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アメリカの人工知能が「コロナウイルスの感染者は25億人に達する」と計算する一方で「大した感染症ではない」と楽観する医療従事者者たち。事態はどちらに転ぶ?

投稿日:

2020年2月8日の米経済誌フォーブスより

Forbes




 

中国政府の公式発表をそのまま鵜呑みにしている人は世界にあまりいないとは思われますが、一応のところは、 2月5日から「中国での新規の患者数は急激に減っている」のですね。

特に、中国で劇的に減っているのが、「新たに医療機関を受診した人の数」で、2月4日まで 12万人以上いたものが、2月6日には「 309人」と劇的に減っているのです。

2020年1月26日-2月6日までの医療機関の受診者数

zerohedge.com

まるで新規の患者が「ほぼいなくなった」ようなグラフとなっているわけで、この数字が正しいのであるなら、それはありがたいことだと思います。

このような「奇跡的」な中国の数値の推移はともかくとして、やはり、まだ事態は初動ではあります。

この新型コロナウイルスが今後どうなるかということについては、専門家などをはじめ、さまざまな意見などが出ていて、「楽観的であるべきか」あるいはそうではないのか、ということは、わりと意見が分かれているようです。

冒頭の米経済誌フォーブスの記事は、タイトルこそ「 25億人が感染する」というようなおどろおどろしいタイトルですが、実際には「もっと冷静になるべきだ」とする姿勢の記事でもありました。

この記事をご紹介したいと思います。

 


AI Predicts Coronavirus Could Infect 2.5 Billion And Kill 53 Million. Doctors Say That’s Not Credible, And Here’s Why
forbes.com 2020/02/07

AI(人工知能)は、新型コロナウイルスは25億人に感染し、5300万人が死亡すると予測している。医師たちこのようなことはあり得ないとする。その理由は?

上級技術者による AI(人工知能)を活用したシミュレーションによると、新型コロナウイルスは 45日以内に最大 25億人に感染し、最大 5290万人の死亡者が出る可能性が示された。しかし、幸いなことに、感染と検出の状態は変化しており、AIが認識していない非常に重要な要素は変化する。

おそらく、この感染は、私たちが考えているより安全なものである可能性があるのだ。

それが合理的かどうかにかかわらず、新型コロナウイルスに対する恐怖は世界中に広がっている。

ネバダ州に住む友人たちは防毒マスクまで購入している。最近多くの中国人が移住してきたカナダのバンクーバーでは、医療用のマスクが完全に売り切れた。米ユナイテッド航空およびその他の航空会社は中国へのフライトをキャンセルし、各地で数千人の乗客を乗せたクルーズ船が隔離されている。

世界的なコロナウイルス感染を追跡するウェブサイトによれば、現在 24,566人が感染し、 493人が死亡し、 916人が回復している(2月5日の時点)。

そのような中で、米ヘッジチャッター社(HedgeChatter)の共同設立者であるジェームス・ロス氏は、新型コロナウイルスの世界的な拡大状況を推定するモデルを構築した。

ロス氏は以下のように述べる。

「 1日ごとの感染確認者数の増加を推計することから始めました。その後、データを取り込み、RNN (再帰型ニューラルネットワーク)モデルを使用して AI ニューラルネットにデータを積み上げ、その出力による翌日の予測を決定しました」

「そして、翌日の出力が公開されたら、そのデータを取得してトレーニングデータに追加することを 1000万回再実行しました」

これまでの結果は、感染者数は、翌日公開される数字を予測している可能性が 3%以内であるとロス氏は語るが、その数字はなかなか恐ろしいものだ。

その衝撃的な結果は以下のようになる。

AI は 1週間後には 50,000人の感染者と 1,000人の死亡者が出る予測を出しており、その日から 2週間後には、感染者が 208,000人となり、ほぼ 4,400人が死亡する。感染者が順番に他の人に感染させるにつれて数は増え続けていく。

