珍しい白い虹(スコットランド西部ラノッホ・ムーア 2016年11月)
・BBC
今回の記事は前回の続きですが、先日、ロシアの SNS で「今年 2016年で最も印象に残った自然災害は?」という、ロシア人向けのアンケートが行われていまして、その結果がやや興味深いものでしたので、最初にそれを載せておきたいと思います。
ロシアのSNSでのアンケート「印象に残った2016年の自然災害は?」
1位 投票率 46.6% イタリア中部地震(8月)
2位 投票率 15.7% ハリケーン「マタイ」(10月)
3位 投票率 9.4% ロシア・モスクワ地方の竜巻(7月)
4位 投票率 8.7% 日本の熊本地震(4月)
5位 投票率 6.1% インドネシア・スマトラでの地震(12月)
6位 投票率 4.9% エクアドルでの地震(4月)
7位 投票率 4.4% カナダの森林火災(5月)
8位 投票率 2.6% 西ヨーロッパでの洪水と土砂崩れ(5-6月)
9位 投票率 1.6% 米国テネシー州の森林火災(11月)
「その年、もっとも印象に残っている自然災害は何か」というのは、個人個人でまったくちがうものだとは思いますし、あるいは、住んでいる国や場所によっても、その印象は違うのは当然と思いますけれど、日本人とロシア人の「印象に残る災害の違い」というものを、数字で初めて知った気がします。
モスクワの竜巻などは、日本ではまったく報道されなかったものですが、ロシア人には印象深いものとなっているようです。ちなみに、これについては、
・ロシアのシベリアに記録的な悪天候。60年ぶりとなる竜巻が発生し、各地で大規模な洪水とシンクホール (地球の記録 2016/07/27)
という記事などでご紹介したことがあります。
さて、そんなわけで、前記事の、
・ 忘れられた In Deep 2016 年番外 100 大ニュース[前編] (2016/12/29)
の続きとして、2016年の本編でご紹介しきれなかった話題や報道をいくつかご紹介します。
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2016年にご紹介できなかった事象や現象(後編)
宇宙
・地球上空で「流星群ではない148個の火球」の爆発が1日で観測される(7月)
[報道]On Jul. 9, 2016, the network reported 148 fireballs (spaceweather.com 2016/07/09)
自然
・米国バージニア州のビーチで、奇怪な顔をした謎の種の魚が発見される
[報道]Creepy-Looking Fish Has Beachgoers in Virginia Beach Minding Their Toes (weather.com 2016/07/10)
[写真]
カナダのサスカチュワン州で、嵐の中、「空がピンク」に染まる(4月)
気候
・ペルーで異例の寒さにより非常事態宣言。50人近くの子どもが亡くなる(7月初旬)
[報道]Ya son 49 ninos muertos por heladas (larazon.pe 2016/07/13)
[概要] ペルーで6月から7月にかけて、異常な寒さが襲い、家畜などに大きな被害が出た他、子ども 49人が寒さのために亡くなったことが報じられました。
大量死
・チリの海岸に70頭のクジラが打ち上げられる
[報道]Sernapesca, PDI y Armada sobrevolaron nuevo varamiento masivo de ballenas en Aysen (sernapesca.cl 2016/07/20)
[概要] 2015年に、「337頭のクジラの大量死」という史上最大規模のクジラの死が報告されたチリで、またも、70頭のクジラが海岸に打ち上げられていることが判明しました。2015年のクジラの大量死に関しては、記事「史上最大のクジラの大量死が露見 : チリ南部のペナス湾で337頭の死亡したクジラが発見される (2015/11/22)」をご参照下されば幸いです。
気候
・ロシアで異常な熱波。場所により「 45℃」まで上昇
[報道]Heat waves in the South of Russia (earth-chronicles.com 2016/07/17)
[概要] 今年7月、ロシア南部とウクライナ東部では異常な猛暑が続き、7月17日には、その地域のほぼすべてで最高気温が 38℃を超え、45℃に達する場所もあったというロシアの報道でした。
病気
・ミャンマー北西部で、幼児たちのあいだに、呼吸困難を誘発する未知の病気が拡大。少なくとも 30人が死亡
[報道]Mysterious disease kills 30 children in Burma (asiancorrespondent.com 2016/08/04)
宇宙
・軌道が太陽系のすべての惑星に対して「逆行」している不可解な直径200キロメートルの天体が発見される。
