ブログ記事の引用・転載はすべて自由です。その際、ページのリンクを示していただけると嬉しいです。以下でキーワード記事検索ができます。

4月19日にメルマガ私たち現生人類は「鉄の種族」であることから思う生き方を発行させていただきました。

2022年からの世界 人類の未来 地球という場所の真実 拡大する自然災害 日本の未来

気象庁が「警報の解除の見込みはない」と述べる津波を世界に放ったトンガ沖の過去最大級の海底火山噴火は「暗い時代」の序章になるのか

投稿日:


現地時間 2022年1月14日 5:14pm 海底火山フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイの噴火の様子。JV Medina




 

世界の全海域に津波をもたらしているトンガ沖海底火山

今朝(1月16日)起きましたら、日本に「津波警報」が出ている。

気象庁より

津波情報

地震かと思いましたが、特に日本周辺での大きな地震はなく、報道を見ていましたら、1月15日にトンガ沖にある海底火山「フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイ火山」が噴火していたのですが、「その海底火山の噴火によるもの」のようです。

「どれだけ大きな噴火だったんだ?」とさすがに思います。というのも、フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイ火山(以下、トンガ沖海底火山)の場所は以下となりまして、日本から数千キロ離れたところにある海底火山なんです。

トンガ沖海底火山の場所と日本

Google Map

なぜ、こんな長い名前の海底火山の場所を知っているかといいますと、以前の In Deep の記事で、ずいぶんと出てきた海底火山だからです。

以下は、2015年の元旦の記事ですので、7年前ですね。

全宇宙を崩壊させたテュポンの封印が解かれる日:トンガの海底火山フンガ・ハーパイと、イタリアのエトナ島の大噴火で終えた2014年
In Deep 2015年01月01日

2014年の日本時間での大晦日に、このトンガ沖の海底火山が大爆発を起こしたのでした。

しかし、その際にも「津波」などは、少なくともトンガ周辺以外では一切観測されていなかったと思いますので、今回の噴火あるいは爆発は、規模の異なるもののようです。

21世紀は海で本当にいろいろな地質異変が起きていまして、最近はコロナで、あまり記事にすることはなかったですが、2010年くらいからの世界の海での異変は大変なものでした。

以下は、2013年の記事ですが、2010年から2013年までの海の異変マップです。図の右下にある「海底火山モノワイ」より、やや東に今回噴火したトンガ沖の海底火山があります。

2010年~2013年までに取り上げた海底に関係する異変の場所

In Deep

この後、2014年に今、日本にまで津波をもたらしている爆発を起こしたトンガ沖の海底火山が爆発しましたが、しかし、今回のは本当に巨大な噴火だったのでしょうね。

噴火の際の写真が見つかりましたが、冒頭の写真と共に、以下のように激しいものもあり、噴煙の高さは 18キロメートルに達していたそうです。


現地時間 1月14日。トンガ沖海底火山の噴火の様子。JV Medina

 

今回の津波については、気象省は、以下のように言っています。

 

Q 記者:今回かつてない現象が起きている?

A 気象庁:今まで私たちはこういう現象を知りません。原因はわかりませんが、潮位の変化による被害の恐れがあったので我々が持っている津波警報の仕組みを使って防災対応を呼びかけています。 TBS NEWS 2022/01/16)

 

それにしても、数千キロ離れた日本にも津波をもたらしているのだとすれば、他の多くの国や地域が影響を受けていると思われます。

各地の状況は今のことろ不明ですが、なんと、

「アメリカにまで津波が達している」

ようです。

日本時間の 1月16日の早朝の時点で、アメリカ各地で 50cm以上の津波が観測、報告されているのは、以下のようになっていました。

アメリカで津波が観測されている地点の一部(日本時間2022年1月16日早朝)

アラスカ州キングコーブ 85cm
アラスカ州アダク 59cm
カリフォルニア州ポートサンルイス 1m24cm
カリフォルニア州モンテレイ 70cm
カリフォルニア州クレセントシティ 82cm

zerohedge.com

アメリカの西海岸では、おおむね津波が記録されているようですので、カナダ沿岸なども同じだと思います。ポートサンルイスというところの 1メール24センチは結構なものです。

海底や海岸の地形などにより違うでしょうけれど、アメリカでもこれだけの津波が観測されているということは、このトンガ沖火山の津波は、現在「世界的」なものとなっている可能性があります。

おそらくは、以下の赤いラインで囲んだ沿岸すべてが影響を受けているのではないかと思われます。

トンガ沖の火山による津波の影響を受けていると思われる沿岸

ただ……。

異様だなと思ったのは、海底火山のすぐ近くであるトンガでは「 1.2メートル」の津波が観測されたことが報じられています。しかし、そこから数千キロ離れたアメリカのカリフォルニア州でも、1.2メートルの津波が観測されている。距離が離れていても規模が小さくなっていないように感じられるのです。

