もう訳がわからない記事タイトルですが、どうしてこんなタイトルになっちゃったのかというのを順序立ててご説明しますと、まずは昨日スペースウェザーで下の写真を見たのです。これは「スプライト」といわれる高層大気での光学現象です。
2017年6月20日 チェコ共和国ニィエデク上空で撮影されたスプライト
「あーこれは」と何となく呟いたのですけれど、これは瞬間的にいくつかのものを思い出させてくれる感じの形状だったのですね。
まずは『未知との遭遇』のマザーシップ。これはもう、まさにそれっぽくて。
スティーヴン・スピルバーグ『未知との遭遇』(1977年)より
・Close Encounters of the Third Kind / 1977
ここまで『未知との遭遇』のマザーシップと似た自然現象を見たのは、これが初めてかもしれません。チェコの写真は、下の森みたいなのが、ちょうど未知との遭遇の山と似たフォーメーションを作り出しています。
ここから、いろいろと思いがめぐり、混乱していったという次第であります。
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エゼキエル書のごとき光景
冒頭の写真を見て、もうひとつ、すぐに思い出したのは、今年の2月の、
・20世紀のヴォイニッチ手稿? : 聖書に登場する「智天使ケルビム」のような存在たちが現れる謎の本の内容には「地球の中心が北緯33度」だったりする構図も描かれて
2017/02/12
という記事でご紹介しました『レンズ雲の形成』(発行年不明)というタイトルの、奇妙な本の中にあるイラストの中にある、今でいえば UFO というような形状のものなんでしょうけれど、その本の中には「雲の中にあるもの」として説明されている下の形状を思い出したのです。
謎の本『レンズ雲の形成』より
ちなみに、これは説明では「乗り物」で、この本に記載されている他の図としては下のようなものがあります。
この中には、例えば下のような人たちが乗っているというようなことが図説されているようです。
これについては、記事を書いた後で思ったんですけれど、おそらく、古い書などではなく、20世紀のどこかの時点で、旧約聖書『エゼキエル書』第1章の記述を、アングラ・アート風というのか「ガロ風」というのか、そういう感じで絵にしたものではないかなという気はします。
旧約聖書の『エゼキエル書』というのは第1章の最初からエキサイティングな描写で飛ばしに飛ばしまくるもので、たとえば下のようにあります。
エゼキエル書 / 01章04-06節
わたしが見ていると、北の方から激しい風が大いなる雲を巻き起こし、火を発し、周囲に光を放ちながら吹いてくるではないか。その中、つまりその火の中には、琥珀金の輝きのようなものがあった。
またその中には、四つの生き物の姿があった。その有様はこうであった。彼らは人間のようなものであった。
それぞれが四つの顔を持ち、四つの翼を持っていた。
こういうものが預言者のエゼキエルさんの前に現れまして、そして、少し先となる 1章15節あたりから「乗り物の構造の描写」が始まるのです。
エゼキエル書 / 01章15-19節
わたしが生き物を見ていると、四つの顔を持つ生き物の傍らの地に一つの車輪が見えた。
それらの車輪の有様と構造は、緑柱石のように輝いていて、四つとも同じような姿をしていた。その有様と構造は車輪の中にもう一つの車輪があるかのようであった。
それらが移動するとき、四つの方向のどちらにも進むことができ、移動するとき向きを変えることはなかった。
車輪の外枠は高く、恐ろしかった。車輪の外枠には、四つとも周囲一面に目がつけられていた。
生き物が移動するとき、傍らの車輪も進み、生き物が地上から引き上げられるとき、車輪も引き上げられた。
ちょっと複雑な描写ですが、整理しますと、
エゼキエル書に出てくる乗り物の特徴
・緑に輝く車輪が4つの顔の横にある
・その車輪はどの方向にも移動することができ、車輪の向きも変わらない
・高い外枠
・外枠には一面に「目」が取りつけられている
・生き物とともに車輪も進む
というようなものだったらしく、なかなか現実的には想像のつきにくいものではありますが、昔から現代の人まで、「これはどんなものだったのだろう」と絵に残したりしていたようです。
昔なら下のような絵とか。
