花が咲き乱れる2015年10月29日のチリ・アタカマ砂漠
・mashable.com One of Earth's driest places is now a pink flower wonderland
世界一乾燥した大地が美しく綾取られた理由は
南米チリにアタカマ砂漠という砂漠があります。
ここは、Wikipedia によりますと、
アンデス山脈と海岸の山地によって湿った空気が遮断されているため世界でも最も乾燥した砂漠であり、40年間まったく雨が降らなかった地域もある。
という、世界で最も乾燥した場所なんですが、今、このアタカマ砂漠に花が咲き乱れていることが広く報じられています。
冒頭の写真は、ピンクの花が咲き繁っているものですが、他にも色とりどりの花が、この不毛な砂漠に文字通り「咲き乱れて」います。
10月末のアタカマ砂漠の光景
アタカマ砂漠にこのように花が咲き乱れること自体、とても珍しいことなのですが、実は、今年の4月の終わりから5月にかけても、このアタカマ砂漠が花で綾取られたことがありました。
そのことは、過去記事の、
・アタカマ砂漠に咲き乱れる花に見る「悪から善が生まれる光景」を思えば、極端な少子化も箱根山の群発地震も怖くない・・・かも
2015/05/05
に記したことがあります。
その時は、下のように白い花が中心でしたので、今回の咲き乱れのほうが華やかではあります。
2015年5月3日のアタカマ砂漠
この5月の際は、なぜ、アタカマ砂漠がこのようになったのかといいますと、その1ヶ月ほど前に、このアタカマ砂漠は「信じられない豪雨と大洪水」に見舞われていたのでした。
その洪水は、「アタカマ砂漠の7年間分の雨が1日で降った」と報道されるほどのもので、25名の方が亡くなり、多くの家屋が破壊されました。
皮肉なことに、その未曾有の被害を出した大洪水によって砂漠に水がもたらされ、世界一乾燥した大地に花が咲いたのでした。
その大洪水については、
・世界で最も雨の少ないチリのアタカマ砂漠が「1日で7年間分の雨」に見舞われ大洪水。そして、赤道直下のエクアドルでは大地が氷に覆われるカオスな南米の春
2015/03/30
という記事でふれています。
ただ、今回の場合、それから半年以上経っていますし、今のアカタマ砂漠に花が(その時以上に)咲き乱れている理由は今ひとつわからないですが、今年は南米の太平洋側は、エルニーニョなどで天候が安定していないようですので、あるいは、アタカマ砂漠に雨がふることも多くなっているのかもしれません。
エルニーニョを含む海水温度の異常は、世界各地に異常な天候をもたらしていますけれど、「その結果として、アカタマ砂漠は美しくなった」というのなら、皮肉的なのか、あるいは、やはり「悪は善を生むものだから」と考えればいいのか。
さて、アカタマ砂漠がそのような光景を見せてくれている間、10月31日、いくつかの国では「ハロウィン」というもののイベントがおこなわれていました。
ハロウィンの日の大激動
私は、このハロウィンというものが何だかよくわからないのですが、それはともかくとして、ニュースなどを見ていると、今は日本でもわりと大騒ぎとなるイベントになっているようです。
ほんの少し前までは、ハロウィンなんてのはマニアックな感じのするイベント・デイでしたが、今は普通のメモリアルのようです。
まあ、ずいぶんと以前から、「何とかハロウィンをクリスマスのようなイベントに定着させよう」とする心意気は、企業活動やスーパーやデパートなどでも見られていたので、「それが何となくうまくいった」という営業の勝利的な側面は大きそうです。
何しろ、報知新聞などによりますと、昨年のハロウィンの国内市場規模は「 1100億円」と、すでにバレンタインデー( 1080億円)を越える一大稼ぎ時にもなっているようです。
そして、このハロウィンの 10月31日と、その前後は大きな事件が続きました。
ロシア機の同国航空機事故史上最悪の事故と、デンマークでは、原子力発電所の原子炉が爆発しています。
さらに、コロンビアでは、「川が赤くなる」という出来事が起きています。
これらは、別にハロウィンと関係するものではないにしても、この重なり方は何となく感じるものがありましたので、記録として、ご紹介しておきたいと思います。
ロシア機事故については、日本語でも多く報道されていますので、ここではふれないですが、ロシア機の墜落は「空中分解」あるいは「空中爆発」の可能性が高いことが報じられています。
まずは、ベルギーの原発事故です。
ベルギーの現発事故
