・東洋医学の始祖とも言われる紀元前の王「黄帝」が約4500年前に記した「黄帝地母経」より、2019年と2020年の社会の状態の描写。内容は後述します。soundofhope.org
中国60年に1度の特別な時代を迎える干支
中国では、2020年になる前から「 2020年は何か不吉がことが続きそうだ」と話され続けていました。
社会科学的な話ではなく、その根拠は「干支」です。
日本では、干支は「十二支」が使われることが普通で、12年ごとに干支を繰り返すということになりますが、中国の干支は「 60 」あります。
中国の場合、干支が一巡するのに 60年かかるのです(十二支も使います)。
中国の干支は以下のように周回し、今年は赤で囲んだ「庚子」(かのえね)という年にあたります。
60の干支
・庚子
20世紀以降の年では、この「庚子」の年は、以下のようになります。
20世紀以降の庚子の年
・1900年
・1960年
・2020年
というように、「二世紀で三回目」ということになっています。
そして、この 60年ごとの「庚子の年」は、いつも激動の年だったことが記録されていて、そのために、2019年の頃から、
「 2020年にはどんなことが起きるのだろう」
というようなことを中国の記事で目にしたこともあったのですが、私たち日本人は干支などあまり気にしないですので、「そんなたわ言」と思っていましたら、2020年に入った途端、もういろんなことが立て続けに起き始めて、その中で、1月に「中国で謎の呼吸器感染症が流行し始めている」という報道が出てから、
「たった2ヵ月後が今の状態」
ということになっています。
物事の進展も早いし、展開が壊滅的なのが今年の特徴なのかもしれません。
60年に 1度の「庚子の年」に起きてきたことについて、中国語の報道がどのように伝えていたか、少しご紹介したいと思います。
庚子の年に常に大きな災害や歴史的な変化が伴う理由
希望之聲 2020/02/02
今年 2020年は、ねずみ年であり、そして「庚子の年」でもある。
観察が得意だった古代の中国人たちは、60年に 1度の庚子の年がやってくるたびに、より多くの自然災害と頻繁な緊急事態、世界を揺さぶる主要な事象が発生する傾向にあることを見出していた。
単なる迷信に聞こえるかもしれないが、このような時代に生きている私たちこそ、古代中国人による「庚子の年に起きること」を考えてみてもいいのかもしれない。
過去千年の庚子の年
1960年 庚子年: 中国はこの年から前例のない 3年連続の飢饉が始まった。この年、アメリカはベトナム戦争に正式に関与することになった。チリでマグニチュード 9.5の地震が発生し、14万人が死亡した。
1900年 庚子年 : 中国で義和団の乱が始まる。インドで歴史的な飢饉が発生。何百万人も餓死した。ヨーロッパでは、デモの嵐が噴きまくった。
(※ 訳者注 / 義和団の乱は、列強の進出に抗した中国民衆の排外運動。義和団の運動が華北一帯に波及し、北京の列国大公使館区域を包囲攻撃するに及び、日英米露独仏伊などの連合軍の出兵を招き、鎮圧。これ以降、中国は植民地化に向かう)
1840年 庚子年 : アヘン戦争(中国とイギリスの間で1840年から2年間にわたり行われた戦争)が勃発。西側諸国が、古代の満州王朝の門を初めて叩いた。
1780年 庚子年 : 第六代パンチェン・ラマ(チベット仏教においてダライ・ラマ法王に次ぐ最高位)が、北京入りした後に死亡した。アメリカ独立戦争が、英国に対する国際戦争へと拡大。大地震がイランのタブリーズを襲い、20万人以上が死亡した。
1720年 庚子年 : 広東省宝安区と山西省蔚州(うつしゅう)は農作物の収穫ができず、農民たちは逃げた。康熙帝(清の第4代皇帝)が、ジュンガル軍を追放するためにチベットに軍を送った。
1600年 庚子年 : 中国広東省でマグニチュード 7の地震が発生し、震源強度は9 と推定された。中国の多くの省が、より多くの災害を報告した。この年から地球の地磁気観測が始められた。日本では、徳川幕府が権力を掌握(関ヶ原の戦い)。イギリスが東インド会社を設立。
(※ 訳者注 / 関ヶ原の戦いは、徳川家康を大将とする東軍と石田三成を中心とする反徳川勢力の西軍が行なった会戦。この戦いののち徳川家康が天下を握る)
1240年 庚子年 : モンゴル軍がキエフ(現ウクライナ)に進軍。元王朝の領土は拡大を続け、モンゴル軍はヨーロッパに進出し、ポーランドとロシアの領土のほとんどを獲得した。
1180年 庚子年 : 日本で治承寿永の乱が始まる(源平合戦 / 6年間にわたる大規模な日本の内乱)。
このように、60年ごとの庚子の年には、歴史的な転換点となる大きな災害や戦争が多い。それらは災害、戦争、死に関わるものでもあった。
風水の科学ではいくつかの部門があるが、本当に強力な風水の部門は惑星からの力を参照しているとされているため、世界の事象を示唆するのは、天体観測を専門とする場合が多い。
地球の風水に影響を与える 3つのラインがあるが、一部の人々は、庚子の年のさまざまな災害は、地球の位置が太陽のラインと密接に関係していると考えている。地球は太陽系にあり、太陽は銀河にあるため、太陽と銀河が地球に最も大きな影響を与えていると考えられているのだ。