エゼキエル書1章の古代の人による再現図
最近では、下のようなものだったんじゃないかと言い出す人たちもいるようです。
エゼキエル書1章の現代人による再現図
この現代人による再現図のほうは、
> 四つとも周囲一面に目がつけられていた。
が抜けていますね。
「周囲一面に目がついている」ってのは、どういうデザインかよくわからないですが、その雰囲気を想起しやすいものとして、つげ義春さんの漫画『ねじ式』の一場面をあげられるかもしれません。
つげ義春『ねじ式』(1968年)より

クラゲに刺されて病院を探すけれど、街には眼科ばかりが並んでいて困るという、まあ、誰でも経験する光景ではありますけれど(どこで暮らしてんだよ)、ともかく、「目がたくさんある」という光景は他に思い出せませんでした。
いずれにしましても、聖書では、いろいろなものが天からやってくるわけですけれど、冒頭のスプライトも含めまして、「見た目だけの啓示」というのなら、最近の荒れた天候の中で出現する信じがたい空の様子を見ていますと、私たちも日々ナンカを天から受けているという日常なのかもしれないです。
それにしても、旧約聖書が書かれた時代も今同様に、
「空、あるいは天候は荒れていた」
のかもしれません。
もちろん、いくら天候が荒れていたとしても、車輪の周囲に目がついた乗り物から顔の四つあるような生き物が降りてくる・・・というような現象はまた別の話ですけれど、「見た目(だけ)の黙示録」というのなら、最近の私たちは旧約聖書の中に生きているかのようでもあります。
マザーシップに覆われた現代の空
先ほど「悪天候」という言葉を使わせていただきましたけれど、最近の悪天候時に顕著な現象として、スーパーセル(超巨大積乱雲)というものがあります。
日本ではあまり見られないですが、他の国では最近その出現頻度が非常に多く、アメリカなどだけではなく、そういうタイプの悪天候とはあまり縁のなかったロシアでも、今はスーパーセルが頻発しています。
2017年6月21日 ロシア・サラトフの空
先ほどは未知との遭遇でしたけれど、こちらは、1996年のゴールデンラズベリー賞で最低脚本賞にノミネートされた珍作映画『インデペンデンス・デイ』のマザーシップの世界です。
インデペンデンス・デイより
この「インディペンデンス・デイ」のいいところは、当時、私は映画館でこれを見たのですが、わりとすぐに深い眠りに入ってしまい、「よく眠ることができた」という喜びを今でも思い出します。内容はまったく憶えていません。不眠気味の方などにお勧めしたいです。
ともかく、この「インディペンデンス・デイ雲」は、昨年から世界中で頻発していまして、
・映画『インディペンデンス・デイ』のワンシーンが現実となったかのようなコロンビアに出現した超巨大積乱雲
地球の記録 2016/07/07
という記事では、南米コロンビアのカルタヘナという場所に出現した、あまりにも壮大なインディペンデンス・デイ雲をご紹介したことがあります。
2017年6月30日 コロンビア・カルタヘナ
最近、「雲の形」について書くことがたまにありますけれど、以前の記録では見たことがないような形状のものがとても多くは感じます。
しかも何だか「マザーシップっぽいのが増えている」気がします。悪天候が多くなったせいだということが最も大きな原因ですが。
2017年6月14日 オーストリア・スロベニアの国境の上空にて撮影
2017年6月20日 フランス上空
先ほどリンクしました過去記事「聖書に登場する「智天使ケルビム」のような存在たちが…」の中には、その謎の本の1ページ目に書かれてあることを少し抜粋していますが、その中には、「これらの雲は空飛ぶ存在を隠蔽しているものではないか」というような、その人物の個人的な主張が書かれてあります。
まあ、私はそこまでロマンティストではないですが、雲が宇宙線が形成されている以上、その形が変化してきているということは「宇宙からの力が変化してきている」というようなことはあり得るのかなとは思います。
エゼキエル書は、旧約聖書中の「三大預言書」と言われているらしいですが……エゼキエル書……日本語では「エセ消える書」と読めなくもないわけで(読めないよ)、その語感から、今後「真実の時代」というようなものが少しでも垣間見えるといいなと思いつつ、最近はやや諦観も強い日々ではございます。