▲ 2015年11月01日の THE WATCHERS より。
これは詳細がいまだによくわからないのですが、
「原発が存在する地域としては、ヨーロッパで最も人口密度の高い場所にある原子力発電所で爆発が起きた」
ということが気になり、ご紹介しておきたいと思いました。
THE WATCHERS の記事よりご紹介します。
Explosion hits Doel Nuclear Power Station, Belgium
ベルギーのドエル原子力発電所が爆発に見舞われる
ベルギー北部にあるドエル原子力発電所は、現地時間 2015年10月31日に、原子炉内で火災を起こしたと報じられた。
この原子力発電所を運営するベルギーの電力会社エレクトラベル( Electrabel )の広報担当者は、この爆発はいかなる自然への脅威も引き起こしていないし、負傷者もいないとメディアに語ると共に、
「事件の正確な被害は依然として不明です」
と述べた。
また、この広報担当は、「稼働ライセンスの問題で、火災が発生した時点では原子炉は閉鎖されており、原子炉内に核燃料は存在していませんでした」とメディアに語った。
ドエル原子力発電所はベルギーの2つ原子力発電所のうちのひとつだ。この地域には、75キロの半径内に 900万人の人が住んでおり、ヨーロッパ内のすべての原子力発電所の中で最も人口密度の高いエリアに位置している。
ということで、この時点では、「特に被害はない」と会社側は述べているのですけれど、何とも状況がわかりませんので、とりあえず、こういう事故があったということを記しておきたいと思いました。原子炉が爆発するというのは、そんなにありふれた事故とはいえないですしね。
今、ヨーロッパはどこもいろいろと不安定な感じで、難民の問題も、日本ではあまり報じられなくなりましたが、事態は深刻化していく一方のように見えます。
下の写真は1週間ほど前に、クロアチアの国境からスロベニアへと「行進」するように列をなして歩く難民の人々ですが、このような、膨大な行列がヨーロッパのいたるところに出現しているということのようです。
クロアチア国境を越えて進む難民の人たち
・Daily Mail
上の写真が撮影された場所
そして、受け入れているヨーロッパでは、「独で難民襲撃や放火相次ぐ 集団リンチ、流入に反発か(日本経済新聞 2015/11/02)」というようなことにもなってきているようです。
難民の問題は難しすぎて、どちらの立場がどうだという考え方はできないですが、いずれにしましても、「ヨーロッパで憎しみの連鎖が広がっているかもしれない」という感じが拡大していると言えなくもないようです。
今年のハロウィンの日に起きた印象深い自然現象として、
・コロンビアで川が赤く染まる
・太陽に地球サイズの黒点がたくさん並んでいる
ことなどを少しご紹介して、今回は締めたいと思います。
ハロウィンの日に赤く染まったコロンビアの川
▲ 2015年10月31日のコロンビア COLOMBIANO より。
「川や湖が赤く染まる」現象については、そのようなことか報道された時に、ご紹介してきた経緯があります。
関連する過去記事だけでも、
・赤く染まるユーラシア大陸最大の川と、カリフォルニアの周囲 100キロに漂う「 9月11日の腐臭」
・赤い血と赤い月、そして大量の犠牲が続く中で読む「悪憎むでないぞ」と「善を生み出すのは悪」の意味を探して
など、他にも「赤」に関しての記事は多いです。
今回は南米コロンビアのメデジン川が「赤く染まった川」となりました。
原因は今のところはっきりしていないですが、当局は、企業が関与したとして捜査しているそうです。
企業が関与というのは、排水の問題とかそういうものなのですかね。
川や湖の水が赤く染まる場合、微生物やプランクトン、あるいは、その地域独特の水質の影響で赤くなる場合もありますが、多くは「結局、原因は不明」となりやすい傾向にあります。
ここまで、まあ、(おそらく)まったくそれぞれの関係を持たないであろういくつかの出来事を、「ハロウィンの日に起きた」という括りだけでご紹介しましたが、もうひとつ、ハロウィンの日に出現したこと。
それは、太陽黒点が下のようになっているのです。
10月31日までに出現した太陽黒点群
このような、地球サイズの黒点がこんなに並んで出現するのは、なかなか珍しいことではないですかね。
この巨大黒点群は、これから数日、地球の真っ正面を通過します。
ハロウィンの日に生まれたこの巨大黒点群は、何か地球に地磁気のことなどで影響を与えてきますでしょうかね。少し注目してみたいと思います。