する完全な影響を知らない

ファーガソン教授の「 1日 5万人ずつ感染者が増えている」という数値は、激しいものですけれど、しかし、たとえば、今、アメリカは信じられないほど強力な季節性インフルエンザの猛威にさらされていますけれど、1月 3週から 4週の間だけで、CDC の推定によると、「 1週間で最大 1000万人患者が増えた」と見られていることなどを見ましても、強い感染力を持つ感染症の場合は、1日数万人ずつ患者が増えるというようなことはあり得るようです。

アメリカのインフルエンザの最新数値は、以下の記事でふれています。

アメリカの季節性インフルエンザがさらに爆発的流行。米CDCは感染者数が最大で3100万人に達していると発表。死者は最大3万人に
投稿日:2020年2月8日

また、ファーガソン教授の言うような数値に関しては、今の中国当局がおこなっていると見られる「大胆な政策」からも伺えます。

それは、英テレグラフが 2月7日の報道に記していた以下の驚くべき数値です。

Almost 400 million people are now under some from of coercive quarantine.
(現在、約 4億人が強制隔離処分を受けている。)

この記述がある程度本当だとすれば、日本の人口の 3倍より多い人数の人たちを、「強制的に制御している」ということになり、さすがというべきなのか、何というべきなのかわからないですが、ものすごいことをしている感じですけれど、このような強制的なことを行えることには、理由があるように思われます。

先週の時点で、中国政府はコロナウイルスに対して、

「人民戦争を宣言」

したことがアメリカのメディアで報じられていました。

日本でもこの「人民戦争」という言葉が使われた報道が出ていました。

中国の習近平国家主席が、アメリカ大統領に以下のように述べたことが伝えられていました。

「我々は速やかに反応し、病気を防ぐ“人民戦争”を開始した」 テレビ朝日

アメリカのジェイムズタウン財団は、中国の「人民戦争」を以下のように定義づけています。

「人民戦争とは持ち得るすべての力を戦争に動員することであり、平時には予備役が『社会化』、あるいは軍の『外部』に置かれている状況を指す」としており、近代軍隊の特徴である職業軍人と国民が別々に存在するのではなく、民間および国民は軍事の準備形態であるとされる。

人民戦争理論

人民戦争は、中国の国民全員が参加する戦争だということで、つまりは「何でもできる」というか、「何にでも従わなければならない」というようなことになるようです。

公表されている中国でのコロナウイルスの患者数は、現在 3万人台で、死者が 800人ほどとされていますが、このような数値で、

「 4億人の人口を強制的に隔離する」

というようなことがあり得るかどうかということかもしれません。この 4億という数字が、現実に起きていることを示しているような感じもいたします。

そのようなことから、実際の中国国内での感染拡大状況は、ファーガソン教授の言うように、公表されている数値よりかなり大きなものなのかもしれません。それを外部の人間が知ることはできないでしょうけれど。

なお、1週間ほど前、以下の記事で、コロナウイルスが「排泄物から感染する」可能性と、それがエアロゾル化して、事実上の大気感染化が起きている可能性について書いたことがあります。

武漢ウイルス最新情報 2020-02-02 感染者の遺体や排泄物からも感染が拡大することが判明

このことが、本日 2月9日に、日本語でも報じられていました。報じたのは、韓国の中央日報です。

中国「新型肺炎、飛沫・接触のほかエアロゾル通じた感染可能」

中央日報日本語版 2020/02/09

新型コロナウイルによる肺炎が飛沫や接触だけでなくエアロゾル(空気中に浮遊する微粒子)形態でも感染するという主張が中国から出た。

中国メディアの澎湃によると上海市民政局の曽群副局長は8日の記者会見で衛生防疫専門家の意見として「現在の確定的な新型肺炎感染主要経路は『直接感染』『エアロゾル感染』『接触を通じた感染』と判断される」と明らかにした。

特に曽副局長は「エアロゾル感染は飛沫が空気中で混ざり合ってエアロゾルを形成し、これを吸入して感染するもの」と説明した。

続けて予防と関連し、「一切の社会活動関連の会合を取り消すべき。新型肺炎状況が激しい地域の知人や友人が訪ねてこようとする場合には止めるべきだ」と話した。

この中に、上海の市政局副局長の、

> 一切の社会活動関連の会合を取り消すべき

という言葉などがあり、巨大都市である上海市の当局者がこのように述べているということは、中国の経済活動は今後さらに停滞する可能性もあり、それは周辺各国がすべて影響を受けるということでもあります。旅行をする中国人の数も今後も停滞し続けそうです。

