ウイルスの基本原則も消えてしまった
新型コロナウイルスの流行期は、厄介でありながらも、それまでまったく知らなかったさまざまなことを知ることができた機会でもありました。
たとえば、「ウイルスの干渉」という基本原則も、コロナ流行の中で知ったものでした。
それは以下のようなもので、
「人間には、2種類のウイルスに同時に感染しないという基本原則がある」
のです。
以下のようなメカニズムです。
ウイルス学における干渉とは1個の細胞に複数のウイルスが感染したときに一方あるいはその両方の増殖が抑制される現象。
干渉の機構として、一方のウイルスが吸着に必要なレセプターを占領あるいは破壊してしまうために他方のウイルスが吸着することができなくなる、増殖に必要な成分が一方に利用され、他方が利用できない、一方が他方の増殖を阻害する因子を放出するなど…
2020年4月の以下の記事の後半で取りあげたことがあります。
[記事] HIVからも防御 : 緑茶のエピガロカテキンガレートは、エイズウイルスの感染と発症を防ぐ。そして、仮に新型コロナウイルスとの付き合いが「一生」になるのなら考えてみたい「ウイルス干渉の原則」のこと
In Deep 2020年4月14日
この年あるいは翌年などに、インフルエンザの報告がほとんどなかったことが、日本も含めて世界的に伝えられていました。これには PCR 検査でコロナもインフルエンザもごっちゃになっていたという理由もあるかもしれないですが、ウイルスの干渉によりインフルエンザウイルスがコロナウイルスに抑えられていたこともあるとは思います。
ともかく、よほど免疫システムに問題がない限り、
「ヒトは複数のウイルスに同時感染はしない」
のです。
これまで、人間社会と感染症ウイルスの間にはそのような「掟」がありました。
しかし、今、その基本原則が崩壊し始めています。
英デイリーメールが、
「最大3種類のウイルスに同時感染して入院する子どもたちが増えている」
というアメリカの医療専門家たちの発表を報じていたのです。
ウイルス感染に関しての基本原則さえ崩壊し始めています。
まず、その報道をご紹介します。
人間のウイルスに対しての免疫にとんでもない変化か崩壊が起きていることがよくわかる報道です。
なお、ここで専門家たちは「ロックダウンとマスクにより子どもたちの免疫システムが弱くなった」という推測をしていますが、それもあるかもしれないとはいえ、ここまでのウイルスの基本原則が破られてしまうというのは、ワクチンが主要な原因だと考えるほうが自然です。後述しますが、小さな子どもの場合、本人の接種 / 未接種は関係ありません。
専門家たちは、コロナ対策によって免疫システムが消耗し、通常は冬にしか見られない病気にかかりやすくなっている上に、子どもたちが一度に最大 3種類のウイルスに感染していると警告している
Children are being infected with up to THREE viruses at a time because COVID measures have worn down their immune systems and made them vulnerable to illnesses usually only caught in winter, experts warn
dailymail.co.uk 2022/06/14
専門家たちは、現在、3種類ものウイルスに同時に感染して医師のもとを訪れる子どもたちが現れていることに警告を発している。
彼らは、その理由として、これまでの 2年間のコロナ対策としてのロックダウンとマスク着用によって免疫システムが弱まった結果であると確信しているという。
医療専門家たちは、これまで、冬にインフルエンザや、その他の風邪の症例が急増することを常に予測しているが、しかし夏が近づくにつれて、それらの病気の流行が起きるとは考えていなかった。
現在、夏に向かう中で、それらのひどい風邪の流行が報告されている。
専門家たちは、その理由が、ロックダウンやマスク着用などの厳格なパンデミック対策によるものである可能性があると疑っている。
さらに、インフルエンザの一般的な菌株のいくつかが消滅したように見えており、科学者たちを混乱させている。
感染管理の専門家で米エール大学の小児科の准教授であるトーマス・マレー氏は、6月13日にワシントン・ポスト紙に、7つの一般的なウイルス(アデノウイルス、ライノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ、コロナウイルス)に同時に感染している組み合わせを持つ子どもたちを見ていると語った。
その中には、これらのうちの 2種類のウイルスで入院した子どもたちもいれば、数人の子どもたちは、3種類のウイルスで入院したとマレー准教授は述べた。
「これらのウイルスは、一般的には年中流行するものではなく、そして、5月と 6月に流行するのは典型的ではありません」と准教授は言う。
米CDCのデータは、幼児のインフルエンザ感染は、全体的にレベルが低いことを示したが、数週間前のこの夏の初めに、呼吸器感染症の死亡の異常な急増が始まったことが示されている。一般的にはこの時期に子どもの呼吸器感染症での死亡事例の増加は示されない。
ウイルス性疾患が急増しているのは、0歳から 4歳までの子どもたちだ。
同時に、他の奇妙なパターンが現れた。
一般的な「風邪」として知られているライノウイルスは、通常は、人々を病院に送るほど深刻にはならないが、今は多くの子どもたちが重症化している。
RSウイルスは、通常、インフルエンザと同様に、気温が高くなると症例数は減少していくが、今年はそうではない。夏に向かって症例が増え続けている。
そして、インフルエンザB型は、2020年初頭からまったく確認されていない。研究者たちによると、インフルエンザB型は絶滅したか、おそらく休眠状態にある。
デジタルヘルスプラットフォーム eMed の疫学者でありチーフサイエンスオフィサーであるマイケル・ミナ氏はワシントン・ポスト紙に「これは大規模な自然実験です」と語った。
