拡大する若い女性たちの体調不良
スウェーデンの報道で、「調査で、女子高生の 4人に 1人が体調不良を訴えていることがわかった」という記事を読みました。
以下の報道です。
女子高生の4人に1人が体調不良
Var fjärde gymnasieflicka mår dåligt
nyadagbladet.se 2024/05/23
スウェーデンの新しい報告書によると、中学生と高校生の成績はますます悪化しており、女子高生の成績は最悪だという。
この調査は、ティム・バーグリング財団、スウェーデン学生組合、スウェーデン学生評議会を代表してノーバス社が実施した。そこでは、2005年から 2010年の間に生まれた中学生と高校生 545人が、昨年末と今年 1月の 2回の調査に参加した。
報告書によると、回答者の 15%が現在気分が悪いと述べている。同時に、学校でのストレスや高い成績への要求に苦しむ学生が増えており、それが不安やうつ病につながることもある。半数以上の 53%の生徒が、学校での成績要求が心理的健康にかなりまたは非常に悪影響を及ぼしていると述べている。
女子は男子よりも体調不良を強く感じており、女子高生の 24%が体調不良を報告している。また、59%は、成績によって進学や就労への扉が閉ざされてしまうのではないかと心配していると述べた。
頭痛、睡眠困難、悲しみ、パニック感などのストレス関連の訴えも女子生徒に多く、女子高生の 65%が、これらのストレスが成績に影響を与えていると感じている。
生徒の 3人に 2人は、一部の教師がストレスを軽減するのに役立っていると述べたが、4人に 1人は、教師はまったく助けてくれないと考えており、主に中学生の女子は、教師からのサポートが不足していると感じている傾向にある。
ここまでです。
体調不良というより、精神的なものも含む全般的な体調不良のようですけれど、この「原因」については、特に述べられているわけではないことと、以前との比較(たとえば、2021年以前との比較など)がないですので、原因については何ともいえないところですが、
「女性のほうが圧倒的に体調不良を訴える比率が多い」
ということから「 2021年からスイスで起きていたこと」も思い出したりします。
スイスでは、2021年を契機として「精神疾患が前例のない数で増加し」、それは、「若い女性が圧倒的な比率で影響を受けていた」というものでした。
これについては、「スイスの歴史で前例がない「うつ病と精神疾患の増加」の報道から思い出す…」という 2022年12月の記事にあります。
簡単な内訳として、以下のような数値が発表されていました。
2021年からスイスで起きていたこと
・女性の間で、精神疾患による入院の割合が昨年は前年比 26%増と大幅拡大。10~14歳では前年比 52%増に達した。
・特にうつ病を患う若年女性が急増。2020年には前年比 14%増だったのに対し、昨年は前年比 42%増へと伸びが加速した。
前年比で、52%増加とか、42%増加というような数値は、どのような疾患にしても決して見られることのない数値であり、一種の異常が起きているわけですが、このスイスの場合は、2021年を契機としているので、
「 2021年に起きた何らかの事象が関係している」
ともいえます。
それが何かを断定する気もないですし、推測したところで、病気が減るわけでもないですので、それはいいとして、今回のスウェーデンの若い女性の体調不良の報道を「皮肉だなあ」とも思いました。
というのも、2020年からのパンデミックで、「スウェーデンは主要国で唯一、ロックダウンもマスク着用義務も課さなかった国」だったからです。
パンデミックが始まったばかりの 2020年4月のこちらの記事に書いていますが、その時点でロックダウンを行わなかった国は、スウェーデンの他は、ベラルーシとカンボジアだけでした(アフリカには複数ありましたが、詳細な状況がわからないので割愛します)。
つまり、スウェーデンは、
・ロックダウンによる精神的ダメージがなかった
・この 4年間、誰もマスクなど着用しなかった
という大きな利点を持つ国だったのにも関わらず、若い人たちの身体、あるいはメンタルの状況が「過去最悪」となっている。
なお、この話は、スウェーデンがどうだこうだという話ではなく、スウェーデンの若者たちが陥っている体調不良やメンタルの苦境の状況に「共通の原因があるなら」、他の国、たとえば日本の若者たちに当てはまっても不思議ではないと思ったのです。
まあ…スウェーデンは、確かにロックダウンもマスク着用義務もなかったですけれど、「ワクチンの接種率は欧州の中でも比較的高かった」ということはあります。最初の 2回に関していえば、日本ほどではないにしても、70%を超える接種率が記録されています。
これが原因なのかどうかはともかく、仮に、若者たちの体調不良の多発に少しでもこういうことが関係しているのなら、「若者の体調不良が、ますます世界中に広がっている」ということもあり得ます。
