新型コロナ緊急令が1年半続くことが決定した英国にて
パンデミックとそれに対しての「対策」は、日本を含めた多くの国で「終わることのない局面に入っている」ことを、昨年以来何度か記させていただいてきました。
その中で、いち早く「元の生活には簡単には戻らないですよ」と公式に述べたのが英国であり、英国の著名な疫学者が、
「マスク着用や社会的距離を数年間は続ける必要がある」
と述べていたことを、最近の以下の記事でご紹介いたしました。
イギリスの衛生当局が公式に述べた「マスク義務と社会的距離、海外旅行の停止は《今後数年間は続きます》」に見る完全なファシズム化へのセオリーがここに
投稿日:2021年3月24日
この記事を書いたのは 3月24日でしたが、その翌日の 3月25日に、
「新型コロナ緊急法令が、さらに6ヶ月延長される」
ことが英国の国会での投票で可決しました。つまり、マスク義務や社会的距離、ステイホームなどが「国の規則」として、10月まで延長されることが決定したのです。
賛成 484票、反対 76票、という圧倒的な数での可決でした。
このような中、英国最高裁判所の元裁判官であるジョナサン・サンプション氏という方が、「これでは、英国のマスクと社会的距離は 10年は終わらない」と警告する発言をしたことがイギリス各地のメディアで取り上げられていました。
ジョナサン・サンプション氏は、英国政府の新型コロナ対策に一貫して否定的な立場の方であるそうですが、ロード・サブション (サンプション卿)と呼ばれ、尊敬を集めている方でもあるようです。
今回は、そのサンプション卿についての発言を取り上げていた記事のひとつをご紹介します。
イギリスでマスクと行動制限が 10年続くというなら、他の国でもそのようになる国は多いかもしれません。なぜなら、ほとんどの国で「対策の判断基準の方向が同じ」だからです。
日本も含めて、「終わらない事態へ」ということになる可能性がさらに高くなっているようです。私のような年齢の人たちは、そのような体制下の社会の中で人生を終えていくのかもしれません。
ここからです。
マスクと社会的距離は今後10年間実施され続ける可能性がある – 第二次大戦後の英国民が配給に耐えていた状況と比較し、サンプション卿はそう主張する
Masks and social distancing could be in place for 10 YEARS – as long as Britain endured rationing after the Second World War, Lord Sumption claims
Daily Mail 2021/03/26
英国の元最高裁判所裁判官であるサンプション卿は、新型コロナウイルスでの社会制限と、戦後の配給とを比較し、「このような社会統制がすぐに廃止されることは政治的に非現実的だ」と警告した。
元最高裁判所の裁判官であるサンプション卿(ジョナサン・サンプション氏)は、第二次世界大戦後の英国での配給のように、マスクと社会的距離の制限は何年にもわたって実施され続ける可能性があると警告している。
サンプション卿は、英国人の自由に対してのこれらの制限は、第二次世界大戦後の配給期間と同様に続く可能性があると主張している。
氏は、英国民がこの社会統制に慣れてきたために、英国政府が社会統制を早期に撤回し、元に戻すことを期待することは「政治的に非現実的だ」と述べた。
英サンデー・エクスプレス紙のジャーナリストが主催するパンデミックに関するポッドキャストで、サンプション卿は次のように述べている。第二次大戦後も英国の人々は社会統制に賛成しており、それを支持していたことを例にしている。
「しかし、その後の 1951年の(英国の)総選挙では、5年以上続いた社会統制の中にいた人たちがそれにうんざりしていたため、労働党はその選挙で過半数の議席を完全に失った。遅かれ早かれ、同じことがこの国で起こるだろうとは思う」
英政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)の科学者たちは、将来的な冬季も、新型コロナウイルスのような呼吸器ウイルスが蔓延しやすいと判断された場合には、マスクと社会的距離の対策を復活させる必要がある可能性をすでに示唆している。
また、英国公衆衛生サービスの予防接種責任者であるメアリー・ラムゼイ氏は、英国は他国のワクチンプログラムに追いつく必要があるため、「英国では何年も制限が続く可能性がある」ことを認めた。
ボリス・ジョンソン首相のロードマップは、マスクと社会的距離の使用を終了する日付を設定していないが、少なくとも、新型コロナウイルスに対して法的拘束力のある緊急措置の現状での期限である 6月21日までは続く。
