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10月11日にメルマガ悪魔の精神操作。ついでに、77年前の米軍によるハリケーン操作実験も思い出すを発行させていただきました。

宇宙の中の地球 未来の地球

2016年のハロウィンに「11個の小惑星」が地球近くを通過。そして、NASAのデータは、地球に脅威を与え得る小惑星の数が「15000個」と急激に増加したことを示す

投稿日:2016年10月31日 更新日:

2016年10月28日の英国エクスプレスより
killer-asteroids-1031
Express




 

「悪い時代へようこそ」

ハロウィンというのが 10月31日だと知ったのは昨年くらいのことで、昨年のその日あたりにいろいろなことがあったことを記事にしている時に、「この日がハロウィンなのか」と認識した次第です。それまで、いつだか正確には知りませんでした。そして、来年はもう何日か忘れていそうな気がします。

それほどに自分とは縁のない日ではありますが、昨年のそんなハロウィンの日に起きたことに関しましては、

2015年のハロウィンの日に : ベルギーで原子炉が爆発し、ロシア機が空中爆発。コロンビアでは川が血の赤に変色し、世界一乾燥するアカタマ砂漠は色とりどりの花に取り囲まれて
 2015/11/05

という記事を書きましたが、その昨年のハロウィンの日には、天体の出来事では、「キャラ立ちした小惑星」が地球の近くを通過していったということもありました。

それは下のような小惑星でした。

2015年のハロウィンの日に最接近した小惑星 2015 TB145

tb145-holloween-2015・NASA

これに関しては、

スクリーム顔の小惑星、謎の星 KIC 8462852、南極の氷は実は増えていた、宇宙最大の構造体の発見…… 最近のNASAが成し得ていること(1)
 2015/11/05

という記事に書いています。

そんなわけで、最近のハロウィン前後にはいろいろと興味深いことが起きるのですけれど、今年は、

「ハロウィンの日(10月31日)に 11個の地球近傍小惑星(地球の近くを通過する小惑星)が通過する」

ということになっています。

ハロウィンの日ということを除いても、1日にこんなにたくさんの地球近傍小惑星が集中することは珍しいです。このことに関して、冒頭の英国エクスプレスは、記事のタイトルこそ扇動的ですが、内容は比較的きちんと今の状況を説明してくれていますので、先にこの記事をご紹介いたします。




 

EXCLUSIVE: The killer asteroids NASA says are heading towards Earth ON HALLOWEEN

Express 2016/10/28

スクープ:危険な小惑星の数々がハロウィンに地球に向かってくるとNASAは言う

asteroid-halloween-2016

 

アメリカの宇宙機関は、先の 1週間のあいだに約 30個の新しい地球近傍天体(地球の近くを通っていく小惑星などの天体)を発見し、それらが地球近くを通過していく状況を監視していることを認めた。そして、そのうち 11個がハロウィンの日に地球の近くを通過する。

ハロウィーンに通過するこれら 11個の小惑星のうち 7個は、すべて今年になって初めて発見されたものだ。

これが意味するところは、私たちは過去数千年にわたって、これらの小惑星が地球近くを通過し続けていたことを知らずにいたということになる。

ハロウィンに地球を通過する天体のうちの 3つは、それぞれ 660メートルから 900メートルの直径を持ち、仮に地球を直撃した場合、大地の広範囲を壊滅させるのに十分な質量を持つ。さらに、他の3つの小惑星も直径 230メートルから 410メートルで、これも大きな破壊力を持つ規模だ。

残りの小惑星は 18メートルから 110メートルの大きさだ。もちろん、このような大きさの小惑星でも、地表に書突した場合は、たとえば、ロンドンくらいの町には壊滅的な被害を及ぼす。

軌道の計算をしても、常に正確にその通過距離を測定できるというわけわけではないが、NASA は、これらの地球近傍天体の軌道は、地球から 3000万マイル(4800キロメートル)以内を通過するとしている。

これらの小惑星の中で最も巨大なものは、直径 1.7キロメートルの質量を持つ小惑星 2003 YT1 だ。このクラスの大きさの地球への衝突は、地球の生命の絶滅をもたらす規模となり得る。この 2003 YT1 は、地球から約 500万キロの場所を通過する。これは、月と地球の間の距離の 13.5倍となる。

なお、NASA は、10月27日に、地球の近くを通過する地球近傍小惑星のデータベースの数が 15,000個を突破したと発表した。

NASA のスポークスマンは、これについて以下のように語る。

「発見された地球近傍小惑星は、2013年8月に 10,000個に達して以来増加し続け、今月 15,000個に達しました。この2年間で約 50%の増加です」

最新の発見は、10月13日に発見された小惑星 2016 TB58だ。これは、ハロウィンに通過する 11個の小惑星のうちのひとつで、大きさは最大で 36メートルあり、月との距離の約 5倍の場所を通過していくと推定されている。NASAのスポークスマンは「この新しく発見された小惑星は地球に危害を及ぼすことなく通過すると見られます」と述べている。