日本はどうなのかわからないですが、「体調不良」というキーワードだけでも、最近は非常に多くの報道があります。
最近では、ニュージーランドで、「生徒も教師も体調不良が多すぎて、授業が成立しにくい」という異常事態について報じられていました(翻訳記事)。
若者という括りではないですが、英国では、長期の体調不良による「仕事からの離脱率」が、過去最高になっています。2022年から 2023年にかけて急増しています。
2015年〜2024年2月までの英国の病気による経済活動停止率
BDW
その英国では、今になって、つまり 2024年になってから「子どもの長期のコロナ後遺症(と診断された)症例」が劇的に増加しています。
英国の3~17歳における長期のコロナ後遺症の推移(2023年3月〜2024年3月)
BDW
この「コロナ後遺症」という診断は、やや茶番の面もあるかもしれないにしても、コロナの大流行からはかなりの月日が経過し、英国でのコロナワクチン接種からも 3年などの日が過ぎています。
それなのに、今となって最悪の体調不良の状況が拡大しているのです。
先ほどのスウェーデンでは「若者の3分の1がブレインフォグに陥っている」ということが、保険会社の調査でわかっています(翻訳記事)。
> 若者の 3人に 1人、すなわち 32% が、ブレインフォグになっていると感じていることが保険会社 If 社の調査で明らかになった。回答者の 5分の1 が、ブレインフォグによる疲労感を心配している。
スウェーデンのお隣であるフィンランドでも、2023年になって「自己免疫疾患が急増」していまして、自己免疫疾患となって体調が良好ということもないでしょうから、フィンランドでも体調不良の人々は増加していると見られます。
フィンランドの自己免疫疾患診断数の推移(2018年-2023年)
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そして、これらの影響が、どちらかというと「若い世代に比重が係っている」感じがあります。
以下は極端な例ですが、フィンランドの「年代別の超過死亡率」の推移です。
フィンランドの年代別超過死亡率の推移
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以下はイギリスの 2023年の年齢別の「コロナ死亡率」です。
2023年のイングランドとウェールズの年齢別のコロナ死亡率
BDW
ヨーロッパ全体でも、今年 2024年の 14歳以下の超過死亡率が過去最高を示し続けています。
いずれにしましても、若者の何分の1かが常に体調不良で、超過死亡や病気による死亡率が最も高い一群に子どもたちが含まれている…という状況をどう語ればいいのかというと、「不健康な社会」という範疇を超えて、「不健全な社会」だと、つくづく思います。
人間は…というか、私も若い時に体調不良が多かったのですが、普通は少々の体調不良でも、何とか社会生活を続けられるものです。そのこともあり、「潜在的な体調不良者」は、さらに多い可能性があります。
個別でいえば、たとえば若い時の私のような「弱い個体」は常にいます。
そのような弱い個体が常に体調不良であること自体はいつの世にもあることであり、問題ないのですが、若者の3分の1とか4分の1などが体調不良という社会には、もはや圧倒的な不健全さを感じます。
そして、それと同時に思うのは、「高齢者は強い」ということです。
マウスの実験で「死亡率 80% (鼻腔内接種)」だった脂質ナノ粒子を 6回も 7回も打ち込んでも多くの高齢者たちはピンピンしている。
「なんでそんなに強い?」
と思うこともありましたけれど、高齢者でも弱い個体の方はすでにこの世を去っているのかもしれないですが、強い個体の高齢者のほうは全然平気なのかもしれません。すごいことです。
しかし、若者のほうは影響を受けている。
今後数年のうちには、「圧倒的な不妊率の問題」も浮上してくると思われます。すでに、フィンランドでは、2023年の「男性不妊率」が、前年の 6倍に達しています。
2018年から2023年のフィンランドの男性の不妊症の率の推移
BDW
これについては、科学者の「精子生産は、modRNAワクチン中の DNA プラスミド汚染の影響を受ける可能性がある」という、やや難しい文章を翻訳したことがあります。
結局、この 3年間というのは、当初思われていたかもしれないような「高齢者の排除」が行われたのではなく、「若い人たちの全体的な機能不全化」が推し進められたということだったというような気がしています。
若いパワーが削がれた社会は重い社会であり、重い時代です。
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