[報道]There's a mysterious object doing a crazy loop around our solar system, but scientists have no idea what it is (businessinsider.com 2016/08/11)
[概要] たとえば、私たちの太陽系の星々は、ほとんどすべてが太陽を中心にして円状の軌道を回っていますが、一般的な軌道に対して 110度傾いていて、つまり垂直よりも傾いた軌道を移動しており、まるで軌道を逆回転しているように見える天体が発見されました。この惑星には、「ニク(Niku)」という名がつけられましたが、日本語の「肉」とは関係ないようです。
社会
・ロシアで蔓延する「偽造牛乳」
[報道]tass.ru (2016/08/20)
[概要] ロシア国内で、「偽造された牛乳」が大量に出回っていることが報じられていました。牛乳などというものを、どのように偽造するのかというと、
・澱粉
・チョーク
・石鹸
・石灰
・ホウ酸あるいは石膏
・植物油
・大豆タンパクなどを牛乳に加えて、水増しして作るのだそう。このような偽造牛乳の流通量は、ロシアの都市部でかなりの量になると見られているそうです。チョークや石鹸で薄められた牛乳って、味でわからないのですかね……。
動物
・「犬の精子」が減少していることが確認される
[報道]Dog sperm quality decline is blamed on pet food chemicals (newscientist.com 2016/08/09)
[概要] 犬の精子の量が、過去 30年間で急速に低下していることが英国の大学の研究で判明。
不思議
・アルゼンチンで、完全な円形であると共に、「規則正しく動いている湖」が発見される
[報道]Daily Mail (2016/08/31)
[概要] アルゼンチン北部の湿地帯で、直径 130メートルの湖が発見されましたが、この湖の中にある「島」が、規則正しく動いていることが確認され、その現象に注目が集まりました。このように規則正しく動く原因は不明です。
Google Earth での座標は 座標34°15'07.8'S 58°49'47.4"W となります。
男性・女性
・男性フェロモンは女性の老化を早めることが判明
[報道]Male pheromones get women to aging (earth-chronicles.com 2016/09/08)
[概要] 男性から発せられるフェロモンは、女性に対して早い思春期をもたらすが、一方で、女性の肉体の老化を早めていることが判明。ですので、女性が若さを保つには、あまり男性と関わらない方がいい……ということなのですか?
アメリカ
・ アメリカ国防総省はフェイク(偽物)のテロリストのビデオを制作するために5億4000万ドル(630億円)を支払っていた
[報道]Pentagon paid PR firm $540mn to make fake terrorist videos (RT 2016/10/02)
[概要] アメリカ国防総省(ペンタゴン)が、2006年から 2011年の間に「イラクでのニセのテロリスト動画」を作るための制作費として、PR 会社に、日本円で 600億円以上支払っていたことが明らかに。
なお、アメリカのイラク戦争は 2011年に作戦終了。サダム・フセイン大統領は 2006年に死刑執行されました。
地球
・地球の「海流の死」が始まっている可能性が米国ワシントン大学の科学者により提示される
[報道]Atlantic Ocean’s slowdown tied to changes in the Southern Hemisphere (ワシントン大学 2016/10/05)
[概要] ヨーロッパなどに温暖な気候をもたらしている海洋の循環が「減速」していることがワシントン大学の研究者たちから示され、地球環境の変化の可能性について論文で言及。
兵器
・ロシアが「世界中の他のいかなる武器とも類似しない」新しい物理的原理に基づく電子兵器を開発したことを発表
[報道]Russia created radio-electronic weapons that have no analogues in the world (earth-chronicles.com 2016/10/13)
[概要] 詳細は不明ながらも、「伝統的な武器とはまったく違う」戦闘用の兵器を、ロシアが開発に成功したことを発表。それによると、「新しい物理的原理に基づく電子兵器」とのこと。世界にはこれと似た武器は存在しないとのこと。なお、上の写真は、報道記事にあったものですが、おそらくイメージだと思います。
[写真]
大気までも凍りついたかのようなウクライナ・セヴァストポリの光景(12月)
氷河期
・イギリスは今後1000年続く寒冷期に入ったかもしれないと科学者たちが発表
[報道]Britain faces '1000 year ICE AGE' due to freak climate change (dailystar.co.uk 2016/10/18)