ミナ氏は、現在のように、多くのアメリカ人がこれらのウイルスに(夏に)感染しているのは、かつて一般的だったウイルスへの曝露が不足しているためである可能性が高いと付け加えた。。
「免疫力のない人がたくさんいると、流行の季節性の影響は少なくなります。いつでも流行するようになるのです」と彼は言う。
これにより、ウイルスは「季節的な障壁を克服する」ことができるという。
分子ウイルス学者であり、米ベイラー医科大学の国立熱帯医学部長であるピーター・ホテズ氏は、基準が変化しており、ウイルスの流行の季節的なパターンがもはや適用されないことに同意した。
「熱性の呼吸器感染症にかかった子どもたちを見ていると、今は冬なのか? と思うことがあります」と氏は言う。
この変化により、病院は RSウイルスへのアプローチを再考するようになった。
RSウイルスは、毎年 5歳未満の約 60,000人の子どもが入院する一般的なウイルスだ。これは脆弱な子どもたちには致命的な肺感染症を引き起こす可能性がある。
治療は、モノクローナル抗体で行われるが、これは通常、11月から 2月までしか利用できない。
現在の事態(※ 季節に関係なく冬のウイルス感染症が流行していること)を憂慮する科学者たちは、薬を入手する必要が生じた場合に備えて、ウイルスを注意深く追跡している。
エール大学医学部の免疫生物学者であるエレン・フォックスマン氏は、ウイルスがある人を深刻な病気にし、ある人では比較的無傷にする理由を調査しているが、パンデミック中に生まれた赤ちゃんたちは科学者たちにとって非常に興味深いと思われると述べている。
「これらの子どもたちは、肺の発達の重要な時期には感染していませんでした」とフォックスマン氏は言う。
フォックスマン氏は、過去数年間にウイルスと感染を防ぐ方法について、科学者だけでなく一般の人々からも多くのことを学んだと付け加えた。
ここまでです。
これもまた、4歳以下の子どもたちが中心のようです。
この年齢層は、現在ブラジルで拡大している「小さな子どもの風邪の重症化」の年齢層と一致しています。 以下は、4月の時点のブラジルで呼吸器感染症が重症化した子どもたちの年齢分布です。
これは、以下の記事にあります。
[記事] ブラジルでの小さな子どもたちの「単なる風邪による重症呼吸器症候群」が加速。感染が確認された子どもの数が2300%増加した病院も
地球の記録 2022年5月27日
ブラジルで起きているこの現象は、何か深刻な病原体が流行しているということではなく、全員が「単なる風邪」なのです。
普通は、単なる風邪で数多くの子どもたちが入院するということはありません。
通常なら「相当免疫の弱った脆弱な子どもだけ」だと思われます。
そして、今回のデイリーメールの記事を読んで思いましたのは、ブラジルでも、「複数の呼吸感染症ウイルスに感染している子どもたちがいるのかもしれない」ということでした。
ウイルスの干渉も何も関係ないウイルスの基本原則の崩壊が世界中に拡大しているのかもしれません。
また、世界では、同じような 4歳以下などの子どもたちに、重症肝炎が今の増え続けています。
[記事] 小児の「原因不明の重症肝炎」の報告が世界十数カ国に拡大…
地球の記録 2022年4月25日
インドでは、得体の知れない発疹性のウイルス疾患が、やはり乳幼児たちを中心に発生しています。
[記事] インドで乳幼児たちに深刻な症状の「謎の発疹性感染症」が広がる。つけられた名称は「トマトインフルエンザ」
地球の記録 2022年6月2日
これらも含めて、主要な原因は、はっきりと書けば、ワクチン成分への「直接的な曝露による自然免疫の極端な低下」だと思われます。
妊娠中や授乳中の場合、その子ども本人が接種しているかしていないかは関係ありません。母乳や体液から、ほぼ 100%伝播します。
以下の記事で書かせていただいたことがあります。
[記事] コロナワクチン後天性免疫不全症候群(VAIDSとも)への警告に関する論文からも、ストレートな曝露を受けた小さな子どもたちへの懸念がさらに
In Deep 2022年5月4日
この記事に、以下のように書いています。
> 少なくともメカニズム上からは、先ほど書きました ADE と免疫不全の「種」を赤ちゃんが得てしまうのです。
>
> このことに関しては、どなたかに全力で理論的に否定していただきたいと思っていますが、私個人で考える分には「起きない」ということが想像できないのです。
>
> 「接種していない多くの小さな子どもたち」も、
>
> 「事実上、ワクチン接種をした状態となっている」
>
> というように考える以外にはないという厳しい現実があります。 (In Deep)
現時点ですでに子どもたちの免疫の極端な低下が見られているのですけれど、以下の記事に書きましたように、その本番は今後です。今後数年です。
[記事] コロナの後天性免疫不全は「エイズより悪い」ことがイタリアの研究によって突きとめられる。膨大な数の人々が「強化されたスパイクタンパク質」を接種した日本の未来は
In Deep 2022年6月20日
ロットによる濃度の差異から、強い影響を受けるのはほんの一部かもしないですが、お母さんが迂闊にも接種してしまっていた場合、一部の子どもたちは確実に影響を受けるはずです。
その数は、日本の 5歳以下の子どもの数がおおむね 400万人台だとすれば、影響を受ける子どもの数は今後、最低で数万人程度にのぼると見られます。
そして、一般的には風邪などの呼吸器感染症が流行しにくいこの夏の時期にさきほどのデイリーメールにあるような事態となっているということは、
「冬になったらどうなる?」
ということも示しているのかもしれません。
後天性免疫不全は、時間の経過と共に増えていくと思われますので、今後の秋から冬は非常に厳しい局面をむかえる可能性が高いように感じます。
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