In Deep

地球最期のニュースと資料

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地球最初の太陽系外への宇宙探査ミッションの乗組員が「クマムシ」に決定。光の4分の1の速度で星間脱出を目指すそのミッション名は「DEEP IN 計画」

      2017/11/10


RT

最近は暗い話題も多かったですので、久しぶりに爽やかな話題など。

「クマムシ」といえば、今では地球上の最強の多細胞生物のひとつとして知られていますが、私が知ったのは、このブログを書き始めて間もない 2010年のことで、当時のニュースで見た下の図と説明に興奮したものでした。その頃の私は「地球の生物のメカニズム」に心酔していた頃でもありました。

2010年5月17日の産経「最強の生物 クマムシの謎に迫る ゲノム解読し本格分析へ」より

産経ニュース

ここにある「クマケシが耐えた極限状況」の羅列である下の条項には非常に驚いたものでした。

・151℃の温度(天ぷらをあげる温度)でも死なない
・マイナス273℃(ほぼ絶対零度)でも死なない
・7万5000気圧(水深750キロの水圧に相当)でも死なない
・ほぼ真空でも死なない
・人間の致死量の1000倍の放射線でも死なない

このクマムシが、「地球で最初の星間旅行(太陽系の外へ行く)計画のメンバーとして選ばれた」ということが報じられていました。

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ボイジャーよりも遠くへの「不帰の旅」

下がクマムシです。まるで作りもののようですが、顕微鏡で見た実物です。


NASA

このクマムシと「カエノラブディティス・エレガンス」という下のような線虫たちに未知の宇宙の旅をさせるという計画です。

線虫カエノラブディティス・エレガンス

zmescience.com

現在、地球から最も遠くの宇宙に行っている「地球発」の存在としては、ボイジャー1号が知られています。 1977年9月に打ち上げられてから 40年近く経った 2012年8月、ボイジャーは太陽圏を脱出し、星間、つまり「太陽系と他の恒星システムの間」の航行に入ったと見られています。

しかし、今回のクマムシ計画は、さらに遠くへ、しかも地球の生命体を乗せて星間を突破し、他の恒星システムを目指すということのようです。

大まかに書きますと、下のような計画となるようです。


NASA, kumamushisan.net

実際、宇宙計画はというのは、いろいろな意味で「未来があまり見えない」ものではあるのですけれど(国家の景気や政治政策に強く左右されるため)、仮にうまく行った場合、これらのクマムシや線虫たちは、

「他の恒星システムに辿りついた初めての地球の生物」

ということにはなるのでしょうけれど、まあ不帰の旅ではあります。

ただ、クマムシの寿命は、確か「乾燥した状態で最大9年程度」だと思われるのですが、今回の計画で目指している速度(光の4分の1)でも、太陽圏を出るには 20年かかるそうで……。

いろいろと難しい部分かが多そうですら、謎の多い太陽圏の周辺には興味がややありまして、ご紹介しました。

それと共に、この計画の名前が DEEP IN であるということも知りまして、このブログのタイトルである In Beep と似た(ここで間違うのかよ)……ああ、間違ってしまいました。それはさておき、DEEP IN 計画についての記事をご紹介いたします。

なお、この計画の代表者の人は、

> これは長期的な人類変化プログラムなのです

と言っていましたが、この意味は今ひとつわからない面もあります。

それほど爽やかな話題ではないことにも今気づきましたが、それはそれとして、ご紹介いたします。


Earth’s 1st interstellar explorers have been chosen, and they’re tiny
RT 2017/11/04

地球で最初の「宇宙星間の探査隊員」が決定。その隊員たちはやや小柄だ

カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)で進められている「スターライトプログラム」は、レーザーパワーで駆動する宇宙船により、相対論的な速度で太陽系を横断する地球最初の星間に達する宇宙航海士としてクマムシと回虫の一種を選択することを決定した。

Space.com によると、スターライトプログラムの責任者であるフィリップ・ルビン(Philip Lubin)博士は、「このプロクラムは容易ではありません。 技術的に難しい課題がたくさんあり、予算も安くは済まないでしょうが、実行は可能です」と述べる。

そして、以下のように語った。

「私たちは、星間のような宇宙空間において地球上に存在する生命体が生存できるのかどうかを確かめるための準備を進めているのです。この任務には線虫カエノラブディティス・エレガンスや、放射能に耐えることのできるクマムシ(tardigrades)のような小さな生命体が適しており、彼らは地球で初めての惑星間トラベラーとして理想的な候補者なのです」

ルビン博士は、NASA の支援を受け、同僚と学生たちとともに、NASAの宇宙旅行計画の一環として DEEP IN(Directed Energy Propulsion for Interstellar Exploration の略 / 星間探査のためのエネルギー誘導推進力)とも呼ばれるスターライトプログラムを立ち上げた。

このプロジェクトは、光の約 4分の1の速度で小さな宇宙船を推進するレーザーを使用することを目指している。

たとえ人間が実際にその宇宙船に乗ることができなくても、クマムシたちなどの生命体による最初の星間ミッションが開始されることが期待されている。

このような光の4分の1ほどの速度が達成された場合、線虫やクマムシのミッション・チームは、理論的には、およそ 20年で最も近い星間の隣に達することができる。現在、地球から最も遠い旅行者はボイジャー1号だが、太陽系の端に到達するまでに約 40年を要した。

線虫やクマムシは、そのようなリスクの高い使命に特化した特別な身体的苦難に耐えることができると考えられている。

たとえば、どちらの生き物も極端な温度環境に耐える。高温下でも、あるいは極端な寒冷条件下で体が凍結した後も、ほとんど、あるいはまったくダメージを受けずに体が再生する。完全に凍結しようが乾燥した脱水状態になろうが強い放射能を浴び続けようが、ほぼダメージなく元に戻るのだ。

「明らかに、まだ多くの技術的課題があります。しかし、これは長期的な人類変化プログラムなのです」とルビン博士は言う。

「最大の問題は、NASA 、あるいはアメリカ政府は 30年から 50年先の宇宙計画を予定していないことです。おそらくは今後、公的な、あるいは私的な提携団体が必要とされてくると思われます。そして、それらの組織に星間旅行計画の権限は委ねられるでしょう」



 - 人類の未来, 宇宙の中の地球