2020年は、2000年紀に入ってからの初めての庚子の年となる。地球の自転と公転により、地球と太陽の極の位置関係は、2000年ごとに変化する。これを歳差運動と呼ぶ。2020年、歳差運動は庚子の年と並行しており、これは二重の変化の重ね合わせに相当し、この年の地球はさらに大きな影響を受けていると見られる。
人間は、自然の中に無数に存在する命の一部であり、道教では、人は、人間、地球、宇宙、自然のいずれかであると述べる。人間はこの宇宙に住んでいるため、私たちはいつでも自然と宇宙のエネルギーの影響を受けている。
「人間と自然の調和」は、中国の伝統文化の重要な概念だ。古代の中国人たちは、高い空(宇宙)が人類の歴史の興亡と世界の祝福に影響を与えると信じていた。
その時の「王」が、宇宙の意志に従うことができず、間違いや欠点がある場合、宇宙は奇妙な方法で警告し、非難する。
ここまでです。
まあ、最後のほうは、やや合理性と逸脱した傾向の話となっていますが、地球と他の惑星や銀河の中心などとの「歳差運動の存在」は、私がブログを書き始める少し前の 2008年頃に知りまして、当時の私自身がとても興味をもったもののひとつでした。
アメリカの予測プロジェクト「ウェブボット」のクリフ・ハイの 2008年11月のエッセイに以下のようにあったことが知ったキッカケでした。
2008年11月のウェブボットより
現在の太陽は、われわれが知っている太陽とは根本的に異なってきている。黒点が太陽から消え、そのため太陽活動の停滞が予想されるにもかかわらず、太陽から放出されるエックス線やその他のエネルギーは過去最大になっている。
言えることは、最近のこれらの太陽の異変は、約 26000年周期の歳差運動のサイクルが終りに来ていることの証左である可能性が大きいということだ。6000年周期を一日に見立てた場合、過去 13000年間は、太陽系にとって歳差運動のサイクルのちょうどよい期間だったといえる。
夜の時期が終り、歳差運動の次のサイクルの夜明け、つまり 13000年間続くことになる昼の時期に入るのだ。
また、春分点歳差が 26000年であるというのは実に興味深い。なぜなら銀河中心までの距離もちょうど26000光年だからである。
南米や中南米の先住民族や、今回出てきました古代中国人たちも、天体の動きと「地球で起き得ることの関係」を観察し続けていたということはいえそうです。
その観察と予測が正しいものとなったかどうかはわからないですが、人工衛星のデータがなければ明日の天気もわからない現代の私たちよりは、賢明に「この世」を観察をし続けていたのだとは思います。
なお、冒頭に示しました黄帝という古代中国人が記したとされている文書には、「庚子の年はこのようになる」と書かれてある、と中国語圏で話題となっているものです。
本当はどうかはずいぶん調べましたが、結局わかりません。
なお、黄帝という人は、学者たちの中には「存在していなかったのでは」という神話上の人物として見る向きもありますが、実在していたとすれば、「東洋医学を最初に始めた」といわれている立派な方です。
黄帝は、神話伝説上では、三皇の治世を継ぎ、中国を統治した五帝の最初の帝であるとされる。また、三皇のうちに数えられることもある。(紀元前2510年~紀元前2448年)
黄帝は中国医学の始祖として、現在でも尊崇を集めている。漢の時代では、著者不明の医学書は、黄帝のものとして権威を付けるのが流行した。 『黄帝内経素問』、『黄帝内経霊枢』は黄帝の著作と信じられ、これは東洋医学の始まりとなった。
黄帝のその書によれば、庚子の年は漢詩で以下のように書かれています。
庚子年
太岁庚子年,人民多暴卒。
春夏水淹流,秋冬频饥渴。
高田犹及半,晚稻无可割。
秦淮足流荡,吴楚多劫夺。
桑叶须後贱,蚕娘情不悦。
见蚕不见丝,徒劳用心切。
漢詩は苦手ですので、原文を載せさせていただいてから、一応訳してみます。
庚子年
庚子の年には、人々は暴力的になる。
春と夏に洪水が繰り返され、秋と冬には頻繁に干ばつになる。
田んぼは完成せず、収穫期のコメも刈ることができない。
人は街を彷徨い、女性は襲われる。
桑の葉は実らず、カイコは育たない。
カイコはいても、絹を見ることはない、その絹はすぐ切れる。
4500年前に、黄帝は「庚子の年というのは、このようになっていた」と観察していたようです。
そして、先ほどの過去 1000年の庚子の年を見ていますと、
・戦争が始まることが多い
・大地震が多い
・深刻な食糧難が多い
という傾向があるようで、そして、この庚子の年に始まってから、戦争にしても食糧難にしても、おおむね数年続くということが繰り返されてきたようです。
今年 2020年の庚子の年がどのようになっていくのかはまだわからないですが、今現在ですでに過去 1000年のさまざまな事象と匹敵するくらいの大激動にはなりつつあるのかもしれません。
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