AI によるこのモデルによると、30日以内に 200万人が死亡する可能性があり、その後、15日でさらに死亡者が拡大すると予測されている。

この数値だけ見ると、恐ろしいと思うばかりだが、しかし、良いニュースがある。この AI のモデルがすべての要素を知っているわけではないことをロス氏は知っている。

そして、複数の医師たちと医療専門家たちが述べる良いニュースとしては、ニューラルネットワークに供給される条件とデータが変化しているということだ。

これらの条件が変わると、結果は大きく変わる。

1つの重要な変化は致死率だ。

イスラエル・シバ医療センターのイヤール・レシェム教授は、以下のように語る。

「感染している人たちの大部分が無症状であるか、軽い症状しか発症しない場合、これらの患者は感染者として報告されず、中国での実際の感染者数は報告された数よりはるかに多い可能性があります。これはまた、現在 2%と推定されている致死率が、実際にははるかに低いことを意味する場合があることを示すのです」

広範な感染が現実として起きているという事態は良いニュースではないが、致死率が 0.5%や 0.1%などの、とても低いものなのであれば、コロナウイルスはそれほど重要ではない問題になる可能性がある。

また、致死率がそのように低い場合、全体的な警戒が消え、状況も変わるだろう。

それは病気の拡大の状態も変えるかもしれない。

レシェム教授は、「中国のこのアウトブレイクの効果的な封じ込めと他国への拡散の防止により、推定よりもはるかに少ない数の感染者と死亡者となることが予測されます」と言う。

米ジョンス・ホプキンス健康保険センターの上級学者であるアメッシュ・A・アダージャ博士もその意見に同意する。

「この新型コロナウイルスの症例の大部分は重症ではありません。入院患者だけでなく、集団の大規模なグループでの検査では、死亡率は低下しています。これが示していることは、この病気は、深刻なパンデミックとは程遠いということです」

ネバダ大学 公衆衛生校の助教授であるブライアン・ラボス氏は、「発生の早い段階で報告される致死率は通常、最も重い人々を最初に調査し、その多くが死亡するために、致死率が正しい数値を示していないことが多いのです」と述べる。

「新型コロナウイルスの致死率の予測は非現実的に高く出ているようです。実際には、インフルエンザは昨年 7- 8ヶ月でアメリカの人口の約 8%に感染しており、インフルエンザのほうが脅威なのです」

これらすべての要因を組み合わせることで、感染率と死亡率の両方に大きな変化が生じる可能性があり、小さな変化でさえコンピューターの予測に大きな影響を与えると、自動診断装置を製造するレクサ・ジーン社(LexaGene)の CEO であり創設者であるジャック・リーガン博士は言う。

「感染率や致死率などは、ほんのわずかな変化であっても、世界全体の致死率に大きな変化をもたらす可能性があると思われます」

このように、先ほどのような恐ろしい数字は、良い方に変化していく可能性があるわけだが、それでも私たちはまだ完全に安心できるというわけではない。

リーガン博士は、このように言う。

「今のところ、日が経過するたびに、感染者数と死亡者が増加していく様子しか見られていません」

「患者の各人が、複数に感染させているように見えるため、拡散率は増加しているようです。 つまり、加速しているように見えます。その場合、封じ込めるのがさらに難しくなります。その点からは、この病気が広がり続けることは明らかであり、ほぼ間違いなく、封じ込められる可能性が低いため、世界的なパンデミックに発展する可能性を否定はできないのです」

言い換えれば、すべての医学的努力にもかかわらず、この新型コロナウイルスが世界中に広がる可能性は高いといえそうなのだ。しかし、多くの医学的努力のおかげで、このコロナウイルスが致命的な病気になる可能性はほとんどない。

むしろ、アメリカでは、一般的な季節性インフルエンザの影響が大きい。これまでのところ、アメリカでは、このインフルエンザに 1900万人が感染し、180,000人が入院し、10,000人が亡くなっている。

しかし、インフルエンザ対策では、誰もマスクを購入したり、国境を閉鎖したり、そのためにフライトを止めたりはしない。

AI 予測を構築したロス氏はこのように述べている。

「 AI とニューラルネットを使用して多くのことを解決したり予測したりすることはできますが、モデルを微調整するために追加する必要のある変数が常に存在するのです。コロナウイルスに対しては、願わくば、政府による追加の積極的な行動により、明日の感染者数が AI 予測より日々低くなっていくことを望みます」

 


 

ここまでです。

要するに、致死率が現在発表されている 2%よりはるかに低いものなのではないかということなどから、社会は必要以上に混乱する必要はないと。

実際には、致死率が 2%より低いかどうかはなんともいえないところもあります。というのも、リアルタイムデータを見ますと、「感染者数約 3万1000人」に対して、重症者の数が 4800人以上いるのです。重症率は 15%にもなっていて、現在のところは、上の記事の医師たちが言うようなほど「軽い病気」ではないようにもうつります。