科学諮問委員会の科学者たちは、来年の冬にはまたマスクと社会的距離の対策が必要になるだろうと述べている。
英国は、これまで成人の半数以上がワクチンを接種し、保護されており、他の多くの国に先んじているというワクチン展開の成功を英国は収めているにも関わらず、マスクと社会的距離は今後も恒久的に続く可能性があるということだ。
英国政府のパンデミック対応に非常に批判的な主張を続けているサンプション卿は、次のように付け加えた。
「私がこれらの点(英国政府のパンデミック対応が間違っているここと)を指摘し始めた時から、私の発言に同意する政治家たちからメールが届き始めた。しかし、(サンプション卿の主張に同意しているのに)彼ら自身は誰も政府に対して発言をしなかったのだ」
「これは非常に深刻な状況だと思う」
このサンプション卿の発言は、3月25日に国会議員たちが、新型コロナウイルス法の延長について投票をした後、新型コロナウイルス緊急法を 9月いっばいまで延長するように求められるという警告の中で行われた。
延長に反対票を投じた国会議員たちもいた。与党・保守党の議員でつくる有力組織「 1922年委員会」の議長であるグラハム・ブレイディー卿は、法律の延長に反対票を投じた。ブレイディー卿は、「英国国家は、社会的制限を恒常化するリスクがある」と述べている。
新型コロナウイルスの対策顧問を務めていたインペリアルカレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授は、「新型コロナウイルスの制限が廃止された場合でも、マスクの着用は英国で標準となる可能性がある」と語っている。
ニール・ファーガソン教授の疫学者としての感染症モデリングは、昨年の英国の厳しいロックダウンにつながった。
東南アジアでは、風邪を引いたり気分が悪い場合に、公共の場でマスクを着用することはすでに日常的となっている。
ファーガソン教授は、マスク着用が英国では「標準」になることについて、以下のように述べている。
「自分が病気かもしれない場合、他人に感染させたくないことに注意することに(国民が)慣れたので、英国でもマスク着用が社会標準となり得る可能性があると考えられます」
昨年、ファーガソン教授は、マスクの着用に関する法律は(2020年の)年末までに緩和される可能性が高いと主張していた。英国では、昨年 6月に公共交通機関でのマスク着用が義務化され、翌月には屋内の公共スペースでのマスクが義務化されている。
ジョンソン首相の、ロックダウンからのロードマップは、「社会的接触に関するすべての法的制限は、今年 6月21日までに解除される」と述べている。しかし、首相は、マスクの規則がいつ撤廃されるかについては、具体的に言及していない。
ここまでです。
参考までに、昨年 10月のブログ記事「ニューノーマルという名のカルト」で、イギリスの精神分析医の方の文章をご紹介しましたが、そこから一部抜粋させていただきます。
今、世界で行われていることは条理ではなく、カルトなんです。
ブルース・スコット氏「素晴らしいニューノーマルという名のカルト」より抜粋
政府の決定の結果、私たちは今、事実や科学とはほとんど関係のない全体主義的な、あるいは精神疾患的な物語、いわばコロナ・カルトに深く陥っている。
政府の方針に対して、多くの反対の意見が存在するが、最近では、「グレートバリントン宣言」において、複数の政府による制限や社会的距離、封鎖、強制に反対している医師、科学者、弁護士たちの署名が見られる。
彼らはとりわけ、ワクチンの強制と、マスクの義務化に強く反対している。
グレートバリントン宣言で、多くの医師や科学者たちが、マスクはウイルスからの保護に有用ではなく、むしろ非常に有害である可能性があると主張している。
グレートバリントン宣言の署名者であるジェイ・バタチャリヤ博士は、40,000人の医療、公衆衛生の科学者および開業医が署名したと述べ、博士は、マスクの使用の有用性は科学文献ではサポートされていないと述べる。コロナウイルスの蔓延を減らすのにマスクが効果的かどうかを示すランダム化データも存在しない。
データとしてあるのは、マスクがインフルエンザ感染の抑制に効果がないことだけだ。 (Dr. Bruce Scott)
スコット博士は、この後のほうの文章で、
> この悪夢に終わりはない。
> 人が虐待的な関係にあるとき、終わりは決してありえないのだ。
と記していますが、それから半年経って、この言葉はますます現実となってきています。
イギリスでのコロナ制限は、現時点では国会で、今年 10月まで延長と決定しましたが、それからは「冬」になります。つまり、普通に各種のコロナウイルスが流行する季節に入っていきます。
終わらないです。
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