津波による被害や影響、あるいは収束が「今後どうなるのか」はよくわからないです。

というのも、このトンガ沖の海底火山は、2009年の噴火でも、2014年の大噴火でも「しばらくの間、噴火を繰り返していた」からです。

また今回、世界に津波をもたらしたのと同じような噴火が繰り返されたとすれば、津波の懸念はこれからも続くかもしれず、また報道では、気象庁は「津波警報の解除の見込みはない」として、次のように語っていることが報じられています。

 

> 「津波はしばらく続くと考えている。通常の地震による津波ではなく、どういうことが起きているのか分からず、解除の見込みは立っていない」 (気象庁)

 

なお、歴史では「地球全体が西暦 536年から暗くなった」という事象がありました。暗くなったというのは文字通りの話で、地球全体に太陽光があまり届かなくなる時期が十数年続いたのです。

この原因は、「巨大火山の噴火によるものではないか」とする説が強いのですが、最も確証的なものとしては、「赤道付近の海底火山の大噴火によるものではないか」という学説があります。

以下の記事でそれをご紹介したことがあります。

西暦536年からの十数年間「地球から太陽の光が消え暗黒の世界となった」。無数の人々の命を奪ったこの現象の原因は海底火山の噴火である可能性が高まる
投稿日:2019年12月22日

この「暗い時期」には、世界中で「疫病」が流行しました。ヨーロッパ、中国、そして日本では、天然痘と見られる大流行が起きたことが『日本書記』に記されています。

この記事でご紹介した海外報道の一部をご紹介して締めさせていただきます。この記事では、

> 赤道での海底火山の噴火は、地球全体に影響を与える可能性がある。

と述べていますが、海底火山フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイは赤道に近い火山です。

今後いろいろと気になることになるかもしれないですね。


「暗闇の年」と西暦536年から555年までの地球に大変動がもたらされた原因は海底火山活動だった

watchers.news 2019/12/19

研究者たちは、西暦 536年から 1年以上にわたって地球の全域で不可解に空が暗くなった理由の新しい解釈として、海底火山の活動を提示した。

西暦 536年からの 18ヵ月間、世界の日射量は大幅に減少し、それは地球規模での寒冷化、農業の不作、そして飢饉、疫病と壊滅的な影響を中世の各地に与えた。米国コロンビア大学にあるラモント・ドハティ地球観測所で古気候と地球外からの天体などの衝突の影響を研究しているダラス・アボット博士は、以下のように言う。

「その当時、これは世界の終わりだと人々は感じていました」

米ハーバード大学の歴史家マイケル・マコーミック氏によると、西暦 536年は、人々が生きていた中で最悪の時期のひとつだという。ビザンチンの歴史家プロコピウスは、以下のように記している。

「その年、これまでで最も恐ろしい状態が現れた。太陽は一年中、月ほどの明るさしかない光を放ち続けているのだ」

この暗闇と冷却の期間は、西暦 536年から 555年にかけて続いたが、なぜ、このように「太陽が極端に暗くなったのか」は、専門家たちにも正確な理由はわかっていなかった。

今回、アボット博士とアメリカ地質調査所(USGS)のジョン・バロン氏は、アメリカ地球物理学連合の会議で彼らの分析を発表した。彼らの研究は、グリーンランドの氷床のコアを分析したもので、この研究で彼らは海中での噴火を指摘した。

海底火山の噴火が、堆積物と海洋微生物を大気中に運び、それが地球の日光を暗くすることにつながったことを示した。

火山の噴火は、硫黄などの粒子を大気中に噴き出すことにより、太陽からの日光を遮ることが知られている。地質学的記録では、地上の火山で大噴火があったのは、西暦 536年と 541年だった。しかし、樹木の年輪からは、536年から少なくとも 9年間は植物が成長できない状態(植物が成長するのに必要な太陽光がない状態)だったことが示されているが、この二回だけの噴火では、その説明になり得ないのだ。

西暦 536年からのような極端に暗い状態が作りだされるためには、これ以上に大量の硫黄と灰が必要となる。

その物質の一部はグリーンランドの岩の層と氷のコアに存在するはずだ。しかし、アボット博士は以下のように述べる。

「堆積した硫酸塩(陸上の火山噴火で排出される物質)の量は、536年からのような極度の太陽光の減光をもたらすほどの噴火ではありませんでした」

研究者は、532年〜 542年の間に敷設された氷コアの氷層を調べ、融解水の化学的性質を測定した。また、微視的な化石も抽出した。

「その分析過程の中で私たちは、氷のコアの中に、グリーンランドでは見つけられたことがない最も低緯度の微生物の化石の数々を見出したのです」とアボット博士は言う。高緯度の微生物は 1種類しか特定されなかった。

このことから、これは、赤道近くの海底の火山噴火によって大気中に吹き上げられたと考えた。

赤道での海底火山の噴火は、地球全体に影響を与える可能性がある。

>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
ご登録へ進む





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

世界で起き続ける様々なことをお伝えさせていただいています。

-2022年からの世界, 人類の未来, 地球という場所の真実, 拡大する自然災害, 日本の未来
-, ,

Copyright© In Deep , 2024 All Rights Reserved.