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4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

人類の覚醒と真実 日本の未来

日本の未来が頭の中でフェイドアウトしたとしても、昔の日本のことは忘れない

投稿日:2017年4月6日 更新日:

噴火する桜島(鹿児島) 2017年4月4日

Erupción registra el Cráter Minamidake del Volcán Sakurajima




 

またも100年前の日本人に打たれ…

昨晩、眠る時に、ボーッとある本を読んでいましたら、そこに八木重吉さんという 100年くらい前に活躍した詩人の方の詩が引用されていました。

それは、冒頭が、

おんなには
こころはない

と始まるものでした。

「うーむ・・・これはこの八木重吉さんという人の妄言か何かだろうか」

と、先を読みますと、その全体は以下のような詩でした。実際には「お」は「を」と表記されていますが、ここでは「お」としています。

おんなには

おんなには
こころはない

ことに若いおんなにはない

かれらの肉たいは
そのまんまでこころである

だから男よりは神に近い

短い詩ですが、最後まで読んだ後に私はまたも「うーむ…」と唸るのでした。

「女には心はない」という出だしの詩の締めが「だから男よりは神に近い」という展開になるとは。

女性の神性を述べるものは多いかもしれないですが、4行くらいの散文でそこに行き着くというこの八木重吉という人は並の人ではなさそうです。

この人のことを知らなかったですので、八木重吉 - Wikipedia を見てみますと、若くして詩人になった方で、また、キリスト教の洗礼を受けたクリスチャンの詩人でもあったようです。

奧さんとラブラブだったみたいですので、上の「男よりは神に近い」としたのは、奧さんのことだったのかもしれないですが。

八木重吉(26歳)と妻とみ(19歳)と娘さん

・八木重吉文学アルバム

この八木重吉さんは、Wikipedia から抜粋しますと、

1925年、佐藤惣之助が主催する「詩之家」の同人となる。この頃から雑誌や新聞に詩を発表するようになったが、翌年には体調を崩し結核と診断される。

茅ヶ崎の南湖院で療養生活に入り、病臥のなかで第2詩集『貧しき信徒』を制作したものの、出版物を見ることなく、翌年、29歳で死去した。

5年ほどの短い詩作生活の間に書かれた詩篇は、2000を超える。

というように、29歳で亡くなったようですけれど、年月は関係ないですね。

生まれてきたことに意味のあることをする人は、その限られた物理的時間の中でちゃんとする。

瀧廉太郎は 23歳、梶井基次郎は 31歳、モーツァルトは 35歳で亡くなっていますけれど、それぞれ、私のようなものが 300年とか生きても何ひとつ到達できない人生を過ごしいます。「長生き」という概念が、場合によって、いかに意味のないもので、そして今の人々がその意味のないことにどれだけ取り憑かれているかということにも思い至ります。

これは、八木重吉さんの詩をまとめたものは『永遠の詩(08)』というものに収録されているようです。

たった数行の日本語で、「だから(女性は)男よりも神に近い」というような導きを出すことのできる才能を培った土壌となったのは 100年くらい前の「日本」の風土ですが、今はその日本の 100年後となりますが、その社会……。

それは、誰も彼もが「とにかく物理的に長く生きて、そして、物質(お金)が切れないようにいられればそれでいい。生まれてきたことの意味だとか、何をなすべきかとかはどうでもいい」という考え方が浸透する社会になっています。

女性には、神性よりも、より良い給料、より良い社会立場こそが大事な社会。

そして、女性も男性も関係なく、

「この世は単なる物質」

という概念を小さな頃から強制的に教えられ続けて大人になっていく日本人だらけとなっているわけで、そういう価値観で埋め尽くされている中では、八木重吉さんのような詩が受け入れられる土壌はないのかもしれません。Amazon を見ても、古本だけで、出版社から新刊では出ていないことも納得できます。

こういうものは、あとは消えていくだけなのでしょうけれど、完全に消える前に知って良かったッス(ここだけ体育会系みたいな語尾かよ)。

そんなわけで、「八木重吉さんから 100年後の日本をよく表している最近のニュース」を少しご紹介しておこうかなと思いました。

 

「日本が最低」という言葉が並ぶ最近のニュース

毎年 4月1日は「ウソを言ってもいい日」らしいエイドリアン・ブルーだとかそういう日らしいですが、今年のその日には、NHK をはじめ、報道各局が特大のジョークニュースを流していたことが思い出されます。

それは下のようなニュースで、報道各社から報じられました。

「社会に全体として満足」が過去最高 国の世論調査

NHK 2017/04/01

内閣府が行った「社会意識に関する世論調査」で、現在の社会に全体として「満足している」と答えた人は65.9%と、昨年度より3.9ポイント上がり、この調査を始めた平成20年度以降、最も高くなりました。

内閣府は、社会や国に対する国民の基本的な意識を把握するため、ことし1月から2月にかけて、全国の18歳以上の男女1万人を対象に世論調査を行い、59.9%に当たる、5993人から回答を得ました。

それによりますと、現在の社会に全体として「満足している」、または「やや満足している」と答えた人は65.9%と、昨年度より3.9ポイント上がり、この質問を設けた平成20年度以降、最も高くなりました。

よくわからないですが、これはジョーク・ニュースですよね?