重症化率 15%は、医療専門家から見れば、大したことのない数値なのですかね。

もっとも、高齢者や基礎疾患のある人が主に重症化していると思われ、健康な人はそれほど気にしなくてもいいものなのかもしれないですが。

そして、先ほどの中国のグラフにありましたように「急速に新規の患者が減少している」というのも……、もちめん、そういうことが起きる可能性がないわけではないでしょうけれど、日本のクルーズ船の感染状況などを見ましても、相変わらず強力な感染力を保持していることが示されているわけではあり、まだ感染は広がりそうです。

なお、さまざまな感染症において、「急速に感染が消えていく」ということが実際には多くあります

というか、それがあるから多くの感染症の蔓延が止まる

ひとつの例として、1918年から始まった新型インフルエンザのパンデミックだった「スペインかぜ」も、1918年の 2回目の流行のピークの後、

「突然、致死率が下がり、そして感染も消えていった」

という記録が残っています。

感染力の高さで手に負えなかったスペインかぜは、ある時、急激に消えていくのです。

英語版の Wikipdia には以下のようにあります。

スペインかぜ - パンデミックの終わり

1918年後半に致命的な第2波が襲来した後、新しい症例は突然減少した。第2波のピーク後は、ほとんど何もなかった。たとえば、米フィラデルフィアでは、10月16日にまでの週では 4,597人が死亡したが、11月11日までには、インフルエンザはフィラデルフィア市からほぼ消えていた。

この病気の致死率が急速に低下した理由の 1つは、犠牲者がウイルスに感染した後に発症した肺炎の予防と治療方法が改善されたからだとされているが、しかし、ジョン・バリーは著作の中で、それを裏付ける証拠はないと述べている。

もう 1つの理論は、1918年のスペインかぜのウイルスが、急速に致死性の低い株に変異したと考えられることだ。これはインフルエンザウイルスでは一般的な傾向であり、より危険な株の宿主は死亡する傾向があるため、病原ウイルスは時間とともに致死性が低下する傾向がある。

Spanish flu

このように、変異によって、急速に感染力や病毒性が消えていくということはあるわけですので、コロナウイルスも、そういう時が来る可能性はあるのだと思います(逆に毒性が上がることも当然あります)。

この 1918年のスペインかぜの特徴は、国や地域によって、致死率が大きく違ったことでした。

先ほどの英語版 Wikipedia では、スペインかぜで死亡率の高かった国や地域として以下が挙げられています。

・インドでは人口の 5%(1700万人)が死亡

・タヒチでは人口の 13%が死亡

・サモアでは人口の 22%が死亡

・ナウルでは人口の 16%が死亡

・アイルランドでは人口の 10%が死亡

などとなっていて、大きな厄災だったことがわかります。

それに比べると、たとえば、日本は 1919年7月までの致死率は、

日本では人口の 0.4%(25万7363人)が死亡

と低かったのですね。

この理由は明らかになっていません。

また、このスペインかぜのとてもイヤな部分というのは、

「最も死亡率が高かったのが、妊娠した女性」

だったことで、妊娠した女性の死亡率は 23%から 71%の範囲と高く、また、感染した妊婦さんの 4分の 1以上が子どもを失ったそうです。

このスペインかぜは、今のコロナウイルスとまったく逆に、「高齢者はほとんど死亡しなかった」ことがわかっています。

先ほどの Wikipedia から抜粋しますと、

パンデミックは主に若い成人を殺した。1918年から 1919年にかけて、米国でのパンデミックのインフルエンザによる死亡者の 99%は 65歳未満の人で発生し、死亡した約半数が 20〜 40歳の若い成人だった。

というパンデミックでした。

こういう凶悪な病原体ウイルスもまた、「ある日すっと消える」のです。

さまざまな感染症がそうだと思います。

人間の医療的努力で感染を終結させたと喧伝されることもありますが、普通に見ていれば、多くの感染症は「自然にウイルスが自ら消えている」のです。

ですので、新型コロナウイルスも、変異が良いほうに向かえば、たとえば「突然、激減したように見える中国の新規の患者数」のような冗談のようなグラフも現実になるのかもしれません。





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