[概要] イギリスに暖かい気候をもたらしている海流が 2004年以来停滞しており、これが続いた場合、イギリスおよびヨーロッパ北部は、長い期間の寒冷期に入る可能性があるとストックホルム大学の科学者たちが発表。化石の研究では、以前の同じ時には 500年から 1000年、寒冷期が続いたとのこと。
宇宙
・アルゼンチンで重さ「 30トン」の史上最大級の隕石が発見される
[報道]vk.com (2016/09/13)
大量死
・タイ中部で巨大淡水エイが連続して大量死。原因は不明
[報道]newsclip (2016/10/12)
[概要] タイ中部サムットソンクラーム県のメークロン川で、全長4メートル以上に達する巨大な淡水エイ(ヒマンチュラ・チャオプラヤ)が、相次いで死亡しているのが発見される。結局 50匹近くが死亡して発見される。
自然
・頭が2つあるサメの報告が世界中で増加。原因は不明
[報道]National Geographic (natgeo.nikkeibp.co.jp 2016/11/08)
[概要] めったに見つかることのない双頭のサメが世界中で捕獲され始めていることが報告される。調べられている限りでは、頭の2つのサメの卵はいかなる感染症、化学物質、放射線にもさらされていなかったことが判明していて、双頭のサメの増加の理由はまったく不明。
宇宙
・ロシアで「 99%の微生物を殺す」素材が開発される
[報道]The Russian chemists have created the material killing with 99,9% of microbes (earth-chronicles.com 2016/11/10)
[概要] これに関してはタイトルの通りですが、科学用や特殊医療用として使われる分には問題ないものですが、こういうものが「一般に普及」した場合、過去記事の「百万の「無菌室」が導く崩壊 : 「微生物との共生を拒否した日本人」たちが創り出す未来の社会は」などで書きました「人間の免疫と耐性の崩壊」というものがさらに進みそうです。
宇宙
・「宇宙線を食べて生きている」宇宙の生物の存在の可能性が示唆される
[報道]Alien life could feed on cosmic rays (sciencemag.org 2016/10/07)
[概要] サイエンスに掲載されたこの記事は、ぜひご紹介したいと思っていたのですが、今年はできませんでした。おそらく、来年にはまた関連する報道が出ると思いますので、そういう機会にご紹介したいと思います。
[写真]
大量死
・フランスのパリ政府が「増え続けるネズミに宣戦布告」
[報道]Paris declares war on plague of rats (rfi.fr 2016/12/08)
[概要] 市民の人口 220万人のパリですが、推定で 440万匹以上のネズミがいるとされていて、それは今の増加中だそうです。そんな勢いで街に増え続けるネズミに対して市議会が「即時の目標に絞った行動計画」を策定。
不思議
・ヒトラーの書斎で、ナチスの公的研究機関「アーネンエルベ研究所」の腕章をつけた「謎の人間タイプの生物の頭蓋骨」が発見される
[報道]Daily Star (2016/12/05)
[概要]ヒトラーが最後の時間を過ごしていたとされる地下バンカーの書斎から、「人類種のような正体不明の頭蓋骨」が発見されたという話題です。 発見されたのは、今年1月のことらしいですが、最近公開されました。タイトルにあります「アーネンエルベ研究所」は、Wikipdedia から抜粋しますと、下のようになります。
アーネンエルベは、ナチス・ドイツの公的研究機関。アーリア人種の人種学や歴史学の研究を行うことを目的として、親衛隊の全国指導者であったハインリヒ・ヒムラーらによって1935年に設立された。先史時代や神話時代の「北欧人種」が世界を支配していたことを証明するための様々な研究活動を行っていた。
ということで、このような感じでしょうか。
締めはヒトラー関係の話題となってしまいましたが、「人種学を研究していた」ナチスの研究所から謎の頭蓋骨が発見されたというのは、おもしろい話ではあります。
いろいろとありました 2016年でしたが、次は 2017年です。
この 2017年は、少し前の記事、
・数秘術で終わり《9》を意味する2016年から、始まり《1》を意味する2017年への移行の中での激変を避けることはまず不可能
2016/12/12
から言えば、数秘術的に「1」の年ですが、そういう年が始まります。
前の「1」の年(2008年)には、リーマンショック、オバマ大統領が誕生、四川大地震などがありましたが、今の状勢を見れば、同じような衝撃がいつ起きても不思議ではない中にいるとは思います。
今回前回でご紹介したものも含めまして、今年 2016年で起きたことを思い出しながら、来年起きる様々な事象・現象と向きあっていきましょう。