そして、ここから「これはジョークだ」ということを実家できる3つのニュースを続けてご紹介します。

まず、ビジネス関係の2つの最近のニュースです。まあも企業などに関するものです、私自身は「起業家精神」とか「能力に対する自己評価」とか、そういうものが社会に大事だとは思っていない人ですので、そのこと自体はともかくとして、どちらの報道にも、

> 45か国中最低

> 13か国中最低

といように「日本が最低」という冠がついていることです。

こう、いろいろな項目に「最低」という言葉がついてるという・・・なんというのか、寂寥感とも違いますが、そういうことで気になったものでした。

ふたつ並べてご紹介します。

野心や向上心欠如…日本人の「起業家精神」45か国中最低

resemom.jp 2017/04/04

日本人は、45か国中で起業家精神がもっとも低いことが、日本アムウェイが4月4日に発表した調査結果より明らかになった。日本人は若いうちから起業への関心が低く、野心や向上心、自信、能力の理解が欠如しているという。

アムウェイ・グローバル起業家精神調査レポートは、アムウェイ本社が世界45か国の14~99歳の男女計5万861人を対象に対面と電話による調査を実施。調査期間は2016年4月~6月。「願望」「実行可能性」「安定性」に関する3つの因子から測定された起業家精神における度数を表す。

日本人は、起業家精神の度数を表す「願望」「実行可能性」「安定性」の3つの要因すべてにおいて、世界平均と比べて低い。特に起業の「実行可能性」は、世界平均が46%に対して、日本は13%と34ポイントも低い。

 

日本の若者、能力に対する自己評価が13か国中最低

newsclip.be 2017/03/16

将来の職業に必要なスキルを身に付けていると考えている日本の若者は3割、世界各国の若者の平均は7割で、13か国中もっとも低いことが、アデコグループの調査結果より明らかになった。

就職に関する意識調査は、アデコグループが拠点を置く世界各国の18~30歳の若者9,572人を対象に実施したインターネット調査。

調査対象国は、メキシコ、スペイン、オランダ、イタリア、ノルウェー、日本、ドイツ、英国、米国、スイス、オーストラリア、ベルギー、フランスなど。実施時期は2016年3月~7月。

将来の職業に必要なスキルを身に付けているか質問したところ、73.08%が「はい」と回答。一方、日本は31.54%と全体の平均73.08%の半分以下で、13か国中もっとも低い。日本の若者の自己評価の低さが明らかになった。

そして、次のは一般報道ですが、先ほどの「男より女性は神に近い」という概念を日本人の男性が口ずさんでいた頃から 100年後の・・・そして、それは、報道では「多くの日本人が満足している社会」はこういうものだと。

DV相談、6万9千件で最多 13年連続増、警察庁まとめ

共同通信 2017/04/06

昨年1年間に警察に寄せられたドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数は6万9908件(前年比10.7%増)だったことが6日、警察庁のまとめで分かった。DV防止法が施行された2001年以降最多で、13年連続の増加。

刑法・特別法による摘発も8291件(4.8%増)で最多。罪名別では暴行4409件、傷害2991件など。殺人も既遂が2件、未遂が100件あった。

 

これは関係ない話題ではありますけれど、数日前、欧米のメジャーメディアを中心に下の報道が流れました。

米国ニューズウィークの3月31日の報道

Newsweek

このニューズウィークの記事の内容は今回はふれないですが、「日本」というキーワードの流れで載せてみました。

この報道は、「こういうことがある」とか、「こういうことはない」とか、そういう「事実」が重要なのではなく、アメリカとヨーロッパの複数のメディアで「日本では3人に1人の外国人が差別を受けている」と大々的に報じられて、「報じられた国の人々はそう思うようになってしまった」と(実際、多くの英語のサイトやブログに転載されていました)。

 

このブログで、日本のことについて初めて書いたのは2年前でした。

その頃から、いろいろと知ったこともありますが、漠然と考えていた以上に、今の日本は危ういと思わざるを得なかったのです。

日本について書いた記事はたくさんありますが、日本の危機のようなことに関して、過去記事としてご参照いただきたいものとしては、

日本の未来 : 子どもに関しての、そして、高齢者に関しての統計データから受けた衝撃
 2015/01/28

車に滅ぼされた日本 : 認識されなくなった光景の中に広がる復活の目処のない果てしない廃墟に囲まれた国で
 2016/07/15

数百万の「無菌室」が導く崩壊 : 「微生物との共生を拒否した日本人」たちが創り出す未来の社会は
 2016/12/13

などがあります。

上の記事は、それぞれ「少子化」、「過剰な車社会」、「過剰な衛生&殺菌社会」についてのものですが、問題は、「どれも、おそらく改善される可能性がほとんどない」ことです。

日本の未来に関して、希望的な概念の記事も書いたこともあるのですが、最近は日に日にその気力が消えていっている実感があるほど、日本の惨状はパワフルです。

最近は、「悪魔の勝ち」という概念が頻繁に浮かびます。

それを受け入れなければならない時が来ているのかもしれません。

いくつかの希望的な概念の記事の中で、ひとつだけ挙げると、下の記事になります。100年くらい前までの日本がどうして素晴らしいものだったのかを冷静に考えると、下の一点に尽きます。

「革命」(3) - 革命的行動の最上位は「子どもたちへの無条件の愛」を獲得した社会に戻すこと
 2015/07/12

 

結局は、少しずつ「未来」という概念が見えにくくなっていく一方のような感じですが、しかし、状況がそうなればなるほど「今」を大切にしたいですね。

先ほどの八木重吉さんは 29年間の人生でしたが、詩を書いていた最後の5年間くらいの毎日の瞬間瞬間の「今」は物理的な時間に置き換えられない大きなものだったと思います。本人にとってだけではなく、それを読むことのできる私たちにとっても。

そして、私たち自身も、なかなか難しいことかもしれないですけれど、「物理的な時間に置き換えられないほどの今の瞬間」を少しでも多く体験することが大事なのかもしれません。

人間そのものはきわめて大きな「神性」を持っていて、本来なら、それに基づいた素晴らしい社会を築くこともできたわけですから。

この 5000年は単にそれに失敗しただけの話で、人間そのものは今でもその内部の真実は素晴らしいままです。
 

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