NASAの地球近傍天体観測プログラム(NEO)では、これまでに発見された小惑星のうちの 95%以上を発見している。

これまで、直径 600メートル以上の大規模な小惑星を推定で 90%以上発見しているが、それより規模の小さなものに関しては、その限りではない。

「最近の小惑星の発見率の上昇は、観測規模や機器の機能が向上したことによるものです」と NASA の NEO プログラムマネージャーは言う。

同時に、「しかし、私たちは観測において大きな進歩を遂げていますが、まだまだ長い道のりが先に存在しているのです」とも述べた。

NASA はも140メートル以上の直径を持つ地球近傍小惑星は、まだ 27%しか発見されていないと推定している。

米国議会は 2020年末までに規模の大きな小惑星の 90%以上を発見するように NASA に指示を出した。

NASA の惑星防衛担当官のリンドレー・ジョンソン(Lindley Johnson)氏は以下のように述べた。

「地球近傍小惑星に関して、私たちが発見した巨大な小惑星の中には、次の 100年の間に地球に衝突の可能性のある大規模なものは存在しません。私たちは、巨大な小惑星のほとんどを発見しています。しかし、それより小さなもので、地球に危害を加える可能性のあるものについては、これからも発見し続ける必要があります」


 

ここまでです。

記事の中にありますように、このハロウィンに地球近くを通過する小惑星の中に、実際に地球に衝突しそうな小惑星はないですが(あればもう少し先に記事を書いていると思います)、この記事で、むしろ注目したのは、

> 発見された地球近傍小惑星は、2013年8月に 10,000個に達して以来、増加し続けてて、今月 15,000個に達した

という部分で、この3年間くらいで、とんでもない勢いで「観測される、地球近くを通過する小惑星が増加している」ということが言えそうなのです。

2016年10月27日の欧州宇宙機関のウェブサイトより

esa-neo-2016ESA

小惑星の発見の増加の最大の理由は、小惑星そのものが増えたということではなく、「観測技術と機器の向上」であることは間違いないと思います。それでも、3年間で 50%増の発見という事実は、実際に地球に接近する小惑星自体が増えているという可能性を考えるにやぶさかではない数字ではあり、そして、「まだ見つかっていない小惑星がたくさんある」という事実を示すものでもあります。

そして、最近の例ですと、地球を通過するほんの直前に見つかる例が多いです。

たとえば、最近の前後 10日くらいの地球近傍小惑星の中でも特に近くを通るものの表を見ますと、2016年になってから発見されたものが非常に多く、多くは比較的直前に見つかっています。

2016年10月27日から11月5日までの間に地球の近くを通過する小惑星

neo-1027-1105Spaceweather

 

規模は小さいものばかりですが、結構激しいペースで、地球の近くを小惑星が通過しまくっていることがわかります。

 

冒頭の見出しに、

「悪い時代へようこそ」

というような言葉を並べてしまったのですが、これは、4年以上前に「天体の衝突の時代」について、一連の記事として書きました、

良い時代と悪い時代
 2012/10/06

という記事のタイトルへの返答として書いたものです。

天体の地球への接近というのは意外と短い周期で変わるもので、中国の宋の時代( 11世紀から 12世紀)には、隕石の数が記録されていましたが、それを見ますと、下のように 100年程度の期間の間に大きく変化していることがわかります。

宋の時代における10年ごとの隕石の数

met-02b・フレッド・ホイル著『生命はどこからきたか』より

今がこの宋の時代のような増え方をしている時代かどうかは明らかではないですが、時代によって、地球は天体からの衝突を受けやすくなったり、あまり受けなかったりします。

そこに時間的なサイクルが生じる理由はわからないですが、天体の衝突には確かにサイクルがあり、増える時には増え続けます。

そして、フレッド・ホイル博士によれば、この 500年間くらいは「良い時代」、すなわち、天体の衝突をあまり受けない時代で、そのために私たちは今のような文明を築くことができたのだと思います。天体の衝突の時代には、ピラミッドのような建物以外、現在のビルのような巨大建造物は無意味なものとなるはずです。

人の心も天体の衝突が多い時代と、それがない時代は違うようです。

人は、「天からの災害が多い時代」は、自然に対して謙虚になる傾向にありますが、それがない時代(たとえば今のような時代)は、「人は傲慢になり続けてきた」ということを、フレッド・ホイル博士は述べています。

そして、その「 500年間の傲慢な時代の頂点」が今なのだと私は思います。

過去記事「良い時代と悪い時代(2): 天上の神々の地位 (2012/10/07)」に載せました、フレッド・ホイル博士の『生命はどこから来たか』 のエピローグには以下の文章があります。

全文は上のリンクにあります。

悪い時代には、空からやってくる天災に対して、どんなに強力な指導者であっても対抗できなかった。

しかし天災がしばらくなかったときには、専制的な支配者に対抗するものは何もなかった。空には何も見えなかっただろう。

そして天上の神々の地位は下がり、専制的支配者をも含めた神がとって代わった。

 

天災がない時は、簡単に人が神のかわりになれます。

そして、そういう時代が続いて、人間から自然への尊敬と畏怖が消えた頃に、いつもすさまじい天災がやってきたというのが地球の歴史です。

 

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