なお、アメリカでは、ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)の局長が、全米アカデミーへ送った書簡の中で、科学と医学の専門家たちに「迅速にウイルスの《起源》を調べるよう要求」したと ABC ニュースは伝えています

この ABC の記事の中で、記者は、米国立アレルギー感染症研究所の所長であるアンソニー・フォウチ博士に、以下のように尋ねています。

「新型コロナウイルスが、人為的に設計されたもの、あるいは意図的に放出された可能性があるという誤った情報についての懸念をどうお考えですか?」

フォウチ博士の答えは、

「その懸念は常にあります」

でした。

ホワイトハウスの科学技術政策局が、科学者たちに早急な「ウイルスの起源」の調査を依頼したことも、このことと関係しているのかもしれません。

中国以外の国では、それほど患者数は拡大していませんが、先ほどまで書きました以下の2点の可能性が事実であるとするならば、今後も感染者は拡大する可能性があります。

「ウイルスがエアロゾル化することで、感染者と離れていても感染する可能性」

「中国での感染のピークが 3月になるという予測が正しく推移するなら、他の国の感染ピークはその後になる」

なお、こちらの記事でもふれましたが、公表されている新型コロナウイルスの「致死率」は、この 10日間ほどずっと「 2.1% 」を保持し続けていて、このあまりにも正確な数値の推移は、中国人ネットユーザーなどから揶揄されています。


twitter.com

私も計算してみましたが、おおむね 2.1%で推移していました。

患者数はここのところ毎日、2500〜3000人ずつ増加しているという状態が続いていますので、明日以降に公表される感染者数と死亡者数も今からだいたい予測できそうです。

 

 

博士「たち」の異常な愛情

ところで、アメリカのメディア kxan が「歴史上で実験室で作られた 7つの致命的なウイルス」という記事を掲載していました。それは以下の通りだそうです。

実験室で作られた 7つの致命的なウイルス

馬痘ウイルス
カナダ・アルバータ大学の科学者たちは馬の天然痘である「馬痘」を作成した。天然痘とは異なり、このウイルスは人には感染しない。しかし、馬にとっては致命的なウイルスだ。科学者たちは 6ヶ月で馬痘ウイルスを作成した。研究は製薬会社トニックスによって資金提供された。

ポリオ
アルバータ大学、およびニューヨーク州立大学の科学者たちは、ポリオウイルスを作るために DNA サンプルを取得した。そして、天然のポリオと同じくらい危険なウイルスを作成した。今後もワクチンが必要であるという主張から作られた。

マウス痘
数年前、オーストラリア国立大学および CSIRO の科学者たちは、天然痘ウイルスの突然変異を誤って作成した。このマウス痘は、マウスの免疫系を破壊するマウスにとって致命的なウイルスだ。

SARS 2.0
米ノースカロライナ大学のラルフベリカ博士の指揮下にある科学者グループが、SARS 2.0と呼ばれる新しい突然変異を作り出した。この新しいウイルスは、タンパク質を SARS に追加することにより作成された。

バクテリオファージ Phi X 174
米メリーランド州ロックビルの生物エネルギー代替研究所の科学者たちによって Phi X 174 が人工的に作成された。PhiX はバクテリオファージであり、つまり細菌を殺す。ただし、人には影響しない。

鳥インフルエンザ
オランダの科学者たちは、鳥インフルエンザウイルスの致命的な突然変異を作り出した。自然の鳥インフルエンザは、人と人の感染はしにくい。しかし、科学者たちは、人から人へと簡単に伝染する新しい変異ウイルスを作りだした。

H1N1 ウイルス
ウイルス学者の河岡教授は、2009年に流行を引き起こした変異ウイルスのサンプルを採取し、それらを使用して、既存のワクチンに耐性の強いインフルエンザ株を作成した。この株は、1918年に流行を引き起こしたスペインかぜの株と似ている。現在、この致命的なウイルスは実験室に保管されているが、外部に流出するという悲劇の可能性が指摘されている。

いろいろと作られているものなんですね。

最後の H1N1 インフルエンザに関しては、最近の「40年前のアメリカの小説『闇の眼』に出てきた史上最強の創造上の生物兵器は中国武漢の研究室で作られた…」という記事で過去の報道にふれています。

こういうように、さまざまに、致命的なウイルスが人為的に作成され続けていることに対しては批判的な主張や報道が多く、2012年には、上にありますオランダの科学者たちによる鳥インフルエンザの作成を受けて、ロイターが、「鳥インフルエンザのパンデミックが人に起きる可能性はいつでもある」という記事を発表しています。

 


Bird flu pandemic in humans could happen any time
Reuters 2012/06/22

鳥インフルエンザのパンデミックが人に起きる可能性はいつでもある

世界的な大流行を引き起こす可能性のある致命的な鳥インフルエンザウイルスを幸いなことに私たちはまだ経験していない。しかし、それは決して起こらないという意味ではない。

野生の鳥インフルエンザウイルスに関する 15年間のデータを研究した後、研究者たちは、壊滅的な人間のパンデミックを引き起こす可能性のある形に変化するために必要な少数の変異を獲得するための途中にある株がすでに存在すると述べた。

現在、 H5N1 鳥インフルエンザは、鳥から鳥へ、あるいは、鳥から人間へは伝染しても、人から人へは伝染しない。

米国とヨーロッパの研究者たちによる 2つの初期の研究では、わずか 5回の変異があるだけで、H5N1 インフルエンザが哺乳類間で、場合によっては人から人へと伝播するウイルスになる可能性があることがわかったのだ。

この科学者たちの研究は「実験室でウイルスを操作して新しい変異株を生成した」ために、非常に物議をかもした。

2011年、エラスムス・メディカルセンターの科学者と米ウィスコンシン大学の河岡義裕氏が率いるチームは、強化されたバージョンの鳥インフルエンザウイルスを実験室で作成した。これは、哺乳動物間で通常のインフルエンザのように感染が広がるウイルスだ。

このタイプの研究は、H5N1 パンデミックが発生した場合に展開できるワクチン、診断テスト、および抗ウイルス薬の開発に取り組んでいる科学者たちにとっては不可欠であると考えられている。

しかし、人為的なウイルスの作成に反対する人たちは、これがテロリストによって悪用される可能性があることを懸念しており、あるいはウイルスが何らかの形で研究室から流出して拡散する可能性を心配している。

このウイルス作成に関しての 2つの論文の出版をめぐっては国際的な論争が爆発し、そのようなタイプの研究は一時的に停止されるに至った。

鳥インフルエンザに関する研究の一部として公開された H5N1 研究では、製薬会社ノバルティスのワクチンおよび診断ユニットの研究者が、世界が鳥インフルエンザのパンデミックの可能性に備える方法を概説した。

研究者は、パンデミックが発生した場合、重要なのは、既存の H5N1 ワクチンでできるだけ多くの人の免疫系を刺激し、病気の重症度を減らすことだと述べた。

 


 

ここまでです。

> このウイルス作成に関しての 2つの論文の出版をめぐっては国際的な論争が爆発

とありますが、なぜかというと、論文が発表されれば、

「そのようなウイルスの作り方が多くの人に拡散されてしまう」

からです。

それを読んで精査する人たちの中に、「一般の科学者ではない人たち」も含まれていないとは限らないわけで、ロイターの記事にもありますけれど「テロに使うような意図を持つ人たち」がまったくこの世に存在しないということではないからです。

また、先ほどの「人為的に作られた 7つのウイルス」の最初は、馬痘ウイルスというものでしたが、これについても、日本の一般社団法人 予防衛生協会は、ウェブサイト上に、

馬痘ウイルス人工合成の論文は天然痘テロに悪用される

というタイトルの記事を 2018年に掲載しています。

ここには、以下のような下りがあり、多くの科学者たちが懸念していることにふれています。

約21万2000塩基対の馬痘ウイルスのゲノムには、約18万8000塩基対の天然痘ウイルスの遺伝情報がほとんど含まれている。

この論文に書かれた手順にしたがえば、感染性のある天然痘ウイルスを合成することもできると考えられる。バイオセキュリティ専門家は、この論文の掲載は最後の一線を越えたものと懸念を深めている。

また、記事の中には、

> 研究目的を正当化する根拠は見いだせない。

ともあり、その懸念はかなりのものだと読めます。

現在流行している武漢コロナウイルスの発生源は今のところ定かではないですが、現在のこの世というのは、ここにありますように、

「いつでも人為的に作成されたウイルスによるパンデミックが発生する可能性がある」

という世でもあることを知ったのでした。

小説『闇の眼』の世界は、近いところに漂っているのかもしれません。

人為的に作られたウイルスの中には、人の免疫を回避するメカニズムが組み込まれたものもあるわけで、今回のコロナウイルスの流行と関係する話ではなくとも、そういう病原体が広まる可能性は現実